ギター・エフェクターの種類と選び方
エフェクターは、ギターとアンプの間に繋いで、電気的に音を変化させる装置です。装置上面に取り付けられているスイッチを足で踏むことによってON/OFFを行い、自分の好きなタイミングで音色を切り替えることができます。
- ギターソロだけ音を大きくしたい
- AメロとBメロで音を変えたい
- 音をもっとカッコよくしたい
といった要求に応えてくれるのがエフェクターで(アンプで実現できる場合もありますが)、今日エレキギターのプレイには欠かせないアイテムとなっています。
このページでは、エフェクターを使うのに必要なものは何か、どんな音がするのか、どんな種類があるのか、はじめてのエフェクターは何が良いのか...といった疑問に答えていきます。
MENU
1: エフェクターの使い方 1.1: エフェクターの接続方法 1.2: 複数のエフェクターを繋げる場合 1.3: 色々なエフェクターのサウンドをチェックしてみよう! 2: エフェクターの種類 2.1: 歪み系 2.2: モジュレーション系 2.3: 空間系 2.4: フィルター系 2.5: ハーモニー/ピッチシフト系 2.6: その他 3: はじめてのエフェクター、何を揃えるといい? 3.1: コンパクトエフェクターで始めるなら? 4: エフェクター関連のコンテンツ
エフェクターの使い方
エフェクターを使ってみよう〜はじめてのエフェクター〜【ギター博士】
エフェクターの接続方法
エフェクターを1台使う時は、以下のアイテムが必要です。
- 好みのエフェクター
- ケーブルa:エフェクターのINPUTとエレキギターを繋ぐ
- ケーブルb:エフェクターのOUTPUTとアンプのINPUTを繋ぐ
- 9V電池、もしくはACアダプター:電池が使えないエフェクターもあります
ケーブルは2本必要です。
エフェクターの接続端子は、多くの場合INPUTが右側、OUTPUTが左側に設置されています。ボディ上部に設置されている場合もありますので、その時はIN/OUTの表記を確認してつなぎましょう。逆のつなぎ方(エフェクターのOUTPUTからエレキギターに繋ぐ、エフェクターのINPUTからアンプに繋ぐ)をすると音が出ないので、注意が必要です。
エフェクターを動作させるには電源が必要です。たいていは9V電池で動作しますが、モデルによっては電池駆動に対応していない場合もあるので、その場合は9Vアダプターを1つ用意しておくといいでしょう。
複数のエフェクターを繋げる場合
複数のエフェクターを繋げたい場合は、エフェクター同士を短いケーブルの「パッチケーブル」でつなぎます。またエフェクターはつなぎ方(並び順)によって音のかかり方が変化します。自由に繋いでも大丈夫ですが、基本的な接続順というものも存在します。複数のエフェクターを使う人は次のページをチェックしてみて下さい。
エフェクターのつなぎ方・接続の順番について - Supernice!エフェクター
色々なエフェクターのサウンドをチェックしてみよう!
これからエフェクターを使ってみたい!けど、エフェクターも色々な種類があるみたいで、それぞれどんな音が出るのかわからない...
というエフェクター初心者のために、当サイトに登場するギター博士がこれまで弾いてきたエフェクター動画を一挙紹介!それぞれのエフェクターの特徴がわかって、気に入ったサウンドを見つけたら、それぞれページへ移動してみて下さい。お気に入りのエフェクターが見つかるかも?!
- オーバードライブ
- ディストーション
- ファズ
- コーラス
- フランジャー
- フェイザー
- リヴァーブ
- ディレイ
- コンプレッサー
- ワウ
- オクターバー
- イコライザー
エフェクターの種類
エフェクターは効果毎に分けて
- 歪み系(音を歪ませるもの):オーバードライブ、ディストーション、ファズ、他
- モジュレーション系(音を揺らすもの):コーラス、フランジャー、フェイザー、他
- 空間系(残響音を加える):ディレイ、リバーブ、他
- フィルター系(周波数帯域を調節するもの):イコライザー、ワウ、オートワウ、他
- ピッチシフト系(音程を変化させるもの):オクターバー、ピッチシフター、ワーミー他
などと分離されますが、この他にも多くのエフェクターがあります。
歪み系
「ゆがみ」ではなく「ひずみ」と読みます。オーバードライブ・ディストーション・ファズと、歪みの程度によって分類されます。
-
オーバードライブ
やさしく暖かみのある歪んだ音がするエフェクター。
どんな音楽のジャンルでも使用できるのが特徴で、単に歪んだ音が欲しい時や、ブースターとしてギターソロ時に音を大きくする目的で使われます。 -
ディストーション
ハードロック・へヴィメタルでよく使われる、荒々しく硬い歪みを生み出すエフェクター。
トランジスタ型のアンプなど、アンプ自体にGAINのツマミがない場合にギターを歪ませたいときによく使用されます。 -
ファズ
濁りが混じった/潰れたような音など過激なサウンドが特徴の歪みで、ギターソロやトリッキーなプレイに使用されることがあるエフェクター。
音程が分かりにくくなるほど歪むものもあります。 -
ブースター
「音量」「歪み」「音域」をブーストさせ、バンドの中でもギター音が埋もれずに前に出すことができるエフェクターです。
モジュレーション系
-
コーラス
原音とほぼ同等にあたる音を人工的に作り、混ぜることで音の厚みを増し、心地よい揺らぎとさわやかなサウンドを生み出す
-
フランジャー
"うねり"を生み出すエフェクター。強くかけると激しく回転するようなサウンドとなります。
-
フェイザー
フランジャーを金属的な音の波のようにした音
-
トレモロ
周期的な音量の上下による揺れる効果。独特の残響感を演出してくれるエフェクターです。
-
ビブラート
周期的な音程の上下による揺れる効果。トレモロとは一味違った「揺らぎ」を発生させます。
空間系
-
リバーブ
カラオケのエコーのような効果。広いホールで音を出しているかのような残響感を得られます。
-
ディレイ
実際の音に少し遅れた音を混ぜることで、「やまびこ」のような効果を生み出すエフェクター。
-
ルーパー
サウンドを録音して再生させることができるエフェクター。ギターをオーバーダビングして一人でジャムセッションしたり、ギターオーケストレーションを楽しんだり、色々な使い方ができるエフェクターです。
フィルター系
-
イコライザー
特定の周波数帯をブーストしたり、カットしたりするエフェクター。サウンドの高域・中域・低域をそれぞれコントロールすることができます。
-
ワウ
周波数の大小をプレイヤーが実際にペダルを上げ下げすることで「ワウワウ」という音を出すエフェクター。
ブルース・ギタリストの間で使用されていたことが、ワウが広まったきっかけになりました。バッキング/ギターソロ両方で使うことがあります。 -
ノイズゲート
無駄なノイズをカットしてくれるエフェクター。BOSS Noise Suppressor NS-2は多くの世界的ギタリストが使用するなど話題になったエフェクターです。
ハーモニー/ピッチシフト系
-
オクターバー
原音に対し「1オクターブまたは2オクターブ下のサウンドを重ねて出力」するエフェクター。原音と重ねると倍音豊かで厚みのあるギターサウンドになります。
-
ピッチシフター
音程を変化させるエフェクター。入力した音に対して、3度上、5度下、8度(オクターブ)上といった音を重ねて出すことが可能です。トリッキーな効果を狙って使用される場合があります。オクターバーと似た効果が得られますが、こちらはスイッチonの状態で音ヤセするのが難点です。
-
ワーミー
ペダルの踏み具合によって音程を変化させるピッチシフター。PANTERA のギタリストの故ダイムバッグ・ダレルや rage against the machine のトム・モレロなどが使用、ギターだけでなくベース・シンセサイザーに使用するケースもあります。
その他
-
コンプレッサー
小さな音を持ち上げ、大きな音を抑えることで音のツブをそろえます。サスティンを得ることもできるペダル。レコーディングでは必需品のエフェクト。
-
ボリュームペダル
ペダルによって、音量を調整することができるエフェクター。
バイオリン奏法などギター・プレイのバリエーションにも使用できます。 -
ラインセレクター
ラインの出力を分け、1台のギターでアンプを2台使いたい時や、エフェクターをまとめてON/OFFしたい時などに活躍するアイテム
-
ペダルチューナー
作動に手を使わず大きく見やすい表示でチューニング。他のエフェクターと並べて足元に置いて置くとステージで頼りになります。
-
バッファーペダル
複数エフェクターを繋いだ時の音質劣化やノイズ混入の問題を解消、アンプまでの電気信号を安定させることができるアイテム
-
プログラマブル・スイッチャー
アンプチャンネルの切り替えや、各ループのON/OFFを任意に設定し、コンパクトエフェクターをマルチエフェクターのように使用することができるアイテム。
-
パワーサプライ
電池を使わずに、複数のエフェクターに電源を供給することができるアイテム
-
エフェクターボード
リハーサルやライブでエフェクターを並べるのに欠かせないアイテム
はじめてのエフェクター、何を揃えるといい?
色々なエフェクターを紹介していきましたが、これから色んなエフェクターを使ってみたいと思っている人にとって、全ての種類を揃えるのは難しいことだと思います。まずは音を歪ませるオーバードライブやディストーションを手にするのもいいかもしれませんが、当サイトがまずエフェクター初心者にオススメするのが「マルチエフェクター」です。マルチエフェクターには
- オーバードライブ、ディストーション、ファズなどの歪み系
- コーラスなどのモジュレーション系
- ディレイやリバーブなどの空間系
- コンプレッサー
- ...
と、様々な種類のエフェクトが全て1台に搭載しています。マルチエフェクターを用意することで、欲しいと思っていたエフェクトの種類以外にも色々な種類のエフェクトを一通り試すことができ、実際に使ってサウンドを理解することができるのは初心者にとって大きなメリットです。モデルによっては単体のエフェクターと同価格程度のリーズナブルなものも存在するので、はじめてのエフェクターにマルチエフェクターをチョイスしてみてはいかがでしょうか。
コンパクトエフェクターで始めるなら?
「最初はマルチ」というのも正解ですが、操作がシンプルなコンパクトエフェクターもオススメできます。コンパクトなエフェクターは「コイツはこんな音」というふうに見た目で音のキャラクターがわかりやすく、他のエフェクターと組み合わせていく「今後の拡張性や発展性」も楽しみの一つです。次のページでは、国産ブランド「BOSS」の中から、初めてのエフェクターにオススメなモデルを紹介しています。
定番のエフェクターブランドを知ろう
どんなブランドが定番で、どのブランドが安いのか、初心者にとっては重要です。次に紹介する「エフェクターの選び方:状況別のオススメ」ページでは様々な角度からエフェクターの選び方を紹介していますが、格安でエフェクターをリリースするブランド、多くのギタリストが使っている定番のエフェクターブランド、2点についてピックアップしました。
エフェクターをとにかく安く揃えたい!
《安心》定番ブランドのエフェクターが欲しい
おすすめのエフェクター人気ランキング
ベースにはベース用のエフェクターを
ギター用とベース用のエフェクターは基本的には同じ構造なので、ギター用のものをベースに使っても効果は得られます。しかしベース用に作られたエフェクターは低音域へのエフェクトの掛かり具合が強調されていたり、音の太さを失いにくく設計されているなど、ベースという楽器に特化しています。やはり最初のうちはベーシストはベース用のエフェクターを使うのが良いでしょう。
おすすめのベース用エフェクター - ベース博士
エフェクター関連のコンテンツ
製品レビュー
- BOSS OD-1X をギター博士が弾いてみた!
- 小型軽量でかつ音色に妥協のないマルチエフェクター:BOSS GT-1
- BOSSのギタープロセッサー「GT-1000」徹底レビュー!
- TC Electronic Flashback Mini Delay をギター博士が弾いてみた!
- TC Electronic Ditto Looper レビュー!
- 2014楽器フェア TC Group ジャパン・ブースでギター博士が弾いてみた!
- ワウ徹底比較:VOX / Jim Dunlop / Morley
- LINE6 AMPLIFi 75(ギターアンプ)/AMPLIFi FX100(マルチエフェクター)徹底紹介!
- TDC 007 CREAMY DRIVE をギター博士が弾いてみた!
ブランド紹介記事
- BOSSの歪みエフェクターの種類と特徴
- Ibanezのエフェクターって?特徴やおすすめモデル紹介
- Leqtiqueのエフェクターって?特徴やおすすめモデル紹介
- LINE6のエフェクターって?特徴やおすすめモデル紹介
- MXRのエフェクターって?特徴やおすすめモデル紹介
- One Controlのエフェクターって?特徴やおすすめモデル紹介
- Suhrのエフェクターって?特徴やおすすめモデル紹介
- TC Electronicのエフェクターって?特徴やおすすめモデル紹介
- Xoticのエフェクターって?特徴やおすすめモデル紹介
インタビュー
楽器業界のイノベーター:代表の林幸宏氏が語るFREE THE TONEエフェクターの世界
その他、関連する読み物
- エフェクター用語について、ちょっとマニアックな豆知識
- クリーントーンと歪みをスイッチングで切り替えてみよう
- エフェクターでのギターソロの音作り《ギター博士流》
- 歪みエフェクター探しの旅を終わらせる総まとめ – Supernice!エフェクター
- 2017〜2018年に登場した注目の歪みペダル – Supernice!エフェクター
- 2016年に注目を集めた歪みエフェクターまとめ – Supernice!エフェクター
- 2015年に登場した注目のエフェクター50選 – Supernice!エフェクター
- 2014年に登場した注目のエフェクター厳選32個!! - ギターニュース.com
- [最終更新日]2020/09/29 04:06