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Suhrのエフェクターって?特徴やおすすめモデル紹介

ギター・ビルダーJohn Suhr(ジョン・サー)氏によって立ち上げられたSuhrは、カスタムメイドのハイエンドギターを中心に制作しているブランドです。
Suhr氏はもともとアルバイトで生計を立てるギター青年でした。ピーター・フランプトンの音を聴いて、同じ機材を得ることを目標とした彼は、しっかりとした仕事を求め、「ルディーズ・ミュージック」というニューヨークの楽器店にリペアマンとして入社します。ルディーズにおいては「ペンザ・サー」というブランドで非常に高いクオリティのギターを誕生させ、これは世界的な一流ギタリストを含めた多くのギタリストに提供され、使用されました。

その後、真空管アンプの世界に興味を持ったSuhr氏は、ボブ・ブラッドショー氏に招かれ、CAE(Custom Audio Electronics)にてアンプの製作に着手。この時期に銘アンプ「OD-100」の設計にも携わりますが、このアンプのチャンネル2が後に「Riot Distortion」の音色に引き継がれているという話もあり、後々のエフェクター製作においてこの時期の経験が生きていることは容易に想像できます。CAEを去ったSuhr氏は、フェンダーと契約し、カスタムショップ製のギターを製作するビルダーとして活躍します。そこで名声を高めると、ついに独立して「Suhr Guitars」を設立。現在へと繋がるブランドの歴史が始まります。

このような経緯で、Suhrのブランドは1997年から始まりますが、長らくギター本体とアンプのブランドとして知られており、エフェクターの製作、発売はかなり後になってからのことです。2000年代の終わり頃、歪みエフェクターShiba Drive、Koko Boost、Riot Distortionが登場し、ラインナップに名を連ねます。これらの歪みエフェクターは、ブティック系エフェクターの流行とともに製品数が爆発的に増え始めた頃に、その波に乗るように登場しましたが、「かのSuhrのエフェクター」ということで、発売当初から注目されていました。そして、その名に恥じないクオリティによって、知る人ぞ知るハイエンドギターのメーカーという顔に加えて、誰もが知るエフェクターのブランドという、もう一つの側面を会得するに至るのです。

Suhrエフェクターの特徴

ハイエンドギターとアンプをベースとした開発を行うメーカーだけあって、アンプそのものを彷彿させる音色や、アンプとの相性の部分において考え抜かれて製作されています。たとえばRiotなどはアンプのハイゲインチャンネルの音色に最大限近づけるように設計されており、Shiba Driveはアンプをブーストするための理想的なサウンドを目指して作られています。ラインナップには空間系が少なく、基本的に歪み系をメインとしたものになっていますが、これも高品質なアンプの音を理想として、それをエフェクターに転化したようなつくりを目指しているためでしょう。

また、ほとんどすべてのエフェクターにFX LINK機能というものが装備されており、これによって、別のスイッチングシステムなどから個別にオンオフやチャンネルがコントロールできます。複数チャンネルを持つeclipseのようなペダルでこれを利用すると、エフェクターのチャンネル変更と空間系のオンオフをひとつのスイッチで制御でき、スイッチングシステムを利用するギタリストにとっては、非常に有用な機能となります。青年期にボブ・ブラッドショーのスイッチングシステムに憧れた、ジョン・サーのデザインならではの機能といえるかもしれません。

おすすめのSuhrエフェクター

Riot Reloaded

Suhr Riot Reloaded

Suhrの代表的なディストーション・ペダル。Riotは非常にアンプらしい要素を多く含んだペダルで、ピッキングダイナミクスやギターのボリュームに対する追従性の高さや、べたっとせず立体的なトーンが得られるところに特徴があります。Suhr製品のなかでもとりわけ幅広いゲインを持ち、クランチ~ディストーションまでのサウンドがカバーできる上、中域のせり出し具合の違う、3種の音を使い分けられるVoiceスイッチの恩恵もあり、セッティング、音作りの幅広さではSuhr製品中でも1、2を争います。このような使いやすく優れた特徴が幅広い層に受け入れられ、現在では正統派ディストーションの定番機となりました。Reloadedは通常のRiotからゲインがさらに3割増しとなり、ハードロック程度までの音楽に十分対応できるようになっています。ReloadedバージョンはShiba DriveやRufusなど、他のモデルにも存在しますが、完全なるバージョンアップという扱いではなく、通常仕様のものと併売されています。

Suhr Riot Reloaded – Supernice!エフェクター

Riot Mini

Suhr Riot MINI

Riotのミニバージョン。近年スタンダードになりつつある、細長いスタイルのものです。基本的に通常のRiotのサウンドをそのまま受け継いだ上で小型化されていますが、違う点としては、FX LINKがなく、Voiceスイッチによるサウンドが2種となっている部分。オリジナルのVoiceは3種なので、サウンドの幅は若干ながら狭くなっていることになります。とはいえ、オリジナルの持つ、奥行きのある歪みサウンドはそのままに、省スペースが図れるのは嬉しい仕様に変わりありません。値段もやや下がっていることから、オリジナルよりこちらを選びたい向きは多いでしょう。

Suhr Riot MINI – Supernice!エフェクター

Eclipse

Suhr Eclipse

オーバードライブとディストーションのデュアルチャンネルを持つ、大型の歪みペダル。チャンネルごとに別々のEQを持ち、完全に独立した仕様となっています。どちらのチャンネルも非常に幅広い音作りができ、ブルーチャンネルはほぼクリーンに近いクランチからハードオーバードライブまで、レッドチャンネルはハードロック程度まで十分対応できるハードディストーションまで対応できるため、一台でメタル系を除くほとんどの音楽がカバーできます。筐体の色のイメージそのままの明るめのサウンドはRiotに通じるものがあり、立体感のあるアンプ的なサウンドもSuhrならではの優秀なもの。中央にあるVoiceコントロールはこのモデル特有の肝となる部分で、EQのピーク部分を動かすような独特の動作をすることで、音のヌケ具合や明るさをコントロールできます。さまざまな個性の違うアンプや、響きのことなる様々な会場、スタジオで演奏する際に音作りの要として働くでしょう。

Suhr Eclipse – Supernice!エフェクター

Shiba Drive

Suhr Shiba Drive

なめらかで中域にピークのある良質なオーバードライブ。そのサウンドの質感からチューブスクリーマー系に分類されていますが、オリジナルのTSに比べても、ローノイズかつ滑らかさが目立ち、クオリティの高さを窺わせます。その特徴からブースト用途に使われることを想定しており、滑らかではあるものの、音は太く、低域がしっかりと伸びているところから、リードギターのブースト用に特に最適。個性はあまり感じられず、目立たない優等生的なサウンドですが、好きな人にはこれしかない存在感があります。Reloadedバージョンはさらにゲインアップが図られ、鋭さを増したサウンドになっており、通常版よりも個性が際立つ製品となっていますが、こちらもまた人気があります。

Suhr Shiba Drive – Supernice!エフェクター

Koko Boost Reloaded

Suhr Koko Boost Reloaded

全帯域をスムーズにブーストするクリーンブースト機能と、中域のみ持ち上げるミッドブーストを、1つのスイッチで使い分けることができる、ありそうでなかったブースター。クリーンブースト機能ではやや高域が鋭さを増し、クリーントーンやカッティング系のバックなどに特に最適。ミッドブーストは中央のFreqスイッチにより、ハイミッド、ミッド、ローミッドのどの部分にブーストを掛けるかを選ぶことができ、さらに、Mid Qコントロールでブーストの山の角度まで調整可能。クリーンブーストとミッドブーストはフットスイッチを1秒押し続けることで演奏中にも切替可能で、音量も別々に調整できるため、非常に幅広いシチュエーションで使うことができます。Reloadedバージョンは6dbゲインが増している他、通常版はデュアルスイッチ仕様で大きな筐体を採用しているところが最大の差。通常版の方はミッドブーストとクリーンブーストの切替を別スイッチで行えるため、筐体が大きい分操作性が高いので、どちらを検討するかは少し迷いどころです。

Suhr Koko Boost Reloaded – Supernice!エフェクター

KOJI Comp

Suhr Koji Comp

非常に幅広くサウンドが作れる高機能コンプレッサー。XoticのSP Compressorにも存在する、原音とエフェクト音を混ぜるMixコントロールが調整の要となっていますが、それ以上にこのモデルの個性としてVoiceスイッチの存在があります。このスイッチはコンプレッサーの掛かる帯域を設定できるという、ギター用コンプレッサーではほとんど類を見ないもので、それぞれハイミッド、全帯域、ハイミッド~トレブルの3種を選ぶことで、それぞれ強調したい帯域、ピッキングダイナミクスをどの辺りまで残すのか、あるいはどの帯域をもっとも伸ばすのか、など音色の特性を多様にコントロールできます。ダイナコンプのような、いかにも掛かっているといった効果から、より自然で隠し味的な使い方、あるいは高域のサステインだけを大胆に得るなど、使い方はアイデア次第で相当のものが考えられ、演奏者の意図を形にできる優秀なペダルです。

Suhr Koji Comp – Supernice!エフェクター

Rufus

Suhr Rufus

Suhrのラインナップ上、唯一となるファズペダル。「ロックの教会」とも呼ばれた、ニューヨークのフィルモア・イーストでの69年の演奏(69年12月31日にライブを行ったジミ・ヘンドリックスだと思われる)でのサウンドをモチーフとしたサウンドを目指しながら、90年代以降の派手なグランジのサウンドまでも視野に入れた、極めて幅の広いサウンドが特徴。なかでも2つのモードが使える点は大きな強みで、ノーマルモードではクラシカルなFuzzfaceに似た鋭角的なサウンド、ファットモードではBig Muff以降のファズを彷彿させる、音の太いリードサウンドから、壁のような轟音ファズまでが得られます。2つのモードはフットスイッチの長押しにより、曲中でも切替可能。Trebleスイッチにより、ハイブーストもでき、様々なサウンドを構築できます。モード切替の代わりにアッパー・オクターブ効果を追加した、バージョン違いのRufus Reloadedも展開されています。

Suhr Rufus – Supernice!エフェクター

Alexa

Suhr Alexa

数少ないSuhr製品のコーラス・エフェクター。基本的にはコーラスであり、音の揺らぎをコントロールするという点は通常のものと変わりありませんが、その揺れの部分を”波形”で選択できるものはこの製品ぐらいでしょう。アナログシンセのように、三角波、サイン波などの波形を選択することで、全く違うコーラスの効果をそれぞれに得ることが可能。選ぶ波形によってはヴィブラート、ロータリーのようなものもあり、一台でほとんどのモジュレーションがカバーできます。全コントロールを独立させた2チャンネル仕様で、全く違うコーラス、ヴィブラートの効果を別々にセッティングしておくことも可能。外部エクスプレッションペダルやスイッチによるタップテンポ入力にまで対応し、隙のない優れたモデルです。

Suhr Alexa – Supernice!エフェクター