イコライザー・エフェクターについて

[記事公開日]2022/7/11 [最終更新日]2023/10/1
[編集者]神崎聡

イコライザー・エフェクター

イコライザーは特定の周波数レベルを「ブースト」、あるいは「カット」して音作りをするエフェクターです。設定によって様々な使い方ができますが、基本的には「音質調整・補正」のために使われます。レコーディングでは、ギターだけでなくあらゆる楽器の音質補正に使われます。

身近なのがギターアンプに搭載されているイコライザーです。 BASS、MIDDLE、TRABLE といったツマミでギターの音作りをした経験があるかと思います。イコライザーはギタリストにとって「最も基本的なエフェクター」と言えるでしょう。

イコライザーの使い方

10バンドEQ MXR M108S 10 Band EQ

イコライザーは調整したい周波数のツマミを動かして使います。周波数は製品によって異なりますが、 100Hz から 6.4kHz までのツマミが搭載されている物が多いです。

また、各周波数には「役割」のようなものがあり、それぞれカット、ブーストすることで音質を調整していきます。周波数を大きく分けて3つに分類した場合、

  • 低音周波数:100Hz、200Hz(音の鳴りを調整する役割)
  • 中音周波数:400Hz 、800kZ(音の太さ、粘りを調整する役割)
  • 高音周波数:1.6kHz 、3.2kHz、6.4kHz(音全体のアタック感、音抜けを調整する役割)

となります。目的に合わせて必要な分だけ調整するのが望ましいです。過度なブーストあるいはカットは音質劣化の原因になるので注意しましょう。

ブースターとしても使える!

ちなみに、高音域である 3.2kHz 付近をブーストすると、音抜けの良いサウンドになるので、イコライザーを「ブースター・エフェクター」として使うこともできます。特定の周波数をカットすると「ハウリング対策」にもなり、多種多様な使い方ができるのもイコライザーの魅力です。

使用機材

  • メイド・イン・ジャパン・ストラトキャスターIbanez RGメイド・イン・ジャパン・テレキャスター

    エレキギター

    Fender MIJ Hybrid 60s Stratocaster / Ibanez Prestige RG2770QZA-WPB / Fender Japan Exclusive 60s Telecaster

  • MXR M108S 10 Band EQ

    エフェクター

    MXR M108S 10 Band EQ

  • Roland Blues CubeBOSS KATANAアンプ

    アンプ

    Roland Blues Cube Stage / BOSS KATANA 50

clear

六弦かなで「色んな使い方ができるエフェクターだね♪」

音作り

全ての演奏でエフェクターの使用は「MXR M108S 10 Band EQ」のみ。

0:06〜1:04 Roland Blues Cube Stage。
1:05〜2:03 BOSS KATANA 50。
2:04〜 Roland Blues Cube Stage。

イコライザーの種類

グラフィックイコライザー

ARION MEQ-1 EQUALIZER YAMAHA 2系統31バンド・グラフィックイコライザー「Q2031B」

グラフィックイコライザー(通称グライコ)は、各周波数を視覚的に捉えて操作できるイコライザーです。周波数毎に上下にスライドするツマミがあり、上に持ち上げるとブースト、下げるとカット、という具合です。左から右にかけて低域→高域という並びになっているので、使い続けるうちに各周波数帯域の役割を掴んでいくことができます。レコーディング機材のイコライザーの多くがグラフィックEQを採用しているので、まずはこのタイプの操作に慣れておくと良いでしょう。

パラメトリックイコライザー

Empress Effects ParaEQ Empress Effects ParaEQ

パラメトリックイコライザー(通称パライコ)は、グライコで固定されていた周波数の幅を調整できるようにした上級者向けのイコライザーです。一つのポイントで広範囲の周波数を調整できる他、通るフィルターが少ないので、音質劣化が少ないのが特徴です。グライコと比べて操作が難しいため、扱いには慣れが必要です。

定番イコライザー・ペダル

BOSS GE-7

BOSS GE-7
GE-7 は BOSS 製品の中でもトップクラスの売上を誇るベストセラーペダルで、コンパクトイコライザーの定番モデルです。 100Hz から 6.4kHz までの周波数をゲインコントロールすることができる他、独立したマスターレベルも搭載されています。

グラフィックイコライザーなので、操作に慣れていないギター初心者の方でも簡単に使いこなすことができます。音質調整だけなく、ブースターとして使っているギタリストも多い万能ペダルです。

BOSS GE-7 – Supernice!エフェクター

MXR 6 Band EQ / MXR 10 Band EQ

MXR Band EQシリーズ 左から:
MXR M109 6 Band Graphic EQ
MXR M109S 6-Band Graphic EQ
MXR M108 10 Band Graphic EQ
MXR M108S 10 Band Graphic EQ

BOSS GE-7 に肩を並べるイコライザー・ペダルの定番モデルが MXR「Band EQシリーズ」です。6バンドと10バンドのモデルが用意されており、それぞれ±18dBまでのゲインコントロールが可能です。ツマミのノブにLEDを採用し、スイッチをオンにすると各ノブが光るので、薄暗いステージ上でも難なく操作することができます。
10バンドのモデルでは周波数帯域を個別に調節できるほか、VOLUME、GAINツマミを搭載しているため、クリーンブースターとしてもゲインブースターとしても機能します。

「M108」「M109」はすでに生産完了。トゥルーバイパス化/ノイズリダクション回路を搭載したシルバーボディのモデル「MXR M109S」「MXR M108S」が、2017年に登場しています。エレキギターでのイコライジングのみを考えている人は6バンドの「M109S」を、ベースやアコースティックギターでの使用を考えている人は10バンドの「M108S」を選ぶと良いでしょう。

MXR M109 6 Band Graphic EQ
MXR M109S 6-Band Graphic EQ
MXR M108 10 Band Graphic EQ
MXR M108S 10 Band Graphic EQ – Supernice!エフェクター

格安イコライザー・ペダル

Effects Bakery Choco Cornet EQ

Choco Cornet EQ

低価格で高品質なエフェクターを数多くラインナップするEffects Bakeryからリリースされているグラフィック・イコライザーです。100、250、630、1.6k、4kの5バンドのコントロールに加え、ボリュームコントロールが「VOL」と「MASTER」の2つ装備されているのが嬉しいポイント。「VOLUME」ノブとイコライザーで音を作り込み、最終的な音量は「MASTER」で設定すれば、作り込んだトーンを大きく変えることなく音量を調節できます。各フェーダーの調整域は±18dBと広く、ブースターとしての使用にもおすすめの一台です。

Effects Bakery Choco Cornet EQ – Supernice!エフェクター

Effects Bakery Maritozzo Bass EQ

Maritozzo Bass EQ

コストパフォーマンスに優れたEffects Bakeryの、こちらはベース用グラフィックイコライザー。基本的なコントロールはギター用の「Choco Cornet EQ」と変わりませんが、もちろんスライダーの適用範囲は62.5、125、500、1K、4Kとベース向けのものになっています。2つのボリューム・コントロールはこちらにも装備されており、楽器の特性上、ON/OFF時の音量差が目立ってしまいやすいベースにとっても嬉しい仕様です。

Effects Bakery Maritozzo Bass EQ – Supernice!エフェクター

ハイエンド・イコライザー・ペダル

BOSS EQ-200 GRAPHIC EQUALIZER

EQ-200 GRAPHIC EQUALIZER

高い音質と処理能力、そしてコンパクトさが売りのBOSSの200シリーズにラインナップされているギター/ベース用イコライザーです。30〜12.8kHzまでの計10バンドをコントロール可能で、10バンドの中心周波数を3タイプから選択できるという、パラメトリック・イコライザー的な側面も持ち合わせています。入出力も豊富で、外部エフェクトをインサート接続して前/後段で個別にイコライジングを行うなど、このサイズでは想像できないほどの機能が詰め込まれています。ディスプレイにより視覚的にイコライザーの状態を確認しやすく、基本的な操作も直感的で使いやすいため、初めてイコライザーを使用するプレイヤーでも馴染みやすいでしょう。

BOSS EQ-200 GRAPHIC EQUALIZER – Supernice!エフェクター

JHS Pedals Colour Box

JHS Pedals Colour Box

たかがイコライザーと侮ることなかれ。JHS Pedalsの「Colour Box」はただ単に帯域を調節する役割を持つだけのペダルではありません。Colour Boxは「Neve」と呼ばれるミキシングコンソールの回路を通した音を再現したプリアンプ的なペダルとなっており、Colour Boxに繋ぐだけで往年の偉大のロックバンドの傑作レコードと同じ音になると言われるエフェクターです。Neveの良さやプリアンプの重要さがわからないと効果が実感できないため、玄人好みのペダルと言えます。

JHS Pedals Colour Box – Supernice!エフェクター

Free The Tone「PROGRAMMABLE ANALOG 10 BAND EQ」シリーズ

JHS Pedals Colour Box

プロ向けの音響機器やエフェクターの開発で知られる国産ブランド「FREE THE TONE」の10バンドイコライザー。好みのセッティングのプリセット保存が可能、パラメーターコントロール部分はデジタル回路/イコライザー回路は全てアナログ回路で構成となっており、単体のEQペダルとしては最高峰のクオリティを実現しています。
ラインナップはギター用に「PA-1QG」、ベース用に「PA-1QB」、アコースティックギター用に「PA-1QA」という3機種を用意。いずれもステージパフォーマンスを強力にサポートするプロユースのモデルです。

Free The Tone PROGRAMMABLE ANALOG 10 BAND EQ – Supernice!エフェクター

イコライザーの接続順

イコライザーは基本的にどの位置に繋いでも良いですが、「歪み系ペダルの前後」によって出音が変わります。オーバードライブなどの前段に繋ぐと、「ギターサウンドそのもの」の周波数を調整することになり、後段に繋ぐと「歪んだサウンド」を調整することになります。イコライザーの接続順に正解は無いので、色々と試してみることをオススメします。

イコライザー・エフェクター一覧 – Supernice!エフェクター

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