パワーサプライ(電源供給)の選び方とおすすめモデル

[記事公開日]2024/5/13 [最終更新日]2024/5/22
[ライター]小林健悟 [編集者]神崎聡

パワーサプライ

エフェクターボードを組もうと考えていますか?パワーサプライは、初心者にとって見過ごされがちなアイテムですが、その重要性は計り知れません。エフェクターボードの心臓部とも言えるパワーサプライは、サウンドを安定させ、ノイズを防ぎ、複数のエフェクターをスムーズに稼働させるために欠かせない存在です。
本記事では、パワーサプライの基本的な役割から選び方のポイント、初心者におすすめのモデルまでを詳しく解説します。


  1. パワーサプライとは?
  2. パワーサプライの選び方
  3. おすすめのパワーサプライ

パワーサプライとは?

パワーサプライは、複数のエフェクターにパワー(電源)をサプライ(供給)する「電源供給装置」です。何種類ものペダルを使用するギタリストには必須のアイテムで、各メーカーから様々なモデルが販売されています。

パワーサプライは、

  • 1つのレギュレーター(電源供給回路)を使って複数の端子から電源を供給する「通常型」
  • アダプターから供給された電源を分岐させて使う「分岐型」
  • 1つの端子に1つのレギュレーターが搭載されている「独立型(アイソレート)」

といった3種類に分けられます。それぞれ特徴がありますが、通常型はパワーサプライの定番モデルに多く、分岐型はBEHRINGER などの格安メーカーがよく扱っており、独立型はハイエンドモデルに多いです。

パワーサプライの選び方

各社から様々なパワーサプライがリリースされていますが、自分のエフェクターボードにあったモデルを選ぶポイントを紹介します。

電流容量を確認する

パワーサプライには「電流容量」という、「A(アンペア)」や「mA(ミリアンペア)」で表記される数値があります。例えば、電流容量が400mAだった場合、接続するエフェクターの消費電流が合計で400mAを超えてしまうと、パワーサプライは安定した電源供給をすることができなくなります。消費電流は各ペダルによって異なりますが、基本的にアナログペダルは消費電流が少なく、デジタルペダルは消費電流が多くなっています。

例えば、BOSSの定番ディストーションである「DS-1」はアナログペダルで消費電流が「4mA」ですが、最新モデルの「DS-1X」デジタルペダルで消費電流は「45mA」となっており、単純計算で消費電流に10倍以上の差があることがわかります。

このように、自分が使いたいペダルの消費電流に合わせて、パワーサプライを選ぶ必要があります。
注意したいのは、パワーサプライの電流容量ギリギリまで接続すると、結果的に動作が不安定となってしまうことです。安定した電源供給のためにも、使用するペダルの合計消費電流が「電流容量の 3/4」に収まるようにしましょう。

ノイズを減らすには「独立型」がオススメ!

通常型と独立型のパワーサプライは、アナログペダルとデジタルペダルを同時に使用すると、「デジタルノイズ」が発生します。これはデジタル回路特有の「変動電圧」が起因となっており、デジタルペダルを別のアダプターで使用するか、「独立型のパワーサプライを使用する」ことにより解決します。
アダプターで電源供給する方法は、別のコンセント穴が必要になるので、場所によっては使い勝手が悪いかもしれません。なので、ここでは独立型のパワーサプライを使用することをオススメします。

独立型パワーサプライは上述にもあるように、1つの端子に対して1つのレギュレーターが搭載されているため、「電流が混在しない」という特徴を持っています。そのため、アナログペダルとデジタルペダルを同時に使用してもデジタルノイズが発生することはありません。別のコンセント穴も必要無いため、使い勝手も良いです。
また、独立型はノイズフィルターやアルミ削り出しボディの採用など、ノイズ対策を徹底しているモデルが多いので、ノイズを限りなく減らしたい方は独立型のパワーサプライを検討してみましょう。

9V と 18V の違い

エフェクターには、「9V駆動」と「18V駆動」の物があります。一般的なエフェクターは9V駆動ですが、ペダルによっては18V駆動に対応しており、9V駆動よりもダイナミクスレンジが大きく、音圧のあるサウンドになります。

センターマイナス、センタープラスについて

エフェクターの電源には「センター・マイナス」と「センター・プラス」といった2種類の「極性」があります。大半のエフェクターがセンター・マイナスで動作しますが、ヴィンテージ・エフェクターなどにはセンター・プラスで動作する物もあります。

センター・プラスで動作するエフェクターは、「極性反転ケーブル」という変換ケーブルを用いれば、一般なセンター・マイナスの電源アダプターで動かすことが可能です。仮にセンター・マイナスの電源を直接使っても壊れることはありませんが、エフェクター自体は動きません。

おすすめのパワーサプライ

画像 製品名 発売時期 アイソレート アウトプット 総電流容量 対応電圧 寸法 特徴
KIKUTANI
KP-10
2018年 x 10系統 1000mA 9V, 12V 152 x 51 x 35 mm 圧倒的リーズナブルな価格
K.E.S
KIP-001
2021年 5系統 2000mA 9V, 12V, 18V 80 x 80 x 25 mm 無負荷時電圧が9.4V以上になるよう設計
Vital Audio
POWER CARRIER VA-05 MkII
2023年 5系統 2000mA 9V, 12V, 18V 111.5 x 60 x 21.3 mm 非常にコンパクトな筐体
VOCU
Baby Power Plant Type-C
2017年 12系統 2000mA 9V, 12V, 18V 98 x 41 x 34 mm コンパクトなボディに12系統の9V端子を搭載
Custom Audio Japan
DC/DC Station II
2021年 8系統 2000mA 9V, 12V 197 x 34.2 x 27 mm 小型軽量化を実現ながら8系統の供給が可能
Vital Audio
POWER CARRIER VA-08 MkII
2017年 8系統 2000mA 9V, 12V, 18V 140 x 70 x 30 mm 安定した動作、コストパフォーマンスに優れたモデル
VOODOO LAB
PEDAL POWER 2 PLUS
2003年 8系統 1100mA 9V, 12V 152 x 86 x 44 mm 8系統に供給できるプロユースモデル
Free The Tone PT-3D 2013年 8系統 9V 120 × 55 × 35 mm ローノイズを実現した理想的なハイエンドモデル
Voodoo Lab
Pedal Power X8
2020年 8系統 1000mA 9V, 12V 86 x 70 x 25 mm デジタル系ペダルにも対応したプロ・ユース・モデル
VITAL AUDIO
POWER BASE VA-15 AC
2024年 11系統 9V, 12V, 18V 250 × 68 × 45 mm 最大11個のペダルに供給可能、これ1台で電源周りのすべてを解決

KIKUTANI KP-10

キクタニ KP-10

楽器・関連アクセサリーの製造・販売で知られるキクタニの「KP-10」。計10個のアウトプットを持ち、ショートサーキットプロテクション機能のみという必要最小限のスペックに止めることで、圧倒的リーズナブルな価格を実現したパワーサプライです。

  • 9V/100mA:7系統
  • 9V/500mA:1系統
  • 12V/100mA:1系統
  • 18V/100mA:1系統

と、最大10個のエフェクターに電源供給が可能。大電流のデジタル・エフェクター1個なら接続できる構成になっています。予算を抑えたいという人におすすめできるモデルです。

発売時期 2018年
総電流量 1000mA
アイソレート x
アウトプット 10系統
対応電圧 9V, 12V
寸法 152 x 51 x 35mm
付属品 DCケーブル x10、ACアダプター
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K.E.S KIP-001

KIP-001

専用設計のカスタム・トランスを装備したフル・アイソレート・タイプのパワーサプライ。無負荷時電圧が9.4V以上になるよう設計されており、歪みエフェクターを使用する際にサウンドの明るさと太さを増す効果が期待できます。
9V 500mA ×4、9/12/18V 500mA ×1、合計5つのポートを装備。比較対象となる「VA-05 MkII」と比べて、縦幅と奥行きはやや大きいものの横幅が小さく、エフェクターボードへの組み込みはやりやすいでしょう。さらにコストパフォーマンスが追求されているので「VA-05 MkII」とあわせて検討すると良いでしょう。

発売時期 2021年
総電流量 2000mA
アイソレート
アウトプット 5系統
対応電圧 9V, 12V, 18V
寸法 80 x 80 x 25mm
付属品 専用アダプター、GOLD PLATED DC ケーブル ( 約60cmX2 約30cmX3)
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Vital Audio POWER CARRIER VA-05 MkII

VA-05 MkII

コスト・パフォーマンスに優れたフル・アイソレートのパワー・サプライを取り揃えるVital Audioの定番製品、VA-05 ADJにさらなる改良を加えたアップデート・モデルです。ポートの数や各ポートの電流量など基本的なスペックについては変わりませんが、ポートごとにトランスフォーマーが追加されたことで、ポート間のアイソレーションがより強化されています。また保護回路の見直しを行ったことでオーバーロードや発熱が起きたときの保護機能が向上している、という点も嬉しいポイントです。使いやすい各部の仕様はそのままに、より信頼性が高いモデルとして生まれ変わっています。

9V 300mA ×3, 9V(500mA)/12V(375mA)/18V(250mA) ×2、合計5つのポートを装備。デジタル・エフェクターにも余裕を持って対応可能です。コンパクトでエフェクターボードに組み込みやすく、使用するペダルが5台以内で、エフェクターボード内の場所が確保しにくいという人はこちらが強烈におすすめです。

発売時期 2023年
総電流量 2000mA
アイソレート
アウトプット 5系統
対応電圧 9V, 12V, 18V
寸法 111.5 x 60 x 21.3 mm
付属品 DCケーブル (60cm S/L) × 5本、12V ACアダプター
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VOCU Baby Power Plant Type-C

VOCU Baby Power Plant Type-C

Baby Power Plant Type-Cは、コンパクトなボディに、「2つのパワーサーキットを搭載」したパワーサプライです。6つの9V端子を装備しているパワーサーキットが丸ごと2つ入っているので、計12個の9V端子が使用できるということになります。また、VOCU は様々なオプションを用意しており、「デジタル専用端子2個、アナログ専用端子が10個」といったカスタムオーダーも可能です。

発売時期 2017年
総電流量 2000mA
アイソレート
アウトプット 12系統
対応電圧 9V, 12V, 18V
寸法 98 x 41 x 34 mm
付属品 電源アダプター×2
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Custom Audio Japan DC/DC Station II

Custom Audio Japan DC/DC Station II

パワーサプライの代名詞となっているCustom Audio Japanによる、フルアイソレート・タイプのパワーサプライ。スイッチング式アダプターの採用により小型軽量化を実現したモデルです。150mA ×6、500mA ×2、合計8つのポートを装備。付属のCurrent DoublerCable、Voltage DoublerCableを使用することで、倍の出力数を稼いだり、9V出力2つをまとめて18V出力にすることもできます。

発売時期 2021年
総電流量 2000mA
アイソレート
アウトプット 8系統
対応電圧 9V, 12V
寸法 197 x 34.2 x 27 mm
付属品 DC12V電源アダプター x1, CAJ DC Cable 2.1 x8, Current DoublerCable x1, Voltage DoublerCable x1, リバースケーブル x1
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Vital Audio POWER CARRIER「VA-08 MkII」

VA-08 MkII

輸入代理店Hook Upが扱うオリジナルブランド、Vital Audioのパワーサプライ。

9V(〜500mA):6系統
9V/12V/18V可変(〜800mA):2系統

を装備、総電流容量は2000mAなので高機能なエフェクターの接続もOK。全てのポートを独立させた「フルアイソレート」仕様となっており、非常に安定した動作が保証されます。独立型の高機能なパワーサプライですが、価格は1万円強とリーズナブルです。

発売時期 2017年
総電流量 2000mA
アイソレート
アウトプット 8系統
対応電圧 9V, 12V, 18V
寸法 140 x 70 x 30 mm
付属品 アダプター、DCケーブルx8本、電圧昇圧用Yケーブル、電流分配用Yケーブル
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VOODOO LAB PEDAL POWER 2 PLUS

VOO DOO LAB PEDAL POWER 2 PLUS

最も有名な独立型パワーサプライといえば PEDAL POWER 2 PLUS です。電源に強い拘りを持っているプロギタリストが愛用する、プロユースモデルです。独立型なので、デジタルペダルとアナログペダルを混在させてもノイズが発生しません。このパワーサプライはそれぞれ独立した8つの端子を使うことができ、最大100mAの可変式端子(9V か12.3V)が計6つ、最大250mAの可変式端子( 9V か 12V) が計2つ搭載されています。使いたいエフェクターに合わせて使用する端子を変えれば、より効率的に電源を供給することができるでしょう。

発売時期 2003年
総電流量 1100mA
アイソレート
アウトプット 8系統
対応電圧 9V, 12V
寸法 152 x 86 x 44 mm
付属品 パワーケーブル、DCケーブル(8本)
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Free The Tone PT-3D

Free The Tone PT-3D DC POWER SUPPLY

「PT-3D」は、Free The Tone の高品質なパワーサプライ「PTシリーズ」の中でも、大電源(500mA)エフェクターにも対応できるように DC9Vx6個 の他に 500mA出力x2個 搭載、デジタル・エフェクトを導入するようなペダルボードにも対応できるよう考慮されています。コンパクトながら完全独立アイソレーテッドの出力端子により安定した電源供給を可能に、そしてローノイズを実現した理想的なハイエンドモデルで、安定した電源供給を考えている人におすすめです。

発売時期 2013年
総電流量 mA
アイソレート
アウトプット 8系統
対応電圧 9V
寸法 120 × 55 × 35 mm
付属品 DCケーブル 30cm L/L×4、50cm L/L×4、専用ACアダプター
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Voodoo Lab Pedal Power X8

Pedal Power X8

プロからも厚い信頼を寄せられているVoodoo Labの高機能パワー・サプライです。同じく8ポートのパワー・サプライである同社のPEDAL POWER 2 PLUSのポートは100mA × 6、250mA × 2という構成で、アナログ・エフェクターを中心にボードを組む場合には問題ないものの、デジタル系のペダルを使用するには少々心許ないスペックでした。本機では近年のエフェクター・ボードの大型化/デジタル化を受け、最大500mAの電源を供給する高出力のポートを8つ搭載しています。もちろん各ポートはしっかりとアイソレートされており、デジタル/アナログ・エフェクターを同時に使用した際のノイズも気になりません。

発売時期 2020年
総電流量 1000mA
アイソレート
アウトプット 8系統
対応電圧 9V, 12V
寸法 86 x 70 x 25 mm
付属品 アダプター、2.1mmセンターマイナス DCケーブルセット(8本)、3M デュアルロックファスナー
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VITAL AUDIO POWER BASE VA-15 AC

VITAL AUDIO POWER BASE VA-15

ラインナップを拡張し続けるVITAL AUDIO。本機はベストセラーモデル「VA-08 MkII」をベースに、11個のDC端子と4つのACアウトレットを搭載した、ブランド史上最もパワフルなパワーサプライです。フルアイソレートされたDCパワーサプライ部には電源ON/OFFスイッチを装備、DC端子を使用しない時のACアウトレットへの影響を最小限に抑えます。11のDC端子は最大300mAが4ポート、最大500mAが5ポート、9V/12V/18V可変出力を2ポートと充実。デジタル・エフェクター、プリアンプを繋いだ上でアナログ・エフェクターを余裕を持って活用できます。ペダルボードに1台あれば、電源に困ると言うことはほぼなくなるでしょう。

発売時期 2024年
総電流量
アイソレート
アウトプット 11系統
対応電圧 9V, 12V, 18V
寸法 250 × 68 × 45 mm
付属品 1.2m ACケーブル(2Pオス-3Pメス) x1、60cm DCケーブル(φ2.1mm S-L) x11
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パワーサプライは、エフェクターボードの縁の下の力持ちです。その安定した電力供給が、あなたのサウンドを支えます。エフェクター選びと同様に、パワーサプライ選びも慎重に行いましょう。あなたの音楽がさらに輝きを増すための重要なステップです。

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