推しのギター、教えてください!サウンドメッセ2025取材レポート

[記事公開日]2025/5/18 [最終更新日]2025/5/26
[ライター]ぎたじょのR. [編集者]神崎聡

サウンドメッセ2025取材レポート

「あなたの“推しギター”、教えてください!」

2025年春、大阪で開催された関西最大級の楽器イベント【サウンドメッセ in OSAKA 2025】に編集部メンバーで潜入取材してきました!

今回は「あなたの推しの1本を教えてください!」というテーマで、各ブランドの方々におすすめモデルを聞いてきました。

試奏したり、開発秘話をうかがったりと、短い時間ながらも熱のこもった“推し”が続々登場。

さらに、「どんな人におすすめか?」もあわせて聞いているので、自分に合った1本がきっと見つかるはず。

会場の熱気そのままに、注目モデルをご紹介します!

ぎたじょのR.

ライター
ぎたじょのR.

音楽ライター。女性ギタリストならではの悩みを中心に、音楽で役立つ情報の発信をしています。ニール・ショーンとの共演を目指して日々奮闘中。

エレキギター博士

ガイド
エレキギター博士
コンテンツ制作チーム

webサイト「エレキギター博士」を2006年より運営。現役のミュージシャンやバンドマンを中心に、自社検証と専門家の声を取り入れながら、プレイヤーのための情報提供を念頭に日々コンテンツを制作中。

Sugi Guitars

Sugi Guitars

“1本でカッティングもソロも!フロントマン仕様”「Rainmaker Guitar」

代表・杉本氏が自ら設計したこのモデルは、「ギターボーカルやフロントマンが1本で全部こなせる」をコンセプトにした意欲作。

Sugi Rainmaker Guitar

形状はストラトでもテレキャスでもなく、完全オリジナル。カッティングにもリードにも対応できるよう、タップスイッチがついていて、シングルとハムの切り替えが可能です。

「ペグはロック式より、巻き式のほうが倍音が出る」というこだわりも。さらに注目は透明なバックプレート!デザイン技術力の高さが光ります。

Rainmaker Guitar

国内製造で価格は30万円台に抑えられているのも嬉しいポイント。

※今回の取材では、会場早々に全てソールドアウトで驚きのスタートとなりました。その注目度の高さからも、「Sugi Guitars(スギギターズ)」の圧倒的な人気ぶりがうかがえます。

おすすめユーザー: ギターボーカル/1本で幅広いサウンドを出したい人

Cream Guitars

Cream Guitars

“本物の押し花×エレアコ風サウンドの芸術品”

見た目のインパクトNo.1かもしれません。なんとボディに本物の押し花が!1輪ずつ染めて、レジンで固めてあります。ピックアップ配列を自由に変えられるだけでなく、エレアコのような音まで出せるほど、幅広い音作りが可能とのこと。

Cream Guitars 
Revolver
Revolver

このモデルを開発したのは、元医者という異色の経歴をもつメキシコ人・ルイス・オルティス氏。裏側のカバーにはシンバルと同じ素材を使用。これは、ボディに伝わった振動をネックジョイントへ伝えることで、本体全体の響きを豊かにするという。

Revolver ボディ裏

さらに内部にはICPチップを搭載し、音をデジタルでコントロールできるのも大きな特徴。本体の基盤にはエアロスミスのアルバム名などが密かに刻まれており、遊び心も満載です。

今回の取材では、かりゆし58のギタリスト・宮広直樹氏がこの「Cream Guitar(クリームギター)」を実際に演奏してくださり、迫力あるサウンドとピッキングへの反応の良さがより際立って感じられました。

かりゆし58 ギタリスト・宮広直樹

おすすめユーザー: サイドギター/女性ボーカル/美しいもの好きな人

ダイナ楽器

ダイナ楽器

“コスパ最強!女性にもやさしい軽量STタイプ”「JA-STER Standard SSH Sonic Blue」

国産エレキギターのコストパフォーマンス部門なら文句なしの優勝候補、ダイナ楽器のSTタイプモデル。オフセットウェストのボディに、SSH構成&カバード・ハムのピックアップを搭載した、キュートでカッコイイ1本です。

JA-STER Standard SSH Sonic Blue

本体重量は約3.23kg。ストラトよりも少しコンパクトで、取り回しやすさが抜群。初心者や女性プレイヤーにもおすすめとのこと。実際に私も試奏しましたが、軽くて構えやすく、弾きやすさに驚きました!

クセが少ない素直なキャラクターながら、自社製ピックアップによる温かみあるサウンドも魅力的。これで10万円は、かなりのお買い得すぎる。人気YouTuberでギタリストのnacocoさんもブースを訪れており、注目度の高さがうかがえます。

人気Youtuber&ギタリストのnacoco氏がDynaブースへ来てくれました!ありがとうございます👍️

引用元:ダイナ楽器【公式】Twitter(X)

おすすめユーザー: はじめての1本を探している方/軽量で弾きやすいギターが欲しい方/国産ギターに興味がある方

I Hush Guitars

I HUsh Guitars

“ローズウッドの重厚感×アバロン装飾の一点モノ”

普段はフルオーダー専門のIHUshが展示していたのは、作り手自身が「これは推したい」と語る完成品モデル。なんとこの日のためにオーナー様からお借りしたとのことです。

ボディもネックもローズウッド製という贅沢仕様。ボディとネックまわりにはアバロン貝の装飾が施され、見た目も高級感抜群です。

I HUsh Guitars:オールローズ

6つに切り替えられる上下のスイッチも特徴的。1人で手作りされているという点でも、かなりのレアギターです。

おすすめユーザー: じっくり良い音を育てたい人/一点モノにこだわりたい人

番外編:sunNero

sunNero

カーリーメイプルが輝く、“推し財布”も発見!

ギターだけが主役じゃないのがサウンドメッセの面白さ。

会場を歩いていて思わず足を止めたのが、木製のお財布ブース。しかも使われているのは、ギブソンなどのギターにも使われる「カーリーメイプル」

「カーリーメイプル」は、見た目の美しさはもちろん、色が入りやすくさまざまな表現が可能とのこと。

今回出展されていた「sunNero(サンニーロ)」は、元ギター職人による完全ハンドメイドブランド。使われている木材は、家具・楽器製作の経験をもつデザイナーが選び抜いたカーリーメイプルの一枚板。

カーリーメイプル財布

曲げ加工にも強く、表面には防水加工も施されているなど、日常使いにも頼もしい仕様です。

特に人気があるのは、L字型の長財布とミニ財布。ギターとセットで持つのもよし!自然の風合いが融合した、世界にひとつだけの“推し財布”でした。

OOPEGG

OOPEGG

“軽量セミホロウで多機能。レスポール風にも対応”「Trailbreaker Mark-ⅠⅠ」

セミホロウボディで軽量ながら、音の迫力は抜群。ミディアムスケール&ギブソンと同じ弦ピッチの設計により、レスポールユーザーが違和感なく持ち替えできるギターです。

ピックアップはローミッドを強調したハイパワー仕様。製作はEuphorealの藤野氏という信頼感もポイントです。

1Vol, 2Tone仕様で特にユニークなのが、ノブ部分のスイッチ機能。ONにすると出力が15%アップし、両方ONでカラッとした音、片方だけならシングルっぽい音に。ジャンルを問わず使える万能感が魅力的です。

おすすめユーザー: 軽くて多機能なギターを探している人/レスポール派だけどストラト系の音も欲しい人

Red House

Red House Guitars

“独自設計×プレイヤー目線の機能性”「General T/HH DX」

信州・塩尻に工房を構える「Red House(レッドハウス)」は、プロからの信頼も厚い国産ギターブランド。今回のサウンドメッセ取材では、代表・石橋氏にお話を伺いました。注目モデルがこちら「General T/HH DX」です。テレキャスターシェイプながらシンクロナイズド・トレモロを搭載しています。

General T/HH DX

さらにオリジナルハムバッカーを2基搭載し、ウォームなクリーントーンから力強いドライブまで対応。細すぎず太すぎないCシェイプのネックや上質なローズ指板など、プレイアビリティも抜群。音作りにこだわりたいプレイヤーにぴったりの1本です。会場でも足を止めてじっくりと見ていく来場者が多く、注目の高さがうかがえました。

サウンドメイクにこだわる方はもちろん、弾きやすさ重視のプレイヤーにもおすすめできる、実力派モデルとのこと。

おすすめユーザー: サウンドメイクにこだわる方/弾きやすいギターお探しの方

Kino Factory

Kino Factory

“独自構造と重厚サウンドで異彩を放つハイブランド”

長野県塩尻市に工場を構える「Kino Factory(キノ・ファクトリー)」は、自社開発の構造を多数取り入れた、国産ハイエンド・ギターブランドです。今回の取材では、他社とは一線を画すモノづくりの姿勢が印象的でした。

特徴的なのは、ネックとボディのジョイント部分を一体構造にしている点。これにより音の伝達効率が高まり、ローがしっかり出る重厚なサウンドを実現しています。

また、ペグの位置が逆についているなど、細部まで考え抜かれた設計。「こっちの方がローがよく出る」とのことで、重低音ロックと相性が良さそうです。

おすすめユーザー:ロックやヘビーメタルなど、ハイゲインなジャンルを演奏する方

T’s Guitars

Ts Guitars

創業40周年を迎えたT’s Guitars(ティーズギター)。今回の取材では、代表取締役社長・高橋謙次氏にお話を伺いました。

“40年の技術が結実した、ラグジュアリーなモデル”

注目は、6本限定で制作されたアニバーサリーモデル。展示された本機は、厳選されたフレイムメイプルの一枚板にインディアンローズウッドネック、指板にはTree of Lifeインレイとアバロン貝の縁取り。まさにラグジュアリーな1本です。

アニバーサリーモデル

ジャズやフュージョンに合う落ち着いたトーンに加え、ピックアップカバーに刻まれた隠れロゴや、特注パーツの数々など、細部まで抜かりなし。取材中も「職人技の結晶」といえるこだわりが随所に感じられました。

販売分はすでに全数完売済とのこと。ファンにはたまらない“集大成”モデルです。

おすすめユーザー:ジャズ・フュージョン系の繊細な音を求める方/T’s ファン

g’7 Guitars

g7 Guitars

“軽さ×斬新デザインの革新テレキャス”「g7-TL」

中が見える!?ボディ内部を一部くり抜いた、g’7オリジナルの大胆デザイン「g7-TL」。見た目だけでなく、厳選された軽量パーツにより約2.9kgという驚異の軽さを実現。

g7-TL

肩への負担が少なく、長時間の演奏でも快適です。現代的な3連サドルブリッジを搭載し、音程の安定性も抜群。ピックガード(カバー)も付属しており、「中身は秘密にしたい」派にも対応可能とのことです。

今回の取材では、スタッフさんに“個人的推しモデル”として紹介していただきました。プレイヤー目線の工夫が詰まった1本です。

おすすめユーザー: 軽量ギター派/シティポップ系ギタリスト/個性派好きな人

Infinite

Infinite Guitars

“木材×レジンの融合。唯一無二のルックスと音”

木材の内部まで色付きレジンを浸透・硬化させる独自技法「プロジック」を採用。柔らかくて通常は指板に使えない木材にレジンを染み込ませて補強することで、美しさと耐久性を両立した“スタビライズドウッド”を実現しています。カラーリングは塗装では出せない表情を持ち、まさに唯一無二の存在感。

取材では、機械の導入によってこの特殊加工を自社で行えるようになったというエピソードも伺いました。音のバランスはスタインバーガーのように整っており、ピックアップも好みに応じて選択可能。実際に「見た目で一目惚れして購入した」ユーザーもいました。

後ろのネックも美しい!

おすすめユーザー: 見た目に惹かれて選びたい人/未来感のある音を求める人/唯一無二のギターを探している人

Bizen Works

“木材とプレイヤビリティの極致、唯一無二のモダン・レスポール”

Bizen Works

愛知県春日井市の工房から、こだわり抜かれた唯一無二のレスポールが登場。

「Bizen Works(ビゼンワークス)」が手がけるこのモデルは、木材選定から構造に至るまで徹底的にこだわった1本。まず目を引くのは、トップに使われた希少なギルドメイプル材。この幅で美しい杢(もく)が出ているものはなかなか手に入らず、まさに一点ものの風格。

バック材にもマホガニーが使われていますが、これまた珍しい杢目が出ており、全体の存在感を引き立てています。さらに注目したいのが、後ろのパネルやテイルピース、ピックアップの枠まですべて木製で作られている点。

市販のものではなく、すべてBizen Worksオリジナルとのこと。

Bizen Works代表の坂本氏は「ボディは通常のレスポールより約7mm薄く設計し、ヒールレス加工によりハイポジションの演奏性も抜群です。」と話してくれました。

また、弦は裏通しタイプで、まるでテレキャスターのようなテンション感が得られます。

スケールもギブソンより若干長めで、「タイトでモダンなサウンド」が持ち味。特にスタジオミュージシャンやテクニカルなプレイヤー層から支持されており、今回の出展モデルの中でも最高価格帯に位置するハイエンドモデルとなっています。

それもそのはず、使用されている木材の質と希少性は、まさにプレミアムのひと言。

おすすめユーザー:スタジオミュージシャン/テクニカル系プレイヤー/木材にこだわる方

まとめ

今回の【サウンドメッセ in OSAKA 2025】では、編集・制作メンバーで各ブースを回りながら「あなたの推しの1本を教えて下さい」というテーマのもと、たくさんのブランド・工房の方に取材させていただきました。

どのギターにもストーリーがあり、それぞれの“推しポイント”には製作者の情熱とこだわりが詰まっていて、取材するこちら側も思わずワクワクしてしまうような体験の連続でした。

また、ギター本体だけでなく、木材を使った財布やストラップなど、ギター好きの心をくすぐるアイテムにも出会うことができ、「音楽を楽しむ」という枠を超えて、ライフスタイルそのものに広がっていく“ギター文化”の奥深さを改めて実感。

今回ご紹介したモデルはどれも、ただの楽器にとどまらない、持ち主の個性やこだわりを映し出す“相棒”のような存在ばかりです。

気になった方は、ぜひ各ブランドやショップにお問い合わせください。

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