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徹底紹介!マルチエフェクターのおすすめモデル

マルチエフェクター

「マルチエフェクター」は、一台に様々な種類のエフェクトを詰め込んだデバイスです。特に「1台完結(オールイン・ワン)」をコンセプトとしたマルチエフェクターは、オーバードライブのような歪み系をはじめ、空間系やモジュレーション系、コンプレッサーからノイズゲートまで、1台のマシーンにありとあらゆるエフェクトが内蔵されています。

ライブやレコーディングに便利に使えるほか、これからエフェクターについて学んでいこうという人にとっては、一個買うだけで様々な種類のエフェクトに触れることができ、一つ一つを試して音の掛り方を学ぶことができます。ギター初心者から上級者まで、多くのギタリストが注目するマルチエフェクターについて、みていきましょう。

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1: マルチエフェクターのメリット/デメリット 1.1: マルチエフェクターには、こんな良いことがある! 1.2: マルチエフェクターには、こんな注意点がある。 2: マルチエフェクターって、どうやって使うの? 3: 初めてのマルチエフェクターにお勧め! 定番の3モデル 3.1: 《簡単な操作ですべてができる》Line 6「POD Go」&「POD Go Wireless」 3.2: 《気軽に手に入る、上質のサウンド》BOSS「GT-1」 3.3: 《この価格で、まさかのタッチパネル》ZOOM「G6」 4: コンパクトサイズのマルチエフェクター 4.1: 《気軽に持ち出す、極小Helix》Line 6「HX Stomp」 4.2: 《究極のパワフルストンプ》BOSS「GT-1000 CORE」 4.3: 《Youtube連携の最強練習ツール》BOSS 「Pocket GT」 4.4: 《変幻自在のマルチストンプ》ZOOM「MS-50G」 5: 新品実売¥1万以下!格安のマルチエフェクター 6: プロフェッショナルなハイエンドモデル 6.1: 《ライブに強い、抜群の操作性》Line 6「Helix(HX)」シリーズ 6.2: 《高速DSPを備える、老舗の金字塔》BOSS「GT-1000」 6.3: 《タッチパネルで操作する、みずみずしいアンプサウンド》HeadRush「Pedalboard」「Gigboard」 6.4: 《ガチプロ仕様の最強プロセッサ》Fractal Audio Systems 「Axe-Fx III Mark II」「FM3」

マルチエフェクターのメリット/デメリット

さてこれからマルチエフェクターについていろいろチェックしていくわけですが、マルチエフェクターを使うとどんな良いことがあるのか、またどんな注意点があるのかを考えていきましょう。

マルチエフェクターには、こんな良いことがある!

音作りのための、ほぼ全てが手に入る

マルチエフェクターのメリット Line 6「POD Go Wireless」。定番のアンプ/エフェクトを網羅している。

マルチエフェクター1台には、定番系のエフェクトがほぼ全て収録されています。モデルによっては飛び道具のような斬新なエフェクトも、アンプのシミュレーションも収録されています。「今のところオーバードライブしか使わないよ」という人であっても、成長段階にあるギタリストなら、この先どんな音が欲しくなるか分かりません。そのつど買い足していくのも楽しいですが、転ばぬ先の杖として全てが何とかなる状態にしておくと安心です。

一発でサウンドを激変できる

サウンド切替 POD Go Wireless。フットスイッチを一回踏むだけでサウンドを瞬時に切り替えることができる。めちゃ楽。

たとえばコンパクトエフェクターで「クランチ+コーラス+リヴァーブ」のバッキングから「ブースター追加、コーラスOFF、ディレイ追加」のギターソロの音にしようと思ったら、演奏中にフットスイッチを3回踏まなければなりません。こうした踏み替え技に長けたギタリストもいますが、マルチエフェクターならば、設定次第でこの切り替えを一発で完了できます。

「電源」と「ケーブル」のストレスから解放される

いくつものエフェクターを使う時には、電源とシールドの状態に気を配らなければなりません。それぞれのエフェクターには電源が必要ですが、メーカーごとに電源の端子が共通しなかったり、モデルによっては電池しか使えなかったりすることがあります。また、エフェクターどうしをつなぐパッチケーブルが断線したり、接触不良を起こしてしまったりすることもあります。エフェクターを増やせば増やした分だけ、こうしたことに気を付けなければなりません。接点が多いと、ノイズが発生する危険も高まります。

これに対してマルチエフェクターは、電源は1本、使うシールドは2本で完了します。セッティングはすぐ終わりますし、配線に起因するノイズが発生しにくいので、ぶっ壊れさえしなければ安心してステージに立つことができます。

トラブルから回復できる可能性がある

エフェクターを使う上で最も心配なのは「コレを失ったら、同じ音が出せなくなる」ということです。マルチエフェクターでもそれは同じで、別のモデルでまったく同じ音を出すのは困難です。どこにでも売っているエフェクターを愛用したり、常に新しいモデルに切り替えたりしているプロミュージシャンは多くいますが、これは音が好きだからという理由のほかに、故障や盗難のリスクやダメージを軽減させるためでもあります。

いっぽうで高性能なマルチエフェクターには、スマホやPC用のアプリで設定を保存することができるものがあります。万が一本体をまるごと失ってしまっても、どこかに設定を保存していれば容易に完全復活できるのです。

HX Edit Line 6 Helix/HXファミリー製品専用エディター「HX Edit」。一生懸命作ったサウンドは、パソコン上にバックアップデータを保存しておくことができる。

マルチエフェクターには、こんな注意点がある。

取説を読まなければならない

人によっては、コレが最大のデメリットになるでしょう。しかし、これを越えさえすえば快適なギターライフが手に入ります。メーカーごと、モデルごとに操作法は異なりますから、最低限でも基本的な操作法までは読み取る必要があります。マルチエフェクターのマニュアルには「パッチ」「バンク」「プリセット」「ストア」など慣れない用語が出てきますし、メーカーごとに意味が異なる場合もあります。操作法を素早く理解するためには、特にカタカナ表記の用語について、しっかり把握する必要があります。

「まさにそのもの」は、収録されていないかもしれない

たいがいのマルチエフェクターは、収録されている音色をあらかじめ調べることができます。名機と呼ばれるエフェクターを再現しているものもあります。しかし、アーティストが使っているエフェクターそのものとか、お気に入りのエフェクターそのものの音が収録されているマルチエフェクターが存在するとは限りません。とはいえ、設定次第でかなり近い音まで出すことはできるでしょう。

マルチエフェクターって、どうやって使うの?

マルチエフェクターをつないで、電源ON!さて、コレはどうやって使うのでしょうか。細かい操作法はモデルによってさまざまですが、ここでは「マルチエフェクターは、だいたいこうやって使うものです」といった大まかなところを考えていきましょう。

まずはプリセットを鳴らしてみよう

初心者がいきなり理想の音を一から作りだすのは難しいことです。マルチエフェクターにはプリセットと呼ばれる「あらかじめ(pre)用意(set)されたサウンド」が内蔵されています。プリセットには様々なジャンルに対応するサウンドが多数用意されているので、まずはプリセットを鳴らして自分好みのサウンドを見つけてみましょう。
また、プリセットにどんなエフェクトが使われているのか、どんな設定がされているのかをチェックすることで、音作りのノウハウが得られます。

ワイヤレスの解放感を、最高レベルのサウンドで。Line 6 POD Go Wireless アンプ/エフェクト・プロセッサーはDTMもいける!プリセットだけで1曲作ってみた!!
4:23〜 プリセットの音を演奏するシーン

Line 6 POD Go Wireless – Supernice!エフェクター

好みの音を作ってみよう

エフェクトの選択やパラメータの設定など、マルチエフェクターの音作りには多くの場合「エディット(edit)」という用語が使われます。マニュアルを読みながら、もしくは勘で、いろいろエディットしてみてください。イチから作るのがたとえ難しくても、プリセットを好みに合わせて調整することもできます。


Line 6 HX Stomp XL これ1台でサウンドメイクは完成!ゼロから音作りし、DAWレコーディング&パフォーマンス。新たな芸術表現に挑戦?!
3:36〜 ギター博士がゼロから音作りをするシーン

Line 6 HX Stomp XL – Supernice!エフェクター

演奏しながら、音を切り替えてみよう

作った音はフットスイッチに割り当てられ、スイッチを踏むとその音が呼び出されます。多くのモデルで、フットスイッチの扱いは「フットスイッチ・モード」のような機能で選べるようになっています。
コンパクトエフェクターを操作するかのように一つのスイッチに一つのエフェクトを割り当てて、一個ずつON/OFFするモードと、エフェクター全体を一つのスイッチに割り当て、ひとつ踏むだけでまるごと切り替えるモードの二つを備えるのが一般的です。フットスイッチが2つや3つの小型モデルでは、番号で管理している設定を順番に呼び出すモードが備わっています。
このほか、モデルごとにさまざまな切り替え方が用意されており、好きなように選ぶことができます。


ではここから、マルチエフェクターのラインナップをドドっと見ていきましょう。マルチエフェクターを選ぶ秘訣は、第一にフットスイッチの数です。ひとまずどんなものか使ってみたいという人は、2つや3つのもので大丈夫です。使い方のイメージがある人は、1曲中またはライブ1本に必要な音色の数とフットスイッチの数とを比べてみてください。

初めてのマルチエフェクターにお勧め! 定番の3モデル

マルチエフェクターの定番ブランドと言えば「BOSS」「ZOOM」「Line 6」でしょう。いずれのブランドもマルチエフェクターの開発に歴史があり、BOSS、ZOOM共に日本のメーカー、Line 6は本社はアメリカ合衆国にあるもののヤマハ株式会社の子会社と、この分野では国産ブランドがリードしています。

《簡単な操作ですべてができる》Line 6「POD Go」&「POD Go Wireless」

POD Go Wireless
ワイヤレス受信機まで備わっているLine 6「POD Go Wireless」。ライブパフォーマンスのためばかりではありません。自宅の練習でこそ、ワイヤレスのメリットが体感できます。

「Line 6」は独自のデジタル技術を強みに、アンプやエフェクター、ワイヤレスシステムなどをリリースしているブランドです。1998年に発表されたレコーディング用マルチエフェクター「POD」は、本物そっくりのアンプやエフェクトのサウンドが高く評価され、音楽制作に革命を起こしました。

その第5世代となる「POD Go」シリーズは、現行の最高グレード「Helix」のモデリングエンジンをほぼそのまま備える、プロ音質のライブ/レコーディング用マルチエフェクターです。他の機種よりちょっと高額ではありますが、大型カラー液晶画面に象徴される「使いやすさ」に徹底してこだわっており、初めての1台としてたいへん良好です。「POD Go Wireless」に至っては、ワイヤレスシステムも備わっています。

《ワイヤレスの解放感を、最高レベルのサウンドで》Line 6 「POD Go Wireless」アンプ/エフェクト・プロセッサー

《気軽に手に入る、上質のサウンド》BOSS「GT-1」

BOSS GT-1

性能と価格のバランスの良さで選ぶなら、はじめてのマルチエフェクターには「GT-1」がおすすめです。2012年当時のフラッグシップ(最高峰)モデル「GT-100」のサウンドエンジンを搭載した高品質なサウンドながら、マルチエフェクターとしてはリーズナブルな価格帯となっています。音色数が多くて操作性もよく、電池駆動でき、かつ頑丈に作られていますから、マルチエフェクター入門機に最適であるだけでなく、中級者やガンガンライブを行うようなギタリストにもたいへん良好です。


BOSS GT-1をギター博士が弾いてみた!

小型軽量かつ音色に妥協のないマルチエフェクター:BOSS GT-1

《この価格で、まさかのタッチパネル》ZOOM「G6」

ZOOM G6

「ZOOM」は圧倒的なコストパフォーマンスを誇る「価格破壊の旗手」として知られ、また「ZOOMの音がある」として多くのミュージシャンに厚く支持されているブランドです。そのミドルクラスとなる「G6」は、フラッグシップ機「G11」と同等の最新エフェクトプロセッシング技術で構成されたエフェクト群とアンプシミュレーションを備え、独自のエフェクターもたくさん収録しています。
大型のタッチスクリーンとパラメータノブの操作で直感的なエディットができ、リズムマシンの機能があるほか、SDカードでデータの保存ができます。またオーディオインターフェイスの機能もあり、DAWソフト「Cubase LE」のダウンロード・ライセンスまで同梱されますから、すぐに本格的な音楽制作が可能です。ほぼ間違いなく、同価格帯ならば最も多機能なマルチエフェクターです。

ZOOM G6 – Supernice!エフェクター

古いモデルでも大丈夫?

BOSS GT-100BOSS GT-100

たとえば5年も6年も前のスマホやPCの性能を頼りなく感じるのは、当たり前の感覚ですね。では、マルチエフェクターではどうでしょうか。マルチエフェクターも、いわばコンピュータのようなものです。常に新しいものが開発されていき、性能は常に向上しています。しかし、古いモデルも発表された当時には、プロミュージシャンが驚くような性能とサウンドを持っていました。
私たちが5年も10年も前の音楽を聴くことができるように、年式の古いマルチエフェクターの音も、現役で使うことができます。2012年に発表されたBOSS「GT-100」は、今なお現役の製品です。tc electronicの名機「G-System」は生産こそ終了しましたが、いまだに愛用者は多くいます。それに「型落ち」扱いになれば、新品でも安く手に入れることができておトクです。
BOSS GT-100
TC Electronic G-SYSTEM

コンパクトサイズのマルチエフェクター

巨大ラックシステムなんかよりは遥かにコンパクトなマルチエフェクターですが、自転車や電車で移動するにはやっぱり大きさが気になりますね。小型のマルチエフェクターは、かばんやギターケースにもすっぽりと収まりますし、エフェクターボードに組み込んでしまうことだって楽勝です。電池駆動できるモデルが多く、機動性の高さも大きなメリットです。そのかわりフットスイッチの数が限られるので、ライブで使うには工夫が必要です。

《気軽に持ち出す、極小Helix》Line 6「HX Stomp」

Line6 HX Stomp

Line 6「HX Stomp」は、同社のフラッグシップ「Helix」のモデリングエンジンをそのまま装備した、極小サイズの多機能マルチエフェクターです。見やすいカラー液晶、設定に準じて色が変わるフットスイッチなど、Helixの操作性はそのまま継承、あらゆるアンプやエフェクターの音を自由に選択できるほか、二手に分けた信号に別々の処理を加える「パラレル・ルーティング」、センド/リターンを利用した「4ケーブル・メソッド」など、プロの現場で実際に使われているさまざまな使い方が可能です。Helix(HX)シリーズとのデータ互換性があるので、Helixをメインに使いながらサブシステムとしてこちらを気軽に持ち出す、という使い方も可能です。

Line 6 HX Stomp – Supernice!エフェクター

《究極のパワフルストンプ》BOSS「GT-1000 CORE」

BOSS GT-1000CORE

BOSS「GT-1000コア」は、同社のフラッグシップ「GT-1000」の心臓部をそのまま小型の筐体に収めた、高性能小型マルチエフェクターです。エフェクト数、アンプモデル数ともに多く、独自のAIRDテクノロジーにより真空管アンプの生々しいサウンドが得られます。また32bit高性能カスタムDSPチップによる、音切れのない超高速パッチ・チェンジ、切り替え後もディレイの余韻を残すキャリーオーバー機能といった、こだわる人もニヤリとする玄人好みの機能も魅力です。
このサイズながら2基のエフェクト・ループと2基のCTL/EXP端子を備えており拡張性も高く、エフェクターボードを効率的に操作する司令塔としても活用できます。

BOSS GT-1000CORE – Supernice!エフェクター

《Youtube連携の最強練習ツール》BOSS 「Pocket GT」

BOSS Pocket GT

BOSS「ポケットGT」は、スマホやPCに接続してYoutube動画を使った練習ができる、練習用小型マルチエフェクターです。専用アプリ「BOSS TONE STUDIO for Pocket GT」を利用することで、動画ソング・リストの作成、再生開始位置やA/Bリピート範囲の指定などができ、効率的な練習ができます。
楽曲の展開に合わせた音色の切り替えを設定できるので、自分は弾いているだけで音色が自動的に切り替わる、メジャーアーティストのライブのような演奏ができます。音色のデータは上記BOSS「GT-1」と互換性があり、相互にデータのやり取りができますから、ポケットGTで練習、本番はGT-1、という使い方もできます。
スマートデバイスに保存した音楽を再生することも可能ですから、効果的な練習法を検討している人はポケットGTの取説を検索してみてください。

BOSS Pocket GT – Supernice!エフェクター

《変幻自在のマルチストンプ》ZOOM「MS-50G」

ZOOM MS-50G

「MS-50G」は、通常のエフェクターと同程度のコンパクトなサイズながら、最大6種類のエフェクトを同時使用できるという画期的な「マルチ・ストンプ」です。
マルチエフェクターとして十分なエフェクトを搭載しながら、チューナー機能搭載、単三電池で最長7時間駆動など機能面でも充実しています。フットスイッチは1基ですが、踏むごとに順番に切り替わる設定もでき、これいっこでライブ出演も可能です。マニアックなエフェクターも収録されておりエフェクターボードの隠し玉としても大変に有用で、デジタル機器ながら2012年の発売以来ロングセラーを続けるモデルとなっています。


ZOOM MS-50G – Supernice!エフェクター

新品実売¥1万以下!格安のマルチエフェクター

単体のコンパクトエフェクターでも1万円程度は当たり前という世の中ですが、1万円でお釣りの出る多機能マルチエフェクターもリリースされています。この分野はZOOMが独走していたところにVOXが切り込んでいる情勢です。

ZOOM 「G1 FOUR」 /「 G1X FOUR」

G1 FOUR / G1X FOUR

ZOOM「G1 FOUR」およびエクスプレッションペダルを備える「G1X FOUR」は、エントリー向けながら充実した機能を持つマルチエフェクターです。70種類以上のアンプ/エフェクトモデルを搭載、エフェクトは最大同時5個の使用が可能、リズムマシンやルーパーを搭載するなど手頃な価格ながら充実した機能を持っています。収録されているエフェクターは定番のものから名機のモデリング、マニアックな飛び道具まで幅広く、IR(インパルス・レスポンス)スピーカーキャビネット機能を利用することで、好みのアンプモデル/キャビネットを組み合わせたリアルなアンプモデリング・サウンドが得られます。
価格だけみるとエントリークラスですが、じっくり作り込んだ音はライブでの使用にも耐えうるクオリティを実現しています。

ZOOM G1 FOUR
ZOOM G1X FOUR – Supernice!エフェクター

VOX「StompLab 1G」「StompLab 2G」

VOX StompLab 1G

VOX「ストンプラボ1G」、エクスプレッションペダルを備える同「2G」は、100種類以上のエフェクターの中から最大8種類、同時に使用できるマルチエフェクターです。自分で音を作りこむこともできますが、「カテゴリー」ノブでジャンルを選んでプリセットを絞り込み、そこから好きな音を選んで気軽に演奏するのに向いています。
エフェクターとチューナーに機能を絞っていることもあって、操作はいたってシンプルです。それもあって上位機種「2G」でも別売のACアダプターとセットで1万円を下回るほど、驚異的な低価格を達成しています。

VOX StompLab IG
VOX StompLab IIG – Supernice!エフェクター

プロフェッショナルなハイエンドモデル

ではここから、入手にはちょっとした根性を要するハイエンドモデルをチェックしていきましょう。さすがに高額なモデルは音色/音質/機能ともにクオリティが高く、単体でプロ仕様のライブや録音が余裕です。特にハイエンドモデルは共通して、キャビネット/マイクセッティングを再現する機能が充実しており、本体からPAに直接音を送ってライブができます。巨大なスピーカーユニットを運搬/設営し、ベストの位置にマイクをセッティングする、プロの現場でこうした労力から解放されるのは、天の恵みとも呼べる大きなメリットです。

ハイエンドモデルには高スペックなDSPが搭載され、近年ではAI搭載機まで開発されています(DSP:PCにおけるCPUに相当)。また各社が誇る最先端の技術が注がれ、単体で何十万円もするようなヴィンテージ・エフェクターやヴィンテージ・アンプのサウンドが、ちょちょいのちょいで取捨選択できます。ここを当たり前の出発点とし、操作法や追加機能、アップデートによるサウンドの追加など、それぞれのブランドがオリジナリティを主張しています。そんな中、エフェクター以外の機能に特化したことで、マルチエフェクターと呼ぶにはちょっと無理があるのでは、というデバイスも出現しています。

「ギター・プロセッサー」って何だ?

マルチエフェクターのような電気製品には、アンプ/エフェクター・プロッセッサー、マルチエフェクト・プロセッサー、オーディオ・プロセッサーなどなどいろいろな名前が付けられています。しかし、電気製品にこうしたカテゴリーがあるわけではありません。これらは、各社が自社製品のオリジナリティを主張するための呼び名です。これらをひっくるめた総称として「ギター・プロセッサー」という呼び方が定着しつつあります。
最高峰のサウンドを手に入れよう!ギタープロセッサー特集

《ライブに強い、抜群の操作性》Line 6「Helix/HX」シリーズ

Line 6の「Helix(ヒーリックス)」シリーズは、同社が予算も時間も惜しまずに構築したという「HXモデリングエンジン」を音質の要としています。アンプ1台の解析に1ヶ月を要したと言われるモデリングは、この分野の第一人者としてのプライドを感じさせます。またプロ用の機器を長らく作ってきた蓄積もあり、軽快な操作で済ませられるパラメータの呼び出しやエディット、カラーディスプレイに追従するフットスイッチのカラー点灯など、ライブの現場でもスイスイ扱える抜群の操作性に定評があります。

「Helix」「Helix Rack」「Helix LT」

Line 6 Helix Helix Floor

フラッグシップの「Helix」および「Helix Rack」は、4系統のエフェクト・ループを備え、エクスプレッションペダルを2台追加でき、2台のギターアンプを操作できるなど拡張性も高く、同社のデジタルギター「Variax」との濃密な連携も可能です。2基のDSPを備える強力なマシンパワーを武器に、ボーカルマイクを接続してギターの音とマイクからの音を、それぞれ処理することまでできてしまいます。
ミドルクラスの「Helix LT」は、ヘビーユーザー向けの機能を整理して価格を圧縮したモデルです。

Line 6 Helix Floor – Supernice!エフェクター

「HX Effects」

Line 6 HX Effects

「HX Effects」は、「Helix」のエフェクター部分だけを抽出して仕上げたマルチエフェクターです。いかに高性能なギター・プロセッサーでも、ギターアンプの音を大事にしたい場合、アンプ/キャビネット・シミュレーション機能は不要になります。HX Effectsは、Helixの多機能性や拡張性を利用しながら、お気に入りのギターアンプを活かすことができるわけです。
大きなカラー液晶こそありませんが、各フットスイッチの液晶画面でエディットでき、二手に分けた信号を別々に処理する「パラレル・ルーティング」まで可能です。

Line 6 HX Effects – Supernice!エフェクター

「HX Stomp XL」

HX Stomp XL Line 6製品は、カラーディスプレイの表示に応じて発色が変化するフットスイッチが楽しい。

「HX Stomp XL」は、極小Helix「HX Stomp」にフットスイッチを追加し、操作性を大幅に増強したモデルです。「HXモデリングエンジン」の音色をほぼ全て収録していながら、エフェクターボードに楽勝で収まるサイズ感、さまざまな切り替えができる使い勝手の良さが持ち味です。エフェクターボードに組み込んだメイン機としても、あるいはHelixのサブ機としても、PCと連動したシステムの操作にも使える柔軟性を持っています。

《小さくて便利、そして最高の音質》Line 6「HX Stomp XL」

《高速DSPを備える、老舗の金字塔》BOSS「GT-1000」

BOSS GT-1000

エフェクターの歴史を牽引してきたBOSSのフラッグシップ「GT-1000」は、音楽用途に特化して新たに開発された超高速カスタムDSPチップを搭載、内部処理は 32bit/96kHz と最高クラス峰の音質となっており、「MD-500」「RV-500」「DD-500」などBOSSのハイエンド・デジタル・エフェクト、「OD-1X」「DS-1X」などXシリーズをはじめとするMDP技術を駆使したBOSSエフェクターを多数搭載しています。それだけでなく、独自技術「AIRD」によるリアルなアンプサウンド、豊富な接続端子、USB接続によるオーディオインターフェイス機能、Bluetooth対応によるワイヤレスでの音作りなど、次世代に相応しい多彩な機能を搭載しています。
大きいとはいえモノトーンのディスプレイは、人によっては地味に見えるかもしれません。表示も粗く感じるかもしれません。しかし、カラー表示や美麗グラフィックには、それなりのマシンパワーが必要です。GT-1000のマシンパワーは画面表示はそこそこに、ギターサウンドの処理のためにこそ使われているのです。現代のPCでも、画面の解像度を下げたり色彩を減らしたり、マウスカーソルの影を消したりするなど、画面表示にかかる負荷を軽減して処理を軽くする技があります。


BOSS GT-1000 Preset 50個をギター博士が弾いてみた!

他社のギター・プロセッサーに比べてアンプモデルの数は少ないですが、豊富な機能と高品位なエフェクト、何よりこの性能に対して10万円近辺というコストパフォーマンス、エフェクターボードよりもコンパクトなサイズで扱いやすいのが大きなメリットです。

BOSSのギタープロセッサー「GT-1000」徹底レビュー!

《タッチパネルで操作する、みずみずしいアンプサウンド》HeadRush「Pedalboard」「Gigboard」

「HeadRush(ヘッドラッシュ)」は、アカイ、ALESIS、AIR、デンオン、M-AUDIO、マランツなど多様な音楽系ブランドをたばねる米国inMusic社が展開、DAWソフト「Pro Tools」と連携する最高品質のデバイスを開発してきた「Eleven Rack」開発陣が手掛けたという、プロフェッショナル・ギタリスト向けのブランドです。それだけにヴィンテージ・アンプのモデリングが充実しており、サウンドの生々しさに定評があります。

HeadRush「Pedalboard」

HeadRush Pedalboard

「ペダルボード」は、ヘッドラッシュ製品第一号にして最高峰のフロア型ギター・プロセッサーです。クアッドコアの高速DSPのマシンパワーを武器に、33種類のアンプ、15種類のキャビネット、10種類のマイクの組み合わせによる生々しいサウンドを持ち味としており、本機の性能をいかんなく発揮できる専用のキャビネット(FRFR-108/FRFR-112)まで開発しています。これに対してエフェクター総数は34と厳選されており、求めるサウンドを探しやすくしています。
この分野の製品で随一の巨大なカラーディスプレイはタッチパネルになっており、タッチ、スワイプ、ドラッグ&ドロップといったスマホ感覚の操作でエディットができます。フットスイッチとエクスプレッションペダルのみでエディットできるハンズフリー・モードも備わっているので、ライブ中でも気にせず操作可能です。また世界中の電源が使用できる「ユニバーサル電源」を採用しており、海外ツアーが可能です。

HeadRush Pedalboard – Supernice!エフェクター

HeadRush「Gigboard」

HeadRush Gigboard

「ギグボード」は、上記「ペダルボード」のクアッドコアDSP、大画面のタッチパネル、定評あるサウンドをすべて受け継ぎつつ、フットスイッチや接続端子を整理して大幅に小型化したデバイスです。タッチパネルでの操作がメインなので、ツマミは二つしかありません。小型ですがフットスイッチは4つもあるので、コレでじゅうぶん勝負できます。このほかエクスプレッションペダルを増設できるほか、アンプのコントロール、エフェクト・ループとMIDI端子を備えるので、各調整も充分です。

HeadRush Gigboard – Supernice!エフェクター

《ガチプロ仕様の最強プロセッサ》Fractal Audio Systems 「Axe-Fx III Mark II」「FM3」

「フラクタル・オーディオシステムズ(Fractal Audio Systems)」は、「すべての部品が重要である」という信念のもと、オーディオマニアをも唸らせる超高品位なプロ用デバイスをリリースしているブランドです。2007年に発表されたフラッグシップ機「アックス(Axe)FX」の第一号は、音楽用の民生品としては初めて軍用/工業用グレードのDSPを採用し、この分野での存在感を屹立しました。
ギターのオーディオデータを解析することで、別のギターでまったく同じ音になるようEQ補正をしてくれる「トーン・マッチング(Tone Matching)」、パワーアンプ/キャビネット/マイクの特性を把握し、別の機材でまったく同じ音を出させる「インパルス・レスポンス(Impuls Responce)」といった魔法のような機能もあり、いかなる環境でも安定的に自分の音を出さなければならないプロミュージシャンから、厚く支持されています。

「Axe-Fx III Mark II Preamp / FX Processor」

HeadRush Gigboard

最新機種「Axe-Fx III Mark II」は、サウンドエンジンに高性能DSPを2基、カラー画面専用にグラフィック・プロセッサ(GPU)を1基、USB接続と操作系のために16コアのマイクロコントローラーを備えるという、4基のプロセッサを駆使した強力なマシンパワーに、アンプ259、キャビネット2237、エフェクターは歪みだけでも37など膨大なデータを扱える、世界で最も強力なオールインワンプロセッサーです。
信号を6本にまで分配したパラレル・ルーティングが可能で、最大で4台も接続できる専用フットコントローラー(FC-12/FC-6)と連携させ、シームレスな切り替えができます。フットコントローラー1台ごとに最大4台のエクスプレッション・ペダルを接続できますから、ステージのあちこちにワウペダルを配置するような、スタジアムクラスのライブ用セッティングが標準的に可能です。

Fractal Audio Systems Axe-Fx III MARK II – Supernice!エフェクター

「FM3 Amp Modeler/FX Processor」

FM3

「FM3」は、3コアのDSPと専用GPUを備えた小型の本体に「Axe-Fx III」のアンプモデリングやエフェクターを収めた、3基のフットスイッチを備えるフロア型のデバイスです。音色数に対してフットスイッチ3基はかなり控え目に見えますが、設定次第であたかも12基のフットスイッチを操作するかのように使えるほか、専用フットコントローラーを最大で2台つなげることができます。

Fractal Audio Systems FM3 – Supernice!エフェクター



以上、1代完結型のマルチエフェクターに注目していきました。使いこなせば恐ろしく便利なデバイスです。またほとんどのモデルでギターアンプやキャビネットを再現する機能が付いていて、PAさえあればギターアンプなんかいらなくなるんじゃないか、とまで考えさせられます。多機能化が進んで、もはやマルチエフェクターとは呼べないモデルも珍しくありません。

とはいえ今のところこれらの電気製品は、最先端の技術を使いつつも、名機の音やバッチリにセッティングした音、すなわち過去にあった音の再現に注力しているような情勢です。である以上、かつて無い音を生みだすかもしれないギターアンプやコンパクトエフェクターの存在意義も、まだまだじゅうぶん残っています。「よし、マルチにするぞ」という人も、「やっぱりアナログが良い」という人も、最先端のサウンドメイキングとはどんなものか、今の安価なモデルでどこまでできるのか、ぜひチェックしてみてください。