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Ibanezのエフェクターって?特徴やおすすめモデル紹介

Ibanezのエフェクター

Ibanez(アイバニーズ)は名古屋市に拠点を置く星野楽器のギター、ベース製品におけるブランド。星野楽器はもともと書店であり、始めはその楽器部門にすぎない存在でしたが、現在では日本を代表するギターのブランドとして世界に名を轟かせる存在になっています。

エフェクターについては日伸音波製作所(後のマクソン)からのOEM供給を受ける形で、早くも70年代には製造をスタート。1979年には記念すべきチューブスクリーマー初号機「TS-808」を開発しています。これは定番のオーバードライブとして世界を席巻し、完全にそれ自体が”TS系”といった一つのジャンルとなるほどに確立されるに至りました。

TS808は時代を追うごとに「TS9」へとバージョンアップを重ね、その次のバージョンである「TS10」は”○○10″という型番を持つパワー・シリーズのいち製品として登場を果たします。80年代終わり頃から90年代始めに掛けて、新しいチューブスクリーマーであるTS5を含むサウンドタンク・シリーズが登場。20世紀も終わり頃になると、BOSSエフェクターに近い外観の「○○7」といった型番を持つ、7弦ギター対応のTone-LOKシリーズを展開するに至りました。

一方では、

  • プレミアが付いている伝説的なワウペダル「WH10」
  • アナログシンセのような見た目の「ES2 Echo Shifter」などの尖ったモデル
  • アコースティックギター用プリアンプ「AGP10」

など、新たな目付の製品も市場に送り出しています。2015年には「Tube Screamer Mini」に端を発するMiniシリーズを相次いで発表。往年の銘機をベースとしたサウンドをより小型の筐体に詰め込んで、小型化が進むエフェクター市場に攻勢をかけています。

Ibanezエフェクターの特徴

チューブスクリーマーが有名すぎて、Ibanezのエフェクターというと話題が真っ先にそちらに傾く傾向がありますが、ディレイの銘機として知られる「AD9」など、80年代の初期からチューブスクリーマー以外にも有名なモデルがちらほらと存在しています。特に「TS10」を含むパワーシリーズには、ディレイやコーラスを含む10種以上のジャンルのエフェクターがラインナップされており、ジャパン・ヴィンテージ製品として、いまだ一定の人気があり、そのクオリティには定評があります。

つまみが引っ込むという、今見ても類を見ない発想の「Tone-LOKシリーズ」や、当時あまり見られなかったアナログエコーモードを搭載した「DE7」、既存のワウペダルと効き方のメカニズムが全く違う「WH10」など、目の付け所がひと味違うところもIbanez製品の特徴ですが、この特徴は2000年代始めまで供給元として製造を任されていたマクソンの、安定したクオリティをたたき出す優れた技術と合わさることで、奇抜なだけで終わらない、良質なエフェクターを生む原点となっていました。

Tube Screamer(チューブスクリーマー)について

チューブスクリーマー 初代チューブスクリーマー「TS808」

1979年、当時のディストーション系エフェクターとは少し違ったものを、として生み出されたオーバードライブ。アンプの真空管が叫ぶという意味合いのネーミングは、まさにその狙った音をそのまま商品名としたに等しく、中域が強く飽和感のあるサウンドは様々なアーティストに愛されました。特にドライブしたアンプの前に繋いで、歪みを強化するブースターとしての使い方は、このペダルの真価を最大限発揮する使い方で、現在では「TS系ブースター」などというひとつのカテゴリを形成するほどに、定番の音色となっています。

“TS-808 Tube Screamer Overdrive Pro”という名で送り出された初代モデルは、日本ではマクソンよりOD-808という型番で発売されていますが、どちらも内部は同じものでした。”Ibanez TS-808”という型番は輸出用のもので、日本国内では手に入らなかったのです。その後、TS-9、TS-10、TS-5とバージョンアップが図られます。現在はオリジナルのTS-808とTS-9のリイシューを中心として、そこから派生した数種類が商品展開されています。

チューブスクリーマーってどんなもの?TS系オーバードライブ特集 – Supernice!エフェクター


Ibanez TS9 Tube Screamer Demo | Absolutely Legendary Overdrive Sound!!
1:00〜:メタルギターのサウンドメイキング例。ブルースだけでなく幅広いジャンルのギタートーンをサポートしてくれる。

Ibanezエフェクターのオススメモデル

チューブスクリーマー系

TS808

Ibanez TS808

当時の外装に酷似したルックスで発売された、初代TSの復刻モデル。中域にピークのあるまろやかな音色をそのままに、滑らかなブースト感を持つオーバードライブはさすがに銘機と言わせるだけのサウンド。9VDV出力まで当時と同じ仕様なので、変換アダプターが付いています。

Ibanez TS808 – Supernice!エフェクター


TS9

Ibanez TS9

TS9のリイシューにして、現在のチューブスクリーマーの代表的機種。TS808に比べるとややブライトでざらついた雰囲気を持ち、粘りを強く感じる音色になっています。特に真空管アンプのプッシュには最適で、値段も手に入れやすい価格帯に抑えられているので、気軽に試すことができるでしょう。

Ibanez TS9 – Supernice!エフェクター


TS9 DX

Ibanez TS9DX

ターボ・チューブスクリーマーという名で、公式より発売されている製品で、TS9にモードスイッチを搭載し、ゲインアップを図れるようになったデラックス版です。通常の「TS9」、ざらついた歪みをさらにプラスする「・」、中域をピークに音圧を上げた「HOT」、中低域を中心にゲインを強力に上げる「TURBO」の4つを選ぶことができます。様々なジャンルに一台で対応できます。

Ibanez TS9DX – Supernice!エフェクター


TS MINI

Ibanez TSMINI

通常のモデルの2/3程度にダウンサイジングしたTS。ルックスはTS808のものを受け継いでそれを小さくしていますが、音色の傾向はむしろTS9に近いものになっています。通常のTSとも遜色のない音質にローノイズで、エフェクターボードに収まりの良いミニサイズは嬉しい仕様です。値段もより安く抑えられています。

Ibanez TSMINI – Supernice!エフェクター


Nu Tubescreamer

Ibanez NU TUBESCREAMER

KORGが開発に携わった極小真空管「NuTube」を使用したチューブスクリーマー。NuTubeを使用した歪みエフェクターとしてはパイオニアに近い存在となる本機は、歪みをダイオードではなく真空管で作り出しているのが最大の特徴。内部でオーバードライブとクリーンを混ぜて出力するという回路構成になっており、その割合を決定できるMixというコントロールも装備しています。通常のTSらしいトーンはもちろん、真空管ゆえのアンプらしさが得られる強みもあり、Mixコントロールの恩恵で通常のTS系ペダルに比べて幅広い音作りを行うことができます。

Ibanez NU TUBESCREAMER – Supernice!エフェクター


その他

AD MINI

Ibanez ADMINI

80年代前半、アナログディレイの定番として人気を博したAD9の音色をベースとして、筐体を小さく設計し現代に蘇らせたモデル。600msまでのディレイに対応し、良質なアナログディレイとして使い勝手の良い製品です。競合機器のMXR Carbon Copyに比べても値段が求めやすく、導入しやすいでしょう。大本のAD9の製造元Maxonからはオリジナルと同じルックスで、AD9Proという名称で復刻版が出ています。

Ibanez ADMINI – Supernice!エフェクター


CS MINI

Ibanez CSMINI

AD9と同時期に発売されたステレオ出力対応のアナログコーラスCS9。こちらはそのCS9をよりミニサイズにて復刻したモデルです。CS9と同じくフルアナログ回路で設計され、暖かみのあるファットなサウンドが特徴。王道のコーラスサウンドを小型で得られる上、値段も低めに抑えられており、コーラスを初めて購入する人にもおすすめ。MaxonからはCS9 Proという名で、機能を増やした復刻版が商品展開。

Ibanez CSMINI – Supernice!エフェクター


BB9

Ibanez BB9

正式名称は、Ibanez Bottom Booster。その名の通り、中低域を中心にファットなブーストが行えるペダルとなっています。レベル、ゲイン、トーンの三つのコントロールを持ちますが、あくまでブースターなので、単独でのゲインは控えめ。それ故にクリーントーンに向き、高域に寄りがちなバキバキとしたトーンをふくよかにするには最適です。もちろん通常の歪んだ音に使うことも可能で、伸びのあるミドルを得ることができるでしょう。

Ibanez BB9 – Supernice!エフェクター


WH10V2

Ibanez WH10V2

今ではプレミアの付く伝説的ワウペダルとなったWH10の復刻版。WH10は通常のワウペダルと違った設計になっており、音色のピーク部分をずらしていくような、一見妙な掛かり方をするペダルであり、本体が安っぽいプラスティックであったこともあって、長らく使えないペダルとされてきました。ところがレッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテが使用してより評価が一変。このV2は突如人気が出たWH10の代わりとして市場に出回りました。オリジナルのプラスティックは金属に代わり、耐久性が向上。つまみで効き具合が調整でき、ゲインが落ちない仕様から、ソロにも向いたワウペダルとなっています。

Ibanez WH10V2 – Supernice!エフェクター


Ibanezはギター本体が大変有名であり、エフェクターのイメージはそれに付随する程度のものですが、時代ごとにキーとなるような銘機をいくつも送り出してきています。長らくMaxonからの供給を受けたIbanezエフェクターも、現在は自社製造に舵を切っていますが、そんな中、新技術を利用したNu Tubescreamerなど、いまだ新しいものを生み出そうという気概は健在で、これからの新製品にもますます期待が持てそうです。