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ギブソン・レスポールの種類と選び方

ギブソン・レスポール

「レスポール」は、エレキギターの定番として極めて有名です。今やさまざまなブランドからレスポールタイプのギターがリリースされていますが、ギブソン社が1952年、フェンダー社の新製品「テレキャスター」に対抗して開発したのが始まりですから、ギブソン(とその傘下のエピフォン)製こそが本物の「レスポール」です。また、エレキギターを演奏する者は、特にロックを演奏する者は、レスポールの存在を無視することができません。
そんなわけで、「ギブソンのレスポールを買うなら、どれにする?」をテーマに、ギブソンおよびギブソン・カスタムショップからリリースされているレスポールの、おおまかな全体像を見てみましょう。レスポールを検討している人も、そうでないけど興味のある人も、もう持っている人も、ぜひ参考にしてみてください。

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1: レスポール3類型 1.1: 【標準機】レスポール・スタンダード・タイプ 1.1.1: レスポール・スタンダード 1.1.2: レスポール・トラディショナル 1.1.3: レスポール・クラシック 1.1.4: レスポール・デラックス 1.1.5: レスポール・スタジオ 1.1.6: その他廉価版 1.2: 【高級機】レスポール・カスタム・タイプ 1.3: 【廉価版】レスポール・ジュニア/スペシャル・タイプ 2: レスポールを選び抜くためのポイント 2.1: 価格帯 2.2: ルックス 2.2.1: ボディ 2.2.2: ドレスアップの違い 2.2.3: 各種パーツ群 2.3: ピックアップの違いによるサウンド 2.4: 機能性と演奏性 2.4.1: 重量調整 2.4.2: 演奏性 2.4.3: 自動チューニング 2.4.4: サウンドバリエーション 2.4.5: アーム 2.4.6: その他の便利な機能


Gibson Les Paul Standard 2018 Electric Guitar
2018年版のレスポール・スタンダードは、サイバーな雰囲気すら感じさせる「HP」とは大きく異なるトラディショナルな風貌に、最新の演奏性を追求したネック/指板や超軽量ボディなど新しい要素をふんだんに取り入れています。「Burstbucker Pro」ピックアップは「PAF」を再現しつつも、ハウリングを防ぐためのロウ漬け処理を施しています。

レスポール3類型

一言で「レスポール」と言っても、実際には様々なレスポールがリリースされています。これら無数のレスポールを整理してチェックするため、そもそもの開発コンセプトで区分される3タイプ、「レスポール3類型」

  • 1)【標準機】レスポール・スタンダード・タイプ
  • 2)【高級機】レスポール・カスタム・タイプ
  • 3)【廉価盤】レスポール・ジュニア/スペシャル・タイプ

これを押さえておきましょう。

ちなみにこの「価格/グレード」を軸とした開発コンセプトは、現在では形だけのものになっています。高級機であるはずのレスポール・カスタムよりも高額なレスポール・スタンダードや、廉価版のはずなのにレスポール・スタンダード・タイプより高額なレスポール・ジュニアなど、今ではそもそもの開発コンセプトに合致しない例が数多くあります。ここではその現状に目をつぶり、「そもそもそのつもりで開発した」3タイプに分かれる、と思ってください。

1)【標準機】レスポール・スタンダード・タイプ

Standard Historic 1960 Les Paul Standard Standard Historic 1960 Les Paul Standard

「レスポール・スタンダード」はギブソンUSAの看板であり、新品でも中古でも、ヴィンテージ市場でも、非常に厚い支持を受けています。特に1958年式~1960年式の人気が圧倒的で、この年式をベースとした多くの派生モデルが生まれ、「レスポール・スタンダード」を頂点とするひとつのカテゴリーを形成しています。このカテゴリーに属する主なレスポールを見ていきましょう。

レスポール・スタンダード

レスポール・スタンダード

ギブソンUSA/ギブソン・カスタムショップ共に最大の看板商品で、何十ものモデルが生まれている「レスポール・スタンダード」。ギブソンUSAの最高グレード「2018 HP」は、「スタンダード(標準)」とは名ばかりで、最強最新鋭の設計によってどのジャンルでも使用できる。ボディトップのメイプルは、ギブソンUSAのレスポール内で最高のグレードのものが使用され、最高に美しい。このモデルだけの「非対称スリムテーパー」ネックグリップは、異次元の演奏性。
ギブソン・レスポール・スタンダード徹底分析!

レスポール・トラディショナル

レスポール・トラディショナル

1958年式と1959年式を意識した、伝統的(トラディショナル)な設計。実質的には過去のレスポール・スタンダードをそのまま継承したモデル。「トラディショナル2018」の「ラウンド」ネックグリップは太めで、本体重量は重め。
ギブソン・レスポール・トラディショナル徹底分析!

レスポール・クラシック

レスポール・クラシック

かつては1960年式を改造した、ハードロック向き改造レスポールをイメージしたギターだったが、現行は1956年式のレスポールを意識してか、塗りつぶしカラーとP-90ピックアップという構成。速いフレーズに有利な細身の「スリムテーパー」ネックグリップは、「クラシック」の伝統。
ギブソン・レスポール・クラシック徹底分析!

レスポール・デラックス

レスポール・デラックス

本来レスポール・スタンダードの後継機種として発表された。控えめなトップの曲面とミニハムバッカーが特徴。ミニハムバッカーは小さくても実はパワーがあり、またピックアップ自体の幅が狭い分だけ太すぎないちょうど良いサウンドを作りやすい。「デラックス2015」の「非対称ラウンド」ネックグリップは太めながら手にフィットする。
ギブソン・レスポール・デラックス徹底分析!

レスポール・スタジオ/Tribute/Faded

レスポール・スタジオ

メイプルトップのグレードと装飾を控えめにすることで、低価格化を実現させた廉価版レスポール。ピックアップは上位グレードと代わらないものなので音も良く、プロミュージシャンに愛用されることも。「スタジオ2018」のネックグリップは「スリムテーパー」で、他の年式でも細めのグリップが採用されている。
ギブソン・レスポール・スタジオ/トリビュート/フェイデッド徹底分析!

その他廉価版

Gibson M2 Gibson M2

レスポール・スタジオよりお手ごろな価格のレスポールも、かなりたくさんリリースされています。バインディングの廃止/ドットインレイへの変更など装飾を控え、塗装をサテン仕上げにする(研磨しないだけ工賃が浮く)、木材を見直したり新しい素材を取り入れたりするなど、低価格化に対するギブソンの企業努力を垣間見ることができます。

→Gibson M² / S Series 、LPJ 、Les Paul CM 、Les Paul Studio Faded 、Les Paul ’50s Tribute 、Government Series II Les Paul 、LPM 、Les Paul Voodoo 、Les Paul Classic Playerなど

これらはその一例ですが、単に頑張って価格を下げただけのギターではありません。それぞれがキャラクター設定されており、ギター本体からにじみ出るような魅力を感じさせます。


以上、レスポール・スタンダード・タイプは、代表機種「レスポール・スタンダード」が現代路線を行き、同「トラディショナル」と「クラシック」は歴史上のレスポールを意識した作りになっています。派生モデルである「デラックス」は、その年により生産されたりされなかったりするモデルですが、「ちょっと違ったレスポール」として近年の存在感を発揮しています。「スタジオ」以下に続く低価格モデルは、基本的にはレスポール・スタンダードをベースとしています。このタイプからは毎年さまざまなモデルがリリースされており、全体像を俯瞰(ふかん)するにはかなりの困難を伴います。


Gibson Les Paul Traditional 2018 Electric Guitar
レスポール・トラディショナルは、ずっしりとした重量感と丸みのあるネックを特徴とし、いかにも古風なレスポール、という弾き心地です。ピックアップには「BurstBucker」1と2を採用、パワーに頼りすぎないヴィンテージトーンが持ち味です。

2)【高級機】レスポール・カスタム・タイプ

Les Paul Custom Les Paul Custom

「タキシードに似合うギター」をコンセプトに黒でビシッとドレスアップしたレスポール・カスタムは、1954年に「レスポールの上位モデル」として開発されています。そのため現在では、ギブソン・カスタムショップからのみリリースされる、特別なレスポールという扱いになっています。
真っ黒で硬質な指板が「スタンダード」とは異なりますが、サウンドや機能よりも「フォーマルで凛とした顔つきの良さ」がポイントで、ヴィンテージギターをきっちり再現したものから現代的な意匠を凝らしたゴージャスなものまで、さまざまスタイルのレスポール・カスタムが作られています。
また、同じコンセプトでSGやフライングVなど、他のタイプのギターがドレスアップされることもあります。なお、「高級機」というコンセプトで作られるギターなので、廉価版はありません。
ギブソン・レスポール・カスタム徹底分析!


Gibson Custom 2015 1974 Les Paul Custom Reissue VOS Electric Guitar
レスポール・カスタムは外装以外のほとんどがレスポール・スタンダードと共通しているのでかなり近いサウンドを持っているギターですが、指板が硬質なエボニーやリッチライトを使用しており、ロックに最適な硬質なニュアンスを持つと言われます。とはいえ美しくスウィートなサウンドも持っており、どんなジャンルでも使用することができます。

3)【廉価版】レスポール・ジュニア/スペシャル・タイプ

Les Paul Junior 2015 レスポール・ジュニア:2015年モデル

レスポール・ジュニアとレスポール・スペシャルの両モデルは、メイプルトップを使用しないマホガニー一枚板のボディにシンプルな意匠、そしてP-90ピックアップを特徴とする「レスポールの廉価版」として開発されました。
ジュニアはP-90を1基、スペシャルはP-90を2基そなえた「スチューデント・モデル(学生でも買える)」を標榜していましたが、シンプルかつストレートなサウンド、軽く取り回しの良い本体がロック系、特に歌ものバンドのギタリストに高く評価されています。
レスポール本来の「シングルカッタウェイ」ボディシェイプを採用しているものと、ハイポジションの演奏性を飛躍的に向上させる「ダブルカッタウェイ」のものがジュニア/スペシャルいずれもリリースされています。このダブルカッタウェイがSG開発のヒントとなりました。
ギブソン・レスポール・スペシャル徹底分析
ギブソン・レスポール・ジュニア徹底分析!


Gibson Les Paul Junior Demo
P-90をリアに1基のみ、という潔さが魅力のレスポール・ジュニア。そのシンプルさとコード弾きにマッチしたサウンドからギターボーカルが使用することが多い印象ですが、この突き抜ける感じのサウンドは、リードプレイもバリバリいけます。


以上、レスポールの3類型をざっとチェックしました。はじめはグレード差を付けるために開発された3タイプですが、現在ではそのグレード差も形ばかりのものになってきています。ですからグレードの差はあまり気にせず、自分がステージに立った時に、どれが相棒だとかっこいいかを想像してみてください。
それでは、これら3タイプから始まるたくさんのレスポールから、お気に入りの一台をどうやって見つけ出すか。「弾いてみて気に入ればいい」と言い放ってしまってはそれまでですが、レスポールを選ぶ上での判断材料はかなりたくさんあります。そのいくつかを見ていきましょう。

レスポールを選び抜くためのポイント

ではここから、レスポールを検討する上での判断基準になりそうなポイントを、いくつかピックアップしていきます。さて、あなたはレスポールに何を求めるでしょうか。


Gibson Custom 1958 Les Paul Standard Historic Reissue VOS Plaintop Bourbonburst
カスタムショップのレスポールで大いに採用されている「Custombucker(カスタムバッカー)」は、バーストバッカーをアレンジすることで、ジミー・ペイジ氏のレスポール「ナンバー1」に載っているヴィンテージPAFを再現したものだと伝えられています。スウィートなプレイもギャンギャン吠えるのにも、とても頼もしいピックアップです。

価格帯

ギブソンは高級ギターのブランドですが、具体的にはどれくらいするのでしょうか。2017年にリリースされたレスポールの、公式サイトで表示されている価格帯を見てみましょう。

モデル名 価格 円換算
Gibson Custom $4,199~$11,999 465,841~1,331,181
Les Paul Standard T/HP $2,799 / $3,199 310,523 / 354,900
Les Paul Traditional T/HP $2,299 / $2,699 255,053 / 299,429
Les Paul Classic T/HP $1,999 / $2,399 221,771 / 266,147
Les Paul Studio T/HP $1,499 / $1,899 166,300 / 210,676
Les Paul Tribute T/HP $999 / $1,399 110,830 / 155,206
Les Paul Faded T/HP $899 / $1,299 99,735 / 144,112
S Series $499~$899 55,359~99,735

表:ギブソン2017年モデルレスポールの価格(1$=\110.941。端数切り捨て):2018年1月時点

これは公式サイトに記載された価格なので、販売価格とは差があります。また、他の年代でもだいたい同様の価格帯です。カスタムショップの価格帯はさすがに圧倒的だし、レスポール・スタンダードやレスポール・トラディショナルもなかなかのお値段です。しかしながらその反面、定価で10万円台のもの、10万円を下回るものまでリリースされているのがわかります。高級ブランドなので高額なモデルが多いのは事実ですが、だからといってギブソンを諦めなくてもよいのです。


Gibson Les Paul Tribute 2018 Electric Guitar
なみいるレスポール・ラインナップの中でも比較的手に入れやすいレスポール・トリビュート。ルックス的には上位機種と全く遜色ないのが嬉しいポイントです。ピックアップにはヴィンテージトーンに中高域を強化させた「モダンクラシック」と称される「490R」と「498T」を載せています。レスポール・フェイデッドも同様のピックアップですが、こちらはピックアップカバーのないオープンタイプとなっています。