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ギブソン・レスポール・スタンダード徹底分析!

ギブソン・レスポール・スタンダード

ギブソンのレスポール・スタンダードはフェンダー・ストラトキャスターに並んで人気の高い、エレキギターの代表機です。コシのある弦振動とパワフルなサウンドにより、ロックを中心に幅広いジャンルの音楽で使用されています。

1952年のデビュー当時は「レス・ポール」の名で、ボディトップはゴールドになっていましたが、1954年にリリースされたレスポール・カスタム、レスポール・ジュニアとの区別のため1958年から「レスポール・スタンダード」に改称、ボディトップが鮮やかなチェリーサンバーストになりました。

’58モデルや’59モデルが特に人気ですが、「常に進化するギブソン」の象徴として最初のリリースから半世紀を経た今なお時代やシーンの一歩先を行く進化を続けており、ニューモデルが発表されるたびに話題になる注目のギターです。

MENU

1: レスポール・スタンダードの基本スペック 1.1: 伝統の「ギブソンスケール」 1.2: ハムバッカー・ピックアップ 1.3: ブリッジ 2: レスポール・スタンダードの歴史 2.1: レスポール史の夜明け前(1940年代) 2.2: フェンダーに対抗すべく「レス・ポール」爆誕(1950~1957) 2.3: 「バースト」の誕生(1958~1960) 2.3.1: 1958年モデル 2.3.2: 1959年モデル 2.3.3: 1960年モデル 2.4: レスポール冬の時代(1961~) 2.5: 再評価と再生産(1968~) 3: 現代のレスポール・スタンダード 3.1: 「現代レスポール・スタンダードの祖」2012年モデル 3.2: Les Paul Standard (2015) 3.3: Les Paul Standard 2016 HP / Les Paul Standard 2016 T 3.4: Les Paul Standard 2017 HP / Les Paul Standard 2017 T 3.5: 2018年モデル 4: レスポール・スタンダードのバリエーション 4.1: Gibson Custom Shop Historic Collection(旧モデル) 4.2: Gibson Custom True Historic Series 4.3: Les Paul Traditional 4.4: Modern Double Cut Standard 4.5: Les Paul Standard Double Cutaway 4.6: Les Paul Standard Plus 4.7: Les Paul Standard Premium Quilt 4.8: Les Paul Supreme 4.9: Les Paul Less+

レスポール・スタンダードの基本スペック

硬質で明瞭なサウンド特性を持つメイプル、ウォームでコシのあるサウンド特性を持つマホガニー、この二つの特性がちょうど良くブレンドされることで豊かなサスティンが得られるよう厚みを調整し、貼り合わせた2層構造のボディが最大の特徴です。メイプル材1/2インチ、マホガニー材1+3/4インチというバランスは、いくつものプロトタイプを検証する結果選ばれました。

伝統の「ギブソンスケール」

フェンダーの25+1/2インチ(約648mm)、マーチンの25.4インチ(645.2mm)より短い24+3/4インチ(約628mm)のネックスケール(弦長)は「ミディアムスケール」とも「ギブソンスケール」とも言われる、ジャズギターから受け継がれた伝統的な長さです(ジャズギターでももっと長い弦長が採用されたモデルがありましたが、この寸法になったのはレス・ポール氏の要望だったと伝えられています)。弦長が短くなると張力は落ちますが、ヘッドとブリッジに角度が付けられることで弦の張力(テンション)が増し、適正な張力が得られます。

ハムバッカー・ピックアップ

レスポール・スタンダードのピックアップ/ブリッジハムバッカー/チューン・O・マチックのブリッジ

ロックの歴史を築いてきた2基のハムバッカーピックアップを搭載。ピックアップごとにボリュームとトーンが設けられていますが、これはあらかじめそれぞれの音量/音質を設定しておき、トグルスイッチで切り替えて演奏することを想定した設計です。

各ピックアップはそのままハムバッカーとして使用することが想定されていますが、レスポール・スタンダードHPなど現代的なアレンジの効いたモデルでは、コイルタップなどのサウンドバリエーションが増強されています。

ブリッジ

ブリッジは弦振動を効率的にボディに伝える「チューン・O・マチック(TOM)」が現代の基本。ブリッジで弦高とオクターブピッチを調整、またテイルピースで弦のテンションを調整できる高性能ブリッジです。

以上のスペックに対して、ボディのマテリアル、ピックアップ、コントロール、ブリッジなどの仕様を変更した数々のバリエーションが存在し、また年式ごとにネックの取り付け角度、ネックグリップなどマイナーチェンジを繰り返しています。

レスポール・スタンダードの歴史

ここで各年式の特徴を見ていきながら、レスポール・スタンダードが歩んだ歴史をチェックしてみましょう。レスポールの歴史は半世紀以上と長く、評価の高い年式や状態の良い個体はヴィンテージギターとして高値で取引されることも珍しくありません。ヴィンテージギターを模したヴィンテージモデルの人気も非常に高く、現在生産されているレスポールは歴史上のレスポールを無視して語ることができないわけです。

1) レスポール史の夜明け前(1940年代)

ジャズギタリストとして活躍していたレス・ポール氏(1915-2009)は、「ボディ構造に影響されない、ピュアな弦の振動だけをアウトプットしたい」という発想からボディに共鳴用の空洞を持たない「ソリッド・ギター」の構想を提唱します。しかし当時のギブソン社はこれを相手にしなかったため、レス・ポール氏は1941年、エピフォン社の工房で自力でソリッドギター「The Log」を作り上げます。しかしこの年、真珠湾攻撃を理由にアメリカは大戦に参戦したことで、いろいろと大変な情勢になります。

ギブソン社はその後、1944年にCMI社に買収されます。1948年には「ギブソンの黄金時代を築いた」とされる経営者テッド・マッカーティー氏がCMI社のヘッドハントで入社し、ギブソン社の体制は大きく変化します。

2) フェンダーに対抗すべく「レス・ポール」爆誕(1950~1957)

1950年に発売されたフェンダーの「ブロードキャスター(=テレキャスター)」が、ギター市場を席巻しました。ギター製造の伝統を無視したとも言える全く新しい構造に、ギブソン社は「ホウキにマイクを付けたガラクタだ」と揶揄したと伝えられていますが、そんなギターがバカ売れする(ギブソン社からすれば)全くの異常事態に、ギブソン社としても「ソリッド・ギター市場」は無視できなくなりました。
そこで社長兼エンジニアのテッド・マッカーティー氏を中心とした開発部と、かつてギブソンにソリッド・ギターを提案したレス・ポール氏とのコラボレーションにより、全く新しいソリッド・ギターの開発が始まりました。当時すでに半世紀近い歴史を持つギター製造の老舗ギブソンと、年収100万ドルとまで言われた達人レス・ポール氏との共同開発は、史上まれに見る強力なタッグでした。

1952年モデル

Les Paul Tribute 1952 52年モデルを再現した「Les Paul Tribute 1952」

開発に1年を要した「レス・ポール」は、既に現代とほぼ同じ姿をしていました。ボディトップに施された立体的なカーヴィング(削り)は「フェンダーへの強烈な対抗意識の表れ」だと言われています。

  • 当時のギブソンの定番「P-90」ピックアップの両耳を失くした「ソープバー」
  • レス・ポール氏が考案した「トラピーズ・ブリッジ」

この二つを特徴とし、ネックのジョイント角が「1度」と小さいことから弦の張力が低かったようです。ボディの「ゴールドフィニッシュ」も大きな特徴で、1958年まではレスポールと言ったらゴールドの一択でした。

1953年モデル

構造上「ブリッジミュートができない」というデメリットを抱えていたトラピーズ・ブリッジは廃止され、シンプルかつ強固な「バーブリッジ(開発者の名前から「マッカーティーブリッジ」とも)」が採用されます。

1954年モデル

1954年にはこのバーブリッジの厚みが増加し、パーツ剛性が向上します。またこの年、レスポール・カスタムとレスポール・ジュニアがデビューします。

1955年モデル

1955年には、以前からレスポール・カスタムに採用されていた「TOM(チューン・O・マチック」ブリッジが採用されます。高い音響性能がありながらブリッジの高さ、オクターブピッチ、弦の張力まで調節できるTOMブリッジは、以後のギブソン製品の定番となります。

1957年モデル

Standard Historic 1957 Les Paul Goldtop 57年モデルを再現した「Standard Historic 1957 Les Paul Goldtop」

ここで遂に、ハムバッカーピックアップ「P.A.F」が搭載されます。ハムノイズを大幅に減らすことに成功したことはもとより、従来のP-90ではできなかった「ピックアップの高さ調節」ができるようになりました。

3) 「バースト」の誕生(1958~1960)

1958年はギブソンの歴史の中でも最も重要な年で、依然としてジャズギターのイメージが濃かった同社のイメージを打破すべく、革新的なモデルが多数発表されました。当時のビジネスとしては大コケしたフライングV、エクスプローラーをはじめ、大成功となったES-335、そして「チェリーサンバーストのレスポール・スタンダード」が以後のギブソンを牽引していくことになります。

1958年モデル

Standard Historic 1958 Les Paul Standard 58年モデルを再現した「Standard Historic 1958 Les Paul Standard」

この年からレスポールは「レスポール・スタンダード」と改称、ゴールドからチェリーサンバーストへとカラーリングが変更されました。カラーバリエーションはなく、チェリーサンバースト一択です。この年式の塗料は赤が退色しやすく、完全になくなってしまって「レモン・ドロップ」と呼ばれる黄色になってしまうものも多くありました。特徴的な太く分厚いネックグリップを嫌い、スリムにリシェイプして使用するギタリストも多かったと伝えられています。

1959年モデル

Standard Historic 1959 Les Paul Standard 59年モデルを再現した「Standard Historic 1959 Les Paul Standard」

いわゆる「バースト」の中でも最も人気があると言われている1959年モデルは、ネックを一回りスリムに、また細身のフレットを太めにするというアレンジが加えられました。このアレンジはチョーキングやビブラートといった表現技法で有利に働きました。

1960年モデル

Standard Historic 1960 Les Paul Standard 60年モデルを再現した「Standard Historic 1960 Les Paul Standard」

赤みが退色して表情が変わっていくのがこの時代のレスポールの面白さでもあったのですが、メーカーとしては1年や2年で衰えてしまうようなヤワなものは許せないわけで、1960年より退色しにくい塗料が採用されます。ネックグリップはもう一息薄くなっています。

3つの「バースト」

58年、59年、60年に生産されたレスポール・スタンダードは現在「バースト」の愛称が付けられ、最も高額なヴィンテージギターとなっています。バーストは人から人へと渡り歩いてさまざまなレコーディングに使われており、「あの音はこのギターでないと出ない」など伝説的なギターとなっています。そのため人気は非常に高く、価格は状態によりさまざまですが、2,000万円とも3,000万円とも言われています。しかし当時は「重量と音量がありすぎて使いにくいギターだ」なんて思われていたそうですから、セールスはそれほどでもなかったようで、生産台数も少なかったわけです。

4) レスポール冬の時代(1961~)

セールスの不振から1961年にはそれまでのレスポールは生産終了となり、フルモデルチェンジが行われました。これにより、現在の「SG」が新しいレスポール・スタンダードとして生産されます(いわゆる「SGレスポール」)。その結果販売台数が飛躍的に上昇したと伝えられていますから、それ以前のバーストがいかに苦戦したかが分かりますね。しかしながらレス・ポール氏の契約が切れたことから「レスポール」のモデル名もなくなり、ギブソンの黄金時代を築いた経営者テッド・マッカーティー氏も1966年に退社しました。開発にたずさわった中心人物二人の名前がギブソンから消え、レスポールは名実ともに生産終了となってしまいました。レスポール再評価のためには、エリック・クラプトン氏の台頭を待たねばなりません。

5) 再評価と再生産(1968~)

エリック・クラプトンの功績


ヤードバーズ「三大ギタリスト」の一人、また「ギターの神」として知られるエリック・クラプトン氏が1965年にブルース・ブレイカーズのアルバムでレスポールを使用しました。ここで使われた「レスポール+マーシャルアンプ」の組み合わせによるパワフルかつセクシーなサウンドが「極上のサウンド」として激賞され、これが1968年からのレスポール再生産に繋がります。

「フレディ・キングが持っていたゴールドが欲しかったのに、売っていなかった」という理由で手に入れたレスポールは1960年製で、’58や’59よりも細いネックグリップがお気に入りだったそうです。
エリック・クラプトン

ジミー・ペイジの使用によりロックの王道へ


1968年にデビューしたレッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジ氏の愛用する’58レスポール・スタンダードの強力なサウンドは、強力なバンドのグルーヴ、柔軟性に富み幅広い音楽性も相まってこの時代を席巻しました。

ジミははじめフェンダー・テレキャスターを愛用していたのですが、「音が近くてよりパワーのある楽器」を求めてレスポールに持ち替えたといいます。当時のレスポールは、低域は必要以上に出ず、中高域が気持ちよく響く「枯れた」サウンドが特徴でした。また’58は太く存在感のあるグリップも特徴。ペイジ氏はネックを細くリシェイプして使用していました。ストラップを長くして腰よりも低い位置でレスポールを演奏するスタイルはジミー・ペイジが起源で、現代ではロックギタリストのひとつの様式美にもなっています。
ジミー・ペイジ


1968年に再生産されて以降も、レスポールはトップのカーヴ、ネックグリップ、ヘッドのサイズやネック/ヘッドの角度といった様々なマイナーチェンジを重ね、時代ごとに姿を変えてきました。そのなかで例えば70年代のレスポールは、

  • ランディ・ローズ氏の1974年製レスポール・カスタム
  • ジョン・サイクス氏の1978年製レスポール・カスタム

などが名高く、80年代のハードロック/ヘヴィメタルシーンにおいてスーパーストラトに押され気味ながらもなかなかいい勝負をしてきました。しかし現在ではレスポールのヴィンテージ・スタイルといえば50年代に限る、とまで言われるように、52年から60年までの人気が圧倒的です。レスポールが歩んだ歴史やヴィンテージ・レスポールに興味がわいた人は、こうしたテーマを深く追及する書籍がいくつも出版されていますので、ぜひ読んでみてください。「ネット社会」と言われながらも、専門書に記されている情報にはやはり価値があります。

現代のレスポール・スタンダード

現代版のレスポール・スタンダードは、ロックの歴史を担ってきたレスポールへのリスペクトを忘れず、クラシカルな様相と基本スペックはそのままにした上で、現代的なアレンジを加えることにより守備範囲の広い高機能なギターになっています。2010年代に入ってから、ギブソンはラインナップを毎年マイナーチェンジさせています。特にレスポール・スタンダードはギブソンの看板商品として常に現代を見つめ、毎年最新版がリリースされています。

「現代レスポール・スタンダードの祖」2012年モデル

現代のレスポール・スタンダードは、2012年モデルをベースとして歩みを続けてきたと言われています。2012年モデルは、

  • 1) モダン・ウェイト・レリーフ
  • 2) コンパウンド・ラジアス指板
  • 3) 非対称ネックグリップ
  • 4) コイルタップ

といった、現代でも受け継がれている重要な設計が初めて採用されています。2012年には、「Les Paul Standard 2012」に加え、ボディトップのメイプルのグレードを上げた「Les Paul Standard Plus Top 2012」がリリースされました。翌年モデルの「Les Paul Standard 2013」は「2012」を継承、ボディトップのグレードを3段階に分けてリリースしました。

さらにその翌年には、

Les Paul Standard 2014 AAAグレードのフィギュアドメイプルトップ、自動チューニングシステム「Mini-ETune」搭載
Les Paul Standard 2014 Plus AAAAグレードのフィギュアドメイプルトップ、ロトマチックタイプのロッキングチューナー
Les Paul Standard 2014 Premium Quilt AAAグレードのフキルテッドメイプルトップ、ロトマチックタイプのロッキングチューナー

という3タイプをリリース、自動チューニングシステムが初めてレギュラー入りしました。

Les Paul Standard (2015)

Les Paul Standard 2015 Les Paul Standard 2015

ギターの偉人レス・ポール氏生誕100年の節目となる2015年版のレスポール・スタンダードは、2014年にリリースされたレスポール・スタンダードをベースとして、2015年仕様のモデルチェンジを施したバリバリの現代仕様になっています。サウンドについても現代指向で、低域をシェイプアップし、中高域にきらびやかさのある、爽快感のあるトーンになっています。

ヘッドロゴ、ゼロフレット・ナットヘッドロゴ、ゼロフレット・ナット

外観

多くの仕様変更を受けながら、ボディやネック、ヘッドの形状などレスポール・スタンダードの伝統的な外観はしっかり保持されています。レス・ポール氏生誕100年を記念したヘッドロゴ、2015年仕様の特徴であるゼロフレット・ナット、ヘッド裏に貼付けられたレス・ポール氏の肖像といったポイントが外観の特徴になります。

ネック

ナット幅約46mmという若干広めのネックは、6弦側にボリューム感を残しながらスリムに仕上げた「非対称スリムテーパー」グリップになっており、親指を出してネックを握るプレイスタイルに特に良好です。この非対称スリムテーパーは、レスポール・スタンダード限定の仕様となっています。「コンパウンドラディアス・フィンガーボード(円錐指板)」はナット部分では丸く、最終フレットに向かってだんだん平らになっていく高機能の指板です。コード弾きを主体とするローポジションでは握りやすく、チョーキングを多用するハイポジションでは音の伸びが良くなります。
また高さを調節できるゼロフレット・ナット、及びプレック(Plek )の処理により高さを抑えた状態で均一に仕上げられたフレットにより、スムーズな弾き心地と正確なイントネーションを両立させています。

ブリッジ

ブリッジはザマック(亜鉛合金)のベースにチタンのサドルを合わせており、振動の伝達を向上させています。ブリッジとテイルピースはネジでスタッドに固定できるようになっており、振動を伝達する効率を上げ、また弦交換時に脱落するのを防止しています。

Modern weight reliefボディ内部がくりぬかれている
「モダン・ウエイトリリーフ」

重い!が解消された軽量ボディ

AAグレードのメイプルトップ、キメの細かい軽量なマホガニーのバックという組み合わせになっています。メイプルのAAグレードはギブソン基準で10段階中の4番目にあたり、この下のA+にレスポール・トラディショナルが、上のAAAにレスポール・スタンダード・プレミアムキルトが位置します。マホガニーは密度の低さ(軽い方が高級)とキメの細かさで4段階に分けられ、レスポール・スタンダードでは最高グレードのマホガニーが使用されます。
バックのマホガニーを何カ所もくり抜いたボディ構造は「”モダン”ウェイトレリーフ(“Modern” weight relief)」が施され、ボディ重量約2.5kgに調整されます。軽量化だけでなく、ホロウボディ的なサウンド特性の付与により更なる”鳴り”の実現に成功しています。

コイルタップ対応「BurstBucker Pro」ピックアップ

BurstBucker Pro

採用されているハムバッカーピックアップ「BurstBucker Pro(バーストバッカー・プロ)」はフロント/リア共にポールピースが弦をきちんと狙えるように間隔が調整されています。もちろん普通のレスポールとして機能しますが、全てのポットにpush/pullのスイッチが仕込まれています。それぞれのボリュームポットがコイルタップ(ハムバッカーの片方だけを鳴らし、シングルコイルのサウンドを得る)、フロントのトーンでフェイズ(フロント+リアの音が細くチャリチャリになる)、リアのトーンでトーン回路のバイパス(トーン回路を切る事で、音量が上がり、抜けが良くなる)ができ、通常のレスポールでは得られなかったサウンドのバリエーションを獲得しています。

実のところこれはジミー・ペイジ氏が自らの’58レスポールに施した配線と同様の仕様で、理論上レッド・ツェッペリンの完全コピーが出来るようになっています。

Les Paul Standard 2015を…
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Les Paul Standard 2016 HP / Les Paul Standard 2016 T

Les Paul Standard 2016 HP Les Paul Standard 2016 HP

トラディショナル・ウエイトリリーフ

ギブソンを象徴するギターである「レスポール・スタンダード」の2016年モデルは、

  • 細身で手の形状にフィットする「非対称スリムテーパー」ネックグリップ
  • 弦高を落としたセッティングがしやすい「コンパウンド・ラジアス指板」
  • ヴィンテージPAFを再現した末に行きついた「バーストバッカー・プロ」ピックアップ

という2015年モデルの特徴的な仕様を継承し、現代の音楽シーンに合わせて

  • 0.05~0.1インチ細くなったネック
  • クライオ処理(超低温で物性を整える)が施されたフレット
  • フロント/リアそれぞれのコイルタップ、フェイズ、リアピックアップからアウトプットへ直結するスイッチ、という4つの機能が仕込まれたコントロールポット

というアレンジが施され、弾きやすくてサウンドバリエーションが豊富にある、現代の音楽を作っていくギタリストにとって最強のレスポールに仕上がっています。

また2016年モデルからは異なるコンセプトでまとめた二つのタイプ「HP」「T」でモデル展開をしており、HP モデルは T モデルの上位機種という立ち位置にあり、ギター本体のグレードも1段階上に位置しています。

モデル名 Les Paul Standard 2016 HP Les Paul Standard 2016 T
トップ材 AAAAグレードの2Pフレイムメイプル(塗りつぶしのカラーはCグレード) AAAグレードの2Pフレイムメイプル(塗りつぶしのカラーはCグレード)
バック材 密度が低く上質なマホガニー2ピース マホガニーの積層材だが、木目の合った材木を貼り合わせている

表:スタンダードHP/Tで使われるボディ材の違い

HPモデルとTモデルの違い

レスポール・スタンダード、レスポール・トラディショナル共に、HPモデルはTモデルより350ドル高い上位機種です。両者はボディ材のグレードにも違いがありますが、それ以外に搭載されるパーツ類、付属するハードケースにも違いが設けられています。
モデル名 Standard 2016 HP Traditional 2016 HP Standard 2016 T Traditional 2016 T
特徴 ハイパフォーマンスモデル:自動チューニングシステムとゼロフレット・ナットを最大の特徴とする最新鋭仕様 トラディショナルモデル:現代の楽器としてのアレンジは受けながらも、伝統的でシンプルな仕様
ネックヒール 滑らかなカットによって、ハイポジションでの演奏性がアップ ノーマル
指板インレイ 真珠貝 アクリル
ナット チタン製「ゼロフレット・ナット」
ナット幅1.745インチ(44.3㎜) (2015モデルはブラス製で、ナット幅1.795インチ) テクトイド(摩擦係数を軽減したグラファイト)製ナット ナット幅1.695インチ(43.0mm)
ペグ つまみがザマックになった、次世代型自動チューニングシステム「G Force™」 Standard : グローヴァー製ロッキングチューナー。 Traditional : グローヴァー製クルーソンタイプ。伝統的な「グリーンキー(緑色のつまみ)」
電気回路 伝道効率を向上させた高性能特殊ジャックと、ノイズの出にくいトグルスイッチ 特殊なものはない、伝統的な回路
コントロールノブ Supreme grip speed knobs Standard : Amber Top Hat Traditional :Gold Speed
ブリッジ ザマックTOM&チタンサドル ザマックTOM
ケース アルミで覆われたHPハードシェル・ケース(長方形) ギターの形をかたどった伝統的なハードケース
表:HPモデルとTモデルの違い 以上のように大きなものから小さなものまでパーツ類にさまざまな違いが設けられていますが、これ以外に「スタンダードHP」は、フロント&リアそれぞれのコイルタップ、コントロール系の操作感を変更できる「ディップスイッチ」を内蔵しています。 このディップスイッチはコントロール・キャビティの中に配置され、 ・フロント/リアそれぞれの、タップ時の低域の出方を切替 ・フロント/リアそれぞれについている、「ハイパスフィルター(ボリュームを絞っても高音域が残る)」のOn/Off ・Transient Suppression:過大入力を抑える機能のOn/Off(ライン録り専用。ギターアンプを使用するときには変化なし) というマニアックな切替ができるようになっています。このディップスイッチは、レスポール・スタジオ 2016 HP にも搭載されています。 「コントロール・ノブに何を選択するか」は、ギターのドレスアップにおける重要なポイントです。T モデルにはギターごとにいろいろなノブが付けられますが、総じてレトロな印象を抱かせるスタイルのものです。いっぽう HP モデルは、レスポールに限らずギブソンの2016モデル全てのノブが「Supreme grip speed knobs」で統一されています。これは従来の「スピードノブ」に滑り止めのギザギザを刻み、操作性を向上させています。

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Les Paul Standard 2017 HP / Les Paul Standard 2017 T

Les Paul Standard 2017 HP Les Paul Standard 2017 HP(Honey Burst、Heritage Cherry Sunburst、Bourbon Burst、Blueberry Burst)
「T」も同カラー4機種のラインナップとなっている

2017年版のレスポール・スタンダードは、コンセプトによって「HP」と「T」に分化した2016モデルの思想を継承し、さらにその先へと進化を遂げています。その結果HP/T共に「現代」を強く意識したレスポールに仕上がっている、と言えるでしょう。

トグルスイッチ トグルスイッチのプレートが無い

分かりやすいところでは、HP/T両機ともトグルスイッチのプレートが無くなっているのが外観上の特徴です。HPはコントロールノブやエスカッションなど、これまでプラスチックが使用されていたパーツ全てが金属製に置き換わっており、アメリカンなモダン感が演出されています。ピックガードは外れている状態で出荷されますが、専用ピックガードが同梱されており、簡単に取り付けることができます。

では、前年モデルと比べて2017年版はどうなったか、変更点をチェックしてみましょう。

項目 2016→2017変更点
ボディ バックのマホガニーに新設計「ウルトラモダン・ウェイトレリーフ」を施し、さらに軽量化。ボディ重量が約500グラムダウン。バック材についてはHP/Tとも2ピースになったので、前年版で積層材を使用していたTは実質グレードが上がった。
ネック マホガニー1ピースネック、1フレット地点の厚さ0.800インチ、12フレット地点の厚み0.875インチ、HPの方がTより気持ち広め、といった点はそのまま継承しているが、グリップが若干変更され、ハイポジションは細めになり、ネック本体も50グラムほど軽量化した。またバインディングの角が取れるような成形を施しており、最初から手に馴染みやすい。
ピックアップ 「バーストバッカー・プロ」を継承しているが、HPのリアは「Lead+」となりコイルのターン数が増加、出力が上げられている。
ブリッジ&テールピース 2016年版のザマック製から、伝統的なアルミニウム製に回帰した。HPではチタン製サドルが継承されている。
カラー 11種類から4種類にまとまった。塗りつぶしカラーはなく、全て何かのサンバースト。
同梱 2016年版ではレンチとクリーニングクロスが同梱されていたが、2017年版では調整に使用するマルチツールのほかに、クリーニングクロス、フレットガード、そして革製ストラップが同梱される。

表:2016→2017変更点

ボリューム/トーンを操作する4つのコントロールノブにはスイッチが仕込まれており、各ノブを引くと「ON」です。これによってサウンドバリエーションが大幅に増強され、レスポールが本来苦手としている「細く鋭い音」までカバーできるようになります。HP/Tそれぞれのコントロールノブの働きを見てみましょう。

名称 LPSTD 2017 HP LPSTD 2017 T
リア/フロントボリューム それぞれのピックアップをコイルタップもしくはコイルスプリットさせる(後述)。 それぞれのピックアップのコイルタップ。
フロントトーン リア&フロントのミックス時に、フェイズサウンドになる。 リア&フロントのミックス時に、フェイズサウンドになる。
リアトーン コイルスプリット時に使用するコイルを、内側から外側へ変更する。 「ピュア・バイパス」作動。リアピックアップからそのままアウトプットジャックへ音を送る。

表:各コントロールノブの機能

「コイルタップ」という言葉について、レスポール・スタンダード2017HPでは独自の解釈が採用されていますので、心得ておく必要があります。

用語 意味
コイルスプリット ハムバッカーが持つ二つのピックアップのうち、一つだけを鳴らす。一般的なコイルタップのこと。
コイルタップ フィルターを起動して、ピックアップの出力を抑える。

表:レスポール・スタンダード2017HPの用語

各ピックアップをコイルタップさせるのかスプリットさせるのかは、ギター内部に配置されているディップスイッチであらかじめ設定します。

以上、いろいろ細かい変更点がありますが、それらをすべて吹き飛ばす簡単な言い方をすると、「軽さと弾きやすさが向上した」というのが楽器としては最も注目するべきでしょう。レスポール・スタンダード2017年版は、史上最軽量のレスポールとなっています。

2018年モデル

Les Paul Standard HP 2018

Les Paul Standard HP 2018

2018年からは、「HP(ハイ・パフォーマンス)」モデルがレスポール・スタンダードとSGスタンダードのみとなりました。レスポール・スタンダードの最新アップグレード版というべき「スタンダード・HP・2018」は、通常版のレスポールからかけ離れたとも言えそうな、突き抜けた革新性を帯びた全く新しいギターになっています。新しいカラーリングも目を引きますが、何よりも新しいのはピックアップの取り付け方です。エスカッションを排し、ボディ裏からネジ止めするという手法は、おそらくギブソン史上初です。それどころか、世界的にもなかなか類を見ません。そのため伝統に根ざしたギターでありながらも、サイバーな雰囲気が演出されています。

Les Paul Standard HP 2018:コンター加工 Les Paul Standard HP 2018:ボディバックには遂にコンター加工が採用された

演奏性については、「レスポールの壁をぶち抜いた」というにふさわしい思い切ったアレンジが施されています。ボディバックには脇腹のフィット感を向上させる「コンター加工」が遂に採用され、ネックのジョイント部では、ハイポジションの演奏を邪魔するものがほぼいなくなるほどの大胆なヒールカット「ファスト・アクセス・ヒール加工」が施されます。非対称スリム・テーパー・ネックの握り心地と相まって、武骨で不器用なイメージを完全に拭い去った、とても弾きやすいギターに仕上がっています。ボディの重量調整には従来の軽量化をさらに推し進めた「ウルトラ・モダン・ウェイト・レリーフ」が施されることで、「史上最軽量のレスポール」とされた2017年モデルを上回る、軽さの記録更新を果たしました。
パーツや回路もとてもしっかりしています。コンパウンド・ラジアス指板に打ち込まれる22本のフレットには低温処理が施されており、従来のフレットよりも4倍ほど長持ちします。シビアに追い込んだ設定が自分でできるチタン製「ゼロフレット・ナット」とチタンサドルの組み合わせは、2010年代のレスポールにおける大きな特徴です。2017年モデルで採用されていた内蔵「DIPスイッチ」を引き継いでおり、スイッチによる設定で150種類もの音色を手に入れられます。また、自動チューニングシステム「G-Force」を備えており、ボタンの操作で数秒のうちにチューニングを終えることができます。

Les Paul Standard 2018

Les Paul Standard 2018

2018年モデルでは、最新鋭の「HP」に対する「T」の表示が無くなりました。ここで使用されてきた「T」は「Traditional(伝統的な)」の頭文字ですから、現代的な設計のギターのモデル名にはフィットしなかったわけです。2018年のレスポール・スタンダードは、外観こそ伝統的なレスポールを踏まえながら、現代的な仕様で武装した頼もしいギターになっています。
ヒールカットやコンター加工を施さないのが、伝統的なレスポールの基本仕様です。バックの加工を不採用にすることで、どこにでもある普通のレスポール感をかもし出すことができます。しかし実際にはそれ以外のところで

  • 1)コンパウンド・ラジアス指板
  • 2)非対称スリムテーパーネック
  • 3)ウルトラ・モダン・ウェイト・レリーフ
  • 4)ロトマチック式ロッキングチューナー
  • 5)4つのボリューム/トーンコントロールノブ全てに隠し機能あり

といった最新スペックで身を包んでいるわけです。コントロールノブの隠し機能については2017年モデルを踏襲し、
リア/フロントボリューム:それぞれのピックアップをコイルタップもしくはコイルスプリットさせる。/それぞれのピックアップのコイルタップ。
フロントトーン:リア&フロントのミックス時に、フェイズサウンドになる。リア&フロントのミックス時に、フェイズサウンドになる。
リアトーン:リアピックアップからそのままアウトプットジャックへ音を送る。
という音色の切り替えができるようになります。

Les Paul Standard 2018を…
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続いて、レスポール・スタンダードのバリエーションについて紹介していきます。