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フレットの種類と特徴

ギターフレットについて

フレットはの指板上に打ち込まれた金属の棒で、ギターの音階を決定付けるパーツです。このフレット、実は消耗品で、経年劣化で腐食したり/弦とこすれて局部的にすり減ったりということが起こり、特定のポジションで「ビビリ」が出る原因となったりします。また「浮き」が出てきたり/木が痩せる「バリ」が起こったりすると、高音域のシャリ感が損なわれる原因ともなります。
弦がビビる、その原因を探ってみよう

ある程度年月を経たギターのフレットは一度メンテナンスしてあげましょう。

フレットの材料

エレキギターのフレットには、主に「ニッケルシルバー」や「ステンレス」が使われます。ニッケルシルバーは銅/ニッケル/亜鉛の合金で、別名「洋白(洋銀)」といいます。洋白に近いものは紀元前から使われており、現代でも装身具やナイフ/フォークに使われるなど身近な金属です。ステンレス(Stainless Steel=錆びない鉄)は錆びにくさ&頑丈さから、食卓から宇宙開発まで多岐にわたって使用されています。

ニッケルシルバーフレット

フェンダーギブソンも、サイズや形状に違いこそあれジム・ダンロップ社のニッケルシルバーを採用しています。アイバニーズフジゲンヤマハなど国内のブランドでは三晃製作所の、やはりニッケルシルバー製フレットが使われます。

ニッケルシルバーはギターのフレットとしては標準的な素材で、そこそこの強度があり、美しく、また加工がしやすいことが利点です。しかしこの金属は弦よりもわずかに柔らかく、何年も使っていると削られて凹んでいくなど変形していきます。よって定期的な「フレット擦りあわせ」や「フレット交換(リフレット)」が必要になります。

ステンレスフレット

いっぽうトム・アンダーソンサージェームズ・タイラーT’sギターといったハイエンドブランドのギターでは、ジェスカー社のステンレスフレットが目立ってきました。

ステンレスはその名の通り汚れにくく、いつまでもくすんでしまわずに美しさを維持します。また弦よりも硬いので、長年の使用で凹んでしまうことがほぼなく、いつまでも弦が滑るかのようなスムーズな弾き心地です。しかしニッケルシルバーと比べて音が硬くなり、高音域の扱いに工夫が必要になります。

FREEDOM SP-SF-01S
STAINLESS FRET SPEEDY

フリーダムカスタムギターリサーチで採用されているステンレスフレットは、金属の硬度を落とすことで、過度にキンキン言わないトーンバランスを実現させながら、いつまでもきれいで弾きやすいというステンレスのアドバンテージを守っています。

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フレットのサイズ

フレットは

  • タング:指板に埋め込まれる「舌」
  • クラウン:指板から出て、弦を受け止める「冠」

の二つの部位に分けられ、それぞれモデルごとに細かな違いが設けられます。

タングのサイズを最初から気にする必要はありませんが、フレット交換を行なう際には古いフレットと同じかそれより大きなタングのものを選ぶ必要があります。
「フレットのサイズ」と言う時は、一般的にはクラウンのサイズのことです。クラウンの高さや幅は、弾き心地やサウンドに影響を及ぼします。現代流行している「ミディアムジャンボ」を中心に、「ヴィンテージタイプ」は細く低く、「ジャンボ」は太く高くなります。

フレットとサウンドとの関係はフレット本体の金属量で決まり、金属量が少ないとウッディな丸いトーンに、金属量が多いとハッキリとした明瞭なトーンになります。低いフレットより高いフレットが、また細いフレットより太いフレットの方が、金属量は多くなります。

弾き心地について、一般論としては

低い 高い
高さ スライド/グリッサンドに有利 チョーキング、ハンマリング/プリングなど指技に有利
押弦が軽くできる
(さらに進化させると「スキャロップ指板」に)
細い 太い
弦が触れる面積が少ないためサスティンが伸びる スライド/グリッサンドに有利

といった特徴があります。しかしフレットは気軽に交換できるパーツではないため、弾き手が楽器の特徴に合わせてプレイする、というのが普通です。用途やサウンドを狙って擦り合わせ/リフレットするというときには、プロとのミーティングでしっかりと検討する必要があります。

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特殊なフレット

ゼロフレット

ゼロフレット

ナットのすぐ近くにゼロ番目のフレットを打ち込み、解放弦も押さえた弦と同じ響きにします。ナットの溝を調整することなく、フレット打ちだけでセットアップがバッチリ決まる設計です。モズライトスタインバーガー、またグレッチのカントリージェントルマンテネシーローズなどで採用されています。ゼロフレットは常に弦が当たるので、そこだけ減りが早いのが唯一の難点です。

サークル・フレッティング・システム(CFS)

フジゲンで標準となっている特徴的なフレットで、弦が狭い扇状に広がって張られるのに合わせるようにフレット自体を湾曲させます。これにより全ての弦がどのポジションでも同じ角度でフレットに触れることから、弦振動がクリアになります。

ファンフレット(マルチスケール)

Strandberg Boden J6のファンフレット

最近流行してきている、徐々に角度が変わっていくフレットです。これにより低音弦側の弦長が伸びてトーンに「張り」が生まれ、反対に高音弦側の弦長は伸ばされないので、弾きやすさが維持されます。

フレットの修理

フレット修理の作業、見極めは素人ではなかなか難しく、リペア・ショップで職人さんに対応してもらうのがいいかもしれませんね。

すり合せ

フレット摩耗が進行したギターでは、ハイポジションでのチョーキングのビレなどが発生します。「すり合せ」作業はこういった問題を解決し再び気持ちよく演奏できるようにしていきます。作業内容としては、指板にマスキングテープを貼り、ヤスリを使って全てのフレットの凹みが消えるまで均一な高さに削っていきます。フレットは仕上がりを山形に整形する必要があるので、単に削ればいい訳ではないところが、この作業の難しいところ。

ネックがボルトオンでついている【デタッチャブル】タイプとネックがボディに接着されている【セットネック】タイプでは工法が異なります。

打ち直し/交換

フレット打ち直し

消耗してしまってフレットの山が低過ぎる場合はすり合せができないので、打ち直し/交換(リフレット)となります。
この作業にはフレット抜き専用の工具を使っての抜き作業→抜いた後の溝を掃除→(必要があれば指板調整)→新しいフレットをハンマーで打ち込み→ニッパーで余ったフレットの端を切断→切れ端を削り込み→全フレットの高さ調節…と複雑な工程が必要になります。

フレットを抜く作業では溝を壊してしまう危険もあるので、大切なギターを安易な気持ちで自分で作業しないように注意しましょう。

磨き方

フレットは主にニッケル合金でできているため、酸化による腐食が必ず起こってしまいます。これを防ぐには、ギター演奏後にフレットや弦に付着している手の水分や油分をタオルで乾拭きすればOKです、

フレットの腐食を磨く場合は、コンパウンドと呼ばれる金属磨きの溶剤を布に染み込ませ、溶剤が木材に付着しないように「マスキング」して丁寧に磨きます。