《ギター本体のパーツ》アウトプット・ジャックについて

[記事公開日]2015/3/13 [最終更新日]2021/7/4
[編集者]神崎聡

アウトプット・ジャックについて

「アウトプット・ジャック(略:ジャック)」は、差し込まれるシールドを受け止め、電気信号をシールドのプラグに伝達させるパーツです。小さく値段も安いパーツですが、故障すると音が出なくなってしまう重要なパーツでもあります。ここではジャックについての色々な豆知識を紹介します。

ジャックの種類

左:モノラルジャック、右:ステレオジャック(スイッチクラフト)

一般的なエレキギターで使用されるジャックには、1回路2接点の「モノラル・ジャック」と2回路4接点の「ステレオ・ジャック」があります。電池を使用しない(=パッシブ回路)普通のエレキギターの音はモノラルで出力されるので、モノラル・ジャックが使用されるのが普通です。いっぽうEMGピックアップを使用していたりブースターが入っていたりするなど、電池が必要な回路(=アクティブ回路)を使用している場合はステレオジャックが使用され、一つの回路は出力用に、もう一つの回路はプラグが差された際に回路の電源が入るスイッチとして使用されます。

ジャックの定番メーカーはアメリカの「スイッチクラフト」で、高級機には必ずと言っていい程採用されています。他のジャックより若干高価ですが、堅牢な作りでプラグを差し込んだ時には「カチッ」という手応えがあり、プラグがぐらつく事もなく、高級感と安心感を味わう事ができ、また寿命も長いので長期的には経済的です。

ジャック関連トラブルの予防法/対処法

アウトプット・ジャック

ジャックは錆びたり断線したりするなど、エレキギターの中ではトラブルが最も多いパーツです。トラブルの対処法や予防法は経験でひとつずつ身につけていくものですが、どんな事があり得るのか、想定できるトラブルをかいつまんでみましょう。

シールド抜け

ギターソロで前に躍り出た瞬間、シールドがギターからスポッ!
「学祭ライブの定番トラブル」とも言われるシールド抜けは、シールドを踏んでしまったりシールドの長さを超えて移動してしまったりする時に起こります。抜けてしまったらそのまま慌てて差し直さず、アンプやエフェクタの音量を切ってから差しましょう。そのまま差してしまうと、最悪アンプを故障させてしまいます。

「ボディとストラップの間にシールドを通しておく」のが定番の予防法です。さらに抜けにくくするためにガムテープなどで固定してしまうプレイヤーもいます。

ジャック外れ、断線

ジャックを固定する六角ナットは、油断しているといつの間にか緩んでしまう事があります。緩んだままだとジャックがぐらついて、内部で断線をおこしてしまう事があります。また、六角ナットが外れてしまってジャックがギターの内部に入り込んでしまうこともあります。いつでもギターと一緒にドライバーなど工具を携行し、ナットが緩んだら締め直すようにしましょう。断線してしまったらハンダ付けが必要になります。

ガリノイズ・接触不良

Electro Harmonixの接点復活剤
Metal Contact

プラグとの接点が錆びていたり、接触不良を興していたりすると「ガリガリ」又は「ブー」というノイズが出る事があります。接点復活スプレーなどを吹き込むと一時的に回復しますが、後できちんとリペアする必要があります。

日頃から綿棒などで接点をきれいにしておくと錆びを防ぐ事ができます。
錆びてしまった場合の裏技で「紙ヤスリなどで接点を研磨する」というのもありますが、回路を痛める場合がありますので自己責任で施工してください。
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ジャックの修理/交換

ジャックは数年もったらラッキーというくらい壊れやすいパーツです。錆びたり接触不良が起こったりというのはジャックの宿命なので、不具合が生じたら迷わず交換する事をお勧めします。余り高額でないギターの場合はジャックも高額でないことが普通ですから、逆にジャックをグレードの高いものに交換するチャンスです。

おすすめのジャック

定番はスイッチクラフトなので、リペアマンに依頼する際、「スイッチクラフトで」と指定すれば問題ありません。但し、リッケンバッカーでは独自開発のジャックが必要となるなど、ギターのブランドによっては指定したジャックが付けられないことがあります。

また、安いパーツは本体のサイズも小さい事が多く、ギターによってはサイズが合わずにザグリを拡大しなければならない場合があります。

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