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バッカス(Bacchus)のエレキギターについて

バッカスのエレキギター

「バッカス」は、長野県松本市にある株式会社ディバイザーの保有するエレキギター/エレキベースのブランドです。ディバイザーはこの他にオーダーメイドを受け付ける「STR」、著名ルシアー百瀬恭夫(ももせやすお)氏の名を冠する「momose」、ジャズ向きのアーチトップモデルを生産する「Seventy Seven」など、さまざまなブランドを展開しています。

バッカスはこのブランド群の中で、売り値で1万円台からの幅広い価格帯で「価格以上のクオリティ」に挑戦するブランドという位置づけで、ビギナーからプロフェッショナルまで幅広く支持されています。


Bima Sabta Andiansyah “Abim” with his Bacchus Guitars
インドネシアの天才少年Bima氏。若干11歳とはとても思えない繊細なタッチです。気合が入るところではしっかりギターフェイスも出来ており、すでに達人の域に達しています。ピックガードのビニールが付いたままですが、「まだ取ってしまうのはもったいない」というギターへの想いが伝わってくるようです。

バッカスの歴史

株式会社ディバイザー

1977年に設立したヘッドウェイ工場でアコースティックギターの製造を開始したのが、ディバイザーによるギター製造の始まりです。しかしこの工場は1983年に2度も火災に見舞われ、工具や木材の多くを失ってしまいました。この被害でアコギの生産が停止、その後エレキギターの生産に切り替えていき、1980年代後半よりRiverheadとして、また1990年代中頃からBacchusとして、製品をリリースしています。

様々なブランドで提唱する新しい価値:ディバイザー訪問インタビュー

バッカス・ギターの特徴

ハンドメイドへのこだわり

バッカスのギターは職人の手によって丁寧に作られています。最上位モデルの「ハンドメイドシリーズ」は、ジェームス・タイラーやクルーズなどハイエンドモデルのOEMも受注する飛鳥工場の職人による完全手工生産です。また上位モデルの「クラフトシリーズ」では組み込みが飛鳥工場、10万円を下回る価格帯の「グローバルシリーズ」では海外に設立した自社工場で現地の職人によるハンドメイド(一部、半オートメーション)と、「人の手で作る」ことに深くこだわっています。
工作機械による大量生産とは相反するプレミアム感の高い作り方でありながら、コストを抑える企業努力の成果によって、「価格以上の品質」のあるギターブランドとしてバッカスは認知されています。

オーソドックスながら、他とはちょっと違うアレンジ

bacchus-finish HANDMADE Series BLK/OIL

バッカスは伝統的なスタイルのギターをきっちり製造することを重視しており、ジャンルを問わず幅広く使用できます。しかし単なるコピーモデルに終わらないアレンジが施されるものが多く、派手なカラーリングのモデルに対してすらこのブランド独特の渋さを感じさせます。

幅広いグレードで、塗装にシックな「オイルフィニッシュ」が選択できます。使い込むに連れて色が薄れてきたり汚れがついてきたりしてどんどん「味」が出てくる塗装ですが、これを「売り」にしているブランドは他にはなかなか無く、バッカスのオリジナリティだと言っていいポイントになっています。

またヒール部のスラントカットやジョイントプレート無し、コイルタップなど、フェンダースタイルのギターに対する定番アレンジの他に、「ターボブレンダー」という回路が加えられるモデルがあります(G-Player)。これはリアやフロントにセンターピックアップを「直列で」ブレンドする回路で、極めてマニアックながら可能性を感じさせる、渋いアレンジになっています。

bacchus-p90-type P90スタイルのピックアップを搭載した HANDMADE Series T-MASTER

ストラトタイプのギターに対するアレンジは他のブランドでもやり尽くされた感がありますが、テレキャスタイプはそれに比べて保守的なイメージがあり、大人しいアレンジが多い印象があります。ところがバッカスのテレキャスタイプはフロントがP-90タイプ、ボディにコンター加工あり、さらにはジョイントプレートを排したスラントカット・ヒールなど、思いっきり攻めたアレンジを落ち着いたデザインで渋くまとめています。

木材の良さを楽しめる

バッカスは、さまざまな趣向でいろいろな「木材の楽しみ方」を提案するブランドでもあります。たとえば低価格帯からも、フレイムメイプルやバールポプラといった、銘木の表情を楽めるモデルをリリースしています。上位モデルでは桜や吉野杉、栃といった和材を取り入れたり、焼きを入れて木目を際立たせたり、敢えて木材の凹凸を残したりと、素材と見せ方の両面で木材を楽しめるモデルが目立ちます。
また普及価格帯のモデルでは、リッチライトやテックウッドといった、個体差が極めて少ない人工素材を使用する、「むしろ木材に頼らない」というところにまで到達した、柔軟なモデル開発を見せてくれます。


JRP Guitars・赤松ギター/マツクイムシ被害を受けた赤松の伐採、製材の様子
松くい虫によるダメージで、やむを得ず伐採された赤松をギターのボディに使用して話題になったことも。本来なら捨てられてしまう木材の可能性を引き出し、本体の面白みにまで昇華させました。

ツボを押さえたピックアップ

面白い木材の採用や高い木工技術が注目されやすいバッカスですが、レギュラーモデルのピックアップは全て自社開発しており、電気部分においてもしっかりブランドのアイデンティティを主張しています。バッカスのピックアップはハムバッカー、各種シングルコイル、P-90タイプなどオーソドックスなスタイルに従っています。各タイプのイメージに合わせた素直な設計なので、分かる人なら見ただけでサウンドの傾向が理解できます。
また、スポット生産などスペシャルなモデルには、「モジョトーン(MOJO TONE)」手巻きピックアップが搭載されます。USAノースカロライナ州の工場を拠点とするモジョトーン社は、ヴィンテージ・ピックアップのフィーリングを大切にしながらも、それを越えていくものを目指した製品開発を勧めています。当時のものを完全再現した製品も多くリリースしていますが、「歪ませた時でも低音弦のアタックを損ないにくい設計」、「ヴィンテージと同じ材料しか使わないが、ハムノイズはキッチリと除去」など、狙いを定めた高性能モデルの開発にも積極的です。ヴィンテージ志向でありながら、7弦用や8弦用のピックアップも作ることができる、頼もしい柔軟性も持っています。

木材やカラーリングなど、いろいろなものが選べる

選択の幅が広いのも、バッカスの特徴です。ボディトップ材のバリエーションはバッカスの得意分野ですが、カラーリングにおいても幅広く選ぶことができます。求めやすい価格ながら本格的なエレキギターとして大いに支持されている人気機種「BST-1M/BST-1R」ならびに「BTL-1M/BTL-1R」では、指板とボディカラーの組み合わせでそれぞれ10種類以上のルックスから選ぶことができます。こうしたギターは記念すべき「人生一本目」の役目を担うことが多いですが、初めて手に入れるギターでは、ルックスは重要なポイントです。
また仕様においてもしっかり選択肢が用意されており、特にピックアップは

  • LPタイプ「DUKE」:ハムバッカーとP-90
  • スーパーストラト「IMPERIAL」:SSHとHSH
  • テレキャスタイプ「T」:ノーマル、フロントP-90、フロントハム、両ハム

のように、各モデルで選ぶ余地を確保しています。


Rocking my Bacchus Duke Laura Cox
ロック/ブルースの伝統的な技法を土台にした、シブくアツい演奏を聞かせてくれる美貌のギタリスト、ローラ・コックス女史。オイルフィニッシュの鈍い輝きは、男性目線なら「クール」、女性目線なら「可愛い」と感じられます。

バッカス・ギターのラインナップ

バッカスのギターはエントリークラスからこだわりのプロ仕様までをカバーする4つのシリーズ、少数生産のスペシャルモデルで展開されています。それぞれに生産するセクションが分けられており、生産ラインの合理化が豊かなモデル展開と低価格化に反映されています。ラインナップはフェンダースタイルのボルトオン・ジョイントネックモデルが中心ですが、セットネックモデルも高く評価されています。それではシリーズごとに、膨大なラインナップからいくつかをかいつまんでチェックしていきましょう。