エレキギターの総合情報サイト

2本目のエレキギター、何を選ぶ?

高校入学と同時に安いギターを一本買ったのですが、そろそろ2本目がほしいです。2本目のギターは自分が長年愛用できるものにしたいと思います。お願いします。 – (2013/1/11) 10~19歳 女性(高校生・中学生・小学生)

2本目のギターの選び方を教えて下さい!!
予算は5万くらいと考えていますが、しばらく使いたいので何にしたらいいかわかりません。
ギターボーカルなんですが、テレキャスにしようか、レスポールにしようか悩んでいます!! – (2015/7/2) 15歳 すーーーーか… さん 男性

そろそろ2本目ギターが欲しいと思いました
ギター歴どれぐらいで2本目を買えばいいですか? – (2015/10/8) 12歳 ギターさん 男性

ギターを練習して腕前が上がってくると、
「ネックの握り加減がこうだったら」
「ハイポジションがこうだったら」
「こんな音が出しやすいものが」
「アームがあった方が」また「無かった方が」
というように、自分のギターに対する不満が出てくることがあるでしょう。

もしかしたらもっとシンプルに、
「もっとグレードの高いギターが欲しい!」
「もっと音のいいギターが欲しい!」
という気持ちになるかもしれませんね。

1本目を弾いてきたからこそ、いま自分が必要としているギターは何なのか、イメージが湧いてくることでしょう。また、唯一のギターでステージに立っていて演奏中に弦が切れてしまったら、ライブを中断して弦を張るか、ほかの出演者にお願いしてギターを貸してもらわなければなりません。修理や調整でリペアマンにギターを預けたら、しばらくはそのギターを弾くことができなくなってしまいます。もう一本持っておく、ということはギタリストにとって重要なことなのです。そこで今回は、どんなポイントで2本目のギターを選ぶか、代表的な考え方をいくつか紹介します。もちろん「フィーリングの合う気に入ったギターを買う」のが一番ですが、ちょっとどうしようかな、と考えているようなら参考にしてみて下さい。

グレードを上げる

「弘法筆を選ばず」と言いますが、それはプレイヤーが達人だからです。腕の立つプレイヤーは、普通は自分の腕前に見合った楽器を手にするものです。また良い楽器はプレイをしっかり受け止めてくれるので、良いプレイには良い音で、至らないプレイには悪い音で答えてくれますから、それだけプレイヤーを育ててくれます。

初心者セット」に代表されるような格安のギターに比べ、グレードの高いギターは

  • 音がよく弾きやすい
  • パーツが上質で壊れにくく、ノイズが少ない
  • コイルタップやロック式ペグなどの追加機能がありえる
  • 良材を使い、仕上げがていねいで、顔つきがいい

といったメリットがあります。ギタリストとしてのステップアップとしても、2本目はちょっといいギターを選びましょう。

5万円〜10万円で手に入るお勧めギター

まずお勧めするのは、ギター博士が演奏動画をアップしているこの3本です。定価3万円近辺までのギターからステップアップするなら、まずはこのような10万円以内までのギターがお勧めです。全体に漂う高級感、弾いた時に手に伝わる弦振動、アンプが発するサウンドに納得がいくことでしょう。

Epiphone Les Paul Standard Plus-Top

Epiphone Les Paul Standard Plus-Top

エピフォンのレスポールをギター博士が弾いてみた!
エピフォンならばレスポール・カスタムやレスポール・クラシックといったバリエーション、またSGやカジノといった選択肢もあります。

Squier Classic Vibe Stratocaster ’60s

Squier Classic Vibe Stratocaster

スクワイヤーのストラトキャスター:徹底比較!
スクワイアのクラシック・ヴァイブシリーズからはテレキャスターもラインナップされています。

Paul Reed Smith SE Custom24

Paul Reed Smith SE Custom24

PRS SE Custom24 をギター博士が弾いてみた!
高級ブランドPRS(ポール・リード・スミス)のリーズナブルなグレード「PRS SE」には、アーティストモデルを含むさまざまなバリエーションがあります。


Ibanez Iron Label

Ibanez Iron Label

ヘヴィ系のプレイを求めているギタリストなら、アイバニーズの「Iron Label(アイアン・レーベル)」は即戦力になってくれるでしょう。アイアン・レーベルのRGシリーズは精悍なルックスにハムバッカー2基を搭載、6弦だけでなく7弦もラインナップされ、ヘヴィロックに適した仕様となっています。10万を割る価格帯も魅力のモデルです。
Ibanez Iron Label

10万円近辺からの国産ギター

もうちょっと頑張って10万円近辺まで予算を拡大できると、さっそく国産のギターを手に入れることができます。木材やパーツのグレードが同じでも、国産だと価格は上がります。高い人件費を払うべき日本の職人が作った「メイドインジャパン」のクオリティが、組み込みの精度、フレットの処理、ハンダ付けのていねいさといった「仕事」に現れるからです。

フジゲン(FUJIGEN、FgN)

Expert EOS-FM-R Expert EOS-FM-R

フジゲンはブランド各社から受注するOEM生産のかたわら、自社ブランドのギターもリリースしていまが、メーカーのサイト上でカスタムオーダーを発注できるのが大きなメリットになっています。「コストパフォーマンスは群を抜いて良い」と言われており、この価格帯でもクオリティの高いギターを手に入れることができます。

Ibanez Prestige / Premium

Prestige S5521Q Prestige S5521Q

アイバニーズの上位グレード「J-Custom」「Prestige」は、全てフジゲンでOEM生産されています。アイバニーズでシグネイチャーモデルをリリースしているアーティストが、長野の工場を訪れることもあります。また「Premium」シリーズは海外生産による比較的求めやすい価格帯ながら、かなりの高級仕様となっています。
Ibanez Prestige
Ibanez Premium

Bacchus Handmade Series / Craft Series

Craft series「TACTICS」 Craft series「TACTICS」

バッカスは低価格帯のモデルでも職人の手作りにこだわったラインナップを展開しています。全工程を国内で行なう「ハンドメイドシリーズ」でも10万円台がメイン、組み込みを国内で行なう「クラフトシリーズ」では10万円前後というコストパフォーマンスを発揮します。


他にも

など多くのブランドで、10万円前後という価格帯から高品位な国産ギターを手に入れることができます。

1本目と違ったタイプのものにする

エレキギターにはさまざまなタイプのものがあり、出せるトーン、やりやすい演奏内容まで実にさまざまです。それゆえ演奏する楽曲のイメージに合わせてギターを持ち替える、というスタイルのギタリストは多いですね。1本目のグレードに不満はないという場合には、「トーンやフィーリングのバリエーションを増やす」という意味で、2本目には違ったタイプのギターを検討するのがいいでしょう。最初の1本と新しいギターとで違ったサウンド、違った感触のギターの特徴や使い分けをじっくり味わうことができ、これからもっと深く、また幅広くギターについて学んでいくことができます。

ハロルド作石氏のヒット作「BECK」では、主人公コユキがオレンジ色のムスタングに持ち替えるのが、名曲「DEVIL’S WAY」を演奏する象徴的な演出でした。またレコーディングの現場では、ギターを使い分けることでバリエーション豊富なサウンドをだす工夫が当たり前になっています。アドリブ演奏をするような達人になると、ギターを持ち替えることからインスパイアされ、違ったプレイを生み出すことができる、という人もいます。

ちなみに「ギターを2本使い分けるギタリスト」の中で代表的なのが、「ストラトキャスターとレスポール」のように「フェンダー系とギブソン系」を使い分けるタイプです。両者は形状から弦長からピックアップから何から何まで違うギターなので、「わざわざ持ち替える」意味がとてもはっきりしています。では、どういう所に注目したら、2本の違いがはっきり分かるのでしょうか。

比較的分かりやすい「違い」のポイント

1)搭載されているピックアップのタイプ

シングルコイル ハムバッカー P-90タイプ 左から:シングルコイル、ハムバッカー、P-90タイプ

  • シングルコイル:細く、鋭いトーンが特徴
  • ハムバッカー:太く、甘いトーンが特徴
  • P-90タイプ:鋭さと太さを併せ持ったキャラクター

代表的なものは上記3タイプですが、グレッチリッケンバッカーモズライトなど、特徴的なトーンを持った独自のピックアップを搭載しているものもあります。楽器本体が同じでも、ピックアップの種類が違うだけで明らかに違うサウンドになります。

またハムバッカーには「コイルタップ」と言って、コイルの片側だけを鳴らしてシングルコイル的な音を得る裏技があり、最初からコイルタップができるようになっているギターも多く作られています。

同じタイプのギターでも、

というように、ピックアップでサウンドの違いを出すことができます。

2)ブリッジ形状

アームがない フロイドローズ ビグズビー搭載 左から:アームがないストラト、フロイドローズ・ギター、ビグズビー搭載ギター

ブリッジは、「アームがあるかないか」が最大のポイントです。トレモロシステム(アームのついたブリッジ一式)が無いことによる音質上の利点を重視したギターも多くリリースされていますが、「表現の幅」を考えた場合、アーム搭載のギターは1本は持っておきたいところです。

トレモロシステム(アームのついたブリッジ一式)には、代表的な物だけでも

  • ビグズビー
  • シンクロナイズドトレモロ
  • ウィルキンソン
  • フロイドローズ

このように何種類もあり、外観と可変域(音程変化の幅)、感触などに違いがあります。目指すプレイスタイルや好きなアーティストが使っているものなどを参考に判断するのがいいでしょう。一般的なユニットで最も高機能だと考えられているのはフロイドローズで、アームダウンはダルンダルンになるまで、アームアップは設計や調整によっては2音半といった危険な高さまで可能です。しかも、そこまでやってもチューニングが大きく崩れることは無いという安定性を持っていますから、特にテクニック指向のギタリストにとっては必須のアイテムになっています。

ビグズビータイプのトレモロユニットは別として、その他の多くのトレモロシステムは、弦の張力と内部に仕込んだスプリングの張力を釣り合わせることを目指します。弦が切れてしまったり特殊なチューニングに変更しようとしたりすると弦とスプリングのバランスが崩れ、全ての弦のチューニングが大きく崩れてしまいます。それに対してアームのないブリッジは弦の張力に影響されることがありませんから、

  • 半音下げドロップDなどイレギュラーなチューニングへ移行しやすい
  • 演奏中に弦が切れてもチューニングがだいたい保たれるので、残った弦で演奏を続行できる

という大きな利点があります。

特にチューニングを使い分ける場合、

  • レギュラーチューニング用とダウンチューニング用の2本
  • トレモロ付きのギターはチューニング固定で、トレモロレスのギターで変則チューニングに対応する

といった体制をとっておくと便利です。

Q&A.31 ライブで半音下げ→レギュラーチューニングを素早くしたい
「常時半音下げチューニングにしておき、レギュラーチューニングではカポタストを使用する」という裏技も、あるといえばあります。


[PV]Cast Your Shell/Fear, and Loathing in Las Vegas
「Fear, and Loathing in Las Vegas」は、タイプの異なる二人のボーカリストと存在感のあるシンセサイザーによるトランスのフィーリングを特徴とした、新進気鋭のポスト・ハードコアバンドです。シェクターとメイワンズ(mayones)のツインギターを軸とする重厚なバンドサウンド、これに負けないデジタル要素のミックスされた強烈なサウンドで支持を集めています。楽曲によっては「1音下げドロップC(6弦からC,G,C,F,A,D)」といった、極端なダウンチューニングも使用します。こうしたスタイルのアーティストは、ライブステージではチューニングごとにギターを持ち替え、さらに不慮のトラブルに備えそれぞれのサブギターを準備しておくのが普通です。


BUMP OF CHICKEN「Hello,world!」
日本のロックバンドの草分けとなっている「バンプ」ですが、ほとんどの楽曲で全弦半音下げチューニングを採用しています。バンプをコピーするには半音下げ、他のバンドをコピーする時にはレギュラーチューニングに直し、という作業が性格的に耐えられないという人には、チューニングごとにギターを持つことをお勧めします。

3)ボディ構造

Les Paul Standard Gibson ES-335 ソリッドボディのギブソン・レスポール、セミホロウボディのギブソン・ES-335

ボディ材やボディ形状に由来するサウンドの違いを聞き分けるには、かなりの経験と知識を必要とします。それに対し、

  • ソリッドボディ:厚みのある一枚板をボディに使用し、音響用の空洞は無し
  • ホロウ/セミホロウボディ:一部、または全部が空洞になっている

この二つは弦振動自体に大きな違いがあり、サウンドと感触に大きな違いがあります。

キュっと引き締まったトーン、がっつり歪ませたディストーションにはソリッドボディである必要がありますが、ジャズ/フュージョン/ソウル/ファンクにフィットする温かみや軽やかさのある音、いわゆる「エアー感」のあるトーンはホロウ/セミホロウの得意分野です。歪ませたトーンも気持ちがよいことから、ソリッドギターと合わせてES-335を代表とするセミアコを持つギタリストが多くいます。特にES-335はレスポールと比べ、乱暴に言えばボディ構造しか違わないギターですが、音はこれほどまでに違うのか、と驚かされます。


Eric Johnson – Zap
エリック・ジョンソン氏は、「ヴァイオリントーン」と呼ばれる滑らかな立ち上がりの甘いサウンドを持ち味としています。フェンダーからシグネイチャーモデルのストラトをリリースしていて現在ではストラトがメインですが、時としてセミアコやSGに持ち替えています。

ソリッドギターに合わせるなら、

などのセミアコが選択肢に入ると、トーンのバリエーションがぐっと広がります。

1本目と同じか、近いものにする

など、名手はトレードマークとなる極上の業物(わざもの)を持っています。しかしほとんどのギタリストが、いつもステージで愛用するお気に入りの一本の他に、別のギターを待機させています。

ステージでは弦が切れてしまうかもしれませんし、調整のためにリペアマンに預けてしまうかもしれません。たとえメインギターが弾けなくても変わらないパフォーマンスができるように、アーティストは同じような仕様のギターを何本も準備しています。「自分の音楽には、このタイプのギターがベスト!」という確信があるのなら、なおさらメインの代打をしっかり勤めるサブギターが必要です。
また曲によりチューニングを使い分けることがあるなら、それぞれのチューニングにあわせたギターがあると便利です。持ち替えても違和感無く同じパフォーマンスができるということを重視するならば、1本目と同じギターをもう一本増やすというのは充分にアリな選択です。