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コイルタップって何?コイルタップできるエレキギターについて

コイルタップって何? PRS SE Custom24 のコイルタップ切替の様子

「コイルタップ」とは、ハムバッカー・ピックアップを半分だけ鳴らして、シングルコイル・ピックアップのサウンドを出せるようにする機能の事です。短く「タップ」と言うこともあります。ハムバッカー・ピックアップはコイルを巻く向きの異なる二つのシングルコイル・ピックアップを直列につないで作られます。このうち片方だけを使うように配線を切り替えようという訳です。

一つのピックアップから2種類のサウンドが得られるため、「バイサウンド・システム」や「デュアルサウンド」と呼ばれる事もあります。一本のギターから出す事のできるサウンドの幅が広がるため、主に機能性や汎用性を重視したギターに搭載されています。出荷時にコイルタップがついていなくても、ピックアップの設計など条件が整っていれば、比較的簡単な改造でつけることができます。コイルタップにはメリットもデメリットもありますので、ギターを買う時にちょっと気にしておくと良いでしょう。

コイルタップのメリット

経済性

ハムバッカーとシングルコイルとでは、サウンドと出力に違いがあります。出力のバランスをとるため、伝統的なエレキギターではストラト(3シングル)やレスポール(2ハムバッカー)などのように、どちらか一方のみが搭載されるのが普通でした。ですから両方のサウンドを使えるようにしようと思ったら、ギターを2本買わなければなりませんでした。

しかしコイルタップがあると、ギターは一本で済むのです。持ち運びにも便利ですね。
特にギターを始めたばかりの人は、シングルコイルのサウンドもハムバッカーのサウンドも一本のギターでじっくり体験できるので、サウンドメイキングの勉強にお勧めです。

サウンドバリエーション

コイルタップの仕組み

ライブでいろいろなサウンドを駆使したいプレイヤーにとっては、リアハムバッカーのパワフルなドライブ、センターシングル+リアシングルの軽やかなハーフトーン、リアシングルコイル一発の鋭いトーン、その全てが欲しくなることもあるでしょう。

普通のギターでは不可能ですが、コイルタップを搭載したギターならそれが可能になります。

コイルタップのデメリット

配線が複雑になる

スイッチを一つ増やすことは、それだけギターの回路を複雑にします。スイッチ一つにしても、わずかに回路全体の抵抗値を上げますから、ストレートなサウンドにこだわりたいプレイヤーにとって、コイルタップはむしろ邪魔になります。また音色切り替えの操作が増えますから、演奏中に間違いなく切り替えるための慣れが必要になります。

ストラトの「あの音」にはならない…?

ピックガードがありシンクロナイズドトレモロを搭載しているなど、ギター本体の仕様がストラトキャスターと酷似していても、コイルタップしたシングルコイルのサウンドはストラトにはなりません。ボリュームポットの抵抗値に違いがあるからで、抵抗値が高い程トレブルが豊かに出ます。
レスポールなどハムバッカー搭載機には500kオームのポットが、ストラトには250kオームのポットが使用されます。ちなみにテレキャスターには1Mオームがセレクトされます。ですからタップしたサウンドは500kオームのポットを通過することになり、ストラトよりも鋭い独特のサウンドになります。

※トム・アンダーソンのギターには「ヴィンテージ・ボイシング」という機能があります。コイルタップするとポットの抵抗値が500kオームから250kオームに切り替わるようになっており、この問題をクリアしています。

迫真のシングルコイル・サウンドを実現した、Freedomオリジナルピックアップ

Freedom Custom Guitar Researchのオリジナルピックアップ「Hybrid Humbucker」は、シングルコイル/ハムバッカーさらにそのその間の好きな状態の音を(タップコントロールのノブを回すことで)自由に行き来できます。タップ時にフェンダーのシングルコイルと同じ構造になり、フェンダーサウンド特有のエッジでアタックがあってヌケのよい音 = しっかりしたシングルコイルのトーンが得られます。 ハムバッキングPUが搭載されたFreedomオリジナルギターのほとんどにHybrid Humbuckerが搭載されています。 Freedom Custom Guitar Researchについて

コイルタップできるピックアップ

コイルタップができるハムバッカーは、「4芯」のものか、タップ専用の芯が出ているものに限られます。4芯はふたつのシングルコイルからそれぞれ+(=ホット)と-(=コールド)の線が伸びており、スイッチにつなげることで簡単にコイルタップできるようにアップグレードできます。「2芯」のものは片方の+(=ホット)ともう片方の(=コールド)が出ているのみですので、タップできるようにしようと思ったらピックアップ自体を改造しなければなりません。興味がわいたら、自分のギターの内部をチェックしてみましょう。

ちなみにEMGピックアップはピックアップ本体にプリアンプを内蔵しているため、改造はほぼ不可能です。シングル/ハムの2モードピックアップ「89」がありますが、これは代表的シングルコイル「SA」と代表的ハムバッカー「85」の二つをハムバッカー一つの容積に押し込んだものなので、厳密にはコイルタップとは言えません。

コイルタップを搭載しているエレキギター

現代志向のモデルやあらゆるジャンルをカバーすることを目的としたギターには、コイルタップがよく搭載されます。いろいろなブランドのギターに採用されていますが、ここではコイルタップに必要な操作で分類して紹介していきます。

スイッチポットを使用しているもの

スイッチポットを使用したコイルタップ

「スイッチポット」は、トーンやボリュームのポット自体にスイッチが仕込まれています。「プッシュ/プル」形式では、つまみを押し込んでいる状態でハムバッカー、つまみを引き上げた状態でシングルコイルになります。「プッシュ/プッシュ」形式では、つまみを押し込むごとにシングルコイルとハムバッカーが切り替わります。

改造でコイルタップを追加する場合でも、スイッチ増設のために楽器に穴をあけなくても良い他、パっと見はスイッチが無いので改造しているように見えないところがメリットです。

RBacchus : GDシリーズ/GCシリーズ
RIbanez : JSシリーズ

など

ミニスイッチを使用しているもの

コイルタップ:ミニスイッチ

ミニスイッチには2点式と3点式がありますが、コイルタップに使うスイッチには2点式が主にセレクトされます。上述したスイッチポットに比べ、「スイッチ増設のカッコ良さ」が味わえる他、タップの切り替えでトーンやボリュームが変わってしまう危険が無いのがメリットです。また端子の多いスイッチを使えば、一つのスイッチでフロント/リア共にタップさせることも可能です。

Aria Pro II : PE-R80
FUJIGEN : EXPERT OS
SCHECTER : Exceed シリーズ
B.C.Rich : Mockingbird ST
Tom Anderson : スイッチュルーシステム搭載機

など

オートマチック・コイルタップを使用しているもの

コイルタップ機能

通称「オートマチック・コイルタップ」は、ピックアップセレクタ・スイッチの切り替えに応じて自動的にシングルコイル/ハムバッカーが切り替わる機能です。複雑な切り替えを一つのスイッチで行なうため、その要求に応えられる特別製のスイッチが使用されます。多くはストラトに使われるようなレバースイッチが使われますが、特別製のトグルスイッチやロータリースイッチが使われることもあります。

音色切り替えの操作が少なくなりプレイに集中できることが最大のメリットですが、リアシングル一発のサウンドが得られないなど、サウンドバリエーションに若干の制限があるモデルもあります。

など

「Ibanez RG2750QV」や「Ibanez SV5470Q」のように、オートマチック・コイルタップとスイッチポットの組み合わせでフロント/リアのシングル一発、ハムバッカーのネック側コイル+センターのハーフ、ブリッジ側コイル+センターのハーフが出せるモデルも僅かながら存在します。

コイルタップ搭載ギターの演奏例

PRS SE Custom 24 をギター博士が弾いてみた」動画

動画 0:32〜からの演奏ではリア=シングル/フロント=シングルのハーフトーンにして演奏、0:55〜ではリア=ハムバッカーに切替えたハーフトーンで演奏しています。このような繊細なトーンから、動画後半 3:11〜ではリア=ハムバッカーでのザクザクとしたリフを弾くこともできます。

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