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オールローズウッドみたい!テックウッド材を使用したバッカス「BTE-TW」

オールローズウッドみたいなギター Bacchus BTE-TW

ギターでは主に指板として使用される「ローズウッド」は、今や国際条約の関係で流通に制限がかけられている貴重な木材です。価格も上がっていますから、良質なローズウッドを仕入れるため、メーカーは大変苦労します。似ている別の木材に切り替えるメーカーも見受けられる中、バッカスからローズウッドにそっくりな「テックウッド」なる材料を使用したギターとベースがリリースされました。

指板だけでなく、ネックもボディもテックウッドでできており、あたかも楽器全体がローズウッドでできているかのようです。TE、ST、JBという3モデルがリリースされているうち、今回は「BTE-TW」に注目、どんなギターなのか、またどんな特徴があるのかをチェックしていきます。気になっていたという人も、こんなもん初めて見ると言う人も、ぜひ参考にしてください。

左から:BST-TW、BTE-TW、WJB-TW

Bacchusテックウッド材のギターを…
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積層材「テックウッド」とは?

バッカスが採用した「テックウッド」は、ポプラの薄板を貼り合わせて作った積層材です。貼り合わせ方にひと手間かかっており、出来上がった層は本当の木目のように見えます。このテックウッドとはどんなものなのか、バッカスを運営している株式会社ディバイザーの相沢森(あいざわ・しん)さんに解説していただきました。

テックウッドについての解説

相澤:弊社で使用しておりますテックウッドは、ポプラ材と硬質接着剤の積層材となります。ポプラ材はローズウッド材と比較すると柔らかい木ですが、積層構造になることで十分な強度を確保します。落下の衝撃でパックリ割れてしまう、ということもございません。
テックウッドを使用するメリットは「寸法安定性」および「強度とコストのバランス」に優れるという点にあり、しっかりとしたギターを比較的低価格でお届けすることができると存じます。
指板、ネック、ボディともに材料として同じものを使用しています。先述の通りテックウッドはポプラの積層でして、自然木のような木目が現れるのも特徴の一つです。指板材を加工するときには、いわゆる自然木で呼ぶところの「柾目(まさめ)」で材を加工するため、見た目に違いが現れます。
穴あけ、穴埋め、フレット交換など、他の木材と同様に作業可能です。指板の扱いについても、基本的に通常の木材と同様になります。定期的にオイルを塗布することで、指板面からの外気の影響を受けにくくできます。
このテックウッドについては、今後も継続して、部分的、全体的に使用する可能性がございます。

テックウッドは指板に使用できるくらい堅くて強く、普通の木材同様に加工やメンテナンスができる、ということですね。また、「ボディ/ネック/指板すべてが同じ材料でできている」ということがわかりました。ジョージ・ハリスン氏が愛用した「オールローズ・テレキャスター」は、その名の通り木部が全部ローズウッドでできていました。BTE-TWは、木材構成のコンセプトとしてはこれと同様だ、ということになります。

バッカス「BTE-TW」をチェック!

ではさっそく、「BTE-TW」の

  • ボディ
  • ネック
  • 電気系やパーツ

を、じろじろとチェックしていきましょう。

重すぎないボディ

Bacchus BTE-TW:ボディ BTE-TWボディのアップ。完全な平行線ではない、無垢材のような自然なうねりを持つ木目が確認できます。

見たところ左右の継ぎ目はなく、一枚板を表裏で貼り合わせて作ったボディです。「内部をくり抜き軽量化している」とのことですが、あちこちコンコン叩いても、どこに空洞があるのかは分かりませんでした。叩くと分かるような大きな穴が空いているというわけではなく、「外から叩いても分かりにくいような小さな穴をいくつか空けて、重量の調整をしている」ということだと考えられます。「軽量化」と言いつつそれほど軽さを感じさせるでもなく「こういうタイプのギターだったら、だいたいこれくらいの重さ」と納得できる印象です。
また、ストラップを使用すると「ネックが水平になろうとする」、このタイプのギター特有のボディバランスもしっかりとられています。

Bacchus BTE-TW:サイド サイド面にはこのように木製の白いラインが。トップとバックの間に薄板が挟まっているようです。

本物のローズウッドと比べてみた

このテックウッドはいかにもローズウッドという雰囲気ですが、実際にどれくらいローズウッドっぽいのか、ここで、テックウッドの外観を本物のローズウッドと見比べてみましょう。

ローズウッドのクラシックギター

さすがに、ローズウッドをボディに使用したエレキギターは、なかなかありません。そんなわけで、サイド&バックにローズウッドを使用しているこちらのクラシックギター(中出阪蔵1971年)と見比べてみます。

クラシックギター:バック

クラシックギター:バックのアップ

テッカテカのバック面ですが、僅かにうねりながらもほぼ真っすぐな木目です。繊維ごとに濃淡があり、ペターっと一色、という感じではありません。これがローズウッドのボディバックです。

Bacchus BTE-TW:バック

Bacchus BTE-TW:バックのアップ

こちらはBTE-TWの背面。バック材もやはり継ぎ目の無い一枚板です。ほぼ真っすぐでちょっとうねる、色調に濃淡のあるストライプになっています。色調に木材の個体差で明るい/暗いこそありますが、この濃淡ある縦線が並んでいる感じ、本物のローズウッドにかなり近い雰囲気が再現されていると言って良いでしょう。

オーソドックス感のあるネック

Bacchus BTE-TW:ネック

BTE-TWのネック裏。反射光が真っすぐ走る、キレイに整えられたネックだと分かります。フレット数22の現代仕様、クセのない素直な印象の握り心地でスイスイ弾けます。では指板も見てみましょう。

Bacchus BTE-TW:指板

うっすらと木目が見える、ひじょうに目の詰まった印象の指板。ポジションマークはちょっと大きめ。木目の見え方がボディやネックとは違っていますが、切り方の違う同じ材料です。本物のローズウッドだと言われたら、そのまま信じてしまいそう。

他社製のローズウッド指板

ちなみにこちらは他社製のローズウッド指板。オイルの塗り加減などでツヤ感に違いがありこそすれ、やはりかなり近い印象です。

Bacchus BTE-TW:ヘッド

Bacchus BTE-TW:ペグ

トラスロッドはヘッド側にあり、ロトマチック・タイプのごついペグが付いています。

シンプルな電気系&パーツ

Bacchus BTE-TW:コントロール

操作系は一般的なテレキャスター・タイプに準拠し、ピックアップセレクター、ボリューム、トーン、と至ってシンプル。二つのピックアップは逆相になっており、ハーフポジションにすると「ジー」っというハムノイズが軽減されます。

Bacchus BTE-TW:ピックアップ

ピックガードを外さなくてもフロントピックアップの高さ調節ができる、いわゆる「現代仕様」。しかし指板のツバ出し部分がピックガードの端を一部覆っているので、ピックガードを外そうと思ったら、その前にネックを外さなければなりません。

Bacchus BTE-TW:ブリッジ

ブリッジは3連式の「ヴィンテージ・スタイル」です。鉄製のサドルには、弦を受け止める溝が刻まれています。

「BTE-TW」のサウンドをチェック!

驚くほど大きな生鳴り

ではBTE-TWの音色をチェックしてみましょう。まずはアンプにつながない、楽器本体だけの鳴り方を確認します。確かにエレキギターはアンプにつないでこその楽器なんですが、こういうトラッドなスタイルのギターでは「ピックアップが拾い上げる”楽器本来の音”」や「手に伝わってくる”楽器が振動している感じ”」を無視できません。
そんなわけでコードを押さえて「ジャン」っと鳴らしてみると、予想外の音量が返ってきます。深夜にはうかつにかき鳴らすことができないレベルです。ボディ内部の空洞が効果を発揮しているのでしょうか。また、本体の堅さによるのか、音の伸びもかなりあります。楽器本体が非常によくできている、ということが分かります。

各ピックアップの音色

続いて、アンプを通したサウンドをピックアップごとにチェックしていきます。使用したのは「クリーン」「クランチ」「モダンハイゲイン」の3音色で、「フロント単体」、「フロント+リア」、「リア単体」の順に再生されます。ぜひ試聴してみてください。

全体にシャキシャキしすぎず、耳に痛いあたりが抑えられた扱いやすいサウンドです。フロントは太く甘い印象、リアは細すぎずパリっと言います。


以上、バッカスがリリースした新発想のテレキャスター・タイプ「BTE-TW」に注目していきました。どこから見ても明らかにローズウッドっぽい、クールかつキュートな、魅力的なギターです。「木部がすべて同じ材料」という設計上の面白さは、他ではなかなか見られないこのギターだからこその特徴です。価格がそれほど高くないため、これからギターを始める人にとっての「最初の一本」としてお勧めできますし、中級以上の人がセッティングを追い込んだりパーツを交換したりして自分なりのギターに仕上げる「改造用の本体」としてもお勧めできます。ショップで見かけたら、ぜひこの「本体の豊かな生鳴り」を体験してみてください。

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