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ギブソン レスポール(Gibson LesPaul)

ギブソン・レスポール

エレキギターといえば、ギブソン・レスポールを思い浮かべるという方が多いのではないでしょうか?
フェンダー・ストラトキャスターと並び最も有名と言えるエレキギターで、音楽にあまり興味のない方であっても、このギターを一度も目にしたことはない、という方は少数派だと思います。

1950年代に誕生してから60年以上が経過した現在でもレスポールは多くのギタリストに愛され、音楽の歴史を作りつづけています。

新しいスタイルのエレキギターが次々と登場しているにも関わらず、どうしてレスポールは「エレキギターの王様」であり続けることができるのでしょうか?
ここではレスポールの持つ深い魅力についてお話してみたいと思います。

レスポールの誕生、そして伝説のギターとなるまで

エレキギターの王様・レスポールはどのように誕生し、伝説のギターとなっていったのでしょう?

ギブソン初のソリッドボディ・エレキギター

ES-150ES-150

レスポールがギブソンの初めてのエレキギターである、と言われることも少なくありませんが、正確にはこれは誤りです。ギブソンが初めて作ったエレキギターは、1940年代に登場したES-150というホロウボディにシングルコイルピックアップを搭載したモデルでした。このギターは、大きな会場でプレイするジャズギタリストを中心に注目を集め、大きな成功をおさめます。

1949年にそれ以上のインパクトを持ったエレキギターがフェンダーから登場しました。それが今日のテレキャスターの原型となったエクスワイヤーです。元々楽器メーカーではないフェンダーは、これまでのギターの概念を覆すスペックを採用しています。ソリッドボディにボルトで固定されたネック、金属製のブリッジ、片側のみに配置されたペグ…そのすべてがこれまでのギターにはないものでした。このまったく新しいジャンルのギターは楽器業界、そして音楽シーンに大きな衝撃を与えました。

そんなエクスワイヤーが登場した直後からギブソンでもソリッドボディのエレキギターの開発がスタートします。アコースティックギターやバンジョーなどを製造する楽器メーカーとしてすでに成功をおさめていたギブソンはさまざまな楽器製作のノウハウを持っていました。
しかし、新しいスタイルのエレキギターを作るには過去のノウハウよりも斬新なアイデアが必要です。そこで、ギブソンは、ジャズギタリストであり、アイデアマンとしても知られるレス・ポールと一緒にエレキギターの開発をスタートしました。

そしてフェンダーから遅れること3年、1952年にギブソン初のソリッドボディ・エレキギターとしてレスポールは誕生したのです。

レスポールの材構成、シェイプ

2006 Gibson Les Paul Standard Desertburst 2006 Gibson Les Paul Standard Desertburst:ラミネイト構造のボディ

フェンダーがボディ材にアルダーやアッシュの単板を採用していたのに対し、より豊かな倍音と抜けの良さを両立させるために、ギブソンではマホガニーにメイプルを張り合わせたラミネイト構造のボディを採用しました。さらにネック材にもマホガニーを採用することによって、メイプルを採用しているフェンダーよりも、温かで太いサウンドを実現することに成功しています。

レスポールが誕生した当時はまだロックというジャンルも確立されていませんでしたし、ギターの音を歪ませる、という概念も存在していませんでした。そのため、エレキギターに求められるサウンドはクリーンでありながら豊かなサウンド…つまりアコースティックギターに近い音が必要とされていました。そのため、ボディシェイプはアコースティックギターに近い、丸みのあるシェイプとなっています。さらに、ソリッドボディにすることによって失われてしまうボディの響きを補うために、アーチドトップ構造も採用されています。

それと同時に、ジャズギターの世界で1940年代から流行しはじめたギターソロプレイにおけるハイポジションでのプレイアビリティを高めるために、ボディ下部にカッタウェイも設けられています。

サウンド、そしてプレイアビリティの両方を考え抜いた結果、レスポールの材構成、シェイプは完成しました。

レスポールの電気回路、ピックアップ

P90 レスポールのピックアップ 左:P90、右:現在のレスポールの基本となるピックアップ

エレキギターの心臓部である電気回路やピックアップについても非常に緻密に設計されています。
初期のモデルに採用されていたピックアップはP90と呼ばれるシングルコイルピックアップでした。フェンダーでも採用されていたのも構造としては同じシングルコイルでしたが、P90はより大型でコイルの巻き数も多く、太いサウンドを実現しています。
このピックアップを2フロントとリアの2カ所に配置し、トグルスイッチでの切り替えが可能なサーキットを採用したことによって、瞬時にサウンドを変化させることが可能となりました。

1955年以降のモデルには、ハムバッカーピックアップが搭載されるようになりました。それぞれのピックアップが2つのコイルを持つことによって、ノイズに強く、より太く、パワフルなサウンドを得ることができるようになっています。
これがレスポールの基本スペックとなり、現在に至るまで採用され続けています。

ロックシーンの中心でプレイされるようになったレスポール

発売当初はジャズプレイヤーのためのギターであったレスポールですが、1960年代後半から高い人気を集めるようになったロック系ギタリストによって新たな可能性が開花します。
高出力なハムバッカーピックアップと、多くの倍音を生み出すボディの組み合わせはロックの基本となるオーバードライブ、ディストーションサウンドとの相性も抜群でした。そのため、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベックをはじめとする多くのギタリストに愛用され、一気に人気に火が点きました。

レスポールを弾くジミーペイジ
レスポールを弾くジミーペイジ

そして伝説へ...

特にジミー・ペイジの使用する1950年代後半のサンバーストカラーのレスポールは強烈なインパクトを放ちました。長いストラップで腰よりも低い位置で58年製のオールド・レスポールを弾く姿は、当時のギターキッズたちに「レスポールは低い位置で弾くもの」という流行を生みました。
こうしてレスポールは伝説のエレキギターとなったのです。

スラッシュ(Slash)
スラッシュ

ハードロック勢による流行

1970年代後半のフュージョン・ブーム、さらに1980年代のLAメタルシーンなどではトレモロ・ユニットを搭載したストラトキャスター・タイプのギターが席巻し、レスポールはほとんどみられなくなりました。

しかし1980年代後半に入り、「ガンズアンドローゼズ」のギタリスト"スラッシュ"がレスポールらしい艶やかな音色とワイルドなプレイによってレスポールは再び人気を博すこととなります。

ジャンルを越えて

この他にも、"レゲエミュージックの父"であるボブ・マーリーも生前、レスポール・スペシャルを使用していました。レスポールはジャンルを越えて人々に愛されるエレキギターとなったのです。

進化し続けるレスポール

一見すると、まったく変化がないように見えるレスポールですが、時代に合わせて変化し続けています。もちろん、ボディシェイプや材構成などについては、発表当時から非常に高い完成度を誇っていましたので、前述の50年代に完成したスペックから大きな変更はありません。
しかし、より良いギターを目指して、あらたな機能が追加され続けています。

コイルタップ

レスポールのコイルタップ

ハムバッカーピックアップの太く、ノイズレスなサウンドは非常に魅力的なものですが、シングルコイルならではのきらびやかで抜けの良いサウンドを好むプレイヤーも少なくありません。そこで、コイルタップという機能が搭載されたモデルも登場しています。

スイッチ操作によってハムバッカーからシングルコイルへの切り替えが可能となりますので、従来の重厚なハムバッカーサウンドと、軽快なシングルコイルサウンドの両立ができるようになったのです。
このサーキットはレスポール人気の立役者であるジミー・ペイジやスラッシュにも愛用されており、近代レスポールの基本スペックと言っても過言ではないでしょう。

ピエゾピックアップ

エレクトリック・アコースティックギターなどに採用されているボディの振動を電気信号に変換するピエゾピックアップを採用したモデルも登場しています。
これによって、ソリッドボディのエレキギターでありながら、リアルなアコースティックサウンドをアウトプットすることが可能となりました。

Min-Etune

G-Force tuning

近年のギブソン最大の発明といえば、Min-Etune でしょう。従来、音叉やチューナーなどを使用し、ペグを回すことによってチューニングは行われてきました。しかし、このシステムを採用することによって、自動チューニングが可能となったのです。
単にチューニングの煩わしさから解放されるだけでなく、瞬時に変則チューニングへの切り替えも可能となりましたので、よりプレイの幅を広げることが可能となりました。


ギブソン・レスポールの主なラインナップ

レスポールとして最も知られているのは、その名の通り最もスタンダードなシリーズである「レスポール・スタンダード」、ブラック一色のボディ/多層バインディング・ゴールドハードウェアなど豪華な外観から”ブラックビューティー”の愛称で呼ばれる「レスポール・カスタム」の2機種ですが、この他にも様々なモデルが存在します。


レスポール・ジュニア/レスポール・スペシャル
レスポール・ジュニア

1950年代からスチューデントモデルとしてラインナップされてきたジュニアの特徴はフラットトップ仕上げのボディにP90ピックアップの採用です。価格を抑えるために採用されたスペックですが、結果として通常のレスポールとは異なる軽快なサウンドを生み出すこととなり、ローリングストーンズのキース・リチャーズをはじめとするトップギタリストにも愛用されています。

ジュニアの2ピックアップモデルがスペシャルです。フロントピックアップが追加されただけでなく、リアピックアップの取り付け位置もよりブリッジ寄りとなり、リアポジション単体で鳴らしてもより硬質で抜けの良いサウンドを得ることが可能となりました。グリーンデイのビリー・ジョーや奥田民生などが愛用していた影響から、人気モデルとして定着しています。


レスポール・スタジオ/LPM
レスポール・スタジオ/LPM

スタジオはスタンダードモデルの廉価版という位置付けですが、基本的なスペックはスタンダードモデルとほぼ同じ仕様。低価格でありながらレスポールサウンドを手に入れることのできるシリーズとして高い人気を集めています。近年ではオールマホガニーボディのモデルやP90ピックアップを搭載したモデルなどスポットモデルが登場し、モダン系レスポールとしての色合いも持つようになっています。


レスポール・スペシャル
レスポール・デラックス
ES-レスポール

特殊なレスポールについて

基本的モデルについては、50年代に完成したオリジナルスペックをベースに設計されていますが、実験的なモデルも存在しています。
その一部をご紹介しましょう。

レスポールレコーディングモデル

1960年代後半に誕生したのがレスポールレコーディングモデルです。レス・ポールのメインギターとして晩年まで愛用され続けたこのモデルは現在でも少数ではありますが、生産されています。
その最大の特徴となるのがローインピーダンスピックアップと特殊なサーキットの採用でしょう。従来のレスポールならではの魅力を残しながらも、より幅広いサウンドを実現することができるため、現在でも一部のプレイヤーの間で高い人気を集めています。

レスポールダブルカッタウェイモデル

ギブソン・レスポールの大きな特徴の1つであるシングルカッタウェイシェイプを廃し、ボディ上部にもカッタウェイを追加したのがこのダブルカッタウェイモデルです。
単にカッタウェイを追加するだけでなく、厚みなども見直され、計量かとプレイアビリティの向上を実現しています。

レスポールカスタムライト

1980年代に、軽量化のために薄型ボディを実現したレスポールカスタムライトというモデルが登場しています。近年までこの薄型ボディはレスポールスタジオなどの廉価モデルを中心に採用され、さまざまなプレイヤーに愛用され続けました。

ギブソン・レスポールのサウンドがこちら

使用機材

  • Gibson Les Paul Traditional 2012

    エレキギター

    Gibson Les Paul Traditional 2012

  • Ditto LooperMad Professor Golden CelloLandgraff Distortion BoxTC Electronic Flashback Mini DelayKEELEY Compressor C4 Z VEX Box of Rock MORLEY Maverick

    エフェクター

    上から:TC Electronic Ditto Looper, Mad Professor Golden Cello , Landgraff Distortion Box , TC Electronic Flashback Mini Delay , KEELEY Compressor C4 , Z VEX Box of Rock , MORLEY Maverick

  • BlackStar HT-5R

    アンプ

    BlackStar HT-5R

サウンド解説

0:32〜:歪みに Landgraff Distortion Box、1:04からはディレイ TC Electronic Flashback Mini Delay をオンにしています

1:29〜:コンプレッサー KEELEY Compressor C4 、ディレイ TC Electronic Flashback Mini Delay を使用。アンプのリバーブを使っています。

2:50〜:ディストーション/ディレイ Mad Professor Golden Cello を使用。

4:06〜:バッキングをルーパー TC Electronic Ditto Looper を使って作成、ワウ MORLEY Maverick も使っています。ギターソロの歪みは Z.VEX Box of Rock、ディレイ Flashback Mini Delay を使用。

  • Gibson Les Paul Traditional 2012
  • ボディ:メイプルトップ/マホガニーバック
  • ネック:マホガニー
  • 指板:ローズウッド
  • フレット数:22
  • ピックアップ:'57 Classic , '57 Classic+
  • ピクアップスイッチ:3way トグルスイッチ
  • コントロール:2ボリューム、2トーン
  • ケース:ハードケース
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六弦かなで「迫力のある太い音!これぞロック!って感じのギターだね、博士♪♪」

Gibson Les Paul Traditional 2012

PRS SE Custom24

サムネイルをクリックして拡大
  • Gibson Les Paul Traditional 2012 の全体画像
  • Gibson Les Paul Traditional 2012 のヘッド部分
  • Gibson Les Paul Traditional 2012 のピックアップ
  • Gibson Les Paul Traditional 2012 のネック
  • Gibson Les Paul Traditional 2012 のブリッジ
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ギター博士から一言

実はギブソンのレスポールを弾くのはかなりご無沙汰で、久しぶりに弾いてみたんじゃが、その進化に驚いたゾ。

まずはウェイト、というか持ったときのバランスがとてもいい。またチューニングがとても安定しているのも特徴じゃ。これはプレック(Plek)マシーンという最新機器の恩恵じゃろう。

音はクリアで太い。王道のドライブサウンドから太いクリーントーンまで出せる、堂々たる風格のギターぢゃ!!