ギタースケールについて
スケールとは1オクターブの範囲内で音の高さの順にならべて表したもの = 音階です。スケールには、構成音の数や並びかたによっていろいろな種類のものがあります。みなさんが知っているであろう"ドレミファソラシド"はCメジャースケールというスケールです。
スケールを覚えておくと、メロディの組み立てやギターソロのプレイの幅がグンと広がります。コードの構成音を覚える時のように、理解するのに時間がかかるかもしれませんが、チャレンジしてみる価値は大いにあります。
知っておくと「できること」が増える
ギタリストに関わらず、あらゆる音楽家が皆これらのスケールを完璧に覚えているかというと、そうではありません。ギターが上達するにつれ自然に身につく人もいるでしょう。ギターの神様と呼び名の高いジミ・ヘンドリックス氏は楽譜が読めなかったと伝えられています(当時の著名なミュージシャンの中には楽譜が読めない人は多かったといいます)。
全てのプレイヤーが必ず覚える必要がないという一方で、「スケールを理解しているが故に組み立てられるメロディライン」というものは確実に存在します。
スケールの種類
スケールってどんなもの?それぞれどんな響きがするの?という人のために、ギター博士が様々なスケールを用いたギターソロを17本弾きました!キーは全てCで統一し、ベーストラックとドラムトラックは全て同じフレーズなので、各スケールの雰囲気の違いが感じられるかと思います。
ギター博士が色々なギタースケールを弾いてみた!
気になったスケールは以下のリンク先でより詳しく調べることができます。それぞれのスケールでの指板上のポジション表など、各スケールの基本となる情報を掲載していますので、参考にしてみて下さい。
- 初心者にこそ知って欲しい、メジャースケール練習のポイント
- ナチュラルマイナースケール
- メジャーペンタトニックスケール
- マイナーペンタトニックスケール
- ドリアンスケール
- フリジアンスケール
- リディアンスケール
- ミクソリディアンスケール
- ハーモニックマイナースケール
- メロディックマイナースケール
- ハーモニックマイナーパーフェクトフィフスビロウ(P5↓)スケール
- コンビネーションオブディミニッシュスケール
- リディアンフラットセブンス(♭7th)スケール
- ホールトーンスケール
- ブルーノートスケール
- 琉球音階
- ヨナ抜き短音階
- ロクリアン・スケール
スケールを覚えるコツ
膨大な量のスケールは、どうやって覚えてどうやって実践的に使っていくことができるのでしょうか。
指板上のポジションで覚える、というのは?
まず思いつくのが、スケールをギターの指板上のポジションで覚えるという方法です。
Cマイナーペンタトニックスケールの指板上のポジション
ペンタトニックのように比較的シンプルなスケールであれば、指板上のポジションを感覚的に捉えることで、キーが変わっても応用できるでしょう。しかし音階が複雑なスケールになってくると、キーがCの指板上のポジションを覚えるだけでは、コードが変わった時になかなか応用が効かなくなるかもしれません。
ルートで始まりルートで終わる練習をする(スケールの響きを感じる)
ケールは単なる音の配列ではない、スケールには響きがあり、それを感じられるようになる練習をおこないましょう。それが「ルートから始めてルートで終わる練習」です。
例えばCメジャースケールだと「ドレミファソラシドー」や「ドシラソファミレドー」のように、ルート(ド)から初めてルートで終わるように弾く。他のスケールでも音域を拡張した場合でも同様で、最初と最後をルートにするとスケールの響きをしっかりと感じることができます。
5線譜で理解する
音程は、5線譜の仕組みを理解してはじめて理解できます。例えば下の図はCメジャースケールの5線譜表記です。
Cメジャースケールの5線譜表記
次にCミクソリディアンスケールの5線譜を見てみましょう。
Cミクソリディアンスケールの5線譜表記
比べてみると、2つのスケールにほとんど違いがないことがわかります。Cミクソリディアンスケールは、Cメジャースケールの7番目の音(シの音 = B)をフラットさせただけの音階なのです。
同様に、CリディアンスケールはCメジャースケールの4番目の音(ファ = F)をシャープさせただけということが理解できます。
このように、5線譜で各スケールを理解することでスケールそれぞれの違いが明確になります。様々なスケールを比較することで、各スケールの鍵を握る音を理解することができるため、スケールをより効果的に使いこなすことができるようになるでしょう。
度数で覚え、より理解を深める
- ナチュラルマイナースケールの、2度(9th)を半音下げると「フリジアンスケール」
- ナチュラルマイナースケールの、短6度(♭13th)を半音上げると「ドリアンスケール」
というように、コードが変わっても「度数で覚える」ことによって、スケールを体系的に捉えることが可能になります。度数については以下のページで詳しく解説しています。
メジャー(長調)、マイナー(短調)で分類する
たくさんあるようにみえるスケールですが、ルートから3番目の音が「長3度(M3)」か「短3度(m3)」か、メジャーかマイナーで分類すると、少し整理することができます。
メジャー系スケール
- メジャーペンタトニックスケール
- リディアンスケール
- ミクソリディアンスケール
- リディアン♭7thスケール
- ハーモニックマイナーP5↓
- ホールトーンスケール
マイナー系スケール
- マイナーペンタトニックスケール
- ドリアンスケール
- フリジアンスケール
- ハーモニックマイナースケール
- メロディックマイナースケール
- [カテゴリ]ギター理論 , [最終更新日]2020/02/05 06:28