ハード/ヘヴィ・ロックの王道「Ibanez RG」徹底分析!

[記事公開日]2016/7/14 [最終更新日]2024/3/5
[編集者]神崎聡

Ibanez RG Ibanez Prestige RG2770QZA-WPB

1987年にデビューした「アイバニーズ・RG」は、いろいろな工夫でストラトキャスターを強化させた「スーパーストラト」の代表機種です。デビュー以来優れた演奏性で人気を集め、メタルを中心にあらゆるジャンルをカバーできる「ロック寄りの万能ギター」として人気を集めてきました。

今回は「ヘヴィ・ロックの王道」と呼び声の高いこのRGに注目し、機能や特徴を追跡していきましょう。

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1: RG誕生までの歴史 2: アイバニーズRGの特徴 2.1: ラインナップの分類 2.2: ストラトとの比較 2.3: RGの代名詞「極薄ネック」 2.4: 重厚な固定式ブリッジ 2.5: IbanezのFRT「Edge」の機構 2.6: FRTの泣き所を解消する「ゼロ・ポイント・システム」 2.7: 定番系を網羅できるサウンドバリエーション 2.8: 搭載されるピックアップ 3: ギター博士が Ibanez RG を弾いてみた! 4: RGシリーズのラインナップ 4.1: j.custom 4.2: Prestige 4.3: Premium 4.4: Iron Label 4.5: Standard 5: RGの派生モデル 5.1: RGV 5.2: RGD 5.3: RGA 5.4: RG Kaoss


Steve Vai – The Crying Machine (TEC Awards 2012)
スティーヴ・ヴァイ氏は音楽への強い探求心、斬新な発想、誰も追いつく事の出来ない高度なテクニックで、アルバムを発表するたびにリスナーに驚きと感動を伝え続けてくれるスーパーギタリストとして知られています。自身のシグネイチャーモデル「JEM」、7弦ギター「ユニバース」を使用するようになったのは、フランク・ザッパのバンドを辞してソロ活動を始めた頃で、以来、この二つのモデルは彼自身のトレードマークになっています。

RG誕生までの歴史

RGの歴史は、名機「RS(Roadster。のちにRoadstar)」に始まります。アイバニーズのオリジナルモデルとして1977年にデビューしたRSは、ストラト的なスタイルながら、ピックガードとトレモロユニットを持たないモデルでした。1983年には「Roadstar II」となり、ハムバッカーやトレモロユニットが搭載されます。

Roadstar IIはスティーヴ・ルカサー氏(TOTO)がシグネイチャーモデルを発表するほか、デイヴ・マーレイ氏(アイアンメイデン)やゲイリー・ムーア氏などが愛用しました。この年はヴァン・ヘイレンの「JUMP」が世界的なヒットとなるなどエドワード・ヴァン・ヘイレン氏の活躍が目覚ましく、その影響でストラトにハムバッカーを載せたギターが大流行でした。

1986年にはフロイドローズが搭載され、モデル名が「Roadstar RG」となります。翌1987年にスティーヴ・ヴァイ氏のシグネイチャーモデル「JEM」が発表され、これと基本的な仕様を同じくするフルモデルチェンジ版「Roadstar RG」が発表されます。現在のアイバニーズを象徴する「グース・ビーク(ガチョウの嘴)」ヘッド形状、HSH配列、そして鋭角的なボディシェイプを持つ現代のRGは、このとき誕生します。

以来、「ロードスター」のモデル名は徐々に「RG」へと置き換わっていきますが、RGはテクニカル系のギタリスト必携のアイテムとして支持を集め、現在ではヘヴィ系マストアイテムの地位を築いています。

アイバニーズRGの特徴

Ibanez RG

RGは全モデルを通じて

  • テクニカルなプレイを支える24フレットの扁平な指板と極薄のネック
  • 普通のストラトよりも大きく削られたカッタウェイ
  • 精悍で重厚なイメージを演出するフラットなボディトップ
  • ハイポジションの演奏性を向上させるため角を落としたヒール
  • スッキリとまとまっているが、充分なサウンドバリエーションが得られる操作系

などが特徴で、ロック系、テクニカル志向のプレイヤーに特にフィットするように作られています。また、杢の美しいトップ材を使用したりバインディングを使用したりするなど、端正な面構えを持っています。

デビュー当時は必須アイテムだったフロイドローズですが、プレイスタイルの多様化から、固定式ブリッジを搭載したモデルも多く生産されています。それではこれから、RGの持つさまざまな特徴を探ってみましょう。


Ibanez TAM100 Tosin Abasi Signature 8-string Guitar Demo – Sweetwater Sound
タッピングからスラップまで、ギターとベースの両方の弾き方を自在に行き来するトシン・アバシ氏は、「ジェント」が席巻する現代のヘヴィミュージックでもひときわ異彩を放つ変態さんとして知られています。氏のシグネイチャーモデルは、固定式ブリッジの8弦モデルにピックガードを備えた品のある外観に仕上がっています。

ラインナップの分類

RGのラインナップは、5つのシリーズで分けられています。

生産地 シリーズ名 価格帯
国内 j.custom \340k~\400k 全てに「最高」を取り入れたトップグレード
Prestige \175k~\220k 国内生産される上位機種
海外 Premium \150k~\165k 海外生産の上位機種
Iron Label \100k~\155k ヘヴィ系に特化したアレンジ
Standard \60k~\75k 基本的な機能を備えた標準機

RGのシリーズ比較

価格帯は一般的なRGの仕様である「トレモロユニットを搭載した6弦仕様」のもので、「k」は「1,000」を意味します。「Premium」と「Iron Label」で多少重なるところがありますが、それ以外ではかなりハッキリと価格差ができていることが分かりますね。各シリーズで同じパーツが使われることも多いですが、それぞれに仕上げや機能、またボディ材の選択など設計に違いが設けられており、違った個性が与えられています。

アイバニーズの最高グレード「j.custom」は現在RGのみで、ベースやアコギのラインナップにもありません。このRGがアイバニーズにとっていかに特別なものなのか、類推できますね。

ストラトとの比較

ストラトとRGの比較
ストラトとRGのサイズ比較

RGのボディは一見スリムに見えますが、フェンダー・ストラトキャスターとの比較では同じ幅で、長さがボディエンド方向に1cmほど延長されています。ヘッドもストラトと比べてわずかに長いので、実は決してコンパクトな楽器ではありません。

カッタウェイはたいへん大きく取られていますが、ストラップピンの位置はほとんど同じなので、ボディバランス的にはそれほどの違和感がありません。

ボディ厚はストラトに比べて若干薄くなっていますが、バックプレートがボディバック面まで落とし込まれて設置されることにより、さらに薄くスッキリとした印象になっています。

ストラトとRGではこのようにボディ形状に親和性があり、スムーズに持ち替えられるようになっています。その分だけ、「全くの別物」と言われるネックの感触を堪能することができます。

RGの代名詞「極薄ネック」

IBANEZ RG:ネック Prestige RG2770QZA-WPB のネック

RGが大好きだというギタリストも、RGが苦手だというギタリストも、「極薄のネックグリップ」をその理由にします。RGのネックグリップには、主に「Wizard」と呼ばれる「薄さ」を特徴としたものが採用されています。Wizardにはいくつかの種類があり、本体のグレードが上がるにつれて薄いグリップが使われていきます。これがどれほど薄いのか、公式に寸法を開示している他社のギターと比べてみましょう。

ネックの厚み比較(6弦モデル)

IBANEZ RG:ネック側面 ヴィンテージ・スタイルのギターと比べると、ネックはかなり薄い

1F地点の厚み 12F地点の厚み 指板R シリーズ
Super Wizard 17mm 19mm 430mm j.custom、Prestige
RG j.custom U 18mm 20mm 430mm RG7570
Wizard HP 18mm 20mm 430mm Prestige
Wizard 18mm 20mm 400mm Premium
Nitro Wizard 19mm 21mm 400mm Iron Label
Wizard III 19mm 21mm 400mm Standard
Mayones Regius 6 20.5mm 21.5mm 406mm
Les Paul Std. 2016 HP 20.32mm 22.25mm コンパウンド

RGの6弦モデルは弦長(648mm)、ナット幅(43mm)、12フレット地点のネック幅(58mm)という寸法が共通しており、厚みに違いを持たせています。ネック厚が1mm薄くなるということは、いつもと同じ弾き方で指の長さが1mm伸びるのと同じ効果があります。

レスポール・スタンダードHPはギブソンの中では最も薄い「非対称スリム・テーパー」というグリップですが、RGと比べるとかなりの差がありますね。レスポールはマホガニー1ピースのネックなので、あまり極端に薄くしてしまうと充分な強さが無くなってしまいます。RG では Iron Label 以上の薄いネックはメイプルやウォルナットを重ね合わせた多層構造になっており、薄くても充分な強度が保たれています。

なお、「Super Wizard」は

  • j.custom:5pc RG j.custom Super Wizard
  • Prestige:5pc Super Wizard HP

このように区別され、ネックシェイプにシリーズごとの違いを設けています。

ネックの厚み比較(多弦モデル)

では、多弦モデルの厚みもチェックしてみましょう。

7弦モデル

1F地点の厚み 12F地点の厚み 指板R シリーズ
RG-7 j.custom 19mm 21mm 430mm j.custom
Wizard HP-7 19mm 21mm 430mm Prestige
Wizard-7 19mm 21mm 400mm Premium
Nitro Wizard-7 19mm 21mm 400mm Iron Label
Mayones Regius 7 20.5mm 21.5mm 406mm

7弦モデルでは弦長(648mm)、ナット幅(48mm)、12フレット地点のネック幅(68mm)という寸法が共通しており、厚みも共通しています。しかしグレードが上がるにつれ、グリップがブラッシュアップされているようです。

8弦/9弦モデル

1F地点の厚み 12F地点の厚み 指板R シリーズ
Ultra-8 20mm 21.5mm 400mm Prestige
Nitro Wizard-8 20mm 21.5mm 400mm Iron Label
Wizard II-8 20mm 21.5mm 400mm Standard
Mayones Regius 8 20.5mm 21.5mm 406mm
Wizard-9 21.5mm 23.5mm 1000mm Prestige
Wizard-9 21.5mm 23.5mm 950mm Standard

8弦モデルでは弦長(685mm)、ナット幅(55mm)、12フレット地点のネック幅(80mm)という寸法が、9弦モデルでは弦長(712mm)、ナット幅(62mm)、12フレット地点のネック幅(88mm)という寸法が共通で、それぞれの厚みも7弦同様に共通となっています。

弦数が増すにつれてネックの厚みが増してくるRGに対し、弦数にかかわらず厚みが一定のメイワンズ、というアプローチの違いも面白いところですね(それでもRGの方が薄い)。

重厚な固定式ブリッジ

Ibanez RG:ブリッジ

アイバニーズのRGといえばフロイドローズ搭載が当たり前でしたが、昨今では固定式ブリッジを採用したモデルの存在感が増しています。70年代にオリジナルモデルを模索し始めたころから現在に至るまで、アイバニーズには固定式ブリッジに対する並々ならぬこだわりがあります。シリーズごとに仕様が分けられますが、どれも金属量が多く重厚で、音の鋭い立ち上がりと豊かなサスティンをもたらします。

Tight End R

タイトエンド・R(j.custom、Prestige、Premium)

ネジで各サドルをベースプレートにしっかりと固定することで、弦振動の伝達効率を向上させた高機能ブリッジです。FRTを思わせる滑らかな表面は手に優しく、また弦高を下げるセッティングができるため、骨太なサイドギターから華麗なリードプレイまで、あらゆる演奏スタイルにフィットします。

gibraltar standard 2

ジブラルタル・スタンダードII(Prestige、Iron Label)

「ジブラルタル」はアイバニーズ独自のブリッジに対して’70年代から使用されている、由緒あるモデル名です。この名を継承する本機のベースプレートは幅が広く厚みがあり、伝統的なブリッジよりも強固さと重厚さが勝ります。またこれに埋め込むようにサドルを配置することで、弦高を低くできる演奏性を持っています。

fixed bridge

フィクスト・ブリッジ(Standard)

標準的な裏通しタイプのブリッジですが、サドルに伝統的なベントサドル(鉄板を曲げたもの)ではなくブロックサドル(金属の塊を加工したもの)が採用されており、強固さと重厚さが確保されています。


j.customとPrestigeでは、固定式ブリッジのモデルにはゴトー製のロッキングチューナーが付けられます。頑丈なブリッジと高機能なペグとの組み合わせにより、チューニングの安定度が格段に向上します。


Periphery – The Price Is Wrong
ペリフェリーのギタリスト、ジェイク・ボーウェン氏のシグネイチャーモデルは、リバースヘッドのRGAにエボニー指板とロー・プロ・エッジを備えた独特の風貌を持っています。利便性の高いZPSですが、アームの操作感にクセがあるためか、アーティストモデルに採用される例はないようです。

IbanezのFRT「Edge」の機構

Ibanez RGのブリッジ Prestige RG2770QZA-WPB のブリッジ

ブリッジにこだわるアイバニーズ。「Edge(エッジ)」の名を冠するFRTシステムもその例外ではなく、本家フロイドローズのライセンス生産でありながら、度重なる改良により独自の進化を遂げています。RGと競合するギターのほとんどがオリジナル・フロイドローズを搭載している中、Edgeを搭載するRGは異彩を放っていると言えるでしょう。

RGで採用されるFRTは

Edge- Zero : j.custom、Prestige

Edge-Zero II : Premium、Iron Label、Standard

この二つがメインで、シリーズにより使い分けられます。「エッジ」はその名の通り、ナイフのように鋭利な支点でスタッドに接することから、動きやすさ/戻りやすさ/安定に優れています。また「ゼロ」の名が示すように、いずれも「ゼロ・ポイント・システム(ZPS)」に対応しています。

また、

  • トレモロスプリングの共振を抑えるゴム製のパーツ(Spring Mute)
  • トレモロスプリングの張力を調節する機構(Toolless Spring Tension Adjust)
  • スタッドを強固に固定し、振動伝達の効率を上げる(Stud Lock Screws)

といったサウンドや利便性を向上させる機能が備わっているほか、上位機種となる「Edge- Zero」には、

  • オクターブ調整をサポートする工具(Intnation Adjustment Tool)
  • アームのトルク調節機構(Snap and Hold Arm Socket)

が付属し、シビアなセッティングがやりやすくなっています。

また、

Edge:名機。ヴァイ氏やサトリアーニ師匠が今なお愛用(RG3770DX)

Lo-Pro Edge:パーツの配置換えにより、ファインチューナーが演奏の邪魔になりにくい(RG8570SP、RG8420QD)

ZPS非対応のこうしたブリッジが搭載されることもあります。

トレモロユニットを搭載しているものには0.09~0.42の弦(ダダリオ EXL120)で、固定式ブリッジのモデルには0.10~0.46 (ダダリオ EXL110)の弦でセットアップされます。「Lo-Pro Edge」が搭載されているRG8570SPおよびRG8420QD(いずれもj.custom)は、ダダリオの高級弦「NYXL0942(0.09~0.42)」でセットアップされます。NYXLは太く丸いサウンドと尋常ではない安定度を持っており、FRTにうってつけの弦だと高く評価されています。

FRTの泣き所を解消する「ゼロ・ポイント・システム」

ゼロ・ポイント・システム Prestige RG2770QZA-WPB のゼロ・ポイント・システム

多くのRGに搭載されている「フロイドローズ・トレモロユニット(FRT)」は、「アームアップ」などのテクニックに対応するため、裏のバネと表の弦とのバランスで位置を保つ「フローティング」というセッティングになっています。このセッティングはFRTが持つ表現力を最大限に発揮できるのですが、

  • 弦が一本切れたら、チューニングは総崩れ
  • 弦の張力によってブリッジが動くので、チョーキングの上げ幅が多くなる
  • 弦交換の後、チューニングにとても時間がかかる

など、フローティングには代償がかかります。こうしたなやみ事の解決策が、「ゼロ・ポイント・システム(ZPS)」です。

Ibanez RG:裏蓋を開けた様子 ゼロ・ポイント・システムの内部

ZPSは、トレモロユニットを通常の位置(ゼロ・ポイント)に保とうとする強いバネを仕込むことで、アームの操作以外でブリッジが動いてしまわないようにする機構です。これによって、

  • 弦が切れても他の弦のチューニングは保たれる
  • チョーキングが上げやすくなる
  • 「ユニゾン・チョーキング」や「ハーモナイズド・チョーキング」が決まりやすくなる
  • チューニングが合わせやすくなる
  • ドロップDなど、変則チューニングに対応しやすい

といったメリットがあります。

「RG2550ZA」や「RG927WBBZ」など、モデル名の後部に「Z」が付けられているものにはこのZPSが搭載されています。ZPSは便利なシステムですが、

  • バネの張力がかかるから、アームアップの感触が重くなる
  • ブリッジの振動を利用した「クリケット奏法」が封印される

というデメリットもあります。

クリケット奏法がやりやすい

「アイバニーズのFRTはクリケット奏法がやりやすい」とはその筋では有名で、大きなアドバンテージです。クリケット奏法ができなくなるのは嫌だと言う人なら、いっそのこと外してしまうこともできます。またIron LabelにはZPSが搭載されないほか、他のシリーズでもZPSを搭載していないRGはリリースされています。


koRn – Hater
90年代のグランジムーブメントを終わらせたバンドとして名高いKoRnは、現代の多弦シーンに火をつけたバンドの草分けとしても知られています。ギタリストのHead氏はRGD、Munky氏はRGをベースとしたシグネイチャーモデルをリリースしています。

定番系を網羅できるサウンドバリエーション

ibanez RG:ピックアップ Prestige RG2770QZA-WPB:5way、HSH配列のピックアップ

「エレキギターの定番サウンド」といえば、

  • フェンダーを代表とする「シングルコイル・サウンド(ストラトキャスター、テレキャスターなど)」
  • ギブソンを代表とする「ハムバッカー・サウンド(レスポール、SG、ES-335など)」

この二つに大別できますが、RGはコイルタップを応用した特殊配線により、シンプルな操作でシングルコイル・サウンドもハムバッカー・サウンドも出すことができ、「フェンダーとギブソンのいいとこ取り」だと言われることがあります。

RGの代表的な配線では、5wayセレクタスイッチを使用したシンプルな操作によって、さまざまなサウンドを得ることができます。

HSH(SSH)配列の場合

RG HSH配列の5way RGシリーズ(HSH配列)の5way

RG SSH配列の5way RGシリーズ(SSH配列)の5way

Position 1:フロントのハムバッカー(フロントのシングルコイル)
Position 2:フロントシングル+センターシングルのハーフトーン
Position 3:センターのシングル
Position 4:リアシングル+センターシングルのハーフトーン
Position 5:リアのハムバッカー

HH配列の場合

RG HH配列の5way RGシリーズ(HH配列)の5way

Position 1:フロントのハムバッカー
Position 2:フロントのパラレル(ハムバッカーを並列で使用)
Position 3:フロントハム+リアハム
Position 4:フロントシングルとリアシングルのハーフトーン
Position 5:リアのハムバッカー

ストラトを弾いたことがあるなら、すぐ馴染む

両方とも「Position 4」にシングルコイルのハーフトーンが用意されているところがポイントです。ここはストラト奏者が多用する「リア+センターのハーフトーン」を得るためのポジションと同じで、ストラトを弾いてきた人ならすぐ馴染むことができる操作感になっています。

HH配列に見られる「パラレル」は、シングルコイル的な出力で独特の「若干甘い音」になります。
RGのほとんどは上述した操作系ですが、Iron Labelの全モデルでHHで「フロント、フロント+リア、リア」のみのシンプル配線が採用されているほか、j.customでは一味違った配線のものもリリースされています。

  • トリサウンド・システム:通常のハムバッカー、パラレル、コイルタップという3種類の音を使い分ける(RG8420QD)
  • 2モード切替:ミニスイッチで「SSSモード」と「HSHモード」を切替(RG7570ZE)

搭載されるピックアップ

RGに搭載されるピックアップはディマジオ製を基本としながら、各モデルのコンセプトにあわせてセイモア・ダンカンやEMG、アイバニーズオリジナルなどが選択されています。一言でロック系のギターといえど、様々なトーンを持っているのです。

ブランド モデル名 特徴 搭載されるRG
Dimazio Air Norton(フロント)+True Velvet(センター)+The Tone Zone(リア) RGの王道。クリアでありウォームなフロント、ブライトかつノイズの少ないセンター、パワー感溢れるリア、という組み合わせ j.custom、Prestigeの大多数
PAF7やPAF8(フロント、リア) ヴィンテージレスポールを意識したウォームなトーン j.custom、Prestigeの多弦モデル
Virtual Vintage® Heavy Blues 2 (フロント、センター)+Norton(リア) 丸みと温かみを狙った組み合わせ RG2540ZEXA(Prestige)
IBZ、IBZ-7(フロント、センター、リア) エッジの立つ、歯切れのよいサウンド Premium
EMG 89+SA+89 89は定番ハムバッカー「85」と定番シングル「SA」を内包した3コイル RG7570ZE
60(フロント)+81(リア) へヴィ系御用達の定番機 Iron Label
707、808(フロント、リア) ワイドレンジな多弦仕様 Iron Label
808X 、909X 707をベースに、重低音をくっきり出力する RGIF7、RGIF8(Iron Label)
Seymour Duncan JAZZ model SH-2n(フロント)+Custom5 TB-14(リア) 適度に抑えた出力でピッキングニュアンスが活きる RG8420QD、RG8420ZD(j.custom)
Classic Stack® Plus STK-S4n(フロント、センター)+Custom 5™ TB-14(リア) ハムノイズに悩まされないヴィンテージ系サウンド RG8540ZD(j.custom)
Bare Knuckle custom “Canine” 9弦用特注ピックアップ RG90BKP(Prestige 9弦)
Ibanez CAP-VM(フロント、リア) 澄んだ音を持つPremium専用ピックアップ Premium
Quantum、Quantum7、QM-9 引き締まった低域と、キレのある高域 Standard

RGに搭載されるピックアップ

ギター博士が Ibanez RG を弾いてみた!

使用機材

  • RG2770QZA-WPB

    エレキギター

    Prestige RG2770QZA-WPB

  • Suhr RiotTC Electronic Alter Ego 2Electro Harmonix Nano POGTC Electronic HYPERGRAVITY COMPRESSOR

    エフェクター

    Suhr Riot / TC Electronic Alter Ego 2 / Electro Harmonix Nano POG / TC Electronic HYPERGRAVITY COMPRESSOR

  • Roland Blues Cube

    アンプ

    Roland Blues Cube Stage

音作り

アンプはクリーントーンにセッティング、歪みは全て Suhr Riot で音作りしています。

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ギター博士「ワシが弾いたのは国産シリーズの Prestige、ピックアップに Air Norton(フロント)+True Velvet(センター)+The Tone Zone(リア) という RG シリーズの中でも王道モデルぢゃな。これより上位モデルには j.custom が、予算を抑えたければ Standard、ダウンチューニングやヘヴィ系リフに特化したいなら Iron Label と、RG シリーズは様々な選び方ができるんぢゃ!」

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ギター博士から一言

まず楽器を持って感じるのは、この特徴的なネックぢゃろう。薄く幅広に感じるが、丁度良いUシェイプの丸みがあるので、ネックを握ったプレイもやりやすいワィ。音はリアピックアップの密度が濃く、壁のようなハイゲイン・サウンドから、フロントピックアップのスムースなリードトーンまで幅広いゾィ♫ハムバッカーのコイルタップを用いたセンターシングルPUとのハーフトーンも心地よく煌びやかで、センター単体ではパンチのあるクランチ・サウンドも!こんな幅広い音の出るギターは手が100本あっても足りんワィ!

もちろんルックスもベリーナイスぢゃ!美しい木目と鋭角的なボディシェイプのハーモニーには惚れ惚れするワィ。


それではいよいよ次のページからは、RGシリーズの膨大なラインナップについての徹底解説に突入です。

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