神田商会がフェンダーの許可のもとでライセンス生産していた公式コピーモデル「フェンダー・ジャパン」は、高いクオリティとそれに反する低価格で評判でしたが、2015年に惜しまれながらも終了しました。ほどなくして、本家フェンダーのプロデュースで日本製フェンダがスタートし、積極的にモデル展開しています。日本製のクオリティはそのままに、本家フェンダーが蓄積したノウハウが反映され、かつ価格を抑えてリリースされることで、日本製フェンダーはこれまで以上に高く評価されています。
今回は「低価格&高品質」で人気を集める、日本製テレキャスターに迫り、その特徴と選び方をチェックしていきましょう。
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1: 日本製テレキャスターの特徴 1.1: 名機の復刻版がラインナップの中心 1.2: 「ヴィンテージ・スタイル」の基本設計 2: ギター博士がフェンダー・ジャパン・テレキャスターを弾いてみた! 3: 日本製テレキャスターのラインナップ 3.1: MADE IN JAPAN HERITAGE シリーズ 3.2: MADE IN JAPAN Hybrid シリーズ 3.3: MADE IN JAPAN Traditional シリーズ 3.4: MADE IN JAPAN Modern シリーズ 3.5: 限定モデルやアーティストモデルなど 4: 生産完了モデル
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT – ブラッディー・パンキー・ビキニ
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT(ミッシェル・ガン・エレファント)に所属していたアベフトシ氏はエフェクターに頼らず、ギターとアンプの音だけで勝負していました。いわゆる「テレキャスター使い」には、このような武骨なプレイヤーが多くいます。
現体制の製品開発では、フェンダー・カスタムショップのマスタービルダー、クリス・フレミング氏が日本の「フェンダーミュージック株式会社」に赴任し、製品にブラッシュアップを加えました。その甲斐あって、新シリーズでは従来と比べ、機能性と楽器としてのフィーリングの両方が向上したといわれています。日本製フェンダーの特徴については「メイドインジャパンのフェンダー・ストラトキャスター徹底分析!」でも紹介していますから、ここではテレキャスターならではの特徴を中心に追ってみましょう。
日本製テレキャスターは、50年代から70年代までの名機を後世に伝えるモデルが中心です。テレキャスターは歴史上、いろいろな仕様の派生モデルがリリースされています。これらがどのようなものか、軽い感じで概観していきましょう。
Made in Japan Heritage 50s / 60s Telecaster
基本モデルのテレキャスターは、50年代式と60年代式に分けられます。
50年代式(50S)は、アッシュボディ、メイプル指板、5点留め黒いピックガード、ブラス製3連サドルで、ボディカラーはバタースコッチブロンドが定番です。いっぽう60年代式(60S)は、アルダーボディ、ローズ指板、8点留めミントグリーンのピックガード、鉄製3連サドルで、3カラーサンバーストが定番です。
「アタックのアッシュ、粘りのアルダー」や「カラッとしたメイプル、甘いローズ」と言われますが、木材自身の個体差もあり、専門家でも音だけで木材を聞き分けるのは困難です。深いこだわりがなければ、木目の見え方や指板の色で選んでも大丈夫です。
Made in Japan Heritage 60s Telecaster Thinline / Made in Japan Traditional 70s Telecaster Thinline
ボディに空洞を持つ「テレキャスター・シンライン」は、60年代式と70年代式に分けられます。
60年代式は、アッシュまたはマホガニーボディ、メイプル指板、鉄製3連サドルで、ボディカラーはナチュラルと3カラーサンバーストが定番です。いっぽう70年代式は、ワイドレンジハムバッカーを2基搭載し、アッシュボディ、メイプル指板、鉄製6連サドルで、ナチュラルカラーが定番です。
ボディに空洞を持つギターの音には、「エアー感」があり、奥行きを感じさせると言われます。テレキャスターの明瞭なキャラクターに奥行き感が付加されるのが、シンラインの魅力です。
Made in Japan Heritage 60s Telecaster Custom / Made in Japan Traditional 70s Telecaster Custom
テレキャスター・カスタムには、60年代式と70年代式の2タイプがあります。
60年代式は、同じ年式のテレキャスターのボディにバインディングが施してあります。70年代式はフロントにワイドレンジハムバッカー、6弦側にセレクタースイッチを備え、各ピックアップそれぞれにボリュームとトーンを備えます。アッシュボディにメイプル指板で、カラーリングはブラックが基本です。
Made in Japan Hybrid Telecaster Deluxe
テレキャスター・デラックスは、ワイドレンジハムバッカーを2基、6弦側にセレクタースイッチを備え、各ピックアップそれぞれにボリュームとトーンを備えます。アッシュボディにメイプル指板、ラージヘッドが基本です。
ワイドレンジハムバッカーは一般的なハムバッカーと異なり、鋭く立ち上がるサウンドが特徴です。シングルコイルのように鋭く、しかもパワーがあって、ノイズに強い高性能です。
日本製フェンダーのギターには、旧式の設計、いわゆるヴィンテージ・スタイルが多く取り入れられています。最新のギターでは性能を向上させるため多くが改められていますが、ヴィンテージギターへの高い支持、音楽を作ってきた歴史もあって、ヴィンテージ・スタイルは今なお多くのギタリストに愛されています。日本製テレキャスターに見られるヴィンテージ・スタイルの特徴、そしてメリットとデメリットを見ていきましょう。
7.25インチRの指板に小さめのフレットを打ち込むのが、ヴィンテージ・スタイルの基本です。丸みのある指板はコードを押さえるのに有利で、小さめのフレットは木材のキャラクターが立ちやすいと考えられています。反面、現代の感覚では弦高を下げにくいところが注意点です。現代のフェンダーではやや平滑な9.5インチR指板、やや大きめのミディアムジャンボフレットが標準です。
現代のギターの音域は、22フレットと24フレットが標準です。いっぽうヴィンテージ・スタイルでは21フレットが基本です。コード弾きを主体とする人は無頓着で良いところですが、リードプレイを多用する人にとっては、しっかり心得ておくべきポイントです。
フロントピックアップのダイレクトマウント
現代ではピックガードに吊るすフロントピックアップは、ヴィンテージ・スタイルではボディに直接マウントされます。そのため高さを調節するためには、毎回ピックガードを外さなければなりません。しかしこれがデメリットと目されることはそれほどありません。ピックアップの高さは一度決定したら手を加えることがほぼないこと、また両脇に高さ調節ネジのないつるんとしたルックスが可愛らしく、むしろメリットであると考えられているからです。
1本のサドルで2本の弦を担当する「3連サドル」が、ヴィンテージ・スタイルの基本です。正確なピッチを得るためには6連サドルが必要ですが、サウンドが良いとの考えから、現代版のテレキャスターでも多く採用されている人気スペックです。シビアなオクターブ調整は高難度ですが、ちょっと詰めの甘いところがまた一つの魅力でもあります。
表も裏も真っ平ら、というボディがヴィンテージ・スタイルのテレキャスターです。テレキャスターが誕生した時点では、エルボーカット&ボディコンターという設計は考案されていませんでした。右手や脇腹にボディのカドが当たるのが気になるという人は、現代的なスタイルのテレキャスターを検討してください。
現代のテレキャスターでは旧式な設計が改められ、平ための指板に大きめのフレットを打ち込み、音域は22フレットあり、フロントピックアップはピックガードを外さずに高さの調節ができ、サドルは6連で、ボディは弾き手の身体にフィットするようなカットが施されます。電気系や金属パーツに、新たなアイディアが反映されることも多くあります。ハムバッカーを備えてヘヴィなサウンドが出せるテレキャスターも、現代では珍しくなくなりました。
これらすべてを満たしているのが、メイドインジャパン・モダンテレキャスター(後述)など、モダン系上位機種です。それ以外のモデルでは「ネックはモダン系だが、サドルはブラス製3連」のように、新旧の仕様を織り交ぜた形で組まれます。
アルカラ – 水曜日のマネキンは笑う
アルカラのヴォーカリスト稲村太佑氏のトレードマークは首にかけたタンバリンと60年代スタイルのテレキャスターカスタムです。ボーカリストがテレキャスターを構えているだけで、「あ、このバンドは歯切れのよいサウンドを出そうとしているんだな」と感じてしまうのが不思議です。
六弦かなで「テレキャスターの音って、凄くロックだね!けど博士、冒頭の桃のくだりは何なの?」
0:35〜1:02 コンプレッサー「TC Electronic HYPERGRAVITY COMPRESSOR」を使用、ルーパー「TC Electronic Ditto Looper」を使ってフレーズをループさせています。
1:03〜 歪みは「CMATMODS Butah」、ディレイは「TC Electronic Alter Ego 2」を使用。
2:05〜 歪みは「Electro Harmonix Crayon」、リバーブは「DigiTech Supernatural Ambient Verb」を使用
3:12〜 クリーントーンにリバーブ「DigiTech Supernatural Ambient Verb」、ディレイ「TC Electronic Alter Ego 2」を使用。
4:40〜 歪みは「Suhr Riot」、ディレイは「BOSS DD-500」を使用。
ギター博士が弾いたのは「Classic 60s Telecaster Custom」で、カラーリングはCandy Apple Red。アルダーボディ、ローズ指板という本体に、ヴィンテージ・スタイルの丸い指板、小さめのフレット、鉄製3連サドルという構成です。ボディの表裏にぐるっと巻きつけられた白いバインディングが「カスタム」の証です。なお、出荷時には0.09~の弦が張られていたところ、博士は0.10~の弦に張り替えています。
テレキャスターといえば、アッシュボディにメイプルワンピースネックをイメージする人も多いかもしれんが、ワシが演奏したこの「Classic 60s Telecaster Custom」は、アルダーボディにメイプルネック、ローズウッド指板の60年代customモデルを意識したスペックになっておる。テレキャスターならではの乾いたサウンドは持ちつつ、少し中域の色気がある音色だと感じたゾイ!
リアはガランとした弦鳴りを感じるサウンドにヂーンとノイジーな高域が個性的で、フロントはソリッドじゃが太く、適度な空気感もあり、幅広い音色に対応出来るとワシは感じておるんぢゃ!
ハードな歪みでは少しノイズが目立つかもしれんが、クランチや飽和感のあるクリーンでの弾けるようなプレイがワシは気に入っておるかのう!
ボディにバインディングもあるため、高級感のあるルックスになっておるゾイ!
60s Telecaster Customを…
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ではここから、日本製テレキャスターをチェックしていきましょう。現在のラインナップは、ヴィンテージ・スタイルに3シリーズ、現代的なスタイルに1シリーズの4シリーズで構成され、限定モデルも頻繁にリリースされています。
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