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《KATANA-100レビュー》ギターアンプ「BOSS KATANA」シリーズ考察

BOSS KATANAシリーズ

KATANAシリーズは、BOSSが持てる技術を結集して作り出した、デジタル制御のマルチユースなギターアンプ。練習用から大規模な会場でのライブ用まで使える幅広いラインナップに、BOSSコンパクト直系の優れたエフェクト群を搭載し、パワーコントロールやREC OUT端子などを主要装備として備え、実用的にも申し分ない完成度を誇っています。今回は「KATANA-100」の試奏レビューを中心に、サウンドの傾向や使い勝手、ラインナップごとの違いに至るまで踏み込んでレビューしてみましょう。

KATANAアンプとは?

BOSSがブランド初となる本格的なアンプとして生み出した「WAZA AMP」を受け継ぐ形で、よりシックな外観を持ち、幅広く運用できるマルチユースなアンプとして登場したのがKATANAシリーズです。本格運用をメインとしたWAZAシリーズよりも垣根を下げ、練習用からライブ用、初心者から上級者まで幅広く使えるスペックを持っており、デジタルでありながらチューブアンプを彷彿させ、本格派を唸らせる真に迫った音が持ち味です。

KATANAシリーズの特徴

KATANA-100:コントロール・パネル KATANA-100:コントロール・パネル
4つのアンプサウンド切替/3段階の出力切替/エフェクト最大3つまで同時使用/セッティング保存、などが主な特徴だ

出力の切替ができる「パワーコントロール」

主軸ラインナップとして50Wと100Wの2種を展開し(小型のAIRとMINIは30Wと7W)、パワーコントロールの搭載により、出力を切り替えて使用可能。これによって、家での練習とライブハウスでの本番を無理なく両方こなすことが可能となります。コンボタイプにおいては中程度のサイズで、同程度の出力のアンプとしては比較的軽いので、運搬しやすいのも特徴です。

KATANA-100:リア・パネル KATANA-100:リア・パネル

エフェクト搭載/セッティングを保存できる

エフェクトをデフォルトで15種類内蔵しますが、PC経由でBOSS TONE STUDIOを使用すると58種類ものエフェクトが使用可能。エフェクトとアンプモデルを含めたセッティングを内部にメモリーして呼び出すことができ、マルチエフェクター感覚での運用が可能です。

上位モデルにはオーディオインターフェース機能/エフェクトループ搭載

USBオーディオインターフェース機能を内蔵し、また、ラインアウトによる個別の出力にも対応します。100Wのモデルについては、エフェクトループも搭載。あらゆるシチュエーションで使うことが想定された「全部入り」のアンプとなっています。

KATANA-100:接続端子 KATANA-100:接続端子
ヘッドフォン/ライン・レコーディング/エフェクトループ/フットスイッチに対応している。

WAZA AMPシリーズとの違い

BOSS WAZA Amp Head 75 BOSS WAZA Amp Head 75

BOSSの本格派アンプということで、一足先に発売されたWAZA AMPですが、KATANAシリーズの上位機種として、BOSSアンプシリーズの最上位に位置しています。

KATANAとの最大の差は「アンプモデル選択式であるかどうか」の違いでしょう。WAZAシリーズはチャンネルを切り替えて、コントロールをその場でセッティングして音を出す、従来のアンプと同じような製品となっています。また、アンプのみに機能を絞っており、エフェクトなどの搭載はありません。サウンドはマーシャル系のブラウンサウンドをベースとしており、これはKATANAシリーズの”BROWN”モデリングに受け継がれています。

WAZAシリーズは75W、150Wの大出力モデルのみの展開となっており、コンボタイプのラインナップがないところも大きな違いです。パワーコントロール、ラインアウトの搭載などは共通しています。

BOSS WAZA Amp Head – Supernice!ギターアンプ

KATANA-100を触ってみた

BOSS KATANA-100 BOSS KATANA-100

ここからは実際に触れてみて、サウンドや操作性などを記していきます。今回使ったのはKATANA-100ですが、サウンドの傾向などシリーズ共通のものがありますので、参考にして下さい。

サウンドの傾向

ジャズコ、ブルースキューブとの違いは?

全体的なサウンドの傾向は、固めでしっかりした音でありながら、トランジスタらしいバキッとした部分はあまり持たず、適度にハイファイといった印象です。ローランドには、

  • ブライトで透明感が非常に高い「JC-120
  • チューブレスでありながらチューブアンプに迫る暖かみとアナログ感を持った「Blues Cube

という、対極に位置するアンプがラインナップに存在します。KATANAアンプのサウンドにはちょうどその間ぐらいの感覚があり、特にローゲインなセッティングだと分かりやすくその傾向が出ています。


KATANA-100のクリーントーン。JC-120よりも真空管アンプのような噛み付くような感じがあり、Blues Cubeよりも透明感のあるブライトなサウンドという印象を受ける。

ロック系のサウンドが中心

計5種類のアンプタイプは全く異なるものが5種あるというより、メインとなるCLEAN、CRUNCH、LEADの3種を同系統のサウンドでまとめ、エレアコ用のACOUSTICとBROWNの2種が別口で追加されているようです。

ロック系のサウンドを中心に製作されているだけあって、ハイゲインのトーンは非常に弾いていて気持ちの良いものに仕上がっています。BOSS独自のサウンドであるLEADチャンネルの粘っこいディストーションはわりと固めな音の印象で、文字通りリードサウンドに最適です。ハイゲインマーシャルのモデリングであるBROWNは圧巻で、全帯域が迫ってくるような迫力を感じます。

ハイゲインのみならず、クリーントーンについてもしっかりと作り込まれており、ローランドの銘機、ジャズコーラス”JC-120”の透明感あふれるクリーンを、ややチューブライクにしたような使いやすいものとなっています。CRUNCHモデルのゲイン幅はかなり広く、完全なクリーンに近い音から、しっかりしたオーバードライブまでこなせ、このチャンネルだけでもセッティングによってはかなり幅広いジャンルを演奏することができるでしょう。


KATANA-100のクランチトーン。GAINの操作によってローゲインからジューシーなオーバードライブと幅広い歪みサウンドが得られる。

ACOUSTICモードは…

ACOUSTICについては通常のクリーントーンとの差があまり感じられず、実際にエレアコを繋いでみても、そこまで気持ちの良い音は得られませんでした。あくまで非常用であり、エレキギターメインのアンプと割り切るべきかもしれません。

エフェクトも優秀

搭載されたエフェクトはいずれも優秀で、特にディレイやコーラスなどの空間系エフェクトは、BOSSコンパクトに準ずるクオリティのものが搭載されているだけあって、透明感が感じられる、良い意味でのBOSSさが印象的でした。ブースターもOD-1系やBD-2系などBOSSコンパクトの名をそのまま冠したものが搭載されており、Blues Driver BD-2の音は、まさに本物と遜色ない、ざらっとしてぎらついた高域が気持ちの良い掛かり方で、トレブルブースターとしても使い勝手の良いものになっています。
BOSSの歪みエフェクターの種類と特徴

エフェクト関係の操作性、同時使用数の難

これだけの高品位なエフェクトを搭載しながら、同時使用数が3つに制限されているという弱点が存在します。KATANA-100では、USB端子からパソコンに繋いで専用ソフトウェア「BOSS TONE STUDIO」を使うことで細かな音色の作り込みが可能です。しかしアンプに搭載されているツマミの操作によって、ブースターを掛けながらコーラスを掛けるといった柔軟な音作りは出来ません。この点はアンプだけの操作で全てを賄おうとするギタリストにとっては不便かもしれません。

また、それに準じてエフェクト関係のコントロールはかなり弱く、各エフェクトのコントロールがBOOST/MODなどと、一つのつまみで二つの機能を併用しているため、見にくく使いにくい仕様になってしまっています。また、搭載数が多いだけに、エフェクトにはタイプの切替が必要なものの、ディスプレイなどがないため、LEDの色だけで判別せねばなりません。たとえば、今選択されているのがデジタルディレイなのかアナログディレイなのかをLEDの色だけで見分ける必要があり、覚えるまでは隣に説明書など置いておかねばなりません。

以上のような理由で、エフェクト類は直感的な操作とは言いがたく、もう少し工夫の余地があったのではと感じます。これだけの多機能アンプを、表面に露出したコントロールだけで全て制御するのが難しいのは当たり前のことですが、PCとの連動に甘えすぎてしまった感が否めません。

KATANA AMPシリーズ一覧

KATANA-100を例にKATANAアンプの特徴を見てきましたが、KATANAアンプはラインナップが豊富で、それぞれに特徴が異なっています。

KATANA Artist

BOSS KATANA Artist

KATANAシリーズのフラッグシップモデル。前面にコントロールを配し、単体で100W出力を実現するコンボアンプです。一見するとKATANA-100と全く変わりませんが、外部スピーカーアウトを搭載し、ヘッドアンプとして使えるという機能を持っています。特にWAZAスピーカーキャビネットとの連動に重きを置いており、アンプモデルはいずれもそれに合わせて特別にチューンされています。その他はKATANA-100と同機能です。

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KATANA 100-212

KATANA 100-212

KATANAシリーズ唯一のステレオスピーカーモデルで、30cmのスピーカーを2基搭載しています。ステレオを活かした空間系エフェクトの広がりは特筆すべきもので、BOSSが誇るコーラスやディレイなどとの親和性は最も高いモデルでしょう。値段はあまり違わないので、音色のゴージャス感を得たいのであれば、100ではなく、こちらを手に入れるのも良いでしょう。

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KATANA 100

KATANA 100

シリーズでもっともノーマルな仕様に位置するのがこのKATANA-100。シリーズでも標準的な機能を全て持ち、大きすぎず重すぎないという点で、使い勝手の良いモデルとなっています。パワーコントロールの搭載により、出力面での差を考える必要があまりないため、後々の拡張性などを考慮して下位の50Wモデルを選ばずにこちらを選んでおくのも一つの手でしょう。

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KATANA 50

KATANA 50

50Wモデルのこちらは、スピーカーのサイズこそ30cmと同じですが、やや小ぶりでさらに軽量となっています。操作性や音質の傾向など上位機種とあまり差がありませんが、PRESENCEのつまみとエフェクトループ端子がありません。プリセットの切替もアンプ本体でできるのは2種類のみとなり、操作性がやや落ちています。家で使ったり、小さめなライブハウスでの演奏には十分耐えられる出力なので、100とどちらを選ぶのか迷う場合は、操作性も考慮して検討すると良いでしょう。

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KATANA MINI

KATANA MINI

片手で持ち運べるKATANAのミニバージョン。7Wの出力でバッテリー駆動可能のポータブルアンプとして登場しました。アンプタイプを選ぶ方式ではなく、ゲインを上げて歪みを得る通常のアンプと同じ操作性となっています。内蔵エフェクトはテープエコータイプのディレイを搭載。単三電池6本で駆動し、持ち運び自由自在の1kg超の軽量ボディは練習用やレジャー用など、様々な用途で活躍するでしょう。

BOSS KATANA-MINI – Supernice!ギターアンプ

KATANA AIR

KATANA AIR

業界初となるワイヤレスアンプ。ワイヤレストランスミッターを本体に同梱しており、本体に受信機が内蔵されています。一定時間演奏しなければ自動で電源が切れ、振動を感知するとアンプ本体までも自動でオンになるという驚きの設計で、アコースティックギター並に持って鳴らすだけで練習を開始できます。トランスミッターは一回の充電で12時間の使用が可能。また本体も単三電池8本で駆動可能。2kg超と持ち運ぶにも無理のない小型設計ながら、上位機種と遜色ないコントロールと音質を実現した、かつてない練習用アンプです。

BOSS KATANA-AIR – Supernice!ギターアンプ

KATANA Head

KATANA Head

KATANAのサウンドがそのまま入ったアンプヘッド。相性のいい純正キャビネット(KATANA Cab 212)を使うもよし、ライブハウスやスタジオでキャビネットだけを借りるも良しと、コンボタイプにはない運用の広さが魅力。家での練習やサウンドチェック用に12cmのミニスピーカーを搭載し、本体のみでも30Wとそれなりの出力で音を出すことが可能です。その他のスペックはKATANA100に準じています。

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スペック比較


KATANA Artist

KATANA 100 / 100-212

KATANA 50

KATANA MINI

KATANA AIR

KATANA Head
出力 100W 100W 50W 7W 30W(ACアダプター)/ 20W(アルカリ電池) 100W / 30W(内蔵スピーカー)
パワーコントロール(W) 0.5 / 50 / 100 0.5 / 50 / 100 0.5 / 25 / 50 × × 0.5 / 50 / 100
プリセット登録数 8 8 4 × 6 8
エフェクトループ × × ×
サイズ [W x D x H] 630 x 248 x 515mm 530 x 248 x 484mm (100)
670 x 248 x 484mm(100-212)
470 x 238 x 398mm 230 x 116 x 181mm 350 x 144 x 181mm 470 x 228 x 215mm
重量 19kg 14.8kg(100)
19.8kg(100-212)
11.6kg 1.2kg 2.2kg 8.8kg
その他 外部キャビネットに接続可 100-212はステレオ仕様 電池駆動可 電池駆動可、ワイヤレス、Bluetoothでのオーディオ再生可 外部キャビネットに接続可

表:KATANAシリーズ6機種比較


大出力モデルでもパワーコントロールが搭載され、様々なサウンドはいずれも一定以上のクオリティを備えており、練習用には最適です。幅広いサウンドはしっかり作り込むことでライブ本番までこなせ、利用用途の広さではトップクラスでしょう。うたい文句の「58種類のエフェクトを自在に組み合わせる」といったところについては、同時使用数の問題が立ちはだかり、鵜呑みに出来ない部分こそありますが、そこを差し引いても良いアンプであることに変わりありません。値段もそこまで高価でないため、初心者の方から無理なくおすすめできる強力なアンプとなりそうです。

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