《いろいろ使える》Blackstarの小型多機能アンプ「ID:CORE V3」シリーズ

[記事公開日]2021/9/17 [最終更新日]2021/9/17
[ライター]小林健悟 [編集者]神崎聡

Blackstar ID:CORE V3シリーズ シリーズ中もっとも小型の「ID:CORE V3 STEREO 10」

自宅の練習用アンプに、何を求めますか?適度なサイズ感、気軽に扱えるシンプルなコントロール、それでいてじゅうぶんなサウンドバリエーション、気が向けばガチのサウンドメイキングもしたいし、必要ならしっかりとしたレコーディングもしたい、しかしあんまり高いのはイヤだ。求めすぎでしょうか?そんなわけで、これらをすべて満たした小型アンプ、Blackstar(ブラックスター)「ID:CORE V3」シリーズに注目していきましょう。


Chubby and The Gang “It’s Me Who’ll Pay” | Blackstar Sessions
英国の「Blackstar」は、マーシャルに長らく所属してアンプのすべてを知りぬいたエンジニアらが、さらなる挑戦として2004年から企画を始め、2007年に製品第一号を発表した、比較的新しいアンプ/エフェクター・メーカーです。Blackstarのアンプは古き良き真空管アンプの魅力を存分に感じることができて、特許を取得した「ISF」の革新性や高すぎない価格設定もあって、世界的な支持を一気に獲得しました。

最新アップデート版「ID:CORE V3」の特徴

ID:CORE V3

ID:CORE V3 STEREO 20 ID:CORE V3 STEREO 20

革新的な真空管アンプで名をはせたBlackstarが、メーカー立ち上げから7年がかりでデジタルモデリングアンプの研究を続け、2014年に満を持して発表したのが初代「ID:CORE(アイディー:コア)」でした。2018年には第二世代をリリース、そして2021年に発表されたのが第三世代、現在の「ID:CORE V3」です。

自宅での使用に最適なコンパクトサイズと練習にちょうど良いシンプルな操作系があり、デジタルだから可能な幅広いサウンドバリエーションがあります。本体では直感的に使用でき、専用アプリではしっかり音作りできます。では、「ID:CORE V3」の特徴を見ていきましょう。


Introducing ID:Core V3 | For the Way You Play Today | Blackstar
本格的なサウンドを手軽に使えて、ガチ使いも対応できる、小さいながらさまざまな場面で活用できる多機能なアンプです。

ツマミ少なめで、直感的にチャチャっと使える

ID:CORE V3:コントロール 6つのツマミでたいがいどうにかなる、シンプルかつじゅうぶんな操作系。

「ID:CORE V3」の操作系は、

  • キャラクターを選ぶ「VOICE」ツマミ
  • ギターの音を作る3つのツマミ
  • エフェクターを操作する2つのツマミ

という6つのツマミが主軸です。キャラを選んで、ギターの音を作って、エフェクターを選んだたらすぐ弾ける、という直感的な操作が可能です。日頃の練習ならば、これだけで必要十分と言えるでしょう。また背面にハンドルが付いているので、取っ手を引き出すことなくいきなり持ち出せます。

サウンドキャラクターを選ぶ「VOICE」ツマミ

ID:CORE V3:操作系統 操作系統はシリーズ共通

左端の「VOICE」ツマミを回すことで、アンプのサウンドキャラクターを選びます。用意されているのは、Warm/Brightの2タイプあるクリーン、普通とSuperの2タイプあるクランチ、そして2つのオーバードライブです。それぞれ違いの分かりやすいキャラクターになっており、またじゅうぶんな歪みが得られるため幅広いジャンルに対応できます。

音色の保存とマニュアルモード

「ID:CORE V3」は「MANUAL」ボタンの長押しで、「VOICE」の各キャラクターごとにひとつづつ、作った音をパッチとして本体に記憶させることができます。保存したパッチは、「VOICE」ツマミを回して呼び出します。ここでポイントになるのが「MANUAL」ボタンです。

「MANUAL」ボタンが赤く点灯している状態はマニュアルモードで、ツマミやボタンの状態が全部サウンドに反映されます。このボタンを消灯させた状態がパッチモードです。「VOICE」を回すと、ツマミやボタンの状態にかかわらず保存したパッチが呼び出されます。

ギターの音を作るGAIN/VOLUME/EQツマミ

「ID:CORE V3」の本体では、ゲイン、ボリューム、イコライザーの3つのツマミでギターの音を作りますが、ここにもBlackstarのこだわりが見えます。ゲインで歪みを、ボリュームで音量を調整しますが、「ボリュームは真空管アンプにおけるプリアンプの音量」という想定で設計されており、ここを持ちあげることで真空管アンプ特有のドライブとコンプレッションが得られます。

特許取得「ISF」機能

イコライザーは、Blackstar最大の特徴「ISF(Infinite Shape Feature)」1基です。ISFはブライトでドライなアメリカンサウンドからダークでウェットなブリティッシュサウンドまで、ツマミいっこで無段階に調節できる画期的な機能です。これには必ず「どっちに回したらアメリカだっけ?」問題が付きまといますが、左に回したらアメリカ、右に回したらイギリスです。「大西洋をはさんだ両国の配置と同じ」と思えば覚えやすいかもしれません。

ISFコントロール ISFを使えば、アメリカからイギリスへ数秒で行けるわけです。

エフェクターも気軽に設定

「ID:CORE V3」の本体でエフェクターも使えます。3つのボタンでエフェクターのタイプを選び、二つのツマミで調節します。3つのボタンは「MOD(モジュレーション)」「DLY(ディレイ)」「REV(リヴァーブ)」で、3つを同時に使用することもできます。

「MOD」ではフェーザー、コーラス / フランジャー、エンベロープ・フィルター、トレモロの4種類が使えて、「DLY」と「REV」にも4つのバリエーションがあります。「TYPE」と「LEVEL」のツマミ、そして「TAP」ボタンでいろいろな設定が可能です。

専用アプリ「Architect」でディープなサウンドメイキングも

ID:シリーズ専用アプリ「Architect(アーキテクト)」を使えば、USB接続したPCやMacで緻密な音作りができます。「ID:COER V3」のリリースに合わせて新たに発表されたアプリですが、ID:シリーズの旧モデルでも使用できます。

Architect 専用アプリ「Architect」の起動画面。アンプ本体での操作以上に細かく追い込んだサウンドメイキングができるほか、完成したパッチの保存、オンラインコミュニティにアップロードしたりアーティストの音をダウンロードしたりできます。黄色いマル印で示したサイコロが、「ランダム化機能」のトリガーです。

専用アプリ「Architect」は、トレブル、ミドル、ベースにプレゼンスとレゾナンスまである5バンドのイコライザーが使用できます。これにISFも使えますから、作れる音の幅はぐっと広がります。

また新たにノイズゲートが使用できるほか、エフェクターが3つ並んで表示され、ひと目で全体が把握できます。

遊び心いっぱいの「ランダム化機能」

面白いのは、この「Architect」にランダム化機能が付けられているところです。サイコロのアイコンを押すと、本当にランダムな設定が次々と作られます。思いもよらないサウンドや普段なら決して選ばないであろうサウンドが、新しい音楽を生みだすインスピレーションを呼び起こすかもしれません。

リアルな音で録音できる「Cab Rig Lite機能」

Cab Rig Lite

「Cab Rig Lite(キャブリグライト)」は、「Architecht」上で起動させる次世代型DSPスピーカーシミュレーターです。ヘッドホン出力かUSBオーディオ経由という制限こそ付きますが、実際にスピーカーから発せられた音をマイクで拾ったような、生々しいサウンドで演奏/録音できます。

キャビネット、マイク、ルーム環境を柔軟に組み合わせることでさまざまなサウンドが得られますから、アンプやエフェクターの設定がそのままでも、いろいろな表情のサウンドが得られます。

いろいろな使い方ができる

「LINE IN / STREAMING」入力やUSBを活用することで、「ID:CORE V3」は自宅練習以外にもいろいろな使い方ができます。

ゲームや動画鑑賞用のオーディオスピーカー

3.5mmミニフォーン端子のケーブルで、オーディオ機器を「LINE IN / STREAMING」入力に接続できます。「ID:CORE V3」はフルレンジのリニアスピーカーを採用しており、バッキングトラックを流しながら演奏できるほか、ゲームや動画などで良い音を楽しむ日常用のスピーカーとして活用できます。

ライブストリーミング

「LINE IN / STREAMING」入力は、TRRSケーブルにも対応しています。対応するスマートデバイスを接続すれば、SNSのライブストリーミング(生放送)が可能です。スマホ単体での生放送ではアンプとの位置関係で意図しない聞こえ方になってしまうこともありますが、TRRS接続していればアンプで作った通りの音を配信できるわけです。

オーディオインターフェイス

PCやMacとUSB接続することで、オーディオインターフェイスとしても活用できます。標準的なオーディオドライバーで駆動するので、専用のドライバを新たにインストールする必要はありません。「ID:CORE V3」で作り込んだ音をそのまま録音できるほか、リアンプに対応しているため録音した後からでもギターサウンドを作り込むことができます。

Blackstar「ID:CORE V3」のラインナップ

「ID:CORE V3」には、ワット数を型番とする3つのラインナップがあります。

ID:CORE V3のラインナップ 左から、
ID:CORE V3 STEREO 40(20ワットx2、434 x 336 x 185mm、6.2kg)
ID:CORE V3 STEREO 20(10ワットx2、375 x 292 x 185mm、5.2kg)
ID:CORE V3 STEREO 10(5ワットx2、340 x 265 x 185mm、3.7kg)

「40」、「20」、「10」の3モデルはいずれもステレオ仕様で、機能や使い方は共通です。「40」と「20」はフットスイッチ(別売)をつなげることで、パッチの切り替えやエフェクトのON/OFFを操作できます。


ID:CORE V3 STEREO 40

以上、Blackstarの小型多機能アンプ「ID:CORE V3」シリーズを見ていきました。真空管アンプの全てを知り抜いたブランドが放つデジタルモデリングアンプだけに、サウンドは本物です。それでいてあえて無線が非対応となっていることもあり、全モデルの売価が2万円を下回るという驚異的なコストパフォーマンスを達成しています。Blackstarでしか使えないISFや専用アプリ「Architect」のランダム化機能が、お手軽に楽しめます。ぜひチェックしてみてください。

ID:Core V3 Japan – Blackstar – 公式サイト

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