アンプ内蔵ギターって、どういうもの?

[記事公開日]2017/1/13 [最終更新日]2024/6/23
[編集者]神崎聡

アンプ内蔵ギター Fernandes ZO-3:アンプ内蔵ギターだと、アンプがなくても音が出る

「アンプ内蔵ギター」とは、

  • 音量と音質を操作する「アンプ」
  • 音を出す「スピーカ」

こうした部品が本体に組み込まれているギターのことです。各社各様にいろいろなアンプ内蔵ギターが作られていますが、ほとんどのモデルで

  • 電源には006P乾電池(四角い電池)を使用
  • ボリュームのつまみが電源を兼ねる

という仕様になっています。長時間の演奏に対応するため、電源コードを差すことができるものもあります。寸法の小さいものがほとんどなので「ミニギター」として扱われるのが一般的ですが、弦長を609mm近辺(=ショートスケール)に設定しているものが多いので、フェンダー・ムスタングフェンダー・ジャガーなどに近い弾き心地になります。

アウトプットジャックを備えているのが一般的ですから、普通のエレキギターのようにアンプを通して音を出すこともできます。ヘッドフォンジャックを備えるものも多く、深夜でも気兼ねなく気軽に練習することができます。

アンプ内蔵ギターが使えるシチュエーション、メリット、デメリット

アンプ内蔵ギターは、気軽にエレキギターを楽しむために作られています。小型で弾きやすく、場所もとらず、機材を一式揃えるよりもリーズナブルです。家中どこにでも持っていって練習できますし、行楽のお供にすることもできます。あまり大人数でなければ、何人かで一緒に歌ったり、アンサンブルを楽しんだりすることもできます。

いいことずくめのようではありますが、デメリットも知っておきましょう。アンプ内蔵ギターは電池でスピーカを鳴らしますが、電力が足りずにドラムの音量にかき消されてしまうことが多いため、バンドで使用するにはやはりギターアンプに頼らなければなりません。ミニギターの寸法や弦の張力に慣れてしまうと、普通サイズのギターが弾きにくくなってしまうかもしれません。

アンプ内蔵ギターラインナップ

では、各社のアンプ内蔵ギターをチェックしてみましょう。アンプ内蔵ギターはギターブランド各社がそれぞれに開発しているものなので、

  • ヘッドフォンが挿せるか挿せないか
  • オーバードライブサウンドが出せるか出せないか
  • アンプに通した時でもスピーカが使えるか使えないか

このような電気部分の仕様が統一されているわけではありません。どんな使い方をしたいのか特に希望がある人は、本体の仕様をしっかりチェックしましょう。

K-Garage

キクタニミュージック株式会社がプロデュースする初心者向けブランド「K-ガレージ」からは、レスポール・タイプ、フライングVタイプのアンプ内蔵ギターがリリースされています。シンプルな作りですがカラーバリエーションもあり、アンプ内蔵ギターとしてはおそらく最も手に入れやすい価格帯のものです。

レスポールタイプ:K-Garage SLP-180

K-Garage SLP-180

弦長:608mm
寸法:全長915mm×全幅285mm
カラーバリエーション:イエロー、ピンク、ブラック

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フライングVタイプ:K-Garage SFV-180

K-Garage SFV-180

弦長:486mm
寸法:全長830mm×全幅370mm
カラーバリエーション:ブラック/ホワイト、ピンク、イエロー

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二つの間には寸法や弦長に大きな違いがありますが、いずれも直径7.5cmのスピーカ、リアに1基のシングルコイルピックアップ、-ボリューム、アウトプット・セレクトスイッチ、そしてラインアウトジャックとヘッドホンジャックを備えています。フライングVタイプ「SFV-180」の弦長486mmはかなり短めですが、普通サイズのギターの5フレットにカポタストをはめた時とだいたい同じになっていますから、ギターウクレレ(=ギタレレ)のチューニング(A,D,G,C,E,A)など、高いチューニングのギターとして使うこともできます。

ギターの音をアンプに送るのかヘッドフォンに送るのかをスイッチで切り替える設計になっていますが、このスイッチを応用すると、サウンドを切る「キルスイッチ」として使用することもできます。

Fernandes

Fernandes ZO-3

Fernandes ZO-3

フェルナンデスの「ZO-3(ぞうさん)」は、象をイメージさせるかわいらしいルックスで一躍人気機種となり、今やアンプ内蔵ギターの定番機になっています。かわいらしいルックスですが、リアピックアップはハムバッカーなのでパワーのあるサウンドが得られます。基本モデルでは電源のミニスイッチがついていますが、上位モデルではこのスイッチがオーバードライブのスイッチになり、ボリュームノブが内蔵アンプのスイッチになります。ボリューム「0」で電源OFF、上げるとともにスイッチが入ります。

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hideモデルモッキンバード「YH-JR. HY」「MG-Jr.」「SP-Jr.」

hideアンプ内蔵モッキンバード

X-Japanのhide氏が愛用していたモッキンバードを模したアンプ内蔵ギターは、

  • YH-JR. HY 2009 W/SC:通称「イエローハート」
  • MG-Jr. W/SC:通称「モンキーポッド」
  • SP-Jr. W/SC:ショッキングピンク

デザインの異なる3機種がリリースされています。ボディエンド側にスピーカを設けていますが、イエローハートとモンキーポッドはこのスピーカをデザインに巧く忍ばせています。これら3機種はハムバッカーピックアップを2基備えており、音色の切り替えができます。

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Pignose

小型ギターアンプの先駆けとして知られる「ピグノーズ」は、アンプ内蔵ギター専門のブランドでもあります。この分野での歴史は長く、ちゃんとした楽器としてしっかり作られており、アンプ内蔵ギターの草分けとして世界的に有名です。標準機からアレンジモデルまで、基本的な仕様が共通しているさまざまなバリエーションのアンプ内蔵ギターがリリースされており、カラーに合わせて指板とピックガードがコーディネイトされています。

PGG-200(基本モデル)

Pignose PGG-200

PGG-200FM(フレイムメイプルトップ)

Pignose PGG-200FM

PGG-259 BK・PGG-259 WH(多層バインディング、ゴールドパーツ)

Pignose PGG-259

本体 バスウッドボディ、メイプルネック、ローズウッド指板
ネック仕様 弦長610mm、22フレット
電気部分 ・マイクロサイズのツインバー・ハムバッキングピックアップ
・直径10cmフルレンジスピーカ
・ギターアンプ同様、バックプレートに穴があけられている「オープンバック」仕様
・On/Offスイッチ(Push/Pull)付きボリュームポット
・アウトプットジャック&ヘッドフォンミニジャック

ピグノーズPGGシリーズの共通仕様

オープンバック仕様を採用しているアンプ内蔵ギターは、今のところこのピグノーズだけです。この仕様のおかげで、ナチュラルで気持ちのいいサウンドが生まれます。

ピグノーズは、ボリュームノブが豚の鼻(=Pig Nose)の形をしているのもポイントです。この豚の鼻を引っ張ると内蔵アンプのスイッチが入ります。このスイッチはギターアンプに通しているときにも有効なので、ギターアンプを鳴らしながらボディのスピーカから音を出すことができます。内蔵アンプはクランチサウンドに設定されているので、ボリュームを上げるとドライブサウンド、絞っていくとクランチサウンドに変化します。

Pignose PGGシリーズを…
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GrassRoots

ESP傘下で最も求めやすい価格帯のギターをリリースしている「GrassRoots(グラスルーツ)」は、伝統的なスタイルをベースとしたアンプ内蔵ギターのラインナップを充実させています。ピグノーズやフェルナンデスがオリジナルモデルで定番となっていますが、こちらは本来のエレキギターの姿をかなり頑張って再現しています。

  • ギブソン系モデル:マホガニーボディ&ネックで22フレット仕様
  • フェンダー系モデル:アルダーボディ&ハードメイプルネックで21フレット仕様

というようにベースとなっているギターをしっかり意識しているほか、ピックアップはグラスルーツの普通サイズのギターと同じものが採用されており、楽器本体にかなり気合が入っています。電気系の使用もモデルごとに違いがあり、使い勝手によっても選ぶことができます。

弦長を521mmに設定していますが、これは普通のギターでいうとショートスケールよりずっと短く、3~4フレットにカポタストをはめた時の長さとだいたい同じです。この寸法は子供でも1フレットに手が届きやすく、大人が気軽にギターを楽しむためばかりでなく、子供向けのギターとしてもかなり理想的です。

スピーカをフロントピックアップ部に仕込んでいるモデルがありますが、このアイディアはグラスルーツ独自のものです。スピーカをカモフラージュすることで、エレキギターとしての外観の演出がしっかりできています。ただしヘッドフォンジャックは備わっていないようなので、音を出さずに練習するには一旦ギターアンプやエフェクタに通す必要があります。

ハムバッカー1基のモデル

GrassRootsハムバッカー1基のアンプ内蔵ギター

レスポール・スタンダードタイプ「G-LPS-MINI
レスポール・カスタムタイプ「G-LPC-MINI
ES-335タイプ:「G-SA-MINI」「G-SAC-MINI

これらのモデルはフロントピックアップ部にスピーカが仕込まれており、セレクタスイッチはダミーとなっています。アンプ内蔵ギターとしては珍しく、ギター本体の音量(ピックアップのボリューム)とスピーカの音量を別個に操作できる「2ボリューム」になっています。また、カモフラージュしたスピーカをハムバッカーに乗せ換えたミニギター「2H」シリーズもリリースされています。

シングルコイル1基のモデル

GrassRootsシングルコイル1基のアンプ内蔵ギター

レスポール・ジュニアタイプ「G-JR-MINI
テレキャスタータイプ「G-TE-MINI

こちらはそれぞれの元になっているギターの特徴である大き目のシングルコイルピックアップがちゃんと採用されているモデルで、それぞれの音の違いと楽しむことができます。またサウンドだけでなく、「JR」はピックアップボリュームとトーン、「TE」はピックアップボリュームとスピーカーのボリューム、というように回路にも違いが設けられています。

ピックアップ2基のモデル

GrassRootsピックアップ2基のアンプ内蔵ギター

エクスプローラー・タイプG-EX-MINI
ストラトキャスタータイプ「G-SE-MINI/M」「G-SE-MINI/R

「EX」は2V1Tというエクスプローラー本来の操作系をしっかり再現しています。ストラトタイプはセンターピックアップ部にスピーカを忍ばせており、1V1Tという操作系で、指板にメイプルとローズの2タイプがあります。いずれもピックアップセレクタスイッチを備えており、サウンドバリエーションを楽しむことができます。

GrassRoots MINIシリーズを…
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以上、アンプ内蔵ギターをチェックしていきました。なかなかニッチな分野ですが、各社それぞれに個性のあるラインナップを展開していますね。弦のすぐ下にスピーカを配置しているものは、スピーカから出る音によって弦を振動させることもできることから、音量によってはフィードバック奏法に挑戦することもできます。

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