フェンダー・ジャズマスターは1958年、フェンダー・ジャガーは1962年にデビューします。当時はフェンダー・テレキャスターやフェンダー・ストラトキャスターよりも「高性能な上位機種」という扱いで、サーフミュージックのバンドなどで一定の支持を得ることが出来ました。しかしジミ・ヘンドリックス氏がストラトキャスターで一世を風靡してからというもの売り上げは鈍化し、生産は一旦終了しました。
再生産のニーズによって両モデルとも1986年にフェンダー・ジャパンから再生産が開始され、再評価された人気の高まりを受けジャズマスターは1999年、ジャガーは2000年にフェンダーUSAからも生産されるようになりました。
現代では、フェンダー製品でありながら「テレキャスターやストラトキャスターのような超メジャー機種とはちょっと違う」というおいしい立ち位置、また「立っても座っても良好な演奏性」を発揮するボディシェイプが支持され、本家フェンダー以外のブランドからもジャガー/ジャズマスタータイプのギターはリリースされています。今回はこのジャガー/ジャズマスタータイプのギターに注目し、特徴やラインナップを追ってみましょう。
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1: ジャガー/ジャズマスタータイプの特徴 1.1: 個性的で弾きやすいボディシェイプ「オフセット・ウェスト」 1.2: リッチな揺らし心地で高性能、且つかっこいい「フローティングトレモロ」 1.3: 専用ピックアップ 1.4: 便利な反面、複雑な操作系 1.5: ジャガーとジャズマスターの音の違いは? 2: これからはじめる人におすすめの、ジャガー/ジャズマスター・タイプ 2.1: 本体実売価格:¥50,000以内 2.1.1: Fernandes JG-Standard 3S / 2H 2.1.2: Squier by Fender Vintage Modified Jaguar / Jazzmaster 2.2: 本体実売価格:¥50,000〜¥100,000以内 2.2.1: Bacchus WINDY ALD/ASH/MNG 2.2.2: Seed Rutile Burgandy Mist 2.2.3: Fender Playerシリーズのジャガー/ジャズマスター 2.3: 本体実売価格¥100,000〜¥100,000以内 2.4: 本体実売価格¥200,000以上
NUMBER GIRL – タッチ
ボディが削れるまでに激しくジャズマスターをかき鳴らす、ナンバーガール(元)の田淵ひさ子氏。爆音を響かせる凛とした姿は、多くのロックファンに影響を及ぼしました。演奏中にプリセットスイッチ(後述)に触れてしまうため、スイッチに綿を詰めて固定しているそうです。
ジャガー/ジャズマスターのボディシェイプは共通して「オフセット・ウェスト」と呼ばれます。これはフェンダー・ジャズベース開発のヒントにもなっており、
「くびれ(ウェスト)」部分が「互い違い(オフセット)」
になっているのが特徴です。これは「左右対称が当たり前」だという弦楽器の常識を覆す斬新なアイディアで、ボディバックと右肘の当たる部分を削った「コンター加工」と相まって、立っても座っても弾きやすくなります。座って演奏するときの演奏性は特に良好で、下のくびれを右脚に合わせると、上のくびれが胸にちょうどよくフィットします(軽く胸を張り若干前傾する「欧米人の座り方」をすると、特に良好です。
ジャガー/ジャズマスターに共通するポイントの一つに「フローティングトレモロ」があります。心臓部をボディ内部に埋め込んだユニットで、ボディの表だけを加工すれば設置できる生産性(ストラトのユニットは表裏両面に加工が必要)があり、滑らかな音程変化によりリッチなビブラートができ、「オン・オフボタン」で固定もできる優秀なシステムです。
「滑らかなビブラート」に特化したフローティングトレモロですが、シンプルさ、チューニングの安定、音程変化の幅という点においてはシンクロナイズド・トレモロユニットやフロイドローズ・トレモロシステムに軍配が上がります。しかしボディにきちんと収まっているトータルデザインのかっこよさは格別で、根強いファンが多くいます。
ハムバッカーとP-90をメインのピックアップとしているギブソンに対し、フェンダーの定番機は
というように、どれも専用のピックアップが搭載されています。
左:ジャガーのピックアップ、右:ジャズマスターのピックアップ
ジャガー/ジャズマスターも、
というように専用のピックアップがあり、それぞれに個性のある音を持っています。
The Beach Boys – I Get Around (Live/2013)
サーフミュージックの代表選手「ザ・ビーチボーイズ」は1961年結成以来活動を続けています。エルトン・ジョン氏、桑田圭佑氏、山下達郎氏など多くのアーティストが敬愛していると言われ、美しいハーモニーはアメリカン・ロックのお手本となっています。動画ではジャガーの澄み切った「鈴鳴り」を聴くことができます。
ジャガー&ジャズマスターの操作系統
どちらも普通のギターに比べてコントロールが多く搭載されている
ジャガー/ジャズマスターは、
という基本的な回路に
という機能が加わっており、エフェクターやボリュームペダルに頼らなくてもギター本体だけでかなりのトーンバリエーションが、しかも安定に得られる高性能なギターだと言えます。
ジャガーの配線図
ジャズマスターの配線図
反面、そのぶんスイッチが多くなりますから、機能についてしっかり把握していないと「コレ、何だっけ?」みたいに操作が分からなくなってしまったり、演奏中に無意識でスイッチを触ってしまっってもとの音に戻れなくなってしまったり、厄介ごとが増える可能性もあります(現代ではトーンや音量の操作をエフェクタなどに任せることが主流ですので、こうした複雑な回路を省いてシンプルにまとめたモデルもリリースされています)。
ElvisCostello CINCO Minutos Con Vos (MSR Studios)
いろいろなギターを使い分けるエルヴィス・コステロ氏ですが、ジャズマスターを構えたジャケット写真の影響からかジャズマスターのイメージが強い印象。動画では裏で薄く鳴らしているだけのようですが、構えているだけでかっこいいですね。
ジャガー/ジャズマスターの特徴を見てきましたが、では音はどう違うのでしょうか。ギター博士が実際に弾き比べた演奏を聴いてみましょう。
ジャガーとジャズマスターを比べてみた【ギター博士】
六弦かなで「これは比べるの難しいね!スケールが違うっていうのと、ピックアップが違うっていうのがポイントなのかな??」
ギター博士「ジャガーはフロント/リアのハーフトーン、そしてローカットスイッチのタイトなトーンが魅力的ぢゃったワイ。ジャズマスターはギャリンとした金属的なサウンド、フェンダー・ギターの中でも出力が高めなのか、結構パワフルだと感じたゾィ。プリセットスイッチをONにした時のメロウな音も良いよナァ。」
今回比べた2本は
という、いずれも1960年代スタイルを再現した日本製/アルダーボディ/ローズウッド指板、という共通項の多いモデルです。正確にサウンドを聴き比べるため、アンプやエフェクターのセッティングは同じものを使用し、同じフレーズを弾き比べているので2本のギターの違いが比べやすいのではないでしょうか。逆に似過ぎていてわかりにくいと感じるかもしれませんね。
Fender Made In Japan Traditional 60s Jaguarを…
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Fender Made In Japan Traditional 60s Jazzmasterを…
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ジャガー/ジャズマスターはストラトやレスポールなどの王道モデルからは若干外れた「こだわり」のギターという位置づけ、また回路が複雑でパーツ点数が多いということから、いわゆる激安ギターはほとんどありません。また、原型に忠実なコピーモデルでは、
というような違いを再現します。しかしブランドごとにアレンジを施したモデルでは、ジャガーのルックスでありながら弦長が25.5インチのものがあり、いったいどちらに属するのか判別しかねるものがあります。また両モデルの特徴であるピックアップやブリッジをあえて違うものに交換するギターもあり、そもそもこれはジャガー/ジャズマスターの仲間なのか疑問に思えてくることがあります。
こうした経緯から、ここではざっくり「オフセットウェスト」のボディシェイプならばジャガー/ジャズマスターの仲間であるととらえ、
とシンプルに分類していきます。
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