エレキギターの総合情報サイト

フェンダー・ストラトキャスターの種類と選び方

フェンダー・ストラトキャスターの選び方

1954年にデビューした「フェンダー・ストラトキャスター」は、フェンダー・テレキャスターギブソン・レスポールと並び「エレキギターの王道」といわれる多機能でとても便利なギターです。60年以上の歴史があり、すべてのジャンルに対応する音作りの幅広さ、ハイポジションが弾きやすくアーミングができる演奏性、ピックアップなど交換用パーツの多さなど、多くのギタリストを今なお惹きつけて止まない魅力を放っています。

世に数多のストラトあれど、「ストラトの本家」はフェンダーであり、フェンダーブランドだけが「ストラトキャスター」を名乗ることができます(それ以外のものは「ストラトタイプ」)。しかし検索すると、次々と出てくるあれもストラト、これもストラト。いったいどれを選べばいいのでしょうか。

そこで今回は、フェンダーブランドからリリースされているストラトキャスターを選ぶポイントを考えていきましょう。

MENU

1: 「フェンダー5分類」、どう選ぶ? 1.1: それぞれ、どういうものなの? 1.2: ケースなど付属品の違い 2: 新旧のスタイルから選ぶ 2.1: ヴィンテージ・スタイルの代表例 2.2: モダン・スタイルの代表例 3: ストラトキャスターの各部を見てみよう 3.1: ネックや指板、フレット 3.2: ボディの材質にもいろいろなバリエーションが 3.3: 搭載ピックアップで選ぶ 3.4: 操作系の違い 3.5: 金属パーツの違い 4: 目的別おすすめのストラト


Kenny Wayne Shepherd Band – Never Lookin’ Back [OFFICIAL VIDEO]
ケニー・ウェイン・シェファード氏は、高校在学中にリリースしたアルバムがゴールドディスクになるという鮮烈なデビューを飾ったブルース・ロックギタリストです。氏のシグネイチャーモデルは太めのネックに平滑な指板、ジャンボフレットを備えた男気あふれる仕様で、シグネイチャーピックアップ、社外ブロックサドルなど随所に深いこだわりが反映されています。

「フェンダー5分類」、どう選ぶ?

ストラトキャスターのヘッドロゴ

フェンダーは、最高品質の「フェンダー・カスタムショップ」、王道の「フェンダー(レギュラーライン)」、求めやすい「スクワイア」の3つのブランドでラインナップを展開しています。このうちフェンダーは米国(USA)、メキシコ(MEX)、日本(MIJ)の3カ国で生産されており、この3つを区別する考え方もあります。そこで当サイトでは「フェンダー5分類」と銘打ち、フェンダーブランドを「カスタムショップ、USA、MEX、MIJ、スクワイア」の5つに分類して考えます。

それぞれ、どういうものなの?

フェンダー・ストラト5分類価格帯分布図 フェンダー・ストラト5分類価格帯分布図(2019年8月時点)

フェンダー5分類では、価格帯によるグレードの違いが見られます。スクワイアは、1万円台から5~6万円近辺です。MEXは、そのすぐ上から12万円近辺くらい、MIJは9~15万円近辺あたりです。USAはMEXのすぐ上から20万円オーバー、カスタムショップは30万円近辺から青天井です。スクワイア、MEX、USA、カスタムショップがほぼ隣り合わせに並んでいる中、MIJはMEXの中盤からUSAに届くくらいの範囲にいます。5分類のうちどれをセレクトするかは予算でだいたい絞られますが、MEXとMIJ、MIJとUSAのように価格帯が被っているところは悩みどころです。それぞれどのように作られるかを、ざっと見ていきましょう。

スクワイア


スクワイヤーのストラトキャスターをギター博士が弾いてみた!!

「これからギターを始める人が、最初の一本として手に入れやすい価格」を実現させるブランドで、製品は中国やマレーシアなど、アジア諸国のメーカーでOEM生産されます。フェンダーの下位ブランドという位置づけですが、フェンダーの設計によるピックアップが使われるなど、フェンダー社がしっかりプロデュースしています。調整やカスタマイズによってはプロミュージシャンの使用にも十分耐えることができます。

スクワイヤーのストラトキャスター:徹底分析!

メイド・イン・ジャパン(MIJ)


フェンダー・ジャパン製ストラトキャスターをギター博士が弾いてみた!

日本製は、モデル名に「MADE IN JAPAN」が添えられ(除アーティストモデル)、カスタムショップ出身スタッフ監修のもと、日本の提携工場にてOEM生産されます。提携工場は長らく「フェンダー・ジャパン」の生産にたずさわった経歴もあり、価格に不釣り合いな高いクオリティが世界的に評価されています。

メイドインジャパンのフェンダー・ストラトキャスター徹底分析!

いわゆる「フェンダー・メキシコ」(MEX)

メキシコにあるフェンダー直営の工場で生産されます。木材の調達先、工作機械や製造ノウハウなどはUSA工場と同じで、工員にはカスタムショップのマスタービルダーによる技術指導が定期的に行われています。そのため低価格のものでもちゃんと「フェンダーの音がする」と言われます。なお、アメリカとも日本とも表示されないギター(除アーティストモデル)は、メキシコ製です。

メキシコで作られるフェンダー・ストラトキャスター徹底分析!

いわゆる「フェンダーUSA」

カリフォルニア州のコロナ工場で、「アメリカンシリーズ」とアーティストモデルを生産しています。モデル名に「American」がついていたら、USAです。工員たちはマスタービルダーの技術指導を受け、技術の向上と伝承に努めています。そのままプロの酷使に耐える品質とサウンドがあり、リセールバリュー(下取り価格)が高いのが特徴です。

《プロ仕様》Fender American Professional Stratocaster
《最強最新鋭》Fender American Ultra Stratocaster
《新発想のヴィンテージ・スタイル》Fender American Original Stratocaster
《使いやすく、弾きやすい》Fender American Performer Stratocaster

フェンダー・カスタムショップ(FCS)

カスタムショップのストラトキャスター 60 Stratocaster Heavy Relic Built by Kyle Mcmillin

FCSはコロナ工場の一角に構える独立したセクションで、フェンダーのラインナップ中最も高いグレードの製品を手作りしています。技術の高い限られた職人たちが仕事をしていますが、そのトップに位置するマスタービルダーたちによってフェンダーの品質管理が行われています。ヴィンテージギター独特である「バイト感」のあるサウンドまで再現する品質の高さで、世界中のギタリストのあこがれのブランドになっています。

【ファン垂涎】フェンダー・カスタムショップのギターとは?

ケースなど付属品の違い

ストラトキャスターのギターケース比較 ストラトキャスターのギターケース:3種類の比較
オレンジのハードケースがFCS、ブラックのハードケースがUSAアメリカンシリーズ、ギグバッグはメイド・イン・ジャパン

付属品については、特に「どんなケースが付くか」に注目するべきでしょう。FCSとUSAはハードケース、MEXとMIJはギグバッグ、スクワイアはソフトケースが付属します。

FCSとUSAについては、ケースだけでなくストラップやシールドまで同梱されるものがあります。ギグバッグとソフトケースは一見同じもののようにも思えますが、ギグバッグはクッションで楽器を覆うので、ギターを保護する性能がソフトケースより優れています。

ただしこれらの付属品は「おまけ」ではありません。ギター本体とケースのセットで一つの商品になっていますから、「ケースはいらないから安くしろ」といった交渉の余地はなく、「ギターはMEXで、ギグバッグをハードケースに変更」といったわがままな買い方もできません。付属のものと異なるタイプのケースが欲しければ、新たにケースを手に入れる必要があります。

新旧のスタイルから選ぶ

ストラトキャスター

こだわりのない目で見れば、ストラトキャスターはどれも同じように見えます。しかしながら実際には、グレードのほかにもいろいろなところの違いから、大きく2つに分けられます。こんどはココに注目していきましょう。

  • Vintage ヴィンテージ・スタイル:1950年代から1970年代までの、旧式の設計。ストラトはここから始まった。レトロでかっこいい。
  • Modern モダン・スタイル:1980年代から現在に至る、新しい設計。演奏性やメンテナンス性など各部の性能が年々アップデートされる。高性能でかっこいい。

ヴィンテージ・スタイルの代表例

「ヴィンテージ・スタイル」はストラトキャスターの原点であり、ヴィンテージギターの人気も手伝って、今なお厚く支持されています。旧式な設計ではあってもデビュー当時は最新の設計であり、音楽の第一線に登板できる音と性能がまだまだあります。全身がヴィンテージ・スタイルで仕上がっているモデルばかりでなく、一部現代仕様にアレンジされているものもあります。ヴィンテージ・スタイルの代表例を見てみましょう。

Squier 「Classic Vibe」シリーズ

Squier Classic Vibe Stratocaster Squier Classic Vibe 70s Stratocaster

スクワイアの「クラシック・ヴァイブ」シリーズは、現代的な弾きやすいネックにヴィンテージ・スタイルのパーツを載せて仕上げています。価格が許す範囲内でできる限りの雰囲気を再現しているほか、フェンダー設計によるアルニコピックアップを備えており、本格的なサウンドが得られます。

Classic Vibe Stratocasterを…
Aアマゾンで探す R楽天で探す Sサウンドハウスで探す YYahoo!ショッピングで探す 石橋楽器で探す

「Made in Japan Heritage」シリーズ

Made in Japan Heritage Stratocaster

日本製上位機種 Made in Japan Heritage Stratocaster は、50年代/60年代/70年代それぞれの仕様をしっかり再現し、各年代に合わせたピックアップを載せています。指板やフレットに至るまで、余すところなくヴィンテージ・スタイルです。ネックもボディもニトロセルロースラッカー塗装が施され、触った感触までもヴィンテージ・スタイルです。

MIJ Heritage Stratocasterを…
R楽天で探す YYahoo!ショッピングで探す 石橋楽器で探す

「American Original」シリーズ

American Original Stratocaster

「アメリカン・オリジナル」シリーズは、特定の年式へのこだわりをいったん脇に置いて、50年代、60年代といった大まかな分け方で特徴をまとめています。ピックアップには年式の特徴を追求した「ピュア・ヴィンテージ」が使用され、全身にラッカー塗装が施されるなど、グレードにふさわしい高級仕様です。これに対し、指板をやや平らに、またフレットをやや高いものにすることで、現代的な弾きやすさも備わっています。

《新発想のヴィンテージ・スタイル》Fender American Original Stratocaster

Fender Custm Shop 「Time Machine」シリーズ

1956 Stratocaster Relic

FCSの「タイムマシン」シリーズは、当時と同じ技術と道具を使い、細心の注意を払って作り上げられる、ヴィンテージ・ギターのレプリカです。ネックシェイプやピックアップなどでオリジナルの姿をしっかり再現しつつ、指板はやや控えめな9.5″R、ナロートールフレット採用、リアにトーンがかかるなど、現役のギターとして使える現代的なアレンジが施されています。

1956 Stratocaster Relicを…
R楽天で探す YYahoo!ショッピングで探す 石橋楽器で探す

モダン・スタイルの代表例

ヴィンテージ・スタイルをスタート地点とし、もっと弾きやすく、もっと調整しやすく、さらなるサウンドバリエーションを、と改善を積み重ねてきたのが「モダン・スタイル」です。ただしモダン・スタイルはどれもが「全身モダン仕様」とは限らず、「ココだけモダン」や「ココだけヴィンテージ・スタイル」というように、新旧の設計を織り交ぜているモデルが多数見られます。

「Made in Japan Hybrid」シリーズ

Made in Japan Hybrid 60s Stratocaster

「伝統と進化の融合」をテーマにしたMade in Japan Hybrid Stratocasterは、ヴィンテージ系のサウンドとルックスに、モダンなプレイアビリティを持たせたギターです。やや平たい指板に大きめのフレットという現代標準の演奏性に、ロック式ペグと2点支持トレモロを備えた、高機能なギターに仕上がっています。

MIJ Hybrid Stratocasterを…
R楽天で探す Sサウンドハウスで探す YYahoo!ショッピングで探す 石橋楽器で探す

「Made in Japan Modern」シリーズ

Made in Japan Modern Stratocaster

フェンダーのモダン系は、新しい中にも古き良きフェンダーの面影を、ルックスやサウンドに残そうとする傾向にあります。その中で現在、最もモダン方向へ振り切っているのが「MIJ モダン」シリーズです。特にHH配列機におけるピックガード無しの流線型ボディトップは、これまでフェンダーが立ち入らなかった新しい設計です。高出力ハムバッカー「モダンモディファイド」ピックアップは現代のヘヴィサウンドにマッチするように作らており、ストラトでヘヴィなサウンドを出したいという人に最適です。


《最高の演奏性、最高のトーン》Fender MADE IN JAPAN MODERN STRATOCASTER

「American Ultra」シリーズ

American Ultra Stratocaster

フェンダーUSAのモダン系上位機種、現在では「アメリカン・ウルトラ」が、最も新しいモダン・スタイルのストラトキャスターです。ストラト本来のルックスをしっかり残しながら、サウンドバリエーションを増強する「S-1スイッチ」、ハイポジションの演奏性をフェンダー史上最高まで引き上げたヒール形状など、随所にモダンな設計が採用され、また最新式のノイズレス・ピックアップが搭載されます。

《最強最新鋭》Fender American Ultra Stratocaster

設計の新旧を視点に、ストラトキャスターの各部を見てみよう。

では次に、このようなスタイルの違いがどんな設計から生じるのかを見ていきましょう。