ディマジオ(DiMarzio)ピックアップの種類と特徴[記事公開日]2017年1月30日
[最終更新日]2023年9月23日

ディマジオ

ディマジオは1975年に創業者である「ラリー・ディマジオ」氏によって立ち上げられたピックアップメーカーです。ラリーは1970年頃、自身のギターに搭載するピックアップの開発を始めます。それから2年後、同社の超ロングセラーモデルである「Super Distortion」を発売します。これが当時のプロギタリスト達から高い評価を得ることになり、3年後にディマジオを立ち上げます。

創業して40年以上経つ老舗メーカーでありながらも、今も尚ピックアップ業界を牽引し、現代の音楽シーンに合わせた最新モデルを作り続けています。ディマジオといえばハムバッカーが有名ですが、シングルコイルやP-90タイプなど、「多種多様なモデル」を扱っています。

また、ディマジオはプロギタリストのオーダーメイドにも応え、それを「シグネチャーモデル」として販売しています。ギタリストやベーシストの声に直接耳を傾け、「現場の声」に応えたモデルを世に送り出しているのです。

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1: ディマジオ・ピックアップの特徴 1.1: ディマジオ・ピックアップが標準搭載されたギター 1.2: その他ディマジオ搭載ギターを使用するギタリスト 2: ディマジオの代表的な定番ピックアップ 2.1: ディマジオのハムバッカー 2.2: ディマジオのストラト用ピックアップ 2.3: テレキャスター向け 2.3.1: DP172 Twang King Neck 2.3.2: DP173 Twang King Bridge 2.3.3: DP178 True Velvet 2.4: シグネイチャーモデル 2.4.1: DP422,423 Injector 2.4.2: DP252,253 Gravity Storm 2.4.3: DP224 AT-1 2.4.4: DP211,212 EJ Custom 2.4.5: DP145,146 Will Power 2.5: ソープバー 2.5.1: DP154 DLX Plus Bridge 2.5.2: DP167S,167D DiMarzio Soapbar 2.6: アコギ用 2.7: ベース用

ディマジオ・ピックアップの特徴

ディマジオのピックアップは全体的に「高出力」のモデルが多く、「Super Distortion」を代表とする「ハムバッカー」が高い評価を受けています。もちろんシングルコイルやP-90の人気も高く、線が太くてウォームなサウンドを追求する「ディマジオらしさ」を感じるモデルが多数あります。サウンド面に関しては、パワフルでありながらも「音の分離感」が素晴らしいモデルが多いです。特にハムバッカーに関しては、激しいディストーションをかけても音が潰れず、コードがハッキリ聴き取れる「高い解像度」を持っています。パワーと繊細さを兼ね備えていることが、ディマジオ製品最大の特徴ということになります。

また、ピックアップの「ホールピース」に工夫が施されていることも有名で、ホールピースをフェンダー系ブリッジの弦間である「10.2mm」にしているタイプを「Fスペース」、ギブソン系ブリッジの弦間である「9.7mm」にしているタイプを「スタンダード・スペース」と呼びます。モデルによっては最初から2種類のタイプが用意されているため、使用するブリッジに合わせたピックアップ選びが可能となります。必ずしもホールピースの上に弦がある必要はありませんが、使い手のことを考えた気配りと言えるでしょう。

ディマジオ・ピックアップが標準搭載されたギター

ディマジオのピックアップは全体的にパワフルで明るい音が特徴として存在するため、ハードロックやそれに準ずる、深い歪みとパワーを必要とするジャンルで好まれています。標準搭載されるギターはほとんどが特定のミュージシャンのシグネイチャーモデルですが、テクニカルで攻撃的なスタイルを持つプレイヤーが非常に多いです。

ミュージックマン

MUSICMAN AXIS MUSICMAN AXIS

まずはエドワード・ヴァン・ヘイレンの使用で有名なミュージックマン。小ぶりなボディの特徴的な彼のシグネイチャーモデル「EVH」、そしてそれを引き継いで同社の定番モデルとなった「AXIS」にも搭載されています。いずれもハムバッカーが二基並んだ構成となっていますが、それぞれB1、N1という、専用に開発されたものです。B1はディマジオで最も有名なピックアップである「Tone Zone」とともに開発され、両者を提供されたエディ本人がB1を選んだという、有名な曰くのあるピックアップですね。
MUSICMAN AXIS

また、ドリーム・シアターのギタリストであるジョン・ペトルーシもミュージックマンのギターを使用。ディマジオが特別開発した「Sonic Ecstasy」を搭載していることから、彼のシグネイチャーモデルにもこのピックアップが標準搭載されています。

フェンダージャパン

つぎにフェンダージャパン。意外にもフェンダージャパンはかつて「ディマジオ・コレクション」という名で、ディマジオのピックアップを載せたシリーズを発売していました。使われているピックアップは「Classical Vintage」という名が冠せられており、ディマジオ社がヴィンテージサウンドを狙って特別に作り上げたものです。

アイバニーズ

Ibanez RG8570BB i.customシリーズのRG「RG8570BB」
ブリッジにThe Tone Zone、センターにTrue Velvet、ネックにAir Nortonと、Dimarzio製のPUが搭載されている

最後にアイバニーズ。アイバニーズを使用する著名なギタリストは同時にディマジオ・ピックアップの使用者であることが非常に多く、各種シグネイチャーモデルにほとんどディマジオピックアップが標準搭載されていることから、アイバニーズはディマジオとは切っても切れない関係にあると言えます。アイバニーズからシグネイチャーモデルを出しているギタリストはステーヴ・ヴァイ、ポール・ギルバート、ジョー・サトリアーニ、アンディ・ティモンズ、キコ・ルーレイロなど、錚々たるメンツが並び、いずれもディマジオ・ピックアップを使用。

その他にも「j.custom」などのアイバニーズの上位モデルには、ほとんどディマジオのピックアップが標準搭載されており、「Ibanezにディマジオあり」という強固な繋がりが感じられます。

その他ディマジオ搭載ギターを使用するギタリスト

  • スティーヴ・モーズ
  • エース・フレイリー
  • ニール・ショーン
  • ダイズ・シャイン
  • John 5
  • グレッグ・ハウ
  • ロン・サール
  • イングヴェイ・マルムスティーン
  • マイケル・アンジェロ

ディマジオの代表的な定番ピックアップ

ハムバッカー

ディマジオにとってハムバッカーはアイデンティティそのものです。ヴィンテージライクなモデルこそあれラインナップは現代を見据えたモデルが主軸で、アーティストと新しいサウンドを模索しながら7弦用、8弦用にも積極的です。

ディマジオのハムバッカーについて

ストラト用ピックアップ

ディマジオのストラト用ピックアップは、いろいろな設計がシングルコイルの寸法に収められます。見るからにハムバッカーだったり、一見すると普通だが中身はハムバッカーだったり、本当に標準的なシングルコイルの構造だったりといろいろなモデルが存在します。

ディマジオのストラト用ピックアップ

次のページではディマジオが誇る膨大なラインナップのピックアップの中から、ハムバッカー、ストラト用ピックアップ以外のものを紹介をしていきます。