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《屹立する、老舗のプライド》GUILD(ギルド)のエレキギターについて

GUILDのエレキギター

「ギルド(GUILD)」は、1950年代に発足した歴史あるブランドです。アコギはジョン・デンバー氏やリッチー・ヘブンス氏、エレキはバディ・ガイ氏やマディ・ウォーターズ氏ら名だたる名手が愛用し、特に1960~70年代の音楽シーンを彩りました。現在のギルドはその黄金期を思わせる個性的なたたずまいで、強い存在感を発揮しています。今回は、ギルドのエレキギターに注目していきましょう。


Cake – The Distance (Official Video)
検索に悩むバンド名「ケーキ(Cake)」。創立メンバーだったグレッグ・ブラウン氏は、1965年製のギルド「スターファイアーIII」をトレードマークとしていました。現代的なサウンドにおいてなお、60年代の雰囲気を帯びたギターは輝きを失わないばかりかギンギラギンです。

ギルドはどんなブランドなのか

ギルドは1952年、初代社長を亡くして混乱のただなかにあったエピフォンの職人らによって立ちあげられました。翌年からフラットトップ及びアーチトップのアコースティックギターの生産を開始、大いに評判になります。エレキギター市場へは1960年代から積極的に参入し、ジェリー・ガルシア氏(グレイトフル・デッド所属)、マディ・ウォーターズ氏、バディ・ガイ氏らさまざまな有名アーティストが使用しました。

しかしビジネス的にはフェンダーやギブソンの後塵を拝する結果となり、1995年にはフェンダー社により、また2014年にはクラシックギター/ウクレレ大手のコルドバ社による買収を受け、現在に至ります。

ギルドのたどった運命については姉妹サイト「アコースティックギター博士」にて、もう一息くわしく紹介しています。

Guild(ギルド)のアコギについて-アコースティックギター博士

GUILDエレキギターの特徴

ギルドはエピフォンが前身ということもあって、ホロウボディのラインナップが充実、セットネックが基本、ピックアップには主にハムバッカーやP-90タイプを使用する、といった特徴が見受けられます。では、もう少しその特徴を掘り下げて、ギルドのアイデンティティを探ってみましょう。

黄金時代を偲ばせる、個性的なルックス

GUILD JETSTAR VWT JETSTAR VWT

ギルドのエレキギターは第一に、えもいわれぬ「60年代っぽさ」を帯びつつも、ビザールと呼ばれるほど珍妙ではない、受け入れやすいルックスが特徴です。オーソドックスなギターを踏まえたモデルでも、他のメーカーとはちょっと違う、そんな「ギルドらしさ」がうかがえます。またほとんどのモデルで17フレットより上にポジションマークが付けられないほか、ボディ幅を広くとった、大き目のモデルが目立ちます。

このほか、中上位機種のヘッドを彩る「チェスターフィールド・インレイ」、ホロウボディのモデルで使用される「ハープ・テールピース」、テ―ルピース根元にさりげなく刻まれるギルドの「G」、ピックガードに記されるブランドロゴ、といったチャームポイントは、ギルドが確固とした歴史を持つ価値の高いブランドなのだと誇示しているかのようです。

GUILD BLUESBIRD:コントロール BLUESBIRD ITBのボリュームノブ

サウンドの要、ギルドのオリジナルピックアップ

中心的なモデルにおいて、ギルドでは独自設計のピックアップを採用しており、ここでも「他とは違う」というギルドらしいプライドを感じることができます。

LB-1「リトルバッカー」

LB-1ピックアップ T-BIRD ST

1962年に発表された「LB-1」は、サイズ、パワーともに典型的なシングルコイルとハムバッカーのだいたい中間くらいのハムバッカー・ピックアップです。現代版では磁石に現代標準のアルニコVが使われており、温かさと風通しの良さを兼ね備えたサウンドの中に、トレブルが豊かに響く凶暴性を秘めています。

「Franz P90」

Franz P90ピックアップ X-175B

NYのフランツ社によって製造されていた「P-90」タイプのピックアップは、当初「Frequency-Tested Pickups(周波数テスト済み)」と呼ばれていました。現代版の「フランツP90」はオリジナルのトーンを出す忠実なレプリカで、出力とサスティンが豊富な、キメの細かいクッキリとした音を持っています。ドッグイヤー型(アルニコV使用)とソープバー型(アルニコII使用)があり、ドッグイヤーは高出力な明るいキャラクター、ソープバーはやや出力を控えたヴィンテージ調のキャラクターを持っています。

ルックスはレトロだが、現代的なアップデートで快適に演奏できる

GUILD BLUESBIRD BLUESBIRD BLK

60年代風のスタイルを特徴としているギルドですが、現代的なアップデートが施されることで高いレベルの演奏性や性能を達成しています。9.5″や10″といったやや丸みのある指板によって「旧式のギターを弾いている」ことも実感できますが、いわゆるミディアムジャンボに相当するフレットが使用されており、またネック本体はスリムで、ベーシックからテクニカルまでラクに演奏できます。

また多くのモデルで18:1という高いギア比を持つペグが採用されており、チューニングをシビアにビシっと決められるほか、デュアルアクション式トラスロッドを採用することで順ぞり/逆ぞり両面の調整が可能です。


Daddy Cool – Eagle Rock – Clip (1971)
「ダディ・クール」は1970年に結成、休眠期間を経て現在も活動を続けているオーストラリアのロックバンドです。設立メンバーの一人ロス・ハナフォード氏は、マディ・ウォーターズ氏に触発されてギルドのサンダーバードを手にしました。現在「T-Bird」と呼ばれているこのギターは、ルックスもサウンドも、他の何とも似ていない強烈な個性を発揮しています。

ギルド・エレキギターのラインナップ

では、ギルドのラインナップをチェックしていきましょう。一時代を築いた歴史あるブランドだけに、ソリッドボディ、ホロウボディ両部門において、豊かな製品群を展開しています。他とは違うという主張のあるギルドですが、ラインナップにおいても例え同じピックアップを装備していても同じ音にはならない、お互いに他とは違う個性を持っています。

モデル名に添えられる「ST」は「ストップテールピース」を意味し、同時にTOMタイプのブリッジが使われていることを意味します。