ストラトキャスター・タイプのギター特集

[記事公開日]2022/4/29 [最終更新日]2023/10/1
[ライター]小林健悟 [編集者]神崎聡

ストラトキャスター・タイプ

ストラトキャスター(略:ストラト)は、「いかにもエレキギター」という風貌を持ったエレキギターの代表格です。1954年にフェンダーからデビューして以来60年以上に渡って基本的な外観や設計をほとんど変えていないことから、この時点ですでに完成されていた楽器であると考えられています。しかしながら仕様変更によるモデルチェンジやアップグレード、パーツ交換などによる改造が比較的やりやすいため、音楽シーンや技術の進歩により他社からもいろいろなストラト・タイプのギターが生まれているほか、自分好みの楽器に変身させる楽しみもあるギターです。このページではストラトキャスター・タイプのギターにスポットを当て、その特徴や魅力に迫っていきましょう。

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1: フェンダー・ストラトキャスターの特徴 1.1: 1)ボルトオンジョイント構造 1.2: 2)3つのピックアップを使い分け、多彩なトーンが得られる 1.3: 3)ダブルカッタウェイにより、ハイポジションが弾きやすい 1.4: 4)ボディのコンター加工により、弾き手にフィットする 1.5: 5)トレモロシステムが搭載されており、アーミングができる 1.6: 6)操作しやすい場所にボリュームがついている 1.7: 7)豊富なカラーリング 2: ストラトのルックスのポイント 3: 主な使用ギタリスト 〜ストラトを使用した偉大なる先人達〜 3.1: ロック 3.2: ジャズ/フュージョン系 3.3: ファンク系 3.4: J-Pop/J-Rock系 3.5: ヘヴィメタル/ハードロック 4: これから始める人におすすめのストラト・タイプ 4.1: 実売価格:¥10,000近辺 4.2: 実売価格:¥30,000近辺 4.3: 実売価格:¥50,000~¥80,000近辺 5: 憧れの本家フェンダー・ストラト、その他 5.1: 実売価格:¥100,000〜¥200,000近辺 5.2: 実売価格:¥200,000〜


The Jimi Hendrix Experience – Purple Haze (Live at the Atlanta Pop Festival)
ジミ・ヘンドリックス
弾かない時にはボリュームを切らないとハウリングが起こるほどに激しい「ファズ」によるズ太いサウンド、音程変化の非常に大きな激しいアーミングなどで、現代のロックギターにいまだ色濃く影響を及ぼしている伝説のギタリスト。いろいろなギターを使ってきたジミヘンですが、この黒のストラトもトレードマークのひとつ。メイプル指板、黒いボディカラー、白いピックガードというストラトのいでたちは、シンプルに完成された美しさを感じさせます。

備考:「ストラトキャスター」はフェンダーの登録商標であり、フェンダーもしくはスクワイアの製品でなければ名乗ることができません。これ以外のブランドのものは全て「ストラトキャスタータイプのギター」や「ストラトのコピーモデル」などと言わなければならない訳ですが、それでは余りにも不便です。こういったことから、本家もコピーモデルもひっくるめて「ストラト」と言われています。

フェンダー・ストラトキャスターの特徴

まずはフェンダー社のストラトキャスターを見ていきましょう。基本的なストラトキャスターには

  • 1)ボルトオンジョイント(ボディ/ネックがネジ留め)構造
  • 2)3つのピックアップを使い分け、多彩なトーンが得られる
  • 3)ダブルカッタウェイにより、ハイポジションが弾きやすい
  • 4)ボディのコンター加工により、弾き手にフィットする
  • 5)トレモロシステムが搭載されており、アーミングができる
  • 6)操作しやすい場所にボリュームがついている

という大きな特徴があります。

1)ボルトオンジョイント構造

デタッチャブル・ジョイントネックとボディがネジ留めされた
ボルトオン・ジョイント

「ボルトオンジョイント」は先輩であるプレシジョンベースやテレキャスターにならった、フェンダーを代表する構造で、ボディとネックをネジで連結しています。ネジを緩めれば簡単に分解することができることから「デタッチャブル(取り外し可能な)ジョイント」とも言われます。現代では全く珍しくない設計ですが、フェンダー以前にはなかった斬新なアイディアでした。ギブソン・レスポールに代表されるセットネック、ジャクソンB.C.リッチなどで見られるスルーネックよりも製造が簡単なため、楽器本体の価格を下げることができることに加え、アタックの立つ独特のトーンになります。
ネジで強固に固定させるため、連結部分(ネックヒール)が角張っているのも特徴の一つです。ハイポジションでプレイする際、この出っ張りが邪魔だと感じるプレイヤーが多くいることから、ヒール部の角を丸めたり厚みを落としたりしてプレイアビリティを向上させる工夫がされることもあります。しかしヒールはネックからの振動を受け止める部分なので、伝統的なごついヒールが最も音が良いと考えられています。ここの体積を減らしてしまうと、プレイアビリティと引き換えにジョイント部の剛性や振動の伝達にマイナス作用してしまいます。

2)3つのピックアップを使い分け、多彩なトーンが得られる

ストラトのピックアップ3つのシングルコイル・ピックアップ

取付け位置により異なったトーンが得られるというピックアップの特徴を活かし、「フロント/センター/リア」という3箇所にシングルコイル・ピックアップがマウントされています。フロントとセンターのピックアップにはトーンポット(高音域を削り、マイルドな音にするつまみ)が付いていますが、リアは鋭い音を出すためのものだという考えから、トーンは付いていません。
この3つのピックアップを、ピックアップセレクタ(レバースイッチ)の切り替えで操作します。それぞれ単体のトーンが得られるほか、フロント+センター、センター+リアという隣同士のピックアップを両方使用する「ハーフトーン」を出すことができます。このハーフトーンの持つ軽やかさと柔らかさのある音が、ストラト最大の個性になっています。

ピックアップ・セレクターセレクターをハーフトーンにセットした様子

美しすぎるハーフトーンの音色

3つあるピックアップは、ブリッジ(リア)側は高音強調、ネック(フロント)側は逆に低音の効いた甘い音、ミドル(センター)側はその中間といったようにどれも特徴のある音となっています。ピックアップ・セレクタースイッチをブリッジ・ミドルあるいはミドル・ネックの中間で止めて音をミックスさせる、いわゆる”ハーフトーン”ではピックアップの抵抗値の変化により、ガラスの弾けるような繊細なトーンになります。

3)ダブルカッタウェイにより、ハイポジションが弾きやすい

ダブルカッタウェイダブルカッタウェイの様子

カッタウェイ(Cut-Away)とは、高い音を出しやすくするためにボディをカットした仕様のことで、ツノのように残された部分はそのまま「ホーン(角)」と言います。ストラトでは1弦側だけでなく6弦側にもカッタウェイを施していますが、これにより最終フレット(仕様により21、22、24フレット)までラクに指が届くばかりか、そこからチョーキングに至るのもカンタンです。このダブルカッタウェイ仕様はギブソンにも影響し、のちにギブソンSGがデビューするきっかけとなりました。

4)ボディのコンター加工により、弾き手にフィットする

ストラトのコンタ〜体にフィットするようにできている

「楽器のボディが身体に当たって痛い」というプレイヤーのわがままに応えた仕様で、ボディ裏の肋骨と接する部分、そしてボディ表の右肘と接する部分を斜めにカットしています。今では割と当たり前の仕様ですが、これはストラトキャスター開発時に生まれたアイディアであり、他には無いものでした。

5)トレモロシステムが搭載されており、アーミングができる

ストラトのアームストラトのアーム

アームの付いた「トレモロシステム」自体はもっと昔からビグスビーなどで実現されていましたが、ストラトの「シンクロナイズド・トレモロシステム」はシンプルな外観でありながら音程の可変域が広く、緩やかなビブラートから急降下するアームダウンまで幅広い表現ができるようになっています。
また、弦の張力とのバランスを取ることでトレモロユニットの位置を安定させる「トレモロスプリング(いわゆる、裏のバネ)」がボディの振動を受けて一緒に振動するため、ストラトならではのちょっとしたリバーブ感や甘さのあるトーンになります。
フェンダー・ストラトキャスターのシンクロナイズド・トレモロユニットでは、アームを挿入する穴の角度が工夫されており、使用しない時にはアームがボディのすぐ近くに収まります。これにより、楽器をケースに収める際に、アームをいちいち外さなくてもよくなります。
トレモロスプリングを交換してみる
ストラトキャスターを極める!(トレモロアーム編)

6)操作しやすい場所にボリュームがついている

ストラトのボリューム小指で調節できる

ストラトのボリュームは、いわゆる「定番機」の中で最も操作しやすい場所、1弦のすぐそばについています。これは常時ボリュームを操作しながら演奏するラップ・スティール(主にハワイアンで多用されるスライド奏法で弾くギター)の仕様を持ってきたもので、ソロ/バッキングなどでの音量操作がスムーズにできるほか、ボリューム奏法(ヴァイオリン奏法)が可能です。
はじめはボリュームポットに右手をぶつけてしまい痛い思いをしたり、知らない間に指が触れて音量が下がってしまったりするかもしれませんが、練習していくうちに問題なくなります。

7) 豊富なカラーリング

ストラトキャスターのカラー一例 本家フェンダー・ストラトキャスターのカラーラインナップ一例

一般的なストラトのカラーには、

  • 塗りつぶしなら黒、白、赤、クリーム色(黄色)
  • 木目が見えるものならナチュラル、タバコサンバースト(中央が茶色で外周が黒)、3トーンサンバースト(中央が茶色、その外が赤褐色、外周に黒)

などがあります。

ストラトのルックスのポイント

日本製ストラトキャスター:Made In Japan Traditional 60s Stratocaster GOLD HARDWARE
鮮やかなキャンディアップルレッド・カラー

ストラトのルックスはどんなところがポイントなのでしょうか。そのいくつかをピックアップしてみましょう。

1) ボディカラー

最もわかりやすいポイントは「ボディの色」です。黒や白、赤などの塗りつぶし、外周に向かって黒くなっていく「サンバースト」などが代表的ですが、「キャンディアップルレッド」のようにラメが入ってキラキラしているものや、木目が透けて見える「シースルー」あるいは「トランスルーセント」系のものも人気です。他社製では青系やメタリックなど、独特のカラーを打ち出しているブランドも多くあります。

2) 指板

ローズウッド/メイプル指板 上:ローズウッド指板、下:メイプル指板

ストラトで使用される指板は、濃い色の「ローズウッド」か、白または黄色の「メイプル」が基本です。サウンドにも影響がある部位ですが、同じボディカラーでも指板の色調が違うと全く異なるイメージになります。
指板(フィンガーボード)の材質・形状について

3) ピックガード

低価格なコピーモデルでは白いピックガードが一般的ですが、そのほか黒や銀、ミントグリーン、パール柄などさまざまです。フェンダーのコピーモデルの場合、ボディに固定するネジの本数には「8本」と「11本」があり、これだけでもずいぶんと印象が違います。

また、色の違う板を重ねた2層(2P、2プライとも)や3層といったピックガードは、内側の層の色がピックガードの外周を縁取っているように見えます。

4) ヘッド

ヘッドの形状はフェンダーのストラトキャスターをモチーフにしながらも、各社のモデルにはそれぞれ微妙な違いがあります。ストラトではヘッド面に色を付けない「ナチュラル」が基本で、このヘッド面にボディと同じ色を付けるのを、「マッチングヘッド」と言います。ナチュラルのヘッドはシンプルで素朴な印象、マッチングヘッドはキリっとした印象になります。また、ヘッド面には「ブランドロゴ」が記されます。
ヘッドの役割/ペグの種類と交換について

5) パーツカラー

ギターに搭載される各種金属パーツについては、ストラトでは「シルバー」あるいは「クローム」が基本です。グレードが上がると「ブラック」や「ゴールド」、またその他の色調の物が使用され、ブラックパーツは引き締まった印象、ゴールドパーツは煌(きら)びやかな印象になります。

6)プラスチックパーツ

ピックアップカバーやコントロールノブなど「プラスチックパーツ」は、ピックガードと同じ色調に統一しているものと、敢えて別の色調を選んでいるものがあります。またコントロールノブには、金属製のものが採用されることもあります。

主な使用ギタリスト 〜ストラトを使用した偉大なる先人達〜

ストラトはどんな音楽でも使えるオールラウンダーとして、あらゆるジャンルで活用されます。ここでその全てを紹介することはできませんが、いろんなジャンルの名手をかいつまんで紹介します。

ロック

ジミ・ヘンドリックス


The Jimi Hendrix Experience – Foxey Lady (Miami Pop 1968)

ジミ・ヘンドリックスはアメリカの黒人ロックギタリスト、シンガー、ソングライター。日本では「ジミヘン」というニックネームで呼ばれることがあります。死後40年近く経った現在でも、「天才ギタリスト」として多くのミュージシャンに多大な影響を与え続けている、現代的ロックギターのパイオニアの一人。右利き用のギターを逆さまにして左利きの構えで演奏するスタイルや、ギターを歯で弾いたり、背中で弾いたり、ギター自体に火を放ったり、破壊したりするパフォーマンスはあまりにも有名。

ジミのギターサウンドというと歪みきった大音響がイメージされる場合が多いですが、実際にはボリュームを絞ったクリーンなサウンドも多用しています。ストラトの3つのピックアップを使い分け、ボリュームやトーンを頻繁に調整し、演奏中に音色を大きく変化させることも多く、ボディやネックを叩いて弦を共鳴させフィードバックを起こしたり、トレモロユニットのスプリングを弾いて不思議な音を出したりと、エレキギターから発生するあらゆる音を演奏に利用していました。

エリック・クラプトン / ジェフ・ベック ~エレキギターの神様~


Eric Clapton – Wonderful Tonight (Official Live Video)
エリック・クラプトンは、エレキギターの歴史に欠かす事のできない「生きる伝説」となっているギタリスト。動画でエリック氏が奏でるのは氏のシグネイチャーモデルで、ノイズレスピックアップとブースターで強化されています。指の動きに無駄がないためスピードプレイでも指がゆっくりに見えることから、「スローハンド」と呼ばれていましたが、アームは使わず派手なトリックプレイにも頼らず、常にブルージーであり続けています。氏のトーンはパワフルな曲でも落ち着きと安らぎを感じさせ、それでいて一聴して「クラプトンだ!」と分かる主張が込められています。

ジミ・ヘンドリックスの影響を受けてストラトキャスターを手にしたのが、エレキギターの神様と言われたエリック・クラプトンやジェフ・ベックです。ただしクラプトンもベックもヘンドリックスの生前には表だってストラトキャスターを使用することはほとんどなく、多用するようになったのはヘンドリックスの没(1970年9月18日)後です。ストラトキャスターを使っていてはジミとの腕の違いが露呈してしまうから、ジミ・ヘンドリックスが使っている間は使えなかったといいます。
クラプトンは「僕とジェフ・ベックが二人がかりでいっても、ジミにはかなわないだろう」、ジェフ・ベックは「好調な時のジミを超えるギタリストなどいるはずがない。自分がギタリストであることが恥ずかしくなるよ」と語っています。

エリック・クラプトンによるストラトキャスターの演奏はジミ・ヘンドリックスとはかなり対照的です。あまり音を歪ませず、シングルコイル・ピックアップ本来の音色を生かした彼の演奏は、ストラトキャスターの新たな魅力を引き出しました。ハーフトーンを一般化させたのも彼の功績でしょう。
「孤高のギタリスト」と呼ばれたジェフ・ベックはあまりエフェクトに頼らないタイプのギタリストです。シグニチュアモデルのストラトを使い、そのアームの巧みな使用とサウンディングには定評がり、ワウペダルはライブ、スタジオ共に使用します。

リッチー・ブラックモア


Ritchie Blackmore’s Rainbow – Black Masquerade

ジミ・ヘンドリックスに多大な影響を受け、そのアクロバティックな側面を受け継いだギタリストの一人に、ディープパープルやレインボーで活躍したリッチー・ブラックモアがいます。リッチーはストラトキャスターの唯一の弱点とも言える出力不足をピックアップを高出力のシェクター製クオーター・パウンドに交換することで補い、ハードロックにも十分通用することを証明して見せました。

スティーヴィー・レイヴォーン


Stevie Ray Vaughan & Double Trouble – Pride And Joy (Live at Montreux 1982)

80年代に入るとフュージョン系やブルース系、ソウル系のギタリストの中にもストラトキャスターを愛用する者が増えました。スティーヴィー・レイヴォーンは極太ゲージの弦を張ったボロボロのストラトをパワフルにガンガン弾くというスタイルのブルーズギタリスト。ローズ指板、黒いピックガードにピックアップとツマミは白、というルックスのストラトは、スタンダードモデルとは違った独特の雰囲気を放っています。

その他の主なストラト・ギタリスト


Red Hot Chili Peppers – Can’t Stop [Official Music Video]
ジョン・フルシアンテ(ex. Red Hot Chilli Peppers)
ストラトは軽快なサウンドと得意としているため、このようなカッティング主体のプレイスタイルに非常にマッチします。

ジャズ/フュージョン系


Eric Johnson – Friends
エフェクターの工夫により、存在感のある太い音からボーカルを引き立てる細い音まで自在です。エリック・ジョンソン氏のサウンドは太くて滑らかなことから「ヴァイオリン・トーン」と言われます。

ファンク系


Daft Punk – Lose Yourself to Dance (Official Version)
ナイル・ロジャース(Daft Punk)氏は自らのバンド「シック(Chic)」をはじめ大物アーティストのプロデュースなどで、1980年代の音楽シーンに決定的な存在感を示しました。透き通るカッティングサウンドは、ダンスビートとの相性が抜群です。

J-Pop/J-Rock系


「トワイライト・アヴェニュー」スターダスト☆レビュー【LIVE】
根元要(スターダスト☆レビュー)
「歌いながら小技の効いたプレイをキめる」ギタリスト日本代表はこの根元氏ではないでしょうか。氏は現在、アトリエZ(ベースで有名なハイエンドブランド)のストラト・タイプをメインに使用しています。本動画で使われているギターは、ロックのディストーションサウンドを良好に得るためにリアピックアップをハムバッカーにするSSH配列になっています。


UNISON SQUARE GARDEN「シュガーソングとビターステップ」ショートVer.
斉藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)
現在最も勢いのあるバンドのひとつ、ユニゾンスクエアガーデンのギターボーカル斉藤氏はシンプルなルックスの白いストラト・タイプがトレードマーク。ブランドは上記根元氏と同じアトリエZです。

ヘヴィメタル/ハードロック


Iron Maiden – The Number Of The Beast (Official Video)
デイヴ・マーレイ(アイアンメイデン)
80年代のメタルブームの立役者として活躍しながら、今なお精力的に活動している「アイアンメイデン」は、美しいギターアンサンブルと存在感のあるベースプレイを特徴とするバンドです。デイヴ氏のトレードマークとなっている改造ストラトはフロントとリアのピックアップをディマジオのハムバッカーに交換した上に金属製のエスカッションをはめて、いかつい面構えにしています。


Yngwie Malmsteen – Trilogy Suite Op: 5 Demo
イングヴェイ・マルムスティーン
卓越したスピードプレイとワガママな言動により「王者」の異名を取るギタリスト。フレットを大きくする代わりに指板をえぐった「スキャロップ指板」のストラトを駆使し、透き通ったパワフルなプレイで魅せてくれます。右手のロレックスはピッキングを安定させるためには欠かせないアイテムなんだとか。

これから始める人におすすめのストラト・タイプ

ここまで「ストラト」というキーワードで色々なポイントを見てきました。ここからは、これからギターを始めようという方におすすめできるストラト・タイプのギターを紹介していきます。ストラト・タイプはエレキギターの王道でありとにかくさまざまなブランドからリリースされていますが、ここでは本家のフェンダー以外から、価格帯ごとにかいつまんで紹介していきます。

実売価格:¥10,000近辺

Photogenic ST-180、ST−200

Photogenic ST-180の初心者セット Photogenic ST-180の初心者セット

キョーリツコーポレーションのブランド「フォトジェニック」のST-180は、本体の実売価格で1万円を割ることもある、企業努力の結晶のようなギターです。この価格帯でありながら指板にはメイプルもローズもあり、カラーバリエーションも豊富にありマッチングヘッド仕様のものまであります。中級者以上のギタリストにもサブや練習用、改造のベースなどとして利用されており、初めてのギターとして充分な品質を持っています。ギター単体での販売のほかに、アンプやシールドなど必要なものをまとめたセットでの販売もされています。

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まずは身の丈にあったギターでスタートを切ろう!

このフォトジェニックの他にも、

サウンドハウスのプレイテック
サクラ楽器のセルダー
・イシバシ楽器のセルヴァ
アリアのレジェンド
・島村楽器のバスカーズ

など初心者向けの低価格を売りにしている様々なブランドから、手頃な価格帯のストラトがリリースされています。これらのギターに対して品質やサウンドを疑問視する意見がある、またこうしたブランドのギターでステージに立つ有名プロミュージシャンがいない、というのは事実ではありますが、これから始める方々にとっては「身の丈にあったギターで、まずギタリストとしてのスタートを切る」ことが最優先です。ぜひお気に入りの一本をゲットしてください。
ストラトキャスタータイプの初心者セット
Q&A.14 安いエレキギターはやっぱりダメなんでしょうか?

Bacchus BST-1

Bacchus BST-1の初心者セット Bacchus BST-1の初心者セット

バッカスの「BST-1」は実売価格1万円台という価格帯ながら、かなりきちんと作っていることが高く評価されている人気モデルです。安さだけで勝負するブランドとは違う品質と音を持っており、スタートから中級者まで「ちょうどよい」ギターだと言えます。中国の提携工場で生産されますが、現場には熟練した職人が派遣されており、品質の維持に努力しているそうです。

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実売価格:¥30,000近辺

Grassroots G-SEシリーズ

GrassRoots G-SE-4 GrassRoots G-SE-4

「グラスルーツ」はESP傘下のブランドで、本家ESPモデルの廉価版や伝統的なギターのコピーモデルを生産しています。基本モデルのG-SE-50はキャンディーアップルレッドや3トーンサンバーストといった定番カラーに加え、ピンクやソニックブルーなど攻めたカラーもラインナップされています。アップグレード版のG-SE-58は、超絶プレイを支えるスキャロップ指板仕様にアレンジされたラージヘッドのモデルです。

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Squier Stratocasterシリーズ

Squier Stratocaster

いよいよ「ストラトキャスター」と名乗るモデルの登場です。「スクワイア」はフェンダー傘下のブランドで、時代ごとの特徴を捉えたトラディショナルなモデル、時代の流行に沿った現代的なモデル、アレンジが施されてエッジの効いているモデルなど様々なストラトキャスターがあります。高級路線は本家フェンダーに任せ、こちらのスクワイアではだいたい5万円を超えない価格帯までのものまでがラインナップされています。

スクワイヤーのストラトキャスター:徹底比較!


Ibanez AZESシリーズ

Ibanez AZES

エレキギター大手 Ibanez(アイバニーズ)からリリースされたAZESシリーズは、これからギターを始める人に向けて「楽器としての音の良さや弾きやすさ、また扱いやすさまで考え抜き、かつ手に入れやすい価格」を達成した新発想のギターです。ジャンルや現場を選ばないルックスとサウンド、あらゆる演奏にチャレンジできる演奏性が共存。ちゃんとした木材で作る、ちゃんとした楽器に仕上がっています。

《ギタリストへの扉が開く》Ibanez「AZES」シリーズ


YAMAHA Pacifica 100シリーズ

YAMAHA Pacifica

Pacificaシリーズは、YAMAHAが提供するストラトタイプを基本としたエレキギターのラインナップで、1990年の登場から長い歴史を持つモデル。フロントとミドルにシングルコイル、リアにハムバッカーという「SSH」のピックアップ配列を基本とし、「どんな音楽にも対応できるオールマイティ」がコンセプトのギターです。ベーシックグレードとなる「100シリーズ」は、もっとも低価格でありながら、ボディにはアルダー、指板にはローズウッドを用いた本格的な木材構成です。これから始める人の最初の一本としても、経験者のサブとしても良好です。

世界中で愛されるYAMAHA「PACIFICA」シリーズの魅力


実売価格:¥50,000~¥80,000近辺

この価格帯になると、ブランドによっては国内で生産されるものが出てきます。国外生産であっても作り/仕上げが丁寧になり、また音も良くなってくることから、プロミュージシャンの使用に耐えることも充分可能になってきます。

Bacchus Global Series(BST-650R)

Bacchus GC-007 Bacchus GC-007

バッカスの「グローバルシリーズ」は、フィリピンにある自社工場で国内同様の工程を踏んで生産されます。日本から派遣される熟練工の管理により実現できる、国産に迫るクオリティが売りです。こちらのBST-650Rは、ヴィンテージ感を大事にしながらも随所に現代的なアレンジを施すほか、ピックアップの磁石にハイエンドモデル同様のアルニコVを使用しており、しっかりとしたトーンを引き出すことができます。

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Greco WS-STD/WS-QT

WS-QT WS-QT

国産ブランド、グレコの初心者向けラインナップ「WS」シリーズのストラト・タイプ、WS-STDでは、非常に豊富なカラーラインナップから好みの一本を選ぶことができます。オーソドックスなストラトキャスターに比べて細身で握りやすいネック/小ぶりなボディとなっているなど、小柄な人でも抱えやすい/握りやすいように配慮されています。また様々なジャンルに対応できるようにピックアップがSSH配列になったモデル「WS-STD SSH」など、バリエーションも豊富です。

Greco WS-STDについてもっと詳しく

HISTORY Performanceシリーズ

HISTORY Performance

島村楽器がプロデュースする「HISTORY」の中でも、手に入れやすい価格に抑えた「パフォーマンス(Performance)シリーズ」。同ブランドの入門機という立ち位置ながら、長く愛用できる品質はそのまま。伝統的なスタイルのルックスですが、楽器として弾きやすいよう随所にこだわりが詰まっており、サウンドはボカロ系など打ち込みトラックとも相性の良いキャラクター。見た目以上のオリジナリティを持ったギターとして仕上がっています。

《ボカロ系/打ち込みトラックとも相性抜群!こだわりの詰まったギター》HISTORY Performanceシリーズ

「Made In Japan」シリーズのストラトキャスター

Fender Japan Classic 60s Strat Classic 60s Strat

「Made In Japan」シリーズは、フェンダーの新シリーズとして2017年に登場した日本製フェンダー・ストラトキャスターで、メイド・イン・ジャパンの高い品質を兼ね備えたモデルです。

  • Made In Japan Traditional:伝統的なスタイル
  • Made In Japan Hybrid:伝統的なスタイルにモダンな弾き心地

という2つのラインナップから計16モデル/80種類のカラーが用意されるなど、非常に充実したラインナップを誇りますので、おそらく好みのストラトに巡り会えるでしょう。「Made In Japan Hybrid」シリーズのモデルの中には市場価格で10万円を超えるものも含まれており、それに見合った高い品質を保持しています。2本目のギターとしても適したストラトと言えるでしょう。


フェンダー・ジャパン製ストラトキャスターをギター博士が弾いてみた!

メイドインジャパンのフェンダー・ストラトキャスター徹底分析!

Fender Standard Stratocaster

fender-mexico-standard-strato

ここでようやくフェンダーのメキシコ工場で生産される「Standard」シリーズの「本家USA」ストラトキャスターが射程圏内に入ってきます。「Standard」シリーズでは

  • Standard Stratocaster
  • Standard Stratocaster Left-Hand:左利きモデル
  • Standard Stratocaster Plus Top:フレイム・メイプルのトップ材を使用したモデル
  • Standard Stratocaster Plus Top Left-Hand:フレイム・メイプル・トップの左利きモデル
  • Standard Stratocaster HSH:ピックアップがハム・シングル・ハム配列
  • Standard Stratocaster HSS:ハム・シングル・シングル配列
  • Standard Stratocaster HSS Plus Top:フレイム・メイプル・トップのHSS配列
  • Standard Stratocaster HSS with Floyd Rose:フロイドローズ搭載のHSS配列
  • Standard Stratocaster Plus Top with Floyd Rose Tremolo:フレイム・メイプル・トップ、フロイドローズ搭載のHSS配列
  • Standard Stratocaster HH:ハムバッカー2基のモデル

と実に幅広いラインナップが揃っています。ピックアップがHHやHSH配列は他のラインナップにはなかなか見られない、このラインナップならではのユニークなモデルとなっています。

メキシコで作られるフェンダー・ストラトキャスター徹底分析!

憧れの本家フェンダー・ストラト、その他

本体実売価格:¥100,000〜¥200,000近辺

Made In Japan Traditional 60s Stratocaster GOLD HARDWARE

この価格帯になると、フェンダー社では

を手に入れることができます。


Providence dS-201RSVを弾いてみた!

また他社メーカーからも

など、ストラトキャスターをルーツとしながらもしっかりと個性を打ち出したエレキギターが登場しています。

本体実売価格:¥200,000〜

この価格帯から、ようやく本家フェンダー・コロナ工場で作られるアメリカン・シリーズのストラトキャスターの中でも

といった堂々たるストラトキャスターが手に入るでしょう。さらに手を伸ばせば最高峰であるフェンダー・カスタムショップ製のストラトキャスターを手に入れることができます。

サンバーストのストラト・タイプ Freedom Csutom Guitar Research のストラト・タイプ


ハカセって楽器店の試奏でどんなフレーズ弾くの?《ギター選びのポイント》
ギターはFREEDOM CUSTOM GUITAR RESEARCH S.O.ST MIPL.Ash1P Plaved Finish

また他社からも

といった、ストラトキャスターをルーツとしたミドルエンド/ハイエンド・ギターを手にすることができます。

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