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Gretsch G6118 Anniversaryについて

Gretsch G6118 Anniversary G6118T Players Edition Anniversary

グレッチの「G6118 アニバーサリー」は、グレッチ設立75周年を記念してリリースされたギターです。とはいえ、この年にしか製造されなかったというわけではありません。生産はその後も存続し「アニー(Annie)」の愛称で長らく親しまれ、近年では新しいモデルも発表されています。今回は、このG6118アニバーサリーに注目していきましょう。


Gretsch 2016 Players Edition G6118T Anniversary Demo
ルックスはそのままに、現代的な機能をもりもり盛り込んだ「プレイヤーズ・エディション」。グレッチの「あの音」が、しっかり出ます。

1958年、「アニバーサリー」登場

G6118T Players Edition Anniversary:ヘッド G6118T Players Edition Anniversary:ヘッド部分

G6118 アニバーサリーは「グレッチ設立75周年」記念モデルですが、50周年でも70周年でもなく、なぜ「75周年」なのでしょうか。グレッチの歴史において「1958年」は、とても意味のある年だったのです。

この年、1958年は、

という年でしたが、この中でも今なお愛される「フィルタートロン」の登場は、グレッチ史上最大級の出来事だったと言っても過言ではありません。それ以前のピックアップはディアルモンド社製「ダイナソニック」すなわち社外品でした。当時のグレッチは「エレクトリックギターのメーカーでありながら、サウンドの中核であるピックアップは他社に依存していた」という状況にあったのです。フェンダーギブソンしかり、リッケンバッカーモズライトダンエレクトロしかり、50年代当時の代表的なエレキギターメーカーは、おしなべてオリジナルピックアップを持っていました。

満を持して登場した「フィルタートロン」ピックアップは、グレッチがエレクトリックギターメーカーとしてのアイデンティティを確立する、大きなきっかけとなりました。グレッチとしては、記念モデルを作りたくなっちゃうくらいに嬉しかったわけです。

発表当時の「アニバーサリー」

1958年から生産された「アニバーサリー」には、いくつかのバリエーションがありました。

  • G6117:サンバースト
  • G6118:スモークグリーン塗りつぶし

という2色があり、また

シングル・アニバーサリー フロントにフィルタートロン1基。操作系はマスターボリュームとトーンスイッチ
ダブル・アニバーサリー フィルタートロン2基。操作系は両ピックアップボリューム、マスターボリューム、トーンスイッチ

表:アニバーサリーの二つの電気系

というように、電気系にも2種類ありました。「スモークグリーン」は、米国高級車「キャディラック」のカラーリングから着想したと伝えられています。

この時代のアニバーサリーは「プロモーション価格」で販売するため、

  • ローズ指板
  • ビグスビー非搭載
  • クローム(シルバー)パーツ
  • 塗りつぶし塗装

で、それ以外ほぼ同仕様のG6120 ナッシュビル(エボニー指板、ビグスビー装備、ゴールドパーツ、シースルー塗装)などより低価格で取引されていました。60年代にはピックアップが「ハイロートロン」に変更されましたが、これもフィルタートロンから生まれたピックアップです。のちに指板がエボニーになるなど、時代ごとにさまざまな姿になっているようです。


Gretsch G6118T-60 Vintage Select Edition ’60 Anniversary™ Hollow Body with Bigsby®
ハイロートロン・ピックアップならではのキュッとした音がセクシーですね。21フレット仕様なので、指板とフロントピックアップの間に隙間があいているのもルックス上のポイントです。

G6118 アニバーサリーのラインナップ

それでは、G6118 アニバーサリーのラインナップを見ていきましょう。現在生産されているアニバーサリーはG6118 ダブル・アニバーサリーの末裔で、ボディトップとサイド&バックでカラーの異なる「2トーン・カラー」となっているのが特徴です。当時はビグスビーが後付けされるカスタマイズが多かったこともあり、現代のアニバーサリーではビグスビーが標準装備されます。また、

  • ネック:弦長6インチ(625mm)、指板R12インチ(305mm)、メイプルネック
  • ボディ:ボディ幅16インチ、メイプル合板製

というようにだいたいの寸法と仕様はG6120ナッシュビルと共通していますが、塗りつぶしカラーとクロームパーツを採用しているという点で、ナッシュビルよりも価格が抑えられています。

Players Editionシリーズ

G6118T Players Edition Anniversary with String-Thru Bigsby

G6118T Players Edition Anniversary

G6118T Players Edition Anniversary;ボディバック

  • イリジウム・シルバーのトップ、アズール・メタリックのサイド&バック

G6118T-LIV Players Edition Anniversary

G6118T-LIV

G6118T-LIV:ボディバック

  • ロータス・アイボリーのトップ、チャコール・メタリックのサイド&バック

G6118T-SGR Players Edition Anniversary

G6118T-SGR

G6118T-SGR:ボディバック

  • スモーク・グリーンのトップにダーク・スモーク・グリーンのサイド&バック

3色の「G6118 アニバーサリー」は、代表機を現代的にアレンジする「プレイヤーズ・エディション」のフォーマットにのっとり、

  • ボディ厚25インチ:約571mm。グレッチのホロウとしてはちょっと薄め。
  • MLブレイシング:1959年式トレッスル・ブレイシングから、トップの振動を強化
  • ビグスビーと相性の良いロッキングバーブリッジ、エボニー製の土台をボディトップにピン留め
  • ロック式ペグとストリングスルー・ビグスビーにより、弦交換の時間短縮とチューニング安定度の強化を両立。
  • 「トレブルブリード」回路と「ノーロードトーン」ポットによる、音抜けの向上
  • シルキーな高音域が味わえる「Squeezebox(スクイーズボックス)」トーンコンデンサ

といった各種機能が付けられています。特に「ストリングスルー・ビグスビー」は革命的とも呼べる発明で、ビグスビー最大のやっかいごとだった弦交換が、飛躍的にスムーズになります。

G6118T-SGR:ボディ スモークグリーン・カラーのG6118T-SGRのボディ

G6118 アニバーサリーと言えばの定番色「スモークグリーン」、グレッチの他モデルで盛んに採用された「ロータス・アイボリー」は、グレッチとしてはなじみ深いカラーリングです。新たに加わった「イリジウム・シルバー」はドイツの高級車「メルセデス・ベンツ」の代表色で、これまでの「キャディラックっぽさ」へのこだわりが方向転換したようです。

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Vintage Select Editionシリーズ

G6118T-60 VS Vintage Select Edition ’60 Anniversary

G6118T-60 VS

  • スモーク・グリーンのトップにダーク・スモーク・グリーンのサイド&バック

75周年モデルは1970年代まで生産され、その時その時の仕様変更を受けてきました。60年代はシングルコイル「ハイロートロン」ピックアップが採用されたことが大きな変更点です。ヴィンテージセレクト・エディションからリリースされた「G6118T-60 VSアニバーサリー」は、この時代の仕様を再現したモデルです。

1959年式トレッスル・ブレイシング採用のボディは、定番色の淡いスモークグリーンと濃いスモークグリーンに塗り分けられます。TVジョーンズ社製「Hilo’Tron」シングルコイルが備えられ、スクイーズボックス・トーンコンデンサとの組み合わせで暖かみのある低域、煌びやかでシルキーな高域を共存させています。

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135周年モデル

G6118T-135 Players Edition 135th Anniversary with Bigsby

G6118T-135

  • カジノ・ゴールドのトップ、ダーク・チェリー・メタリックのサイド&バック

G6118T-135「135th アニバーサリー」 は、2018年に135周年を迎えたグレッチのアニバーサリー・モデルです。

  • 標準的なボディ厚5インチ(63.5mm)
  • 1959年式トレッスル・ブレイシング
  • サイド&バックの色調に合わせたピックガードとベゼル(ピックアップの枠)

といった特徴があり、現代的な装備であるピン留めブリッジベース、ロック式ペグ、ロッキングバーブリッジ、ストリングスルー・ビグスビー、トレブルブリード回路、ノーロードトーンポット、スクイーズボックス・トーンコンデンサは、プレイヤーズ・エディションのフォーマットに準じています。

G5420TG Electromatic 135th Anniversary LTD Hollow Body Single-Cut with Bigsby

G5420TG Electromatic

  • ダーク・チェリー・メタリックのトップ、カジノ・ゴールドのサイド&バック

Gretsch Electromaticシリーズ版「135th アニバーサリー」は、プレイヤーズ・エディション版と反転させたカラーリングに遊び心を感じさせる限定モデルです。真っ黒な指板材は「Compressed Ebony(圧縮したエボニー)」とのことなので人工素材のようですが、それでもゴールドパーツと相まって、プレイヤーズ・エディション版を凌ぐ高級感を放ちます。

ブリッジは「アジャストマチック」なのでオクターブ調整が利き、マスターボリュームには「トレブルブリード」回路が内蔵されます。

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130周年モデル

G6118T-LTV 130th Anniversary™ Jr.

G6118T-LTV 130th

  • 左用あり。ブラックのトップ、ゴールドのサイド&バック

グレッチ創立130周年を記念した「G6118T-LTV 130th アニバーサリー・ジュニア」は、ボディ幅を14インチまで縮小した、抱えやすいサイズのフルアコです。伝統的な設計を進化させた「MLブレイシング」で生鳴りを向上させ、またTHジョーンズ社製「PowerTron」ピックアップを備え、フィルタートロン特有の輝きのあるサウンドに、押しの強い中域と高い出力を獲得しています。

ブラックとゴールドというボディのカラーリングは、USAカスタムショップ製の「130thアニバーサリー(後述)」を反転させています。金属パーツはクロームですが、ピックガードはサイド&バックの色調に合わせてゴールドが採用されています。

G6118T 130th Anniversary

  • ゴールドのトップ、ブラックのサイド&バック

「G6118T 130th アニバーサリー」は、グレッチ130周年を記念してUSAカスタムショップで製造された記念モデルです。気になるお値段は120万円を上回る、強烈なプレミアム感です。

ギター本体の仕様は、レギュラーモデルよりちょっと抑えたボディ幅15.5インチ、標準的なボディ厚2.5インチ、トレッスルブレーシングを採用したボディ、エボニー指板を持つ3層のメイプルネックです。3層のメイプルネックは単層より強度が上がり、硬質なエボニー指板と相まって硬質でクリアなサウンドを生みます。また、ヘッドとピックガードに特別なデザインのロゴが入り、真珠貝のサムネイル・インレイが涼しく輝きます。

ピックアップにはグレッチの高級機では定番のTVジョーンズ社製「Filter’Tron Classic」を搭載、ワニ革を模した専用130周年ハードケース、レザーストラップ、刺繍入りバッグ、カスタムショップ所属のスティーブン・スターン氏のサイン入り認定証が付属します。

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以上、G6118 アニバーサリーをチェックしていきました。グレッチは120周年以降、5年おきに記念モデルをリリースしています。レギュラーモデルはちゃんと日本製でありながら、お値段も若干抑えめで、グレッチを試してみたいという人にうってつけです。ショップで見かけたら、ぜひ手にとってみてください。