《生産完了》Fender American Special Telecaster

[記事公開日]2018/12/7 [最終更新日]2022/4/5
[編集者]神崎聡

American Special Telecaster

「アメリカン・スペシャル・テレキャスター」は、メイドインUSAのクオリティを多くの人に体験してもらうべく、

  • 初心者から上級者までお勧めできる演奏や操作のしやすさ
  • 定番ど真ん中の間違いないサウンド
  • 比較的手に入れやすい価格帯

といった条件を満たすギターとして開発されました。とはいえ安いギターかと言えばそうではなく、品質は下げずに設計をシンプルにすることで価格を下げたものですから、上位機種「プロフェッショナル」と比べても2万円程度の価格差にとどまっています。
「エリート」や「プロフェッショナル」が新しさを強調しているのに対し、「スペシャル」は現代のテレキャスターとして比較的シンプルに、オーソドックスなスタイルで仕上げられています。カラーリングにはサンバースト、ヴィンテージ・ブロンドの定番色に加え、レイクプラシッド・ブルーが加わっています。それでは、アメリカン・スペシャル・テレキャスターをチェックしていきましょう。

American Specialシリーズは2019年に生産完了し、後継機種としてAmerican Performerシリーズが登場しています。
《トラッドな最新兵器》Fender American Performer Telecaster


Fender American Special Telecaster Sound test
ハイゲイン、クリーン、オーバードライブの3つの設定でとにかく弾きまくっています。歪ませた時のザクザク感に、ハムバッカーとは違ったキレのようなものがありますね。キャリキャリのクリーンも特徴的です。

アメリカン・スペシャル・テレキャスターの特徴

ギター本体と外観

American Special Telecaster:ボディ・バック コンター加工は施されない(カラーはLake Placid Blue)

ギター本体はアルダーボディ、メイプルネック、ボルトオン4点留め、というベーシックな仕様で、コンター加工やヒールカットなど、こざかしい処理は施されていません。脇腹や右肘に対してボディのエッジがしっかり立ち、ジョイント部分がしっかり四角いのが、テレキャスター本来の姿です。

ヘッドのロゴは1968年から採用された「モダンロゴ」で、太めの文字が金色で縁取られています。ジミ・ヘンドリクス氏やリッチー・ブラックモア氏らが愛用したフェンダーのギターにはこのロゴが付けられていたこともあり、70年代を象徴する意匠になっています。

ネック

American Special Telecaster:ネック

オーソドックスな「C」シェイプのグリップは、「モダンC」や「ディープC」と比べると若干細身になっています。現在では「細ければ弾きやすい」という考え方が見直されてきていますが、グリップが細ければ、手の小さい人でも「D on F#」など、親指で6弦を押さえるようなコードに挑戦しやすいというメリットがあります。

9.5インチRの指板には、ジャンボフレットが打ち込まれています。フレットが大きいと弦を押さえるための圧力を軽減できて、弾きやすくなります。
トラスロッドはヘッド側に開口していますから、ネックを着脱することなくネック調整できます。

電装系

American Special Telecaster:ボディ

ピックアップにはカスタムショップ製の「テキサス・スペシャル」が採用されています。テキサス・スペシャルは頼もしい音量、引き締まった低音域、存在感のある中音域、澄み渡る高音域を特徴とする、「フェンダーピックアップの名機」です。「ジャパン・エクスクルーシブ」のテレキャスターに搭載される例があるほか、メキシコ工場で作られるテレキャスターにもメキシコ版の「TEX-MEX」が使用されることからも、その名機ぶりをうかがうことができます。なお、テキサス・スペシャルはポールピースの高さに違いを設けている「ランダム・ポールピース」仕様となっており、ポールピースの高さが揃えてある「エリート」の第4世代ノイズレス、また「プロフェッショナル」のV-Modと一味異なる雰囲気を持っています。

トーン回路は「グレースバッカー・トーン・サーキット」が採用されています。トーンを絞ると高音域が削られますが、そのぶん低音域ばかりが際立ってしまうと音楽的に使いにくいサウンドになってしまいます。「グレースバッカー回路」は低音域にも変化を加えることで、トーンを絞っても泥臭くなりすぎず、使いやすいサウンドが得られます。

金属パーツ

American Special Telecaster:ペグ

ペグとブリッジには、シンプルかつオーソドックスなものが採用されています。ペグは堅牢なロトマチック・ペグで、ブリッジはクラシカルな雰囲気を持つブラス製3連サドル仕様となっています。

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