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PRS SEシリーズってどうなの?特徴やライナップを調べてみた

PRS SE Custom 24

ポールリードスミス(以下、PRS)は創業1985年と後発ながら、今やフェンダーとギブソンに比肩するエレキギターの代表的ブランドとして知られています。音の良さや弾きやすさ、そして何より「造形美」を感じさせる製品群は、これまで多くのギタリストをサポートし、スミソニアン博物館をはじめとする多くの博物館に収蔵されたこともあるほどです。PRSの名手としては、海外ではカルロス・サンタナ氏、オリアンティ氏、ジョン・メイヤー氏ら、国内ではToru氏(ONE OK ROCK)、 新藤 晴一氏(ポルノグラフィティ)、中川翔子氏らが挙げられますが、ほかにも愛用者は枚挙にいとまがありません。ラインナップのすべてが良質な木材をおしみなく使い、ギター本体やピックアップ、また金属パーツなど部品の細部に至るまで研究された、「世界のギタリストの憧れの的」と呼ばれるに相応しい高級ギターとなっています。

PRSは現代の「憧れのギター」の一つになっていますが、それゆえ簡単には入手することができませんでした。この状況を見たカルロス・サンタナ氏が、創業者ポール・リード・スミス氏に「学生でも手に入れられる低価格で、PRSの高品質が味わえるギターが作れないか」と提案したことから、PRSのギターを少しでも多くのギタリストに楽しんでもらおうと2001年に廉価版「SE」シリーズが発表されました。廉価版とはいえ美しいたたずまいや演奏性、機能性、そしてサウンドはまさにPRSそのもので、「10万円近辺で手に入れられる最良の選択」の一つとして知られています。

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1: PRS SEの特徴 1.1: ギター博士が弾いてみた「PRS SE Custom24」 2: SEと上位のギターでは、どう違うの? 2.1: 1)木材の比較 2.2: 2)パーツの比較 3: PRS SEのラインナップ 3.1: 2018年モデル 3.1.1: SE Standard 24 Multi-Foil 3.1.2: SE SVN 3.1.3: SE Chris Robertson 3.1.4: SE Custom 24 Exotic Veneers 3.1.5: SE Custom 24 Lefty 3.1.6: SE Santana Standard、SE Standard 24、SE 245 Standard 3.2: 2017年モデル 3.2.1: SE Custom 3.2.2: SE Standard 3.2.3: SE 245 3.2.4: SE Baritone 3.2.5: SE Signature 3.3: 2017年以前のラインナップ 3.3.1: SE Custom 24シリーズ 3.3.2: SE Torero 3.3.3: SE245シリーズ 3.3.4: その他のシグネイチャーモデル


Orianthi – Courage ft. Lacey
PRSの女傑として名高いオリアンティ氏。かのマイケル・ジャクソン氏の背後に立った最後のギタリストとしても知られていますが、ウデも美貌もあり、そして何よりPRSが良く似合っています。

PRS SEの特徴

prs-se-headSE Custom24のヘッド

  • ペグはロック機能のない通常のもの
  • アーチトップはなく、フラット(平ら)トップかベベルド(ボディの角を斜めにカット)トップ
  • 人件費の安い国に製造を委託する

などコストダウンへの工夫が重ねられましたが、

  • ピックアップやブリッジなど、ほとんどのパーツがPRS設計によるもの
  • 中毒性のあるネックグリップやバランスのよいボディなど、楽器本体の形状は本家を踏襲
  • ほとんどのモデルでコイルタップが採用され、サウンドバリエーションが豊富

というPRSらしさをしっかり残しています。

コストダウンのためのフラットトップやベベルドトップがこれまでのPRSになかった個性と認められ、また廉価版であり入門機でありながらも調整次第でプロの使用にも耐える品質があり、SEは一気に人気機種となって現在では豊富なバリエーションを展開しています。
標準グレードであるコア・モデルとSEシリーズとの間に位置するグレードであるS2にもベベルド・トップは採用されていますが、SEのボディトップは左右対称に近いカット、対するS2は6弦側が緩やかで1弦側が急角度にカットした非対称のトップを採用しており、ここでもグレードに応じて異なるキャラクター設定がなされています。

ギター博士が弾いてみた「PRS SE Custom24」

使用機材

  • PRS SE Custom24

    エレキギター

    PRS SE Custom24

  • Ditto LooperMad Professor Golden Cello

    エフェクター

    TC Electronic Ditto Looper, Mad Professor Golden Cello

  • BlackStar HT-5R

    アンプ

    BlackStar HT-5R

clear

ギター博士「この価格とは思えんほどの見た目、音、機能性じゃ!カラーも色々あって選ぶ楽しみも増えるワイ!博士は今回は敢えてルーパーやファズ、ドロップDチューニングなどを使って弾いてみたゾイ!」

clear

六弦かなで「ブルーの色がカッコいくて、なんか博士がいつもと違ってみえるぅ〜!他にも赤とかピンクの色とかもあってやばああああ!」

サウンド評価

上品なクリーントーン、鳴りも良くニュアンスもしっかり出ます。歪ませてリッチなギターソロを弾くのにもバッチリ、音の粒が揃っているのでヘヴィなリフを弾くのにも最適です。

PRS SE Custom24

サムネイルをクリックして拡大
  • PRS SE Custom24 の全体画像
  • PRS SE Custom24 のブリッジ周り
  • PRS SE Custom24 のフレット・インレイ
  • PRS SE Custom24 のヘッド
  • PRS SE Custom24 のボディ裏

女性でも弾きやすいモデル
ネックも薄めで握りやすく、ボディも軽い、24フレットまであるためハイ・ポジションでも弾きやすいように作られています。
カラーバリエーションも豊富で、従来のギターにはあまり見られなかったピンクや赤などの派手な原色系カラーがラインナップしているので、女性にも選びやすいエレキギターです。

10万円以下でしっかりとしたギターを探している人に最適なモデル
ステューデントモデルという表記ながらも、パーツ・ピックアップ全て自社製品を使用するなどこだわりの仕上がりに。
ハムバッカー/シングルコイル両方のサウンドが出せることから、幅広い音作りにも対応。
しっかりとした作りで実践(ライブ)にも対応でき、初心者〜中級者まで十分に楽しんで弾き続けられるクオリティのエレキギターです。

PRS SE Custom24

  • メーカー:ポールリードスミス
  • ボディ:メイプルトップ/マホガニーバック
  • ネック:メイプル、Wide Thin
  • 指板:ローズウッド
  • フレット数:24
  • スケールの長さ:25″
  • ブリッジ:PRS デザイントレモロ
  • ピックアップ:SE HFS Treble/SE Vintage Bass
  • ピクアップスイッチ:3way トグルスイッチ
  • コントロール:1ボリューム、1トーン
  • ケース:専用ギグバッグ付属
  • カラー:Pink, Black, Orange, Gray Black, Whale Blue, Emerald Green, Gold Metallic, Tortoise Shell, Vintage Yellow, Cherry Sunburst, Tobacco Sunburst, Red Sparkle, Sapphire, Blue Matteo, Purple Burs, Scarlet Red, Trampas Green, Natural

SE Custom 24を…
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SEと上位のギターでは、どう違うの?

実験的なモデルやアーティストモデルなどラインナップも幅広く、もはやPRSの主力商品と呼んでしまってもいいのではないかとさえ感じられる「SE」シリーズですが、これらは上位の機種とはどのように違うのでしょうか。PRSの主軸である「カスタム24」を3つのグレードで並べてみましょう。カスタム24は、美しいフィギュアドメイプルをボディトップにあしらい、24フレットの指板、オープンタイプのハムバッカー、自社開発の高性能トレモロユニットを備え、コイルタップを絡めたサウンドバリエーションを持つ高機能モデルです。

PRSについてはグレードの上を見ていくとキリがありませんから、頑張ってお金を貯めるにしても以下の3つのグレードが現実的な選択です。

3つのCustom24 上から:SE Custom 24 Tobacco Sunburst
Custom 24 Charcoal Burst
S2 Custom 24 Whale Blue

モデル名 グレード 概要と、だいたいの売価
SE Custom 24 我らが「SE」シリーズ アジアで作られる求めやすい価格のモデル。だいたい8万円近辺。
Custom 24 標準機「Coreモデル」 だいたい40万円近辺。高級ギターブランドの標準は、やはり高額です
S2 Custom 24 中堅機種「S2」 SEとCoreモデルの間に位置するメイドインUSA。だいたい15万円近辺。

表:これから比べる3つのカスタム24

SEを他のブランドの低価格モデルと比較して、「高いなぁ」と感じたことのある人は多いのではないでしょうか。しかし、もともとPRSは「高級ギターブランド」なのです。SEは低価格化にものすごく頑張ったのだということが、この表から感じることができます。Coreモデルのカスタム24では、「10トップ」という上位モデルになるとさらに10万円以上値上がりします。

1)木材の比較

では、PRSが非常に強くこだわっているボディトップの比較を試みてみましょう。

SE Core S2
トップ材 薄いフレイムメイプルを貼りつけたメイプル フィギュアドメイプル メイプル
削り 外周をほんのり削る グラマラスなカーヴィング(削り) 平面も残るが、SEよりも立体的
カラーリング 4色 17色 5色

表:カスタム24のボディトップ比較

SEではメイプルのトップ材に、化粧板としてフレイムメイプルを貼りつけています。高価なフレイムメイプルを節約しながら、メイプルトップの音響特性も実現する工夫です。CoreとS2ではメイプルの無垢材が使用されています。

「フィギュアド(Figured)」は「模様がある」という意味で、「フィギュアドメイプル」はフレイム(カーリー)メイプルとキルテッドメイプルの総称として使用されます。S2のトップ材にも模様はありますが、Coreとはグレード差が付けられているようです。ちなみに公式サイトではS2のトップ材に対し、ハッキリ「Maple」とだけ表示されています。「ウチではこの程度の模様をフィギュアドとは呼びません!」と言っているようで、PRSの木材に対するプライドを強く感じさせます。

3つとも異なるトップの立体加工

美しさを演出するトップの加工には、大きな違いがありました。3機種とも立体的な加工が施してはありますが、Coreでは平面がほとんど残っていないかのような削り込みによって流麗な曲面が作られており、S2では外周を大きく削り、SEではほんのり削っていて平面部分が多く残っています。こうした加工のサウンドへの影響はハッキリと分かりにくいところですが、削り込みが多い方が高級感を感じさせますね。またどこまで深く加工するかで、製造の手間やそれにかかる人件費に違いが出てきます。カラーリングを絞ることも、価格を抑える一つの工夫です。カラーバリエーションについてはCoreが他を圧倒していますが、SEでは頻繁に限定カラーモデルがリリースされています。

続いて、ボディトップ以外のウッドマテリアルもチェックしてみましょう。

SE Core S2
ボディ マホガニー マホガニー マホガニー
ネック メイプル マホガニー マホガニー
ネック仕様 Wide Thin、
セットネック
Pattern Regular or Pattern Thin、
セットネック
Pattern Regular、
セットネック
ヘッド 塗りつぶし ローズウッドの化粧板 塗りつぶし
指板 ローズウッド ローズウッド ローズウッド

表:カスタム24の木材比較

3機種とも、ボディ材は共通してマホガニーを採用しています。ネック材はSEのみメイプルです。Coreでもボルトオンジョイントモデル「CE」ではメイプルネックとなっていますが、カスタム24ではマホガニーがネック材の基本です。ネックグリップにも違いが出ていますが、S2はCoreと同じ工場で生産しているだけあって、共通するグリップが採用されています。グリップの名称に違いがあってフィーリングにも若干の違いがあるのは事実ですが、カスタム24のネックは共通してスリムで握りやすいのが特徴です。そのほかのモデルでは、存在感のあるラウンドグリップが採用されることもあります。

ヘッドの意匠はギターの「顔」となる重要部分です。Coreでは指板と同じローズウッドを貼りつけ、ブランドロゴのインレイが打ち込まれています。SEとS2では、塗りつぶしのヘッドにブランドロゴが印刷されています。

違いの大きいネック

サウンドに関係する重要個所としては、ネック材が大きな相違点となっています。メイプルはマホガニーに比べて材費も比較的安く、「ギターのネックになるために生えている」とまで言われるほどに理想的なネック材です。不注意でギターを転倒させてしまっても、そうやすやすとは折れないほど頑丈です。そのため、くっきりはっきりとしたサウンドになりやすい傾向にあります。マホガニーは比較的やわらかい木材で、倍音を多く含む豊かな鳴り方をします。

PRSの代名詞でもある「バードインレイ」にも、グレード差が出ています。SEとS2では単色でシルエットのみのバードインレイですが、Coreでは外周のホワイトと内部のアバロンの2重のインレイになっています。

2)パーツの比較

PRSは自社開発のパーツを多く使用するのが基本で、それはたとえ廉価版であっても変わりません。3機種に搭載されているパーツを比べてみましょう。

SE Core S2
ブリッジ PRS Patented Tremolo, Molded PRS Patented Tremolo, Gen III PRS Patented Tremolo, Molded
ペグ PRS SE Tuners PRS Phase III Locking PRS Low Mass Tuners
ピックアップ 85/15 “S” 85/15 85/15 “S”
電気系 3Wayセレクタ、1V、トーンポットによるコイルタップ 5Wayセレクタ、1V1T 3Wayセレクタ、1V、トーンポットによるコイルタップ
コントロールノブ スピードノブ ギザギザが刻まれたスピードノブ ギザギザが刻まれたスピードノブ

表:3つのカスタム24、パーツ比較

PRS社はシンクロナイズド・トレモロユニットを出発点とし、チューニングの安定を強化、かつアーミング時の戻りの良さを向上させたブリッジの構造で、特許を取得しています(「Patented」は「特許を取得している」という意味です)。3機種全てのブリッジにその構造が活かされており、年々ブラッシュアップされている最新式がCoreモデルに投入されます。また、CoreとS2ではロック式ペグが採用されていますが、SEでは不採用となっています。

ピックアップについては3機種とも「85/15」のモデル名が付いており、基本的に共通です。この数字は「1985年に生産されたPRSのピックアップを、2015年に再現した」という意味があります。1985年はPRSのデビューイヤーで、この年に発表された20本のギターには歴史的価値があります。Coreのピックアップをベースに、SEとS2では価格を抑えたものが採用されているようです。しかし、「SEとS2でピックアップは共通している」、という意外な結果でした。

コイルタップを絡めた配線

電気系については、SEとS2は共通してトーンポットに仕込んだスイッチの操作でコイルタップができます。これによりハムバッカーを2基備えるギターと、シングルコイルを2基備えるギターとをスイッチ一つで持ち替えることができるわけです。「レスポールのハムバッカーは魅力だが、ストラトのシングルコイルも捨てがたい」という、一つに絞れない人にはうってつけの設計です。またこれから上達していこうという人にとっては、二種類のピックアップの違いを体験的に学べるのは、大きなメリットだと言えるでしょう。

いっぽうCoreでは5Wayセレクタを利用して、コイルタップを絡めた特殊配線が採用されています。これにより通常の2ハムバッカーのサウンドに加え、

  • 1) フロントのシングルコイル+リアハムバッカー
  • 2) 前後両シングルコイルのミックス

という組み合わせができます。特にリアハムバッカー+フロントシングルという組み合わせは未改造のSEやS2では不可能ですが、逆にCoreではフロントシングル単体およびリアシングル単体というサウンドを出すことができず、あくまでコイルタップはハムバッカーサウンドのバリエーションだ、という位置づけのようです。

また地味なところですが、CoreとS2のコントロールノブには、滑り止めのギザギザが刻まれています。


Custom 24 Demo | PRS Guitars
「Core」のカスタム24は、5Wayセレクタで特殊な組み合わせも選択できる配線になっています。多機能ですが、「二つのハムバッカーで可能なすべての組み合わせが出せる」というものではありません。ハムバッカーサウンドを軸に、この5種類があればたいがい何とかなる、という音楽的に選択された組み合わせが絞られているわけです。


以上、3つのカスタム24の仕様を比較してきました。ギターそれぞれの品質や感触はこれだけでは比較しにくいものですが、SEシリーズが価格的にかなり頑張ってること、また機能性が十分にあることがわかりますね。SE Custom 24は、

  • 現実的な価格で、ちゃんとしたギターが欲しい
  • ストラトの繊細なサウンド、レスポールのパワフルなサウンド、そのどちらも欲しい

という人に強烈におすすめできるギターです。初心者用ギターとしてはちょっと高額な印象を持たれるかもしれませんが、これから長い付き合いになる相棒だと考えれば、それにふさわしいギターだと言えるでしょう。

PRS SEのラインナップ

それでは、PRS SEシリーズのラインナップを見てみましょう。PRSは全グレードにおいて毎年ブラッシュアップを行い、品質の向上に努力しています。モデル名こそ同じであっても、製造年が異なれば微妙に違いが出ます。「古いPRSのギターがどんなに素晴らしくても、新しいPRSのギターはそれよりも素晴らしいもので、そうあるように努力し続けている。」PRS創始者ポール・リード・スミス氏のコメントは、SEシリーズにおいても例外ではありません。またSEはPRSの廉価版という扱いではありますが、このグレードだけのオリジナルモデルやシグネイチャーモデルがいくつもラインナップされており、個性的で魅力のある製品群を構成しています。