自宅や部室に1台!ロックギター王道サウンドが詰め込まれた Marshall CODE シリーズのアンプ

[記事公開日]2022/12/3 [最終更新日]2023/10/1
[ライター]小林健悟 [編集者]神崎聡

Marshall CODEシリーズ

「マーシャル(Marshall)」は、ロックギタリスト御用達のギターアンプとして最も支持されるブランドです。ロックの黎明から現在に至るまで、ステージにそびえ立つマーシャル製アンプがギタリストの名演を支えました。半世紀以上の歴史でマーシャルからは様々なアンプが発表されましたが、ヴィンテージアンプから現代のフラッグシップ機まで、マーシャルのさまざまなサウンドを気軽に使用できちゃうアンプが「CODE(コード)」シリーズです。今回は、このCODEシリーズに注目していきましょう。


自宅や部室に1台!Marshall CODE25 ロックギター王道サウンドが詰め込まれた ギターアンプ

「Marshall」ってどんなアンプ?

Marshallアンプ 特徴的なロゴと洗練されたルックスも、マーシャルの魅力。

マーシャルは創設者ジム・マーシャル氏が1962年に立ち上げた英国発祥のブランドです。永い年月の中で回路や設計のノウハウが積み上げられており、大音量のアンサンブルに埋もれない強力なサウンドは「マーシャルの音」として知られています。製品はステージ用の大型アンプから練習や録音に使う小型アンプまで、また伝統的な真空管アンプから最新のデジタルアンプまで、幅広くカバーしています。

マーシャルアンプを知ることは、ロックギターのサウンドを知ることです。CODEをより深く知るためにも、まずはマーシャルの歩みを簡単に振り返ってみましょう。

1962年、第1号機「JTM45」爆誕!

Marshall JTM45 初期の「JTM45」は、現代のマーシャルとはずいぶん違うデザイン。

たび重なるトライ&エラーを経て遂に完成した初代マーシャルアンプ「JTM45」は、かつてない音楽的なクランチが支持された、マーシャルの礎となったモデルです。

1966年には、エリック・クラプトン氏の使用する「マーシャルとレスポールの音」が世界を席巻します。車に積めるようにというクラプトン氏のオファーから開発されたコンボアンプ「1962」は、当時のバンド名から「ブルースブレイカー(Bluesbreaker)」と呼ばれるようになりました。

Marshall 1962 Marshall「1962」。回路の基本は初号機「JTM45」と同じだが、回路のアップデートによってサウンドは強力になった。

1965年、驚異の「3段積み」アンプが誕生

3段積み 大迫力の「3段積み」は、マーシャルから始まった。

1965年にはThe Whoのギタリスト、ピート・タウンゼンド氏のオファーをきっかけに、2台のスピーカーキャビネットと1台のアンプヘッドを縦に積み上げた、通称「3段積み」のアンプが誕生します。のちに「プレキシ(Plexi)」の愛称で知られる「1959 Super Lead」は、100ワットの大出力に加えてピッキングに追随する反応の良さとサウンドのクリアさが高く評価され、ジミ・ヘンドリクス氏をはじめさまざまなプレイヤーのステージにそびえ立ちました。


The Jimi Hendrix Experience – Voodoo Child (Slight Return) (Live In Maui, 1970)
ずらりと並ぶ3段積みは、「Marshall Wall(マーシャルの壁)」と呼ばれます。

その後エドワード・ヴァン・ヘイレン氏やランディ・ローズ氏ら名だたるギタリストが、マーシャルアンプを駆使してかつてないハードなサウンドを奏でるようになりました。そして80年代に登場した「JCM800」シリーズではよりアグレッシブなサウンドが得られるようになり、それからは世代を重ねるごとに強力なディストーションが得られるようになっていきます。


Ozzy Osbourne – Believer (Live – Tokyo, Japan 2001)
「マーシャルの壁」は、ヘヴィ系アーティストの様式美。

2007年、現代のフラッグシップ「JVM410」を発表

Marshall JVM410 ヘッドアンプが「JVM410H」で、コンボアンプが「JVM410C」。ずらりと並ぶツマミから、見るからに多機能。

マーシャルはその歴史の中で、いくつものヒット作を生み出していきました。そうなるとJTM45の甘い音も、1959の鋭い音も、JCM800のディストーションも使いたくなるわけです。「JVM410」はこうした要望から、歴代名機のサウンドにかつてない透明なクリーンと最強のディストーションを追加したサウンドバリエーションを1台で実現させてしまう、超絶多機能アンプとして開発されました。4つの個性的なチャンネルそれぞれに3つのモードを持つ、実質12チャンネル構成です。

日本のシーンにおけるマーシャル

日本においても、マーシャルはロックのサウンドを象徴するアンプとして親しまれています。マーシャルを愛用するアーティストを何組か見ていきましょう。

[Alexandros]


[Alexandros] – 無心拍数 (Live)

所属ギタリスト白井眞輝(しらいまさき)氏はヴィンテージギターを何本も愛用し、広大なエフェクターボードを駆使、アンプについてもクリーン用の1959とディストーション用の2555 Silver Jubileeを切り替えて使用するスタイルです。

GLIM SPANKY


GLIM SPANKY – Live Tour 2021 at Zepp DiverCity TOKYO (10.31.SUN)

「GLIM SPANKY」は、オーセンティックなブルース/ロックをバックボーンにした現代のサウンドが持ち味です。ギタリスト亀本寛貴(かめもとひろき)氏の最近のお気に入りはレスポール・デラックスとのこと。

MAN WITH A MISSION


MAN WITH A MISSION「blue soul」

音圧の高いアンサンブル内でハードに歪ませてもしっかり抜けてくるドライブサウンドは、マーシャルの真骨頂です。ギター担当Jean-Ken Johnny(ジャンケン・ジョニー)氏は、軽妙なトークにも定評があります。

ヤバイTシャツ屋さん


【LIVE】yabai T-shirts yasan OSAKA-JO HALL ONE-MAN LIVE “MADA HAYAI”2021.11.14@OSAKA-JO HALL

ギターボーカルこやまたくや氏はギターから直接アンプに接続し、エフェクターは使用しません。ステージにはいつもマーシャルが2台並びますが、1台はバックアップ用です。

軽音楽部 軽音楽部の強力な備品としても、マーシャルは支持されています。

歴代のマーシャルサウンドをカバーするアンプ「CODE」

Marshall CODE25 Marshall「CODE25」

CODE25:ゴールドパネル

初号機「JTM45」からフラッグシップ機「JVM410」まで、マーシャルからはさまざまなアンプがリリースされました。これらのサウンドをデジタル技術で再現し、気軽に使い分けることのできるアンプが「CODE」です。

14種類のプリアンプだけでなく24種類ものエフェクター、4種のパワーアンプと8種のスピーカーキャビネットを選べます。基本となるアンプ・キャビネット部だけでも組み合わせは448通りあり、さらに各ツマミの設定とエフェクターが加わります。しかしこれらを組み合わせた100種類のプリセットがあるので、すぐに本格的なサウンドで演奏できます。

クリーンからハイゲインまでカバーする14種類のプリアンプ

CODE25:アンプモデル CODEに収録されているプリアンプ。守備範囲はとても広い。

プリアンプにはマーシャル名機のモデリングに加え、他社製プリアンプやアコースティック・シミュレーターまでが含まれます。サウンドキャラクターからクリーン/クランチ/オーバードライブの3つに分類されますが、クリーンのプリアンプでゲインを上げてクランチを作ったり、クランチのゲインを下げてクリーンを作ったりできるなど、いろいろな可能性があります。

クリーン

  • JTM45(Marshall JTM45):クリーンセッティングのマーシャル「JTM45 2245」。
  • CL DS(Marshall DSL):クラシック・ゲインチャンネルでクリーンに設定したマーシャル「DSL100」。
  • CL AME(Clean American):米国の代表的な真空管アンプのクリーン。
  • CL JVM(Marshall JVM410H):フラッグシップ機マーシャル「JVM410H」の中で最もクリーンなモード。
  • ACOUST(Acoustic):エレキギターの音をアコギの音に変換する、アコースティック・シミュレーター。

クランチ

  • BLUESEB(Marshall  Bluesbreaker):歪ませたマーシャル「1962 ”BLUESBREAKER”」。
  • PLEXI(Marshall Plexi):歪ませたマーシャル「1959SLP」。
  • CR AME(Crunch American):米国の代表的な真空管アンプのクランチ。
  • JCM800(Marshall JCM800):マーシャル「JCM800 2203」の高感度入力にギターをつないだ歪み。
  • 50S BR(50’S British):英国の50年代を代表する真空管アンプの歪み。

オーバードライブ

  • OD JVM(Marshall JVM):フラッグシップ機マーシャル「JVM410H」のOD1チャンネル最大の歪み。
  • OD DSL(Marshall DSL):マーシャル「JCM2000 DSL」のLead2チャンネル。
  • OD AME(OD American):米国の代表的な真空管アンプのオーバードライブ。
  • JUBLE(Marshall Silver Jubilee):マーシャル「2555 Silver Jubilee」のリードチャンネル。

ペダル感覚で使いやすい24種類のエフェクター

CODE25:エフェクト

CODEが収録しているエフェクターは、プリアンプセクションに配置したノイズゲートを合わせた24種類です。エフェクトブロックはPRE FX(コンプレッサー/ディストーション3種類/オートワウ/ピッチシフター)、MOD(コーラス/フランジャー/フェイザー/トレモロ)、DEL(ディレイ)、REV(リバーブ)の4つで、オーソドックスなエフェクターはほぼすべて網羅しています。

カンタンな操作で本格的なマーシャルサウンドが得られる。

サウンド的には、まさに「マーシャルの音」が得られます。自社製品のモデリングだけあり再現度は極めて高く、例えば動画サイトなどで確認できる本物の音とかわらない、そっくりなサウンドです。

マーシャルのサウンドイメージを掴めるようになるので、練習スタジオやライブハウスに置いてあるマーシャルアンプをしっかり使えるようになります。

Marshall Gatewayアプリ 本体でもじゅうぶん操作できるが、アプリを使うといろいろと便利。

専用アプリ「Marshall Gateway」を利用すると、アンプの音作りやエフェクターの操作がより直感的にできます。作った音は本体に保存できますが、アプリ側に保存することもできます。

「CODE25」「CODE50」2種類のラインナップ

CODE25、CODE50 左:CODE25(25W)、右:CODE50(50W)。CODEは出力の違う2モデルで展開。

Marshall「CODE」には、出力25Wの「CODE25」と出力50Wの「CODE50」という2つのラインナップがあります。両機の違いは搭載スピーカーの大きさと最大音量にあり、自宅練習用ならCODE25が、バンド演奏を想定するならCODE50がお勧めです。

Marshall CODE:コントロール CODE25(上)とCODE50(下)の操作パネル。基本的な操作法は共通だが、CODE50の「PRESET」ツマミと「EDIT」ツマミをCODE25では1つのツマミにまとめているなど、レイアウトには違いがある。なお、アプリでは全く同じように操作できる。

本物志向のギタリストにお勧め!

以上、マーシャルの全体像からデジタルアンプ「CODE」のレビューまでをお送りしました。じゅうぶんな音量と音質、そして充実した機能を持つアンプですが、求めやすい価格帯に収まっているので初めてのギターアンプとして強烈にお勧めです。ギターを始めたその日から本物のマーシャルサウンドが得られますし、AUXやヘッドホン端子もついているので静かに練習できます。

また軽音楽部の備品など、いろいろな人が使うアンプとしても魅力的です。部員それぞれの音を本体に保存できますし、アプリを介せば自宅のCODEで作った音をそのまま部室のCODEで使うことができます。

決して高いアンプではありませんが本物のマーシャルサウンドが得られるので、本物志向の人にも猛烈にお勧めです。ぜひ実際にチェックしてみてください。

ギター博士

ギター博士から一言

実際に色々と使ってみた印象としては、めちゃめちゃ迫力のある音が出ます!これは自宅だけでなく、例えば部室だったり、ちょっとしたお店やイベントでのライブ演奏でもちゃんと使える音量かなと思います!
デジタル回路のモデリングアンプなんじゃが、さすが本家本元なだけあってまさしくマーシャルアンプのサウンドじゃワイ!マーシャルの歴史と骨太なロック・サウンドを1台で感じられるようになっている。ロックなサウンドでガンガンギターを弾いていきたいというギタリストにピッタリのアンプなので、興味ある方はぜひ実物を触って体感して欲しいなと思います!

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