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日本製フェンダーの歴史は、1982年に設立した公式コピーモデル「フェンダー・ジャパン」に始まります。そこから35年の節目となる2017年、国産フェンダーはフェンダー社のプロデュースで日本メーカーが作る「正規品」という扱いになりました。
「日本製」の最大の特徴は、「日本の職人が日本国内で生産している」ことへの信頼に他なりません。ネックなど調整の安定度が高く、個体差の極めて少ない、ハンダ付けやフレット打ちなどの細部に見られるていねいな作りは、これだけでとても大きな価値だと言えるでしょう。品質基準も極めて厳しく、キズや曇りのない非常に美しい状態で出荷されます。「メイド・イン・ジャパン(以下、MIJ)」は今やその名前だけで品質に安心感を持つことができる「ブランド」と化しています。今回はその中でも日本製ストラトキャスターに注目し、その特徴や選び方をチェックしていきましょう。
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Deep Purple – Smoke On The Water (Live)
「ストラトキャスターの名手」の一人として呼び声の高いリッチー・ブラックモア氏は、ステージでの「破壊用」として日本製のストラトキャスターを利用していたと言われています。USAと比べて日本製がそれだけ安かったということなのですが、ぶっ壊しても平気な価格帯でありながらプロの使用に耐える品質があった、ということでもあります。
かつて日本製フェンダーは、製品の流通を日本国内に限る、「日本限定製品」として生産することが契約によって決められていました。海外の人が日本製フェンダーを手に入れようと思ったら日本に来なければならず、ツアーで来日したアーティストが大喜びで買っていくことも珍しくなかったと言われています。ですから世界的には「こんなに良いギターがあるのに、なぜ日本人はUSAにこだわるのか」と不思議がられていたそうです。
近年では、フェンダーのマスタービルダーが日本に駐屯し、現地で工法や調整法を指示するなど製品にブラッシュアップを加えることで、機能性と楽器としてのフィーリングの両方がさらに向上したといわれています。では日本製のフェンダー・ストラトキャスターがどういうものなのか、全体像を見ていきましょう。
日本製ストラトは部分的にモダン要素を取り入れることもありますが、50年代から70年代までのストラトキャスターを基本とした「ヴィンテージ・スタイル」が基本です。各シリーズで50年代、60年代、70年代をイメージしたストラトキャスターが作られています。それぞれの年代に見られる特徴を、軽ーくおさらいしてみましょう。
Made in Japan Heritage 50s Stratocaster
50年代のストラトは、アッシュボディにメイプル指板、Vシェイプのネックグリップという本体です。1枚板の比較的軟らかいピックガードを8本のネジで固定するため、「ピックガードにピックを挟んでおく」という技が使えます。金色のピックガードは「アノダイズド」と呼ばれる金属製で、ひじょうに頑丈です。愛用者はエリック・クラプトン氏、エリック・ジョンソン氏らが有名です。
Made in Japan Heritage 60s Stratocaster
60年代のストラトは、アルダーボディにローズ指板、厚めのCシェイプネックグリップという本体です。3枚重ねの頑丈なピックガードを11本のネジで固定するので、ピックを挟むのは不可能です。愛用者はジョン・フルシアンテ氏、スティーヴィー・レイ・ヴォーン氏らが有名です。
Made in Japan Heritage 70s Stratocaster
70年代のストラトはアッシュボディで、指板はメイプルもローズウッドもあり、ネックは3本のネジで接続、スリムなCシェイプグリップという本体です。ヘッドが大型で「ラージヘッド」と呼ばれ、ヘッド側につけられたトラスロッドの調整口は「ブレットナット」と呼ばれます。愛用者はジミ・ヘンドリックス氏、リッチー・ブラックモア氏らが有名です。
ではこれから、日本製フェンダー・ストラトキャスターのラインナップをチェックしていきましょう。多様性があって選ぶ楽しさがありながらも、ポイントを押さえた引き締まった製品群になっています。
シリーズ名 | コンセプト・特徴 | ボディ材 | ネック形状 材質 |
指板材 R(ラディアス) |
フレット数 サイズ |
スケール長 | ピックアップ構成 特性 |
サウンド傾向 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Heritage | 1950〜70年代のヴィンテージモデルを忠実に再現。 ニトロラッカー仕上げ。 |
アッシュまたはアルダー | Soft “V”(’50s)、Thick “C”(’60s)、’70s “C”(’70s) メイプル |
メイプルまたはローズウッド 7.25″ |
21本 ヴィンテージスタイル |
25.5インチ(648mm) | ヴィンテージスタイルシングルコイル。 時代ごとのPUチューニング。 |
甘く丸みのあるヴィンテージトーン。 クラシック向き。 |
Traditional | 年代別スタイルを再現しつつ、演奏性も考慮したシリーズ。 | バスウッドまたはアッシュ | “U”シェイプ メイプル |
メイプルまたはローズウッド 9.5″ |
21本 ヴィンテージスタイル |
25.5インチ(648mm) | ヴィンテージスタイルPU搭載。 年代ごとの個性あり。 |
明瞭でバランスの良いトーン。 オールジャンル対応。 |
Hybrid II | ヴィンテージルックス+モダンスペックの融合モデル。 | アルダー | モダン”C” メイプル |
メイプルまたはローズウッド 9.5″ |
22本 ナロートール |
25.5インチ(648mm) | カスタムボイスドPU。 2点トレモロなど現代仕様。 |
クリアでレンジ広め。 汎用性が高い。 |
Junior Collection | 小柄なプレイヤーや初心者向け。 コンパクト&軽量。 |
バスウッド | モダン”C” メイプル |
メイプルまたはローズウッド 9.5″ |
22本 ナロートール |
24インチ(610mm) | スタンダードPU。 操作性重視の設計。 |
マイルドで扱いやすい音。 手の小さな方にも最適。 |
日本製ストラト、シリーズ比較
「MIJヘリテイジ」は、各年代の仕様をしっかり再現することでプレイヤーに「至高の演奏体験」を提供することを目指したギターです。ボディ材や指板材といった木材構成、ピックアップ、ネック仕様を各年代の特徴に合わせるだけでなく、ボディ形状にUSA製品から得たデータの分析結果を反映、当時のカラーリングを再現、というところまで追求しています。さらに、日本製フェンダー史上初めて、フェンダーによる専用ピックアップが開発されています。「プレミアム・ヴィンテージ・スタイル」と名付けられたピックアップは、各年代の特徴が追求されています。
7.25インチRの丸い指板に小さめのヴィンテージ・スタイル・フレットというフェンダー伝統の組み合わせは、他のメーカーではなかなか味わうことができません。MIJヘリテイジなら、歴史上の偉人たちがこよなく愛した演奏性に、現実的な価格で触れることができます。ヴィンテージを再現したUSA製Fender American Vintage IIシリーズ、またフェンダーのヴィンテージ・ギターを手に入れたい人にとって、その演奏性に慣れておくことができます。
MADE IN JAPAN TRADITIONAL 60S STRATOCASTER width gold hardware
「MIJトラディショナル」シリーズは、トラディショナル(伝統的)なストラトキャスターの由緒正しい姿を後世に伝えるギターです。ヘッド形状やピックガードの仕様など、各年代における外観上の特徴をしっかり再現したベーシックなモデルです。
5種類がラインナップ、ネック仕様とピックアップが全モデルで共通しており、音も演奏性もほぼ同じです。楽器としての違いを気にすることなく、安心してルックスで選ぶことができます。ナット幅が約41mmというネックは標準サイズよりスリムで、握り込んで弾いたり立って弾いたりするのに有利です。なお、全モデルでボディ材はバスウッドですが、「70S」のみアッシュボディです。
Made in Japan 60s Stratocaster GOLD HARDWARE
今回弾いた「Made in Japan Traditional 60s Stratocaster Gold Hardware」は、アルダーボディにローズウッド指板のメイプルネックという60’sストラトの王道スペックにゴールドパーツという偉大なブルースギタリストを思い起こさせるモデルぢゃな!クリーンでは太くコシもあるサウンドぢゃが、ドライブさせると鈴鳴り感もあるヂャギっとキレのあるサウンドだと感じたゾイ!
ネックは細めで握りやすく、指板ラディアスは7.5Rに細めのフレットとヴィンテージスペックぢゃが、コード、リードと色々とプレイしてもとても弾きやすいバランスかなと思ったワイ!ネックを握り込むスタイルの人に特にオススメぢゃが、手の小さめな女の子にも持ちやすいと思ったゾイ!
サウンド的にはクリーン~クランチあたりがオイシイかのう!ハードにドライブさせた時ズン!よりビン!という弦鳴りのニュアンスを求めてる人にも是非弾いてもらいたいのう!エレキギター博士サイトでも取材させてもらった信頼ある日本の工場での生産なので、いい感じなんぢゃよ!!!!
「Made in Japan Hybrid」シリーズは、日本製フェンダー史上初めてオーソドックスなスタイルに22フレット仕様が採用された歴史的なモデルです。ネック仕様は、9.5″指板R、ナロートール・フレット、モダンCシェイプグリップというUSAフェンダーの標準仕様に対し、ナット幅を日本人に合わせた42mmに設定しています。あらゆる演奏スタイルにおいて握りやすく、かつ弾きやすい設計です。
ロック式ペグと2点式シンクロナイズド・トレモロユニットの組み合わせで、チューニングの高い安定度が確保されているほか、電気系においては日米スタッフのコラボでイチから開発したピックアップを装備するなど、スタンダードモデルの域を脱したスペックの高いギターに仕上がっています。
Hybrid IIでは演奏性や音質の向上を目的として、ピックアップの改良、フレットの変更、ネックの仕上げや指板エッジの処理が改善され、さらに幅広い演奏スタイルや音楽ジャンルに対応できるモデルとなっています。
項目 | Hybrid Stratocaster | Hybrid II Stratocaster |
---|---|---|
発売時期 | 2017年頃 | 2021年以降 |
ボディ材 | アルダー | アルダー |
ネック形状 | モダン”C” | モダン”C” |
指板材 | メイプルまたはローズウッド | メイプルまたはローズウッド |
指板ラディアス | 9.5インチ(241mm) | 9.5インチ(241mm) |
フレット数・サイズ | 22フレット / ミディアムジャンボ | 22フレット / ナロートール |
ピックアップ | Vintage-Style Single-Coil Strat | Hybrid II Custom Voiced Single-Coil Strat |
ブリッジ | 2点支持シンクロナイズドトレモロ | 2点支持シンクロナイズドトレモロ |
ナット幅 | 約42mm | 約42mm |
その他の特徴 | ヴィンテージルックスとモダンスペックの融合 | PUの改良・指板処理など演奏性の向上 |
「Hybrid Stratocaster」と「Hybrid II Stratocaster」の比較
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「ジュニアコレクション」は、ボディの大きさを約94%、弦長を25.5インチから24インチ(約94.1%)にスケールダウンさせ、さらに軽量化もさせた、日本人に合わせた日本国内限定ラインナップです。日本人の平均身長が男女ともアメリカ人のだいたい95~96%ですが、そこからもう少しだけ踏み込んだ、小柄な人にも抱えやすい寸法に設定されています。なおパーツ類は標準サイズなので、将来的な部品交換にも心配はありません。
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MIJトラディショナルやMIJハイブリッドをベースとした限定仕様機がときおりリリースされます。珍しいカラーリング、ゴールドパーツ、ペイズリー柄、グラフィックデザイナーとのコラボレーションなど、またフェンダー公式サイトでのオンラインショッピング限定モデルなどもあり、コレクター魂をくすぐります。
ギターとしてはMIJトラディショナルやMIJハイブリッドをそのまま踏襲したものばかりでなく、それぞれの仕様をブレンドしたものもあります。
ここから先は、フェンダーの公式サイトでは掲載されなくなったモデルです。掲載はされなくなりましたが、これらは今でもショップや通販サイトなどで見かけることができ、中古市場にも散見します。
日本製ストラトを…
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