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ダイアトニック・コードではないコードはどのように使われるのでしょう?
ダイアトニック・コードではないコード = 「ノン・ダイアトニック・コード」にはいろいろなものがありますが、中でも多用されるのがセカンダリー・ドミナント(二次ドミナント)と呼ばれるコードです。
ダイアトニック・コードは「曲の中心となるメジャー・スケール(ダイアトニック・スケール)上の音だけでできるコード」でした。
コードトーンにダイアトニック・スケール(マイナー・キーではそれに加えてハーモニック・マイナー、メロディック・マイナースケール)以外の音を持つコードをノン・ダイアトニック・コードと言います。
ノン・ダイアトニック・コードには大きく分けて
があります。
中でも多用されるのは①の借用和音です。
キーの Ⅴ7 は日本語では属和音と言います。
Ⅴ7 は Ⅰ(メジャー・キーではⅠメジャー、マイナー・キーではⅠマイナー)へ進行しようとするコードです。
Ⅰ コード以外のコードを「仮のⅠコード」と考えた場合の、仮の Ⅴ7 にあたるコードをセカンダリー・ドミナント(二次ドミナント)コードと言います。
上の分類の借用和音に当たります。
例えば次の進行をみてください。
Cメジャー・キーのダイアトニック・コードではないコード、ノン・ダイアトニック・コードが使われています。
2つめのE7ですね。
これはその次のコードであるAm7に進行しています。
キーはCメジャー・キーですが、一時的にAマイナー・キーの Ⅴ7 であるE7を使う事でAm7への流れをスムースにしています。
これがセカンダリー・ドミナントです。
日本語では副属和音と言います。
本来のドミナントである Ⅴ7 を(セカンダリー・ドミナントと比較して)一次ドミナントと言います。
セカンダリー・ドミナントに対し、「仮のⅠコード」となるコードは「仮トニック」と言います。
メジャー・キで使われるセカンダリー・ドミナントは次の5つのコードです。
多くの場合、セカンダリー・ドミナントは仮トニックのすぐ前に現れます。
セカンダリー・ドミナントは本来 Ⅰ ではないダイアトニック・コード(もしくはキーの固有和音)を 仮のⅠ とした場合の 仮のⅤ7 ですが、ダイアトニック・コードではないコードへ進むこともあります。
ダイアトニックでないコードへ進行した場合はセカンダリー・ドミナントとは考えません。
そのまま他の調に転調するケースも出てくるからです。
Jazz/Funk風リズム、リード【Tab譜】ギター研究室7
ドミナント・モーションについて、ギター博士の解説
上の譜例ではCメジャー・キーのダイアトニックであるEm7へ進行すればB7はセカンダリー・ドミナントですが、
ここでは落ち着き先のコードがダイアトニックではないEM7になるのでEメジャー・キーに転調と考えます。
よってB7はEメジャー・キーのⅤ7、ドミナントです。
セカンダリー・ドミナントが仮トニックであるダイアトニック・コードに進行しても、転調するわけではないのでそのまま調性を保つ事ができます。
しかし他のコードへ進行した場合はキーとの関係が曖昧になるからです。
中でも多いのはドミナント・モーションと呼ばれるセブンス・コードの連続です。
セブンス・コードは完全4度上か半音下のコードへ進もうとする性質があります。
この形で Ⅰ コードへ進むのがドミナント・ケーデンスです。
セブンス・コードが進んだ完全4度上のコードがセブンスになっている場合はまた完全4度上のコードへ進もうとします。
するとどんどんキーが変わっていくような感じになります。
このような連続したドミナント・ケーデンスをドミナント・モーションといいます。
次の進行を例に見てみましょう。
ⅠーⅥーⅡーⅤ(イチーロクーニーゴ)のコード進行
この進行は俗に ⅠーⅥーⅡーⅤ(イチーロクーニーゴ)と呼ばれます。
一昔前には黄金のコード進行とも呼ばれ、この進行を使った曲はヒットするとまでいわれた非常に多用される進行です。
これを元にしていろんなコードを使ってアレンジしてみます。
まずどこかのコードの前にセカンダリー・ドミナントを入れてみると
仮トニックの完全5度上のセブンスを前に入れる、と考えてください。
全部の箇所にセカンダリー・ドミナントを入れると
E7は残して3つめのコードを直接D7にすると
このD7はG7に進行していますが、G7はもともとダイアトニック・コードなのでD7は通常のセカンダリー・ドミナントと考えます。
ただドミナントに対するドミナントなので、他のセカンダリー・ドミナントと区別してダブル・ドミナントと呼ぶ場合もあるようです。
さらにAm7もA7にすると
するとA7はダイアトニックではないD7に進行することになります。
すると落ち着くコードがどこなのかわからなくなるのでこのA7はセカンダリー・ドミナントとは考えません。
このようなセブンス・コードの連続がドミナント・モーションです。
Ⅰ(あるいは Ⅰ マイナー)で始まり、4つ程度のコードを経て、またⅠ(あるいは Ⅰ マイナー)に戻る進行を循環和音と言います。
循環和音の後ろ二つは Ⅰ へ戻るための進行、いわゆるケーデンスになり、その前のコードはケーデンスへの「つなぎのコード」が使われます。
「つなぎのコード」としてセカンダリー・ドミナントが使われることもあります。
ケーデンス部分にくるコードによって、その前のコードが変わるということです。
マイナー・キーはメジャー・キーよりも固有和音にセブンスが多いので、見かけはセカンダリー・ドミナントのように見えても、普通の固有和音同士の連結の場合はセカンダリー・ドミナントとは考えません。
するとマイナー・キーに現れるセカンダリー・ドミナントはメジャー・キーよりも少なくなります。
セカンダリー・ドミナントがまれに仮トニックでもドミナント・モーションでもない動きをする場合があります。
最初の例は、本来A7の仮トニックであるDm7と同じサブドミナントの機能のFM7へ進行した、と考えられます。
この例では、E7はAm7ではなく、またAm7と同じ機能の他のコードでもないFM7に進行しています。
これはいくつかの理由が考えられます。
以上いくつかの理由でこのような進行が成立している、と考えられます。
仮のⅤ7であるセカンダリー・ドミナントは ⅡーⅤ進行 で使われることもあります。
Ⅱ−Ⅴ進行 の Ⅱ になるコードはm7とm7(b5)がありますが、基本的には Ⅰ コードがメジャー型コード(メジャー、メジャーセブンス、セブンス)ならm7、マイナー型コード(マイナー、マイナーセブン、マイナーシックスなど)ならm7(b5)を使いますが、セカンダリー・ドミナントが ⅡーⅤ型進行 になる場合はその区別なく使われるようです。
セカンダリー・ドミナントが Ⅱ−Ⅴ型進行 として使われた場合の Ⅱ にあたるコードは、元のキーのダイアトニック・コードである場合とそうでない場合があります。
※ドミナント・モーションとなるセブンスがそれぞれⅡ-Ⅴ進行になったりするケースもあります。
このコード進行を元にセブンス・コードを Ⅱ-Ⅴ 形にしてみましょう。
上の例では元は C-E7-Am7-D7-G7-C という進行だったものをE7とG7を Ⅱ-Ⅴ 形にした結果、D7はすぐ後ろでなく
一つ飛んだG7が仮トニックになっていることに注意してください。
次も同じような例です。
これら「セブンスおよびⅡ-Ⅴ形のすべて」を含めてドミナント・モーションと呼びます。
セカンダリー・ドミナントは一時的なドミナントですから、仮トニックになるコードが何か?によってスケールとテンションが決まります。
基本的には
と考えます。
通常のメジャー・キーの Ⅴ7 は9thと13thをテンションに持ちます。
これらは Ⅱ-Ⅴ−Ⅰ では次のようにつなげられます。
これらのセブンス・コードに対する9thと13thはナチュラル・テンションと呼ばれます。
Ⅴ7 が Ⅰ(あるいはⅠマイナー)に解決する時に”より”半音の流れが多くできるように、本来のコードスケール上にできない音をテンションとすることがあります。
さらに半音の流れを作るために次のような音もテンションとして使われます。
これらのセブンス・コードにおけるb9th、#9th、#11th、b13thの4つをオルタード・テンションと言います。
メジャー、マイナー各キーの Ⅴ7 ではポップスのように歌い易さが重要な音楽では基本となる音階を使いますが、ジャズやフュージョンのような音楽では”より”セブンス・コードでの不協和度が増すように、いろいろなスケールが使われます。
最近ではロックでもこのようなスケールを使う場合も多くなりました。
メジャー、マイナー各キーでのⅤ7の基本となるスケールは
メジャー・キーのⅤ7 → ミクソリディアン
マイナー・キーのⅤ7 → フリージアン・メジャー
その他のスケールは基本となるスケールを拡張したスケールです。
それぞれのスケールの音と形は次のようになります。
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