セミアコ、フルアコに最適なギターアンプ8選

[記事公開日]2024/10/24 [最終更新日]2025/5/2
[編集者]神崎聡

セミアコ、フルアコと言えば、ホロウボディの上品なギター。日本では俗に「箱物」と言われ親しまれています。古くはビートルズの面々も使ったエピフォンのカジノは、一時ロックミュージックを代表するギターともなりました。

現在はセミアコやフルアコというと、どちらかというとジャズやフュージョンなどのイメージが強くなっています。ここでは箱物ギターを繋いでジャズやフュージョン等の音楽を演奏するために、よく使われるアンプを中心にいくつか候補を挙げてみましょう。

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ギター博士「アンプのTrebbleツマミを絞ってBassを強調させ、フロント側のピックアップで演奏すれば、わりとどのギターアンプでも甘~いニュアンスが出せると思うゾ!」

箱物におすすめのギターアンプ

Fender ’65 Deluxe Reverb

Fender Deluxe Reverb

ヴィンテージ・ブラックフェイス回路を再現した22Wのチューブコンボ。ラック式スプリングリバーブとトレモロを内蔵。暖かみのあるサウンドと、カラっとしたアメリカンなサウンド、両方が同居した美しいクリーンサウンドは唯一無二の存在感であり、ブルースやフュージョンのみならず、ジャズにも絶妙にマッチします。エフェクターを掛けても原音の美しさとはっきりした芯を失うことがなく、様々なジャンルの幅広いギタリストに愛されるアンプです。

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Fender ’65 Deluxe Reverb

Fender ’68 Custom Princeton Reverb

68 Custom Princeton Reverb

12Wの小型チューブコンボ。シルバーとターコイズブルーのフロントパネル、“ドリップエッジ”のグリルが上品なモデルです。低ワット数ゆえに小音量で真空管によるナチュラルなクランチ・サウンドが得やすく、セミアコの繊細なニュアンスを生かしながら、リッチなリバーブを加えられます。鈴鳴りの煌めくクリーントーンは随一のサウド。軽量ゆえ持ち運びもしやすく、練習からレコーディングまで幅広く活躍します。

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Fender ’68 Custom Princeton Reverb

Vox AC15 / AC30

AC30

Vox AC15とAC30は、英国生まれのクラシックなチューブアンプで、1950年代後半から多くのギタリストに愛用されています。​AC15は軽量かつコンパクトな15W出力で、AC30はより大きなステージ向けに設計された30Wモデル。​両モデルともに、EL84真空管を使用し、Vox特有の煌びやかで立体的なサウンドを提供します。

​AC15は、早めにブレイクアップ(歪みが発生)するため、ブルースやジャズなどのジャンルに適しています。​AC30は、広いヘッドルームと豊かなクリーントーンを持ち、ロックやポップスなど幅広いジャンルで活躍します。​両モデルともに、NormalとTop Boostの2チャンネル構成で、シンプルな操作性と多彩なトーンメイキングが可能です。​また、Celestion製スピーカーを搭載し、各モデルに応じたサウンドキャラクターを実現しています。

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Roland Jazz Chorus JC-120

Roland JC-120

スタジオの定番にして超ロングセラー、驚異的なクリーン・ヘッドルームを持つ120Wのソリッドステート・アンプです。クリーンの硬い音は好みが分かれますが、もとより甘い音の傾向を持つ箱物ギターにはマッチするサウンドです。この音が良い人にはこれ以上ない選択となり、付属のステレオコーラスの美しさはこのアンプならではのもの。大きさ、重さはそれなりにあるものの、トランジスタならではの頑丈さと大出力も捨てがたい魅力です。

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Roland Blues Cube

Roland Blues Cube Stage

上記JCに対して”BC”とも呼ばれるRoland Blues Cube。かつて90年代に発売され高い評価を得たアンプが、2010年代になりブラッシュアップして再発されています。ローランド独自の技術をつぎ込み、真空管アンプを可能な限りエミュレート。トランジスタアンプながら、それを全く感じさせない驚異のサウンドをたたき出します。その名の通り、Bluesにはもちろんのこと、ジャズやフュージョンなども含め、オールラウンドに使える銘機となりました。

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MESA/BOOGIE Markシリーズ

Mesa Boogie Mark V 1x12 Combo Mesa Boogie Mark V 1×12 Combo

Rectifierのイメージで激歪みの印象が強いメサブギーですが、このMarkシリーズのクリーントーンはFender Twin Reverb以上の美しさとさえ言われる絶品なもの。ジャズはもちろん、その滑らかな歪みでフュージョン、ブルースまで余裕で可能な万能アンプです。真空管アンプならではの手入れは勿論必要で、さらには凄まじく重い筐体など、扱いにくい点もありますが、それに見合う素晴らしいサウンドを得られるでしょう。

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MESA BOOGIE Markシリーズ

DV MARK JAZZ 12

DV MARK JAZZ 12

ジャズギタリスト向けに設計された軽量コンパクトなコンボアンプ。​12インチのカスタムスピーカーを搭載し、シンプルな3バンドEQとデジタルリバーブを備え、直感的な操作が可能。透明感のあるクリーントーンとウォームでパワフルなサウンドと、ステージパフォーマンスにも威力を発揮する音圧感を持ちあわせています。​また、AUX IN、ヘッドフォンアウト、XLRラインアウト、外部スピーカー出力など、練習からライブまで幅広いシーンに対応する多彩な入出力端子を装備しています。​

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DV MARK JAZZ 12

フルアコは、そのアコギに近いボディの構造的に、歪ませるのに向きません。上で挙げたアンプはほとんどクリーン用といっていいものが多く、必然的にジャズ系の要素が強くなっています。

対してセミアコはロック系音楽で使われることも少なくないギターです。MR.335という異名を取ったラリー・カールトンが、歪んだ音でブルースロック的アプローチを取っていることを思い出すこともできるでしょう。フルアコほどでないにしろハウリングの怖さは常にありますが、ストラトなどよりも遙かによく歪むセミアコは数多いです。それゆえにフュージョンでも比較的歪んだ音をメインに出来ますし、オールドスクールなロックの演奏にも向いています。こういうケースであれば、普通のソリッドギターと同じアンプを選べば良いでしょう。

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