ギターとベースを間違えて弾いている六弦かなで©️
ギター?!ベース?!どっち?? – 【4コマ漫画】ギター博士と六弦かなで
ギターとベース。似ているようで似ていないようでもある、この二つの楽器はどう違うのでしょうか。目の前にある楽器がギターかベースかは、慣れてくるとすぐ見分けられるようになります。しかし、具体的にどんなポイントで見分けるのでしょうか。また、バンド内でどんな演奏を行うのでしょうか。そこで今回は、この二つの楽器の違いを考えてみましょう。
まずは、ギター博士に訊いてみましょう。博士はこの難問を、分かりやすく解明してくれています。博士の解説をもとに、あらためてギターとベースの違いをチェックしていきましょう。
ギターとベースってどう違うの?【ギター博士】
まず第一に、ギターとベースでは弦の本数が違います。
しかし博士も動画で言っていますが、ここで「主に」と言うのは、ギターは6本、ベースは4本という弦の本数を基本として、
が存在するからです。弦が6本だからギターだ!と思ったら、実は6弦ベースだったのかもしれません。ちなみにウクレレの弦は4本ですが、ものずごく小さいベースだなんて勘違いしないでくださいね。もう少し注意深く観察すると、間違いなく見分けられるようになります。
現在の多弦ギターは特定のジャンルで限定的に使用される印象の強い楽器ですが、逆に「5弦ベース」はあらゆるジャンルで幅広く使用されており、当たり前の楽器にまで普及しています。
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最も低い音から最も高い音までの範囲を「音域(おんいき)」と言います。ギターとベースの音域を比べてみましょう。
図:ギターとベースの音域
ピアノの鍵盤は、もっと上まで続いています。またこれはあくまでもギター/ベースで「よく使用する音域」を表したものです。ギターとベースはもっともっと高い音を出すこともできますし、「多弦」ならもっと低い音を出すこともできます。
ギターとベースでは守備範囲にしている音域にも違いがあり、ベースの方が低い音域をカバーしています。博士の演奏でも「ギターは高音が目立ち、ベースの音は低い」ということが確認できますが、同じように演奏するとベースはギターより1オクターブ低くなります。ギター/ベースの比較ではギターが高い音を担当するように感じますが、ピアノを基準とするとギターもそれほど高いところをメインに演奏するわけではないこともわかりますね。
ギターの音域は伴奏用の和音(コード)を演奏するのに適しており、あらゆる演奏でさかんに使用されます。いっぽうベースの音域では和音が効きとりにくく感じやすいので、一般的に和音が演奏されることはそれほど多くありません。
ギターとベースはその音域の違いから、バンド内での役割、またよく行われる演奏内容にも違いが現れます。ギターではコードを活用することが多いことから、
このようなさまざまな伴奏で「響きとリズム」を伝えるための演奏が主体となります。エフェクターを活用して多彩な音色を駆使することも多いですね。その華やかさから、博士は「彩りを加える」と表現しています。また時として、ギターソロなどのリードプレイ(メロディ演奏)も必要とされます。
対するベースは「ボトムを支える」と表現されるように、バンドで出す音の最も低いところを主に狙って演奏します。また博士が「リズムの要(かなめ)」「アンサンブルの骨組み」と表現するように、ドラムと合わせて「リズム体(たい)」と呼ばれ、バンドの「ノリ(=グルーヴ)」をつかさどります。ベースの低音はスマホのスピーカーでは聞きとりにくいこともありますが、ライブ会場では床や壁をズンズンと振動させるほどの存在感を発揮します。スラップなどベース特有の派手な演奏も魅力的です。
ただし、こうした役割はあくまでも音楽的なものであって、演奏する本人のキャラクターと一致することも、しないこともあります。派手な演奏をするプレイヤーがプレイスタイル通りの性格の人ばかりではありませんし、堅実なプレイを身上とするミュージシャンが実はおっちょこちょいだということも少なくありません。これから楽器を始める人は、必要以上に自分の性格にこだわらず、やってみたい演奏、出したい音、触れてみたい楽器など、音楽への気持ちを大事にして楽器を選んでください。
音域の違いに関連し、ギターとベースでは楽器本体の大きさにも違いが現れます。出す音が低くなるにつれて、必要な弦は太く長くなっていきますから、ギターよりもベースの方が大きくなっているのが普通です。この体格差が逆転することはほぼなく、小型化したミニベースでもギターより大きいのが普通です。
またギターの弦はかなり細く、最も細い1弦は直径約0.2mm(=0.008インチ)ほどにもなります。1弦から3弦までが裸の「プレーン弦」で、4弦以降が芯に線を巻いた「ワウンド弦(巻弦)」です。ベースの弦は太く、ほとんどのベースの弦が巻弦です。
以上、いろいろな観点でギターとベースを見比べてきましたが、表にまとめて全体をざっと見直してみましょう。
ギター | ベース | |
弦の本数 | 主に6本 | 主に4本 |
音域 | ベースより高い | ギターより低い |
バンドでの役割 | コードやソロなど、華やか | ボトムとノリを支える 派手なプレイも |
サイズ | 弦が細い | 本体が大きく、弦が太い |
表:ギター/ベースの相違点まとめ
ここまでチェックすれば、だんだんギターとベースの違いが自分で判断できるようになってくることでしょう。さてあなたは、ギターとベースでどっちを選びますか?
最初のうちは自分の判断基準も頼りなくてなかなか選べないかもしれませんが、今まさに気になっている方を選べばいいのです。音やルックスが好きな方でいいし、好きなアーティストが持っている方でもいいんです。「良く分からないけど、何となくこっちが好き」みたいな根拠のない初期衝動こそが重要です。
さて、ギターとベース、どちらが難しいのでしょうか?多くのギタリストにとっては、ベースは難しいと思うようです。反対に、多くのベーシストにとっては、ギターは難しいそうです。ピアニストやドラマーにとっては、ギターもベースも難しく感じるでしょう。要するに「自分が慣れていない楽器は難しい」のであって、まだ楽器を始めていない、慣れる以前の人にとってはどちらが難しいということは全くないのです。練習すれば必ず弾けるようになりますから、「ひょっとして難しいかも」という心配はありません。
ギターとベースの違い、わかったかな?漫画の続きを見てみよう。
ギター?!ベース?!どっち??その2 – 【4コマ漫画】ギター博士と六弦かなで
さてここまでギターとベースの違いについて考えていきましたが、現在の音楽シーンは全くもって自由そのものです。それぞれの楽器に適した弾き方はありますが、ギターでベースっぽいプレイをしても、ベースでギターっぽいプレイをしてもいいんです。音楽は自由です。次は、そんな自由を手にした人たちのプレイをチェックしてみましょう。
The White Stripes – ‘Seven Nation Army’
「ガレージロック・リバイバルを代表するバンド」として知られる「ザ・ホワイト・ストライプス」。なんとベースのいない、ギターヴォーカル「ジャック・ホワイト」とドラムの二人だけのバンドで、ギターのぶっとい低音をベースの代わりに使用しています。レコーディングでは多重録音を行なっていますが、ライブでは本当に二人だけで演奏します。ギターで高音を弾くと低音が無くなるのが、デメリットにならずむしろスリリングな演出として活かされます。
Mr. Big – Wind Me Up (Video)
昔の動画なので、メンバー全員とっても若いですね!
ベーシストビリー・シーン氏は、若かりし頃はギターマガジンでベースを練習していたとのことで、その影響でギター的なアプローチの演奏が特徴です。ベースの役割を果たしながらもがっつり歪んだ音色でバリバリに派手なフレーズを盛り込んでいきます。
Abraham Laboriel Sr., “Listen to Your Brother” – live at Berklee
ベースは「ベースギター」とも呼ばれるほど、ギター的なプレイが取り入れられます。ベースの大御所エイブラハム・ラボリエリ氏はコードストロークをベースに応用したプレイを得意とし、会場を沸かせます。
Tomo Fujita Plays the John Page Classic AJ – NAMM ‘16
John Page Classicのギターをチェックするトモ藤田氏。冒頭のスラップはベーシスト顔負けですね。ギターも本来は低音楽器なので、このようにベース的な演奏に及ぶこともできます。
The Presidents of the United States of America – Mach 5
ベースヴォーカルのクリス・バルー氏が持つのはギターにベースの弦を2本だけ張った、ギターのアンドリュー・マッケガン氏が持つのはギターに3本だけ弦を張った、チューニングも独自の、それはそれは自由な楽器です。二人合わせてギター一本分に満たない弦の数であっても、これだけ豊かな音楽表現ができるわけです。
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