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エピフォン・ギター徹底分析!

エピフォン・ギター

「Epiphone(エピフォン)」は現在ギブソン傘下のギターブランドですが、そもそもの歴史は1873年に始まったとされています。これはマーチンの創始者マーチン一世がニューヨークに渡った1833年の40年後であり、またギブソンの創始者オーヴィル・ヘンリー・ギブソン氏が楽器工房を開いた1896年に先駆けています。
エピフォンは戦前をピークとし、ギブソンを相手に熾烈な開発競争を繰り広げました。ギター本体以外にも、ギター本体のトーンコントロール、ダブルネック、ボディ側から操作するトラスロッド、トーン・エクスプレッサー(ワウペダル)、電子チューナー、ボリューム・ペダルなど、現代では当たり前になっている機能を発明したといわれています。
ギブソンと競った「エンペラー(Emperor)」や「ブロードウェイ(Broadway)」、ジャズの偉人ジョージ・ヴァン・エプス氏(George Van Eps、1913-1998)が愛用する7弦ギターなど多くの名器を生み出しています。

ギブソンの傘下になってからも、

  • ビートルズのトレードマークとなった「カジノ(Casino)」
  • ポール・ギルバート氏が「レーサーX」時代に愛用した「ウィルシャー(Wilshire)」
  • 奥田民生モデルとして復刻した「コロネット(Coronet)」

といった名器を生み出しています。エピフォンは決して「ギブソンの廉価版」だけのブランドではなくオリジナルモデルにも魅力があり、ヴィンテージ市場でも高い値段が付けられています。
ここでは「ギブソン傘下ブランド」と「オリジナルブランド」という二面性を持ったエピフォンの魅力を追ってみましょう。


片平里菜「女の子は泣かない」Music Video
日本人女性として初となる「エピフォン公認アーティスト」となった、福島出身の若きシンガーソングライター。最近ギブソンに浮気しているという話もありますが、いまだエピフォンのイメージは強く残っています。

エピフォンの歴史

前史

エピフォンの前身はギリシャの木材商で、1873年にトルコに移住し、のちにニューヨークに渡ったのが1904年といわれています。トルコにいたころから楽器のリペアをしていたアナスタシオス・スタトポウロ氏はここで工房を開き、マンドリンを製作していきます。

「エピフォン」設立

22歳で後を継いだエパミノンダス・スタトポウロ氏が社名を「エピフォン(エピフォン・バンジョー・コーポレーション)」としたのは1928年です。「エパミノンダス」のニックネーム「エピ(Epi)」とギリシャ語の「音(phone)」を合わせた造語ですが、「epiphonous(ギリシャ語。「父の夢を息子が叶える」)」という意味も込められています。

当時流行していたバンジョーをメインに製作しており世界恐慌(1929年)でも安定した売り上げを記録しましたが、ギターの人気が高まるにつれ、ギブソンをライバルと定めてギターに傾倒していきます。

ライバル、ギブソンとのシェア争い

この時代のギターはアコギしかなく、ジャズのアンサンブルに埋もれない大音量を持つためには大きなボディのギターが求められました。この分野ではボディ幅17インチの「ギブソン・L-5」が定番機の名誉を勝ち取っていましたが、その後発表されたボディ幅18インチの「ギブソン・スーパー400」に対しては、ボディ幅18.5インチの「エピフォン・エンペラー」で対抗します。

しかし大音量を競ったボディサイズ合戦は、ここで終了します。力強いサウンドを持つアコギとしてはマーチン D-28が定番機になり、またエピフォンがエンペラーを発表した1936年にギブソンがピックアップ搭載モデル「ES-150」を発表、ジャズバンドの定番機はピックギターからフルアコに移行していきます。

偉人レス・ポール氏との関係

エピフォンのショールームは当時のトッププレイヤーの溜まり場になっていたようで、著名なジャズプレイヤーであるレス・ポール氏もその一人でした。レス氏はかねてから夢見ていた「ソリッドギター」の構想を実現させるため、エピフォンの工房を借り、またパーツをもらって試作機「ザ・ログ(The Log。”丸太”の意味)」を完成させます。角材にネックとホロウボディをとりつけた、セミアコに近いものだったそうです。しかしその年1941年には真珠湾攻撃が起こり、アメリカは第二次世界大戦に参戦、いろいろとそれどころではなくなります。

戦前のエピフォンは、ギブソンに並ぶギターのトップブランドとして一世を風靡しました。しかし1945年、終戦の直前にエパミノンダス氏が亡くなって弟が後を継ぐと、エピフォン社内での労働争議、他社による買収、工場の移転などがおこり、また多くの職人を失うなど存続の危機を迎えます。これを見かねたレス・ポール氏は、テッド・マッカーティー氏(当時のギブソン社長。経営手腕と多くの製品開発でギブソン黄金時代を築く)にエピフォンに手を差し伸べるよう勧めました。

新しいスタート

マッカーティー氏にも思う所があり、1957年にギブソンはエピフォンを買収、子会社化します。エピフォンはギブソン傘下ブランドとして存続することになりました。ギブソンにとってはアップライトベース(=ウッドベース)やバンジョーなどエピフォンにしかないノウハウが得られるため、両者に利益のある買収でした。ファイヤーバードレスポール・デラックスに搭載されるミニハムバッカーも、本来はエピフォンのものでした。

エピフォンの製品はギブソンギターのエピフォン版として開発され、ヘッド形状や装飾などに違いのある別のギターとして受け入れられていきます。エピフォン独自設計のギターもあり、ひとつのブランドとしてのアイデンティティが保たれています。現在ではそれだけでなく、ギブソンギターの廉価版として、コピーモデルではない本物のレスポールSG、またES-175などの定番ギターをリリースし、人気を集めています。


The Beatles - Revolution
「誰が愛用したか」は、ギターの価値を大きく左右する重要な問題です。ジョンとポールにカジノを勧めたのは故ジョージ・ハリスン氏だったそうですが、氏が出会った「当たり」の個体がエピフォンだったことが、現在のカジノ人気のきっかけになっています。

エピフォン・ギターの音や特徴

エピフォンは、買収前からギブソンに近い仕様のギターをリリースしていました。現在でも、

  • ハムバッカーやP-90を主体とするピックアップ配列と、トグルスイッチによる切替え
  • マホガニーネックがボディに接着される(セットネック構造)
  • TOM(チューン・O・マチック)を主体とするブリッジ

など、ギブソンの特徴に通じています。「レスポール”トリビュート”プラス」のようにギブソンのピックアップをマウントしたモデルもあり、ギブソンに近いサウンドキャラクターを狙っています。
ギブソンのピックアップについて
《ギター本体のパーツ》ネックについて
ギターブリッジについて


B'z / TRAILER Vol.3「B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 ENDLESS SUMMER -XXV BEST-」
B’zの松本孝弘氏が愛用するダブルカッタウェイ仕様のレスポールカスタムは、エピフォンからもリリースされています。ギブソンのピックアップで武装した、本格的なサウンドを得ることができます。

140年の歴史を物語るヘッド形状

エピフォン・ギターのヘッドはギブソンのものと異なっており、シルエットで見分けることができます。このデザインはエピフォンの歴代モデルにみられる特徴を継承しており、買収前に生産されたヴィンテージギターにも近い特徴を確認することができます。

ギブソンのヘッドデザインを愛するギタリストの中には、このデザインに若干抵抗を感じるという人も多いようです。しかし、ギターのヘッドデザインはブランドを象徴する重要なポイントです。エピフォンのギターは、ギブソンの廉価モデルを作るときでも、連綿と受け継がれる「エピフォンブランドのアイデンティ」を誇示しているのです。

「エピフォンって、どうなの?」という風潮

先述のように、同価格帯/同仕様ならばエピフォンのレスポールは他のブランドの追随を許さない支持を集めています。またギブソン傘下ブランドであるがゆえに、コピーではなくホンモノのレスポールやSGです。価格差ゆえにサウンドや品質でギブソンに及ばないのは仕方のない事ですが、この価格帯のギターとして充分に満足できるものになっています。またプロミュージシャンに愛用される例もあり、他のブランド同様に心配なく楽しむ事のできるギターを作っています。
Q&A.66 エピフォンのレスポールは、モノとしてはどうなんでしょうか

エピフォンが活躍する音楽シーン

トレードマークにしていたプレイヤーもいたことから、エピフォンはコアなファンも多く、初心者からプロまで幅広く支持を集めています。ビートルズのメンバーが愛用した事から、「エピフォン・カジノ」はブリティッシュ・ロックにおける定番機と見なされています。さらには若き日のB.B.キング氏やオーティス・ラッシュ氏などのブルースマンもエピフォンを使用していました。

また現在では、「超高額っぽくない」というイメージから、若さや近親感を打ち出したいアーティストに愛用されるケースが増えているようです。


Epiphone Presents Toby Lee's Rockstars in Training - 8
トビー・リー氏は、若干10歳の達人プレイヤーです。8歳からYoutubeチャンネルにて動画を公開していますが、若くして既に「顔で弾く」技を身につけています。氏が動画で使用しているギターは敬愛するジョー・ボナマッサ氏のシグネイチャーモデルです。

エピフォン・ギターのラインナップ

エピフォンのギターは、

  • ギブソン定番機の廉価版
  • エピフォン・オリジナルモデル

この二つで構成されます。ここではこのカテゴリーで分類し、ラインナップをかいつまんで紹介していきます。

ギブソン定番機の廉価版

レスポールシリーズ

レスポール・シリーズのラインナップについては以下のページをご覧下さい
エピフォン・レスポールのラインナップ

SGシリーズ

ギブソンから価格を抑えたSGがリリースされているためか、えピフォンのSGラインナップは控えめになっています。

Epiphone G-310

Epiphone G-310

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SGは1967年モデルをベースとしたラージピックガード仕様ですが、ネックはボルトオンジョイント(ネジ留め)になっています。ブリッジはネジでアンカーボルトに固定できるようになっており、弦の振動を余さずボディに伝達します。


Epiphone SG Special

epiphone-sg-special

「SGスペシャル」はスモールピックガード仕様で、トーンが「キルポット(キルスイッチ)」になっています。また、両モデルとも価格に挑戦したスチューデントモデルのため、ネックはボルトオンになっています。

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品番に「PRO」が付くものは、「P-90 PRO」や「ProBucker」のようにプロの名がつけられる高品質ピックアップがマウントされ、ハムバッカーにはコイルタップが設けられる上位機種です。また「Plustop」はボディトップに美しいメイプルがあしらわれます。
オーソドックスな外観を維持しながら、さらに機能を増強したモデルもリリースされています。エピフォンにしかない機能を有するモデルもありますから、「ギブソンに飼われているだけではない」という姿勢を伺うことができます。

Epiphone G-400 PRO

epiphone-g400-pro

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エピフォンオリジナルモデル

エピフォンオリジナルのギターには、ギブソンのギターにアレンジを加えてエピフォン版にしたものと、そもそもエピフォンのギターとして誕生したものがあります。エピフォンのアーチトップはギブソンと覇を競った黄金時代の象徴であり、多くのバリエーションを擁しています。

エピフォンオリジナルのアーチトップモデル

「ブロードウェイ」と「エンペラー」は、買収前からリリースしていた歴史的なモデルです。かつては極端に大きなボディサイズを誇りましたが、エレクトリックに移行してからはその意味がなくなり、ブロードウェイはボディ幅17インチ、エンペラーは16インチに落ち着いています。

Epiphone The Broadway

Epiphone The Broadway

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Epiphone Joe Pass Emperor Ⅱ PRO / Emperor Swingster

Epiphone Emperor

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Epiphone Wildkat

Epiphone Wildkat

「ワイルドキャット」は、1999年にデビューした比較的新しいモデルです。ロックンロール/ロカビリーにフィットするスタイルで、レスポールよりわずかに大きなボディのセミアコになっています。ジョイント部とフロントピックアップ近辺は完全にホロウ化しているので、このボディサイズでもエアー感のある甘く軽やかなトーンを奏でることができます。

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ギブソンのギターをアレンジしたモデル

Epiphone Casino

エピフォン・カジノ

Gibson ES-330のエピフォン版としてデビュー、ビートルズのメンバーが使ったことで注目を集め、今日まで人気が衰えないモデルです。「P-90」ピックアップを搭載、アーチ状のトップ、センターブロックを装備しない完全な空洞のホロウボディで、甘く太い音はリズムギター/リードトーンに適しているためロックだけでなくジャズ・ブルースにも対応できるサウンド。ネックが薄くボディも ES-330 に比べ一回り小さく弾きやすいという特徴があります。

「エリーティスト」シリーズは寺田楽器とフジゲンで生産される高級ラインです。
ビートルズへのリスペクトを込めて「エピフォン・カジノ」特集

Epiphone Sheraton

Epiphone Sheraton

Gibson ES-355 を元に設計、エピフォンの”ハコモノギター”の中でも上級シリーズにあたるのが「Sheraton(シェトラン)」です。ゴールドパーツ/バインディング/ヘッド及びポジションマークにグラデーションのかかった光沢のある美しいインレイを採用し、エピフォンギターの中でも高級感あるしっかりとした作りになっているのが特徴。
ボディ内部にセンターブロック材を装備、ピックアップはハムバッカーを搭載し、よりローノイズなサウンドに。現在のシェラトンは、強固な多層ネックとコイルタップを装備した実践仕様でありながら、インレイが美しいエレガントなギターに仕上がっています。

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Epiphone Riviera

Epiphone Riviera

Gibson ES-345 を元に設計、シェトランより下位・カジノよりは上の、ちょうど中間にあたるモデルが「Riviera(リヴィエラ)」です。スペックはほぼシェトランと同じ仕様で、やや劣るものの高級感あるルックスとなっています。P-90を3基とビグズビーのビブラートユニットを備えた、カントリー/ウェスタン/ロカビリー/ロックンロール/ブルースなどにフィットするスタイルになっています。

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Epiphone Dot

Epiphone Dot

Gibson ES-335 のコピーモデル。ポジションマークのドットから「Dot(ドット)」と呼ばれるようになりました。基本的な仕様はES-335同様ですが、ヘッドやピックガードのデザインがエピフォンらしさをアピールしています。
シンプルなルックスでセミアコ入門者向けのモデルです。

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エピフォンオリジナルのソリッドギター

Wilshire(ウィルシャー)は1959年、コロネットは1958年にデビューしたダブルカッタウェイモデルで、ギブソン・レスポールジュニアギブソン・レスポールスペシャルがダブルカッタウェイ化するのに合わせて開発されました。

Epiphone Wilshire

Worn 1966 Wilshire with Tremotone

発売からしばらくして生産を打ち切ったものの、独特のボディ形状・ナイフのようなヘッド部分など他社のギターには見られないルックスから人気が高く2010年に復刻、2012年にはMy Chemical Romance(マイ・ケミカル・ロマンス)のギタリストである「フランク・アイイアロ」とダッグを組み新しいラインナップが登場するなど、現在でも市場に流通しているモデルです。
ピックアップは P90 x2基、ミニハムバッカー x2基、最新モデルではアルニコ・クラシック・ハムバッカー2基と、時期によって異なるモデルのピックアップを搭載。’66 Wilshire ではビグスビーを搭載しています。
年代毎に異なる仕様となっていますが、一貫してボディは極薄で軽く、カッタウェイによりハイポジションも弾きやすい、全体的にプレイヤビリティが高め。カラッと乾いたドライブ・サウンド、分離感のあるサウンドが楽しめるギターです。

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Epiphone Tamio Okuda Elitist Coronet Outfit

「Tamio Okuda Elitist Coronet Outfit」は奥田民生氏のアーティストモデルで、特性ハードケースと専用バインダーに収められた品質保証書の「Outfit(ひと揃い)」になっています。