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エピフォンの真骨頂、アーチトップ・シリーズ特集!

今でこそギブソンの下位ブランドに甘んじている「エピフォン」ですが、かつてはギブソンと覇を競う存在でした。両社が激しくしのぎを削ったのが、まさにこの「アーチトップ」という分野です。

  • レジェンドと称されるジョージ・ヴァン・エプス氏が愛用したジャズ用の7弦ギター
  • 巨匠ジョー・パス氏が愛用したエンペラーII
  • ビートルズの愛用で今なお熱い支持を得ているカジノ

など、エピフォンからは数々の名機と呼ばれるアーチトップが生まれており、アーチトップこそがエピフォンのアイデンティティになっています。今回はこの、エピフォンのアーチトップに注目してみましょう。


Matt Marshak and His Epiphone Sheraton
ギブソンセミアコの高級機「ES-355」のエピフォン版「シェラトンII」。ギブソンと比べると遥かに求めやすい価格のギターですが、パーツや装飾などの意匠により高級感は十分で、特有の甘いトーンも雰囲気がありますね。この音はジャズやブルースに限らず、さまざまなジャンルで使用できます。

備考:「アーチトップ」の定義

エピフォンではセミアコフルアコの総称として「アーチトップ」という言葉を使用しています。いっぽうギブソンでは、単板から削り出したボディトップを有するものを「アーチトップ」、合板をプレス成型して作るものを「ES」と称して区別しています。
ソリッドギター/フルアコ/セミアコの違いについて

アーチトップの「arch」は、「弓型に湾曲した建造物」を意味します。このことから中央を盛り上がらせた曲面を描くボディトップを「アーチ」と表現しているのですが、本来のアーチには屋根もあれば天井もあります。そのため英語圏で「arch top」と言うと、一般的にはフルアコやセミアコといった「ホロウ(中空)ボディ」のギターを意味します。よって、レスポールなど「ボディトップが曲面を描いていても、ボディはソリッドなギター」はアーチトップとは呼ばれず、「カーブドトップ(carved top:削ったトップ)」と呼ばれます。
しかし日本では、

削る「カーブ(carve)」
曲線を意味する「カーブ(curve)」

この二つを区別するのが難しいためか、「カーブドトップ」という言葉が一般化しているとは言えず、ソリッドギターに対しても「アーチトップ」という表現が多く使用されます(当サイトでは、かたくなに「カーブドトップ」と表現しています)。日本国内ではほぼ問題ありませんが、海外のミュージシャンには通じないことがありますから、注意が必要です。

エピフォン・アーチトップの特徴

ではまず総論として、エピフォンのアーチトップ・ギターが持つ特徴を見ていきましょう。

1) 「エピフォン」としてのオリジナリティ

Epiphone Casino:ピックガードのブランドロゴ

エピフォンはギブソンの下位ブランドであることから、ES-335ES-175ES-レスポールなどの廉価版がラインナップされています。しかしこれらはエピフォンのアーチトップ全体でのほんの一部であって、ほとんどのアーチトップがエピフォンのオリジナルモデルとして、特徴的な意匠や設計によるアイデンティティを主張しています。
エピフォンのオリジナリティは、独自のヘッド形状がもっとも雄弁です。これに加えてピックガードに配された「E」の文字、ギブソンにはない配線やオリジナルパーツなど、一つのブランドとしての主張がしっかり込められているギターになっており、決してギブソンに飼われているだけのブランドではない、という心意気を強く感じさせてくれます。

(エピフォン公式サイトより引用)
ギブソン「L-5 CES」のエピフォン版「ブロードウェイ」。「廉価版」という位置づけでありながら、

  • 大きめなヘッドに配置された「ツリー・オブ・ライフ」インレイ
  • 白蝶貝とアバロンを組み合わせた指板インレイ
  • ピックガードの「E」
  • エピフォン独自の「フリーケンサター(周波数変換機の意)」テールピース

というように、ブランドを主張する意匠が凝らされています。

2) 高機能なパーツ群

Epiphone Locktone Bridge Epiphone Locktone Bridge

エピフォンの特徴的なパーツとしては、多くのモデルで採用されている「Locktoneブリッジ」が第一に挙げられます。通常のTOM(チューン・O・マチック)ブリッジがスタッド(軸)に乗っかっているだけで弦が無くなるとポロっと外れてしまうのに対し、Locktoneブリッジはそれ自体がスタッドにしっかりと食いつくので、脱落が防止されます。また、これによって弦振動のロスも軽減されるため、サスティンが20%向上します。

搭載されるピックアップについては、採用例の多いP-90、ギブソンの名機「57クラシック」を再現した「アルニコクラシック」やヴィンテージピックアップの再現を目指した「プロバッカー」など、ギブソン製ピックアップと極めて近い設計のものが主に使用され、遜色のないサウンドが得られます。

チューニングの要となるペグについては、日本で生産される「Elitist(エリーティスト)」シリーズで、名前だけで安心感が得られる「GOTOH(ゴトー)」社製のものが採用されるほか、それ以外のモデルでもグローヴァー社やウィルキンソン社のものが採用されるなど、かなりのこだわりを見せてくれます。エピフォン社製のペグも負けておらず、通常14:1に設定されるギア比をエピフォンのペグは18:1としていて、精度の高いキチっとしたチューニングができます。

3) ネック寸法は、ほぼ共通

エピフォンのアーチトップは、多くのモデルで

  • 弦長24.75インチ、ナット幅1.68インチ、12インチ指板R
  • 「スリムテーパー」ネックグリップ
  • ミディアムジャンボフレットを採用

といった寸法が共通しており、ネック的な弾き心地は多くのモデルで共通しています。

とはいえその名の通りスリムな握り心地でコードもソロも弾きやすいという「スリムテーパー」ネックグリップには、60年代風、D、Cといったバリエーションがあり、また使用する木材にはメイプルとマホガニーの二種類が、また何枚重ねるかなど、その中でのバリエーションもあります。

4) 限定生産などによる多数のバリエーション

エピフォンのアーチトップには通常版に加え、カラーリングや使用する木材、またパーツに変化を付けた「Limited Edition」モデルが多数ラインナップされます。これによって、バリエーションの多さから、他のギタリストとはちょっと違ったセレクトができる「選ぶ楽しさ」があります。

5) 求めやすい価格

現在エピフォンのギターは、ギブソンが保有する自社工場で生産されています。自社工場では品質の徹底ばかりでなく生産体制の合理化と効率化も追求されており、高い品質とコストパフォーマンスが両立されています。このコストパフォーマンスはこれからギターを始めようという人ばかりでなく、「メインはストラトなんだけど、バリエーションとしてアーチトップも持っていたい。けど高いのはムリ」といった人に訴求する強い力を持っています。


Dylan Rose of Archer Demonstrates The Epiphone Wildkat
エピフォンのオリジナルモデル「Wildkat」。甘く味のあるサウンドは、幅広いジャンルで使用できるクオリティがあります。アームをグワングワン操作していますが、チューニングには影響が出ていませんね。この音と品質で4万円近辺と言う恐るべきコストパフォーマンスを実現しています。

エピフォン・アーチトップのラインナップ

ではいよいよ、ラインナップをチェックしていきましょう。モデル数がかなり多いですが、便宜上ボディの厚みやトップの素材に関わらず、

  • センターブロック(ボディ中央のソリッド部分)を持つもの
  • 完全に空洞のボディを持つもの

と大別しています。

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