《良い楽器は、偶然にはできない》エピフォン ・ギター徹底分析!

[記事公開日]2023/4/25 [最終更新日]2023/5/9
[ライター]小林健悟 [編集者]神崎聡

Inspired by Gibson Custom Shop

1958 Korina Explorer & Flying V

1958 Korina Flying V
1958 Korina Explorer

「インスパイアドバイ・ギブソンカスタムショップ(Inspired by Gibson Custom Shop)」は、ギブソン・カスタムショップとのコラボレーションで精巧に作られる、ヴィンテージ・レプリカの最上位機種です。この「インスパイアド~」より、ヴィンテージ市場でも滅多にお目にかかれない1958年式のフライングVとエクスプローラーがリリースされました。両機はこれまでも復刻されてきましたが、開発にギブソン・カスタムショップが加わることにより、マニアも納得の完成度を達成しています。


Inspired by Gibson Custom Shop 1958 Korina Explorer and Flying V | Epiphone
日本国内では白いピックガードのモデルが流通している。当時の社長テッド・マッカーティ氏によるこのぶっ飛んだデザインは、1950年代当時のアメ車がヒントになったと言われている。

希少なコリーナ材を使った本体

1958 Korina Flying V:ボディバック

両機の本体はコリーナ単板ボディ&ネック、接着面を広く確保するロング・ネックテノン工法、当時の形状を再現したネックプロファイルといった設計で、オリジナルの仕様に可能な限り迫っています。ここで言う「単板」は、薄板を貼り合わせて厚みを稼いだ木材ではないという意味で、ボディ自体はセンター合わせの2P構造です。
希少と言われるコリーナ材をわざわざ単板で使用するあたり、エピフォンの本気度がうかがえます。なお、指板材はインド産ローレルです。左用が用意されているのも、注目すべきポイントです。

1958 Korina Flying V:ヘッド裏 ヘッド裏には、二つのブランドが交差する「Inspired by Gibson Custom Shop」ロゴが。

USAにこだわった電気系

Bursubuckerピックアップ Bursubuckerシリーズは、名機「PAF」の正式なレプリカ。

電気系についてはギブソン「バーストバッカー2(フロント)」と「バーストバッカー3(リア)」ピックアップを搭載するほか、電材でもギブソンUSAに比肩するグレードです。CTS社製ポットを用いた2V1T、マロリー社製トーンコンデンサ、スイッチクラフト社製3WAYセレクタースイッチ&アウトプットジャック、という重厚な布陣でまとめています。
このうちマロリー社製トーンコンデンサは、ヴィンテージ・ギターに用いられることの多い部品です。滑らかで暖かいナチュラルな音を持っているとされ、特にギブソンでは50~60年代に使用されました。

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Inspired by Gibson

Original Les Paul/Modern Les Paul

エピフォン・レスポール

レスポール・シリーズのラインナップについては以下のページをご覧下さい

エピフォン・レスポールのラインナップ

Original SG/Modern SG

epiphone-g400-pro

ギブソンから価格を抑えたSGがリリースされているためか、エピフォンのSGラインナップは控えめになっています。

Epiphpne(エピフォン) SG のラインナップに注目!

Original ES

Epiphone Original ES L to R : ES-335(Cherry)、ES-335 Figured(Blueberry Burst)、ES-335 Traditional Pro, Exclusive(Inverness Green)、ES-339(Pelham Blue)

エピフォン版のESシリーズは定番機ES-335を中心に、小型のES-339、高級機のES-335など、幅広く展開しています。合板メイプル製ボディ&メイプル製センターブロックという本体に、Alnico Classic PROピックアップを備える本格的な作りで、「ES-335 Traditional Pro, Exclusive」にはコイルタップが装備されています。「ES-335 Figured」はフィギュアドメイプルトップと小型のブロックインレイをあしらった、ドレスアップモデルです。

Gibson ES-335 徹底分析!

Shinichi Ubukata ES-355 ver.02

Shinichi Ubukata ES-355 ver.02

ロックバンド「ELLEGARDEN」と「Nothing’s Carved In Stone」を率いる生形真一(うぶかた・しんいち)氏のシグネイチャーモデルは、ダイアモンド型のサウンドホールが印象的なES-355です。エボニー指板、ギブソン「’57 Classic」ピックアップという高級仕様で、ES-355の特徴の一つバリトン・スイッチによって6種類のキャラクターが得られます。


Nothing’s Carved In Stone「November 15th」Official Live Video
自身のバンドを2つやりながらアーティストサポートにも積極的な生形真一氏。ロック系のバンドでは誰も使っていなかったという理由でES-335を手にし、ほどなくES-355に惚れて現在まで愛用している。

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Original Designer/Modern Designer

Epiphone Original Designer L to R:Flying V(Ebony)、Explorer(Ebony)、Firebird(Vintage Sunburst)、Flying V Prophecy(Black Aged Gloss)、Prophecy Extura(Purple Tiger Aged Gloss)

変形モデルは「Designer(デザイナー)」シリーズとしてまとめられています。「Original Designer」シリーズからは1958年式をイメージしたフライングVとエクスプローラー、そして1963年式をイメージしたファイアーバードがリリースされています。ファイアーバードはマホガニー/ウォルナットで9層を成すスル―ネック構造です。

「Modern Designer」シリーズからはエクスプローラーをスリム化した新しいシェイプの「Prophecy Extura」、1958年式のボディシェイプを継承した「Flying V Prophecy」の2機種がリリースされています。こちらは現代のサウンドにフィットするべくFishman社製「Fluence」ピックアップを備え、トーンポットのプッシュ/プルでサウンドキャラクターを切り替えることができます。またエボニー指板を持つ非対称ネックの音域は、24フレットに拡張されています。

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エピフォンオリジナルモデル

エピフォンオリジナルのギターには、ギブソンのギターにアレンジを加えてエピフォン版にしたものと、そもそもエピフォンのギターとして誕生したものがあります。その中でも特に、エピフォンのアーチトップはギブソンと覇を競った黄金時代の象徴であり、多くのバリエーションを擁しています。

エピフォンのアーチトップ(セミアコ&フルアコ)

Epiphone Emperor

「ブロードウェイ」と「エンペラー」は、買収前からリリースしていた歴史的なモデルです。かつては極端に大きなボディサイズを誇りましたが、エレクトリックに移行してからはその意味がなくなり、ブロードウェイはボディ幅17インチ、エンペラーは16インチに落ち着いています。

エピフォンの真骨頂、アーチトップ・シリーズ特集!

エピフォンオリジナルのソリッドギター

Coronet/Wilshire P-90/Crestwood Custom

エピフォン独自のソリッドギターとしては、1959年に発表された3機種がリリースされています。左右対称型のダブルカッタウェイボディは22フレットまで左手を邪魔するもののない、高いプレイアビリティを持っています。本体重量は3キロ近辺と、大変軽量です。
「Coronet(コロネット)」はリアに1基のP-90、オクターブピッチの補正が施されたラップアラウンド・ブリッジ、という構成です。シンプルな構造ながらこのスタイルのギターにしか出せない音があり、しっかりとしたアイデンティティを持っています。
「Wilshire(ウィルシャー)」は2基のP-90、TOMブリッジという構成で、様々な用途に使用できます。「Crestwood Custom(クレストウッド・カスタム)」は楕円形のインレイ、2基のミニハムバッカー、オリジナルのトレモロを装備した上位モデルで、PAFタイプより引き締まったミニハム独特のサウンドキャラクターとトレモロの表現力を併せ持っています。


AssH × Coronet
元気なサウンドで、ハイポジ余裕。AssH氏の云う「1PUだからこそのリアの音」は、フロントピックアップのキャビティを持たないボディ構造に由来すると考えられている。ネック接合部に大きな穴を開けないことからこの部分の剛性が高まり、独特の弦振動が得られるようになる。

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資料編~エピフォンの近年史~

かつて本記事で紹介した過去モデルや過去の仕様をここに紹介します。エピフォンの近年史を語る上で参考にできるかもしれません。

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