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Gibson ES-335 徹底分析!

Gibson ES-335

ギブソンエS-335は「世界初のセミアコ」として発表されました。独特なボディ構造から得られる甘くてコシのあるサウンドはリードでもサイドでも使い勝手がよく、ブルース、ジャズ、ロック、ファンク等あらゆるジャンルのプレイヤーに愛用されています。

Gibson ES-335 の歴史

ES-335のfホール fホール内にはGibsonとラベルが貼られている

ES-335が発表されたのは1958年で、ギブソン・フライングVギブソン・エクスプローラーと同じタイミングでした。両サイドに空洞を持ち、中央は埋まっている「セミアコースティック・ギター(=セミアコ)」は、それ以前にはありませんでした。

なお、「エレクトリック・スパニッシュ(=横に構えるギター)」を意味する「ES」の名は、1940年代から使われているフルアコ(=フルアコースティック・ギター)の型番を受け継いだものです。

1963年に外観やピックアップなどに若干の仕様変更が行われていますが、サウンドキャラクターにも違いが出ています。現在メンフィスやカスタムショップで生産されているES-335は、デビュー後完成に至った1959年式、マイナーチェンジした1963年式のどちらかをベースにしています。

Gibson ES-335 の特徴

基本仕様

gibson-1963-es-335

特徴的なセンターブロックを持つメイプルホロウボディは、正面から見ると一般のジャズギター同様のサイズですが、厚みが抑えられており抱えやすくなっています。

また、ローズ指板、マホガニーセットネック、チューン・O・マチックブリッジ採用、2基のハムバッカー、2ボリューム2トーンなど、レスポールに通じる特徴を多く持っています。

「センターブロック」の恩恵

ES-335 のセンターブロック 引用元:http://www.es-335.net/history.html

空洞だったボディ中央にセンターブロックというメイプル材をはめ込むことで、内部を二分しています。このセンターブロックがストラトキャスターやレスポールのようなソリッドギターの要素を、また両サイドの空洞部分がフルアコの要素を持つこととなり、両者の特性を併せ持ったサウンドが得られるようになっています。

フルアコに対してネックジョイント部の剛性が増したことで、ハイポジションが弾きやすいダブルカッタウェイにすることが可能になりました。また、ボディに直接スタッドを打ち込むことができるようになったので、チューン・O・マチックブリッジを搭載する事が可能となっています。弦の圧力で固定するフルアコのブリッジと異なり、チューン・O・マチックは激しいチョーキングにも耐えられます。

フルアコのトップには軽くて反応の良いスプルース材がよく使われますが、音量を上げると反響によってハウリングをおこしやすいのが難点でした。ES-335ではこれを制御するため、何枚か貼り合わせたメイプル材が採用されています。センターブロックにもハウリングを抑える効果があり、そのため箱鳴りを持ちながらもハウリング耐性のある、高性能な構造になっています。

’59と’63の違い

es335:1959と1963の違い 上半分:1959、下半分:1963

50年代のネックグリップが太く、60年代になるとスリムになるのは、レスポールなどギブソン全モデル共通の仕様です。ES-335もその例外ではなく、60年代モデルはスリムなグリップになっています。また指板のインレイは当初ドットでしたが、63年モデルでは大型化した「ブロックインレイ」が採用されています。

ピックアップについては、50年代には伝説となっている「PAF(=パフ)」が、60年代には「ナンバード」と呼ばれるものが採用されていましたが、それぞれ個体差が大きく、どちらがどういうサウンド、と一概に語る事ができないようです。また’59の方がセンターブロックは大きく、このため若干タイトなサウンドになっています。

Gibson ES-335 のサウンド

ソリッドのタイトさとアコースティックなレスポンス

ES-335のサウンドは、レスポールなどソリッドギターのタイトな立ち上がりやサスティーン(=音の伸び)、及びジャズギターの豊かな甘い響きがバランスよくミックスされており、小編成のバンドでも大編成のアンサンブルでも存在感を発揮できます。フロントはふくよかで暖かみがあり、リアは硬質ながら耳に痛くない柔らかさを持っています。

また、ピッキングの強弱がしっかり出て(=ダイナミックレンジが広い)、なおかつピックの当たり方でニュアンスが大きく変化する豊かな表現力を持っていますので、歪みを抑えたセッティングでは腕前が試されるギターです。

レスポールとの違い

レスポールとES-335は、共通のネックと電装系を持っています。ソリッドボディ(内部に空洞を持たない)のレスポールとセミアコのES-335を比較すると、ボディ構造の違いによるサウンドの違いがよくわかります。

「ミスター335」の異名を取るラリー・カールトン氏が松本孝弘氏と共演している動画は、その比較をする上で大変理想的な資料になります。ES-335は中低域が豊かに響き、柔らかく軽い印象、レスポールはそれよりハイ寄りの中域が豊かで、やや鋭く重みのある印象です。

ピッキングニュアンスによる音色変化はES-335の方が豊かに出ますが、レスポールにはしっかり歪ませてもニュアンスを失わない「芯」があります。ES-335で極端に歪ませると、せっかくのニュアンスが無くなってしまうばかりか、ハウリングが起きる危険が高まります。

クリーントーンでも歪ませてもOK

フルアコの甘く豊かなトーン、ソリッドボディの引き締まったタイトなトーンを兼ね備えているのがES-335です。


クリーントーン・ギターソロの音作り【ギター博士流】

clear

ギター博士「上の動画で演奏しているようなリッチなクリーントーンから、下の動画のように結構歪ませても(ハウリングは出るが)わりといけるんぢゃ!」


2014楽器フェア TC Group ジャパン・ブースでギター博士が弾いてみた!

Gibson ES-335 のラインナップ

ギブソン・カスタムショップから当時のスペックを最大限再現した、ドットインレイの1959年モデルとブロックインレイの1963年モデルがリリースされているほか、セミアコ専門部門であるギブソン・メンフィスより、アーティストモデルを始めとする様々なバリエーションのES-335がリリースされています。

Gibson Custom Shop 1959 ES-335 Dot Reissue

Gibson Custom Shop 1959 ES-335 Dot Reissue

1958年に発表され翌年完成の域に達したES-335を忠実に再現。太くしっかりとしたネックグリップと指板のドットインレイが特徴。搭載されているピックアップ「カスタムバッカー」は名機「PAF」のレプリカです。

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Gibson Custom Shop 1963 ES-335 Block Reissue

Gibson Custom Shop 1963 ES-335 Block Reissue

エリック・クラプトンがクリーム時代に使用した事でも知られる1963年モデルを再現。スリムなネックグリップ、指板のボックスインレイが特徴。ピックアップはバーストバッカーが搭載されています。

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Gibson Memphis B.B. King’s “Lucille”

Memphis BB King Lucille

B.B.キングのトレードマークにして「ブルースの象徴」とも言うべきギターで、「ルシール」と名付けられています。Fホールを排したほか、ゴールドパーツ、エボニー指板、バリトンスイッチ、ステレオアウトプット、ファインチューナーを搭載している高機能機です。

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Gibson Memphis 1959 ES-335

memphis-1959-es335

全ての接合をニカワ接着にこだわって組み込んだ、最高級のES-335です。ピックアップはバーストバッカーが搭載されています。

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ES-335の廉価版モデル:Epiphone DOT

Epiphone DOT

ES-335には憧れるけど高くて手が出せない…という人のために、ギブソンの子会社であるエピフォンからは「DOT」という名称で、セミホロウ構造にハムバッカーというES-335スタイルのギターが存在します。
さらにDOTには、フレット・バインディングやピックガードを排し、コントロールをシングルボリューム/シングルトーンの2ノブ仕様に簡素化した廉価版「DOT Studio」がラインナップされており、リーズナブルな価格でES-335スタイルのギターを楽しむことができます。

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Gibson ES-335 の主な使用ギタリスト

ラリー・カールトン(Larry Carlton、1948-)

「ミスター335」の異名を持つジャズ/ブルースギタリストで、ギブソン・メンフィスよりシグネイチャーモデルがリリースされています。代表曲「Room 335」は、南カルフォルニアに持っているプライベート・スタジオの名前です。

アル・マッケイ(Al McKAY、1948-)

1981年までアース・ウィンド・アンド・ファイアに所属した、ファンキーかつダンサブルなカッティングが持ち味のギタリスト。トレードマークはサウスポー仕様の72年製です。
https://www.youtube.com/watch?v=HXSq4fDpeQc

マイケル・J・フォックス(Michael J. Fox, 1961-)

映画「バックトゥー・ザフューチャー」にて、主人公マーティ・マクフライとして「 Johnny B. Goode」を披露したのはES-335の上位機種、ES-345でした。ビグズビーが付けられていますがテイルピースのスタッドが残されており、後から付け加えたものだと判ります。映画では当て振りですが、ギターの腕前はセミプロ級なんだとか。
「バックトゥー・ザフューチャー」での演奏の様子はコチラ!