どれがおすすめ?ディレイ・エフェクター徹底紹介!

[記事公開日]2022/9/15 [最終更新日]2023/5/27
[編集者]神崎聡

やや遅れてギターの音が返ってくる「ディレイ」は、ポピュラーミュージックにおいては、レスポールの生みの親レス・ポール氏が初めて使用したと伝えられます。もともと「山びこ効果」によって音に広がりを持たせるために開発されましたが、人類のたゆまぬ研究によりさまざまな特殊効果が発明されました。今回はこのディレイに注目し、基礎的な知識や定番機種を見ていきましょう。

ディレイってどんなもの?どんな時に使うの?


ディレイには、工夫次第でさまざまな使い道があります。「遅れてやってくるディレイ音が、今弾いているギターの音にハモる(2分近辺)」という技は、ブライアン・メイ氏(QUEEN所属)が有名です。「付点8分音符のディレ・イタイムでアルペジオを飛ばす(2分50秒近辺)」という技は、ジ・エッジ氏(U2所属)が世に広めました。

ディレイにはさまざまな使い方がありますが、基本的な使い方はだいたい以下の3つです。

  • ショート・ディレイ:短い間隔で鳴る。アルペジオで特に効果的。音符的に鳴らしたり、きわめて短い間隔に設定して疑似リヴァーブを作ったりもする。
  • ロング・ディレイ:長い間隔で鳴る。ギターソロなどリードプレイに効果的だが、包み込むようなアルペジオでも使える。曲のテンポに対してだいたい2拍3連や1拍3連に設定するのが良好とされる。
  • ダブラー:きわめて短い間隔で1回だけ鳴らすことで、2本のギターがユニゾンしているように聞こえさせる。設定次第でコーラスのように聞こえさせる技もあり、すべてのギタープレイに有効。

どうやって設定するものなの?

操作系についてはシンプルなものも複雑なものも、鬼のように複雑なものもあります。でもひとまず「タイム」、「フィードバック」、「レベル」の3つだけ把握しておけば、ディレイはだいたい設定できます。ディレイの基本的な操作を見ていきましょう。

タイム(Delay Time)

「タイム(ディレイ・タイム)」は、ディレイ音を遅らせる「時間的な長さ」です。短い間隔で返ってくるのが「ショート・ディレイ」、長い間隔で返ってくるのが「ロング・ディレイ」で、ツマミを回して感覚的に設定したり、数値を確認しながら設定したりします。多機能なモデルでは4分音符や付点8分音符のように、音符的な設定もできます。なお、ディレイ音を鳴らしている間にこのツマミをぐりぐり回すと、ギュワンギュワンと全てをぶっ壊す音が出ます。

タップ(TAP)テンポ

フットスイッチを踏む間隔でタイムを設定できるのが「タップテンポ」機能です。一台で楽曲にあわせてさまざまなタイムのディレイを使うことができるほか、ベストなディレイタイムをリアルタイムで設定できます。

フィードバック(Feedback)

フィードバック(リピートとも)は、ディレイの「返ってくる回数」を操作します。目いっぱい絞ったらディレイ音は1回、上げていくにつれて2回、3回、と増えていきます。モデルによっては、目いっぱい持ち上げることで無限のディレイを作ることができます。

レベル(Level)

レベルは「音量」を意味しますが、ディレイの音量には、ドライ(原音)とウェット(ディレイ音)の二つがあります。この二つをどうやって操作するのかはモデルによって違いますから、ディレイの使い勝手を考える時、ちょっとしたポイントになってきます。コンパクトエフェクターのレベル調整は、以下の2種類が主流です。

  • エフェクトレベル:原音はそのままでディレイ音だけ上下させるので、全体の音量は上がる。
  • ミックス/ブレンド:ドライとウェットの配分を決め、全体の音量は変化しない。絞り切るとドライのみ、目いっぱい上げるとディレイのみになる。

一般的な接続順は?

シンプルにつなぐ場合、ディレイは「コンプレッサーや歪み、またコーラスなどモジュレーション系の後」、そして「リヴァーブの前」に接続するのが王道です。アンプで歪ませる場合には、エフェクトループを使いましょう。ボリュームペダルをディレイの前段に配置すると、二つの組み合わせでトリッキーな演奏ができます。

エフェクトループ ディレイペダルをアンプのセンド・リターン(エフェクトループ)端子に繋いだ様子

エフェクターのつなぎ方・接続の順番について

ディレイには、「デジタル」と「アナログ」の2種類がある

ディレイは設計により「アナログ」と「デジタル」に大別でき、性能やサウンドに違いが出ます。

  • アナログ:磁気テープなどの磁性体や「BBD(Bucket Brigade Device。直訳すると「バケツリレー素子」)」を使用。音質の劣化を好意的に解釈すればたいへん味わい深いが、タイムの数値設定など細かいことはできない。デジタルでシミュレートされるのは、現代でも通用する音だという証拠。
  • デジタル:「DSP(Digital Signal Processor)」チップを使用。クリアな音質で、ノイズも少ない。モデルによっては各種の数値入力など細かいセッティングができるため、設定次第でさまざまな無茶ぶりに対応できる。頑張ればアナログもシミュレートできるので理論上は最強だが、電力を喰うので電池駆動では使わない方が良い。

歴史的には、磁気テープを使ったテープエコー、BBDを使ったソリッドステートといったアナログディレイ、DSPを採用したデジタルディレイの順に発明されました。道具としての利便性が圧倒的に優れていることから、1980年代以降はデジタルディレイが主流です。

しかしギターの音作りには「アナログこそ至高」という生き様もあり、デビッド・ギルモア氏の「エコーレック」、エリック・ジョンソン氏の「エコープレックス」など、今なおヴィンテージのアナログディレイを大事に使っているアーティストもいます。現在ではどちらも気軽に選ぶことができますから、多機能で頼れる道具が欲しい人はデジタルディレイを、古い感じのかっこ良さが欲しい人はアナログディレイを選びましょう。

アナログディレイの特徴

かつて「エコーマシン」と呼ばれたアナログディレイは、磁性体が劣化したり信号が次々と電気回路を通過したりすることで音質が劣化します。下手をすると原音まで痩せてしまうこともありますが、打開策として内蔵させたプリアンプが優秀で「エコープレックス」や「ローランドRE-201」のような名機が生まれました。劣化で高音域が削れたディレイ音は自然と暖かみを帯び、バンドアンサンブルに良く馴染みます。

デジタルディレイの特徴

デジタルディレイは原音をそっくりそのまま繰り返すことができるほど、音質の劣化を抑えられるのが特徴です。クッキリとした硬いディレイ音はシンセサイザーや打ち込みと相性が良く、ワザと劣化するように設定すればアナログのようなウォームなディレイも作ることができます。

多機能なモデルは、設定次第で何でもできます。しかし「あまりツマミやスイッチが多くても、それはそれで使いにくい」と感じる人のために、ツマミの少ないシンプルなモデルも多くリリースされています。

歴史的な名機を少し紹介

ここでいくつか、歴史的な名機についても具体的にチェックしておきましょう。

Maestro「Echoplex」

マエストロ「エコープレックス」は、1959年に第一号機を発表した、プリアンプ付きテープエコーです。「オリジナル」と称される真空管プリアンプを採用した設計は、1960年代にはトランジスタを使用したソリッドステートに改められ、エリック・ジョンソン氏、ブライアン・メイ氏、エドワード・ヴァン・ヘイレン氏、アンディ・サマーズ氏ら、名だたるアーティストが愛用しました。現代ではデジタル技術でサウンドを再現した「EP103M Echoplex Delay」のほか、プリアンプ部のみ抽出した「EP101 ECHOPLEX」がリリースされています。

Binson「Echorec」

ビンソン「エコーレック」は、50年代半ばに発表されたエコーマシンです。テープではなく円盤を回転させることで、高い安定性を実現しました。ハンク・マーヴィン氏(シャドウズ所属)が長らく愛用したほか、初期ピンクフロイドにおいてはデビッド・ギルモア氏ら3人が愛用、サウンドメイキングの中核を務めました。

Roland「RE-201」

Roland RE-201 使い込まれてイイ感じに育った「RE-201」。プリアンプ内蔵でマイクをつなげることもできるため、本来はギター用ではなくPAとして開発されたようです。

ローランド「RE-201」は1974年から1990年まで生産された、日本製テープエコーの名機です。ダイヤルでディレイのパターンを選択できるほか、リヴァーブも備わっています。入力は3系統あり、ギター1本とボーカルマイク2本を挿すことができ、PAに似た性能を持っていました。

比較的あたらしいデバイスであり、ブライアン・セッツアー氏をはじめ多くのアーティストが今でも現役で活用しています。現在では、TAPなど便利機能を追加した「RE-20」に、そのサウンドは受け継がれています。

《名機紹介》テープエコーの世界的な定番機種「Roland RE-201 Space Echo」

アナログを再現「アナログモデリングディレイ」

アナログモデリングディレイ

独特の減衰音や幽玄なサウンド、また数々の名演を支えた実績から、ヴィンテージ・アナログディレイのサウンドは今なお高く支持されています。しかし実物の入手不はほぼ可能と言っていいでしょう。運良く入手したとしても、そこから先の修理と調整に要求されるハードルは極めて高いのが現実です。

これに対し、アナログのモードを選択できるデジタルディレイや、アナログをデジタルで再現した「アナログモデリングディレイ」が多くリリースされています。本物のアナログサウンドが欲しいという人も、デジタルの多機能なところが嫌でなければぜひチェックしてみてください。

アナログ・モデリング(テープエコー)ディレイ特集 – Supernice!エフェクター

2022年お勧めのディレイは、これだっ!

探してみると、ディレイには予想以上のバリエーションがあるのがわかります。いったいどれを選べばいいんだ。そんなわけで、定番機種からこだわりのハイエンドモデルまで、注目すべきディレイをチェックしていきましょう。

定番ディレイペダル

定番とされるディレイは、総じて操作がシンプルで、それでいて十分な機能と性能を持っており、欲しいサウンドにいち早くアクセスすることができます。現在では基本性能だけでなく、ちょっとした追加機能でバリエーションが得られる面白さのあるモデルが目立ちます。

tc electronic「FLASHBACK II」&「FLASHBACK MINI」

FLASHBACK MINI、FLASHBACK II

「フラッシュバック2」は、8種類から選べるディレイタイプに、専用アプリの利用で3タイプが追加できる多機能なディレイです。本体はシンプルながら、アプリでは有名アーティストが作った設定を無料で使用できるほか、開発者レベルのプログラミングまで可能です。

しかし最大の特徴はその多機能ぶりではなく、フットスイッチの「MASH機能」にあります。フットスイッチには圧力を感知する機能が備わっており、踏み込み加減によって特定のパラメータを操作できます。演奏中にエフェクトの効果がダイナミックに変化する、まったく新しい音楽表現ができます。


Flashback 2 Delay – オフィシャル プロダクト ビデオ
基礎的なディレイから幻想的なサウンドまで、そしてフットスイッチを踏み込むことで得られる特殊効果。かつてない新しい表現が可能です。

いっぽう「フラッシュバック・ミニ」は常時1種類のディレイしか搭載できませんが、スマホアプリ「TonePrint」の操作によって、Flashback DELAYで使えるような高品質なディレイサウンドを入れ替えて鳴らすことができます。高品質なディレイが扱えながらリーズナブルな価格を実現しているため、ディレイは1種類だけあれば大丈夫という人はこちらがオススメです。

TC Electronic Flashback Mini Delay レビュー
TC Electronic Flashback Mini Delay– Supernice!エフェクター
TC Electronic Flashback DELAY & LOOPER– Supernice!エフェクター

MXR「M169 Carbon Copy Analog Delay」&「M299 Carbon Copy Mini」

M169 Carbon Copy Analog Delay

深緑色のボディと輝く青いLEDが特徴のMXR「M169」は、現行機種の中では最も人気の高いロングセラーのアナログディレイです。

モジュレーションモードを搭載し、カーボン・テープを使用したテープ・エコー風のサウンドが得られます。シンプルなアナログディレイから、独特の減衰音とモジュレーションの組み合わせによって浮遊感のある幻想的なサウンドを生み出すことが可能。それでいてシンプルな操作系統となっているので、非常に扱いやすいペダルです。初心者からプロギタリストまで、幅広いプレイヤーに愛用されているモデルです。

MXR M169 CARBON COPY ANALOG DELAY – Supernice!エフェクター

M299 Carbon Copy Mini

M169を小型化した「M299」は廉価版ではなく、むしろ機能が追加された上位機種です。M169の性能をすべて備えた上、本体側面にブライトスイッチを備えることで、限定モデル「Carbon Copy Bright」のサウンドまで再現できます

MXR M299 Carbon Copy Mini– Supernice!エフェクター

BOSS「DD-3T」&「DD-8」

DD-3T、DD-8

BOSSの「DD-3T」および「DD-8」は、シンプルにもマニアックにも使うことのできる、懐の深いデジタルディレイです。

世界的に支持されてきた名機「DD-3」の末裔「DD-3T」は、ショート・ディレイからロング・ディレイまでカバーできる3タイプの基礎的なディレイに「ショート・ループ」と改名したHOLD機能という遊び心を追加した、比較的シンプルなモデルです。フットスイッチ増設によりタップテンポ入力できるほか、原音とディレイ音を分けてアウトプットできるため、そこから別々のエフェクトを加えたり別々のアンプに送ったりするなど、かつてないサウンドメイキングにチャレンジできます。

いっぽう「DD-8」は、BOSSデジタルディレイの最新アップグレード版です。基礎的なデジタルディレイ、アナログのシミュレーションなど定番のサウンドに加え、アンビエントな雰囲気を醸し出す特殊なサウンドやルーパーとしての機能まで、全11種類のバリエーションが得られます。またタップテンポの入力からルーパーの起動/停止まで、スイッチの増設を必要とせずにコレ一台で完結できます。

BOSS DD-3T– Supernice!エフェクター
BOSS DD-8– Supernice!エフェクター

Mooer D7/D7 X2 DELAY

同社からリリースされていたミニサイズのディレイ「D7」を更に強化したモデルです。搭載されているディレイは14種類と豊富で、昔ながらのスタイルのウォームなアナログ・ディレイからカオスなサウンド、ビット・クラッシャー的なサウンドまで取り揃えています。ステレオ入出力やフットスイッチによるタップ・テンポのコントロールにも対応しており、プリセットの保存/呼び出しも可能であるなど、ペダル・サイズでありながら中型サイズの多機能ディレイに劣らない充実した機能を備えています。何より、これだけのサウンドと機能が詰め込まれていながら比較的手に入れやすい価格であるのは魅力的です。

MOOER D7– Supernice!エフェクター
Mooer D7 X2 DELAY– Supernice!エフェクター

BOSS「DM-2W Delay」

「DM-2W」は、1984年に生産が完了した名機アナログディレイ「BOSS DM-2」の正統後継機種。生産修了後も人気が高い DM-2 のサウンドを、本家 BOSS によって現代に甦らせた形です。

本機にはスタンダード、カスタムの2モードが用意され、完全再現したオリジナルのDM-2と、ディレイタイムをオリジナルの2倍に引き上げた強化版を切り替えられます。

一つ一つのパーツを選定し、職人が丁寧に組み上げて作られており、音質に優れているのはもちろん、堅牢な作りに仕上がっているのもポイントです。これからアナログディレイを探す方はもちろん、既にオリジナルを所有している方にも試して頂きたい1台です。

BOSS DM-2W – Supernice!エフェクター

安いけど侮れないディレイ

ハイコストパフォーマンスなエフェクター群は、安価なコピーモデルばかりではありません。基本的な機能に絞ったシンプルな設計で価格を抑えつつ、サウンドでは上位機種を脅かしかねないモデルもいくつか見られます。入門機としてばかりでなく、気楽に使えるシンプルな一軍のディレイとして、こうしたモデルも検討してみてください。

Effects Bakery「French Bread Delay」

French Bread Delay

「エフェクツ・ベーカリー」は、パンをモチーフとしたユルいデザイン、うらはらの凶暴なまでの機能性、これにお財布にとても優しいコストパフォーマンスが伴ったブランドです。「フレンチブレッド・ディレイ」は、アナログライクな使い心地と暖かなサウンドが手に入る、使いやすいディレイです。

「REPEAT」ツマミを最大にするとエグい「自己発振」を作動させることができ、「TIME」ツマミの操作で反響を操作できます。安さよりむしろ音で選ぶディレイです。なお、本機の「BLEND」ツマミはディレイの音量です。

Effects Bakery French Bread Delay – Supernice!エフェクター

Animals Pedal「RELAXING WALRUS DELAY」

RELAXING WALRUS DELAY

「RELAXING WALRUS DELAY」は、デジタル回路ながらアナログディレイの暖かみのあるサウンドを再現したモデルです。アナログディレイのように”発振”させることも可能で、古いアナログディレイのように音がモコモコしすぎることがなく、現代の音楽シーンにも浸透するクリアさも備えています。また可愛らしいイラストも本機の大きな特徴です。
国産の空間系ペダルながら8,000円を切る価格帯を実現しており、メインディレイとしてはもちろん初めてのアナログ風ディレイにおすすめできるモデルです。

Animals Pedal RELAXING WALRUS DELAY – Supernice!エフェクター

TC Electronic The Prophet / GAUSS

The Prophet / GAUSS

TC Electronic「The Prophet Digital Delay」は、3ツマミのシンプルな機能に加えてディレイ・タイムを切替できるスイッチを搭載し、ショート・ディレイからロング・ディレイまでカバーできるなど、7,000円前後の価格帯ながら一般的なデジタルディレイに求められる王道的な機能を全て搭載しています。スイッチをONにした時の音質劣化がないトゥルーバイパス仕様。デジタルディレイ入門機に最適なモデルです。

「GAUSS」は、3ツマミのシンプルな機能にモジュレーション効果を加えるMODスイッチを搭載し、伝説的なテープエコーのサウンドをデジタル回路で再現したコンパクトなディレイ・ペダル。ビンテージテープエコー・サウンドの入門機に最適なモデルです。

TC Electronic The Prophet Digital Delay – Supernice!エフェクター
TC Electronic Gauss Tape Echo – Supernice!エフェクター

Ibanez「ADMINI」

Ibanez ADMINI

「ADMINI」は、アイバニーズのアナログディレイ「AD9」のサウンドを継承し、現代的なスペックをまとったミニサイズのエフェクターです。他エフェクターに比べて割高になるアナログディレイの中にあって1万円を切る価格帯と非常にコストパフォーマンスに優れ、従来の半分ほどのペダルサイズ、トゥルーバイパスと、非常に扱いやすのが特徴です。
デジタルでは得られない柔らかなディレイ音、そのサウンドもしっかりとしたものになっており、アナログディレイの入門機種におすすめのモデルです。

Ibanez ADMINI – Supernice!エフェクター

個性派ディレイ

ディレイには、どこまでの可能性があるのか。人類の到達点は、私たちの想像をはるかに超えたところにありました。未知のデバイスはミュージシャンを刺激し、新しい音楽を創造せしめます。ここではそんな、「普通」という言葉をどこかに置いてきてしまったディレイをチェックしてみましょう。

Walrus Audio「ARP-87」

ARP-87

「ウォルラス・オーディオ(Walrus Audio)」は、コンパクトな本体に多くの機能を突っ込み、かつシンプルにまとめあげるエフェクターを作っているブランドです。「ARP-87」はデジタル/アナログ/ローファイ/スラップバックという4種類のディレイに、ディレイ・タイムに対する4種類の音符選択、ディレイ音にかかるトーン回路、そしてモジュレーションまで備わっています。

このサイズでありながら、エフェクトの起動フットスイッチとは別にTAPスイッチが備わっているのもポイントです。フットスイッチ長押しでTAP入力モードにして、という操作を経ずにいきなりテンポ入力できるのは、一瞬も無駄にできない現場のミュージシャンにとって大きなメリットです。

Walrus Audio ARP-87-Supernice!エフェクター

Old Blood Noise Endeavors「Mondegreen Delay」

Mondegreen Delay

「オールドブラッド・ノイズ・エンデヴァーズ」は、ルックスにも機能にも個性をギラギラと光らせているブランドです。「モンデグリーン」は、

  • STUTTER:ディレイ音にトレモロをかける
  • WHIRL:ディレイ音にコーラスがかかる
  • SHEER:ディレイ音が次々とオクターブアップしていく

という3つの超個性的なディレイしかないペダルです。しかもエクスプレッションペダルを増設することでエフェクトのかかり具合をリアルタイムに操作でき、異次元の表現が可能です。

Old Blood Noise Endeavors Mondegreen Delay– Supernice!エフェクター

BOSS 「RE-2」「RE-202」

1974年に登場したRolandの「RE-201 Space Echo」のサウンドを、コンパクトなペダル・サイズで再現したモデルです。「RE-2」ではいわゆる「BOSSコン」サイズ、「RE-202」ではもう少し大きな筐体であるとはいえ、オリジナル機の巨大さを考えれば圧倒的にコンパクトな筐体に落とし込まれています。RE-201の再現モデルとしては以前から「RE-20」がリリースされていましたが、本機ではよりオリジナルに近いサウンドに仕上げられています。またREPEAT RATEはオリジナル機の2倍の長さに拡張されており、新たなエコーも数種類追加されているなど、ある意味オリジナルを超えた一台である、ともいえるでしょう。

BOSS RE-2 Space Echo
BOSS RE-202 Space Echo – Supernice!エフェクター

Chase Bliss Audio「MOOD」&「Thermae」

MOOD、Thermae

「チェイス・ブリス・オーディオ」は、数々のツマミ、トグルスイッチ、DIPスイッチの組み合わせで未体験のサウンドが得られる、エフェクターのディープさを味わわせてくれるブランドです。

「ムード」は、短いルーパーとディレイを組み合わせた新発想のペダルです。左列のチャンネルは、先述の「Old Blood Noise Endevors」による、3種類の幻想的なライブ空間エフェクト。右列はエフェクターブランド「drolo」によるループチャンネルで、こちらも3タイプが選択できます。この二つが相互作用することで、理解を超える効果が得られます。中央に控える「CLOCK」ツマミは、サンプルレートを操作することでサウンドキャラクターを激変させる効果があります。

「テルマエ(Thermae)」は、アナログディレイにピッチシフトとモジュレーションをかけるという複合的なデバイスです。アナログの暖かなディレイ音に対して音楽的なアプローチで加工ができるという触れ込みで、人類が想像だにしなかったサウンドを奏でることができます。エクスプレッションペダルを増設することでリアルタイムにパラメータを変更できるなど、もはや楽器と呼んでよい代物です。

Chase Bliss Audio MOOD
Chase Bliss Audio Thermae– Supernice!エフェクター

ハイエンドな多機能ディレイ

レコーディングにおいては、ディレイは録音してからスタジオの機材でかけることも多く行なわれています。そのスタジオ機材なみの機能と音質を持ったディレイペダルも多くリリースされており、スタジオレベルの効果をライブで出すことができます。

Universal Audio Starlight Echo Station

UAFX Starlight Echo Station

2021年5月に登場したUniversal Audio社の UAFX Starlight Echo Station は、テープエコーの名機「Echoplex」、アナログディレイの金字塔となったElectro Harmonix「Deluxe Memory Man」、無垢で鏡のようなリピートが得られるスタジオ・デジタル・ディレイ「Precision」、3種類のサウンドを搭載したディレイペダル。同社の定評あるUADプラグインを足元でコントロールできるというコンセプトの製品で、UADプラグインらしく、オリジナル名機のサウンドを執念を感じるほど忠実に再現しているのが特徴です。そのサウンドは一つの体験と呼べるほど濃厚・濃密、ディレイのサウンドにこだわる人は必ずやチェックして欲しい逸品です。


Universal Audio UAFX Pedal Series:スタジオ品質、濃密で心に響く重厚なサウンドの、リバーブ/ディレイ/モジュレーション3機種!

《スタジオ品質、濃密で重厚なサウンド》Universal Audio UAFX Pedalシリーズ

Line 6 DL4 MkII

DL4 MkII

多機能ディレイの大定番機として、発売から20年以上経過した現在においても使用者の多いLine 6の「DL4」のアップグレード・モデルです。初代モデルにおいては悩みの種であったサイズや重量はより小さく軽くなり、ボードにも組み込みやすくなりました。また重く大きな専用のアダプターを必要としていた初代に対して本機では一般的なパワー・サプライでの駆動にも対応しており、より現代的なニーズが意識されたものになっています。ディレイの種類も倍に増え、ルーパーの最長ループタイムも大きくなったほか、新たにリバーブも追加されたため空間系エフェクトを1台でまかなうことができるようになっています。

《創造性を刺激する多機能ディレイ》Line 6「DL4 MkII」

BOSS「DD-500」&「DD-200」

「DD-500」&「DD-200」

「DD-500」は、コンパクトペダルの中では随一の32bitという超高音質を実現した、BOSS史上最高スペックのデジタルディレイです。12種類のディレイモードを搭載し、クリスタルのように透明感のある2系統のディレイを瞬時に切り替えて使用することができます。好みのサウンドを保存できるメモリー機能も膨大に用意され、各ディレイ毎にタイムやフィードバックの値を細かく設定できるほか、ディレイのトーンコントロール、ディレイ音にモジュレーション(コーラス)を追加できるMOD DEPTHツマミなど、コンパクトサイズのディレイでここまで音作りを追い込むことができるモデルは他に見当たりません。デジタルディレイを使って徹底的に音作りがしたいという人に最適なモデルです。

「DD-200」は DD-500 の機能を継承したコンパクト・モデル。操作系統はいくらかシンプルに。またいくつかのディレイタイプが省かれ、かわりにDRUM、PAD ECHO、LO-FI、DUCKING4つのディレイタイプが新しく搭載されています。

BOSS DD-500 – Supernice!エフェクター
BOSS DD-200 – Supernice!エフェクター

strymon「El Capistan」「TIMELINE」「VOLANTE」「DIG」

VOLANTE VOLANTE

カリフォルニアに拠点を置く「ストライモン」は、アナログとデジタルの両道を極めた、ハイエンドペダルのブランドです。強力なDSPが採用された高い基本性能が持ち味で、耳の肥えた玄人も納得させるクオリティを誇ります。

ディレイペダルはいくつもリリースされていますが、そのどれもがプロの欲するポイントをしっかり押さえており、名機と言われています。

  • エル・キャピスタン(El Capistan):3種のヴィンテージ・テープエコーを詳細に再現。
  • タイムライン(TIMELINE):スタジオクオリティのディレイを12種類使える。
  • ボランチ(VOLANTE):マグネティック・ドラムエコー、テープエコー、スタジオエコーの3つが選べる。
  • ディグ(DIG):二つのデジタルディレイを組み合わせた新しいサウンドが作れる。

strymonのディレイ一覧– Supernice!エフェクター

Empress「Echosystem」&「Tape Delay」

Tape Delay Tape Delay

「エコーシステム」は、ギラッギラのデジタルから懐かしの名機の音まで36タイプのアルゴリズムを擁し、35個まで記憶させて呼び出せる超多機能ディレイペダルです。2系統のディレイを直列、並列、また左右バラバラに組み合わせられるほか、「SN比104デシベル以上」というスタジオ機器並の高音質があり、原音は劣化することがありません。

「テープ・ディレイ」は、テープエコーのオーガニックなサウンドをしっかり使えるペダルです。いくつものモードを選べる他のモデリングディレイと異なり、本機は基本のディレイが一つに決まっているのが特徴です。磁気テープの状態を切り替えたり、フィルターやモジュレーションをかけたりしてサウンドを作り、最大3つまで記憶できます。

Empressのディレイ一覧– Supernice!エフェクター

FREE THE TONE「FUTURE FACTORY FF-1Y」

FUTURE FACTORY FF-1Y

「フューチャー・ファクトリー」は、FREE THE TONE社が「新たなサウンドの創造」をキーワードに作り上げた高品位かつ斬新なディレイペダルです。独自開発した「ゆらぎモジュレーション」機能はモジュレーションに不規則性を持たせ、揺らめきながら浮かび上がる美しい響きを生みだします。

2系統のディレイ回路は直列にも並列にも設定でき、このほかディレイ音に対し3バンドEQとクリッピング回路を備えます。基本操作はボタンでパラメータを呼び出してジョグダイヤルで設定するというシンプルさで、恐ろしく多機能ながら感覚的なサウンドメイキングができます。

楽器業界のイノベーター:代表の林幸宏氏が語るFREE THE TONEエフェクターの世界
FREE THE TONE FUTURE FACTORY FF-1Y– Supernice!エフェクター

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