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《現代テレキャスターの先祖》Fender Broadcaster

フェンダー・ブロードキャスター

現代テレキャスターの先祖「フェンダー・ブロードキャスター」は、「フェンダー・エスクワイア」の進化版として、1950年10月ごろ発表されました。フロントピックアップとトラスロッドを持たないエスクワイアに対し、ブロードキャスターは二つのシングルコイルで音色を切り替え、ネックの反りを調節できます。この時点で、現代のテレキャスターに通じるほとんどの部分が完成していました。

しかしながら、商品名がグレッチ社のドラムセット「ブロードカスター(Broadkaster。現在では復刻版が絶賛発売中)」の商標を侵害しているという指摘を受け、「ブロードキャスター」を名乗ることができなくなりました。そこで、1951年2月ころからは商品名を削って出荷(いわゆる「ノーキャスター」)、同年4月頃から新たに「テレキャスター」の名を冠するようになりました。ブロードキャスターの生産期間はわずか数カ月、生産台数は250台ほどだと言われています。

オリジナル・ブロードキャスターの特徴

フェンダー・ブロードキャスター1950年製 Broadcaster

現代のテレキャスターと比べ、50年当時は操作系の仕様が大きく異なります。ギターがベースパートを演奏することも多かったこともあり、3Wayセレクタースイッチの設定は1)低音をカットしたフロントピックアップ単体、2)ノーマルのフロントピックアップ単体、3)フロント&リアのミックスでした。現在ではトーン回路が常識的な二つ目のツマミは、当時は3)の配分を設定する「ブレンダー」で、回しきるとリア100%、反対に回しきると半分ずつ、という設定でした。「リア+フロントのミックス具合を調節できる」という設計は現代でも散見するとは言えやはり独特で、このギター特有の澄んだ「ベルトーン」に硬めから柔らかめまでさまざまな表情が得られました。

《祝70周年》フェンダー・ブロードキャスターが復活

ポピュラーミュージックのあり方を劇的に変えた功労者「フェンダー・ブロードキャスター」が2020年、発表から70周年を記念して限定的に復刻されました。カスタムショップとレギュラーラインの両面でリリースされていますが、目に付くところ総てでマイナスネジを使用しており(※)、この企画に対するフェンダーの本気度が伺えます。70周年記念ネックプレートを採用するほか演奏性に一工夫を加えるなど、オーセンティックな本体にちょっとだけ現代版アレンジを施した、現役の楽器として仕上がっています。
※マイナスネジは電動ドライバーが使用できず、すべて手回しでの作業が強いられます。


The 70th Anniversary Broadcaster ft. Todd Sharp | Fender
ミュージシャンでありつつ、自らの名を冠するギターアンプを世に送り出しているトッド・シャープ氏。現代によみがえったブロードキャスターは、時に優しく、時に荒々しく、美しい音色を奏でます。

Fender Custom Shop「LIMITED EDITION 70TH ANNIVERSARY BROADCASTER」

Fender Custom Shop BROADCASTER

フェンダー・カスタムショップからリリースされた「70周年記念ブロードキャスター」は、太すぎというほどでもない感じの握りやすい「’50ブロードキャスター”U”」シェイプネックに、ナット部の7.25″から21フレットの9.5″まで徐々に変化する「コンパウンド・ラジアス指板」、やや高さのある「ミディアム・ヴィンテージ」フレットを備える、現代的な演奏性を持ったギターです。
こだわりの操作系は、1950年仕様です(先述)。しかし現代の標準的テレキャスターの回路(Fat ’50s アッセンブリーキット)も同梱されているので、普通のテレキャスターとしても使用することができます。

付属品は、ハードケース、Fat ’50s アッセンブリーキットに加え、認定書、保証書、ピック2枚、ブリッジカバー、革製ストラップまであります。

カスタムショップ「’50-’51 Blackguard」ピックアップ

70周年記念ブロードキャスターは、カスタムショップ/レギュラーライン共に、カスタムショップの設計による「’50-’51 Blackguard」ピックアップが載せられます。リアに面取り加工をしていない大径のアルニコIII磁石、フロントにアルニコV磁石を使用、43ゲージのエナメル線を手巻きするなどの構造で、押し出しの強い低音域、豊かな中音域、歯切れの良い高音域のある、生き生きとした音が特徴です。

選べる4種類のエイジド仕上げ

Fender Custom Shop BROADCASTER Heavy Relic 70TH ANNIVERSARY BROADCASTER Heavy Relic

70周年ブロードキャスター1モデルに対し、カスタムショップお得意の「エイジド」仕上げが4種類も用意されているのも、フェンダーの気合を感じさせます。新品の「タイムカプセル・フィニッシュ」から、大事に愛用されてきた感じの「ジャーニーマン・レリック」、ふつうに使われてきた「レリック」、酷使を耐え抜いた「ヘヴィレリック」まで、それぞれの顔つきを楽しむことができます。

Fender 70th Anniversary Broadcaster

Fender 70th Anniversary Broadcaster

復刻されたブロードキャスター本体は、ブロンドカラーのアッシュボディ、指板とネックが一体成型のワンピースメイプルネック、フェノール樹脂製ブラックガードというまさに本物の構成です。木部にはニトロセルロースラッカー塗装が施され、優雅に老いていく経年変化を楽しむことができます。

ネックは厚みのあるUシェイプ、丸みの強い7.25″R指板、というこれもまさに当時の仕様です。これに対してフレットはやや高さのある「ヴィンテージ・トール」が採用されており、ピッチの正確さと押弦のしやすさが現代的な基準まで引き上げられています。

70th Anniversary Broadcaster:ボディ

操作系は現代仕様で、一般的な3Wayセレクターとボリューム/トーンという構成です。50年代当時の仕様を体験できる「Broadcasterワイヤリングキット(15k抵抗、および配線図)」も同梱されます。付属品はこのほか、ツイードハードケース、証明書、革製ストラップがあります。ハードケースはこのモデルのためにカスタマイズされたもので、内側に「Fender 70th ANNIVERSALY BROADCASTER」のロゴが刺繍されます。