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《さらなる進化を遂げたプロ仕様機》Fender「American Professional II」シリーズ

Fender American Professional II

フェンダーのモダン系上位モデル「アメリカン・プロフェッショナル」シリーズが、より現代的なサウンドとさらなる性能の向上を果たし、第二世代へと刷新されました。どんなところが新しくなったのでしょうか。今回はこの「アメリカン・プロフェッショナルII」シリーズのエレキギターの全体像をチェックしていきましょう。


Exploring The American Professional II Stratocaster | American Professional II Series | Fender
ライブ映えする存在感、他の楽器に持ち替えなくてもいろいろな楽曲が演奏できる多様性。「The One.For All.(一本あれば全部できるよ!)」というキャッチコピーも納得のギターです。

シリーズに共通する特徴

はじめに、シリーズ全体に共通する「II」の特徴を見ていきましょう。歴史を背負いながらも常に「現代の楽器」を発表してきた、フェンダーの提唱する「今」を垣間見ることができます。

「プッシュプッシュ・トーンノブ」でサウンドバリエーションを拡充

プッシュプッシュ・トーンノブ

新しい仕様の中で最も重要なのは、各モデルで追加の音声を切り替える「プッシュプッシュ・トーンノブ」の採用です。トーンノブを押し込むとスペシャルモードが起動し、再び押し込むと解除されます。

一般的なギターでコイルタップなどに使用するスイッチポットは、引き上げてON、押し込んでOFFの「プッシュプル」式がほとんどですが、ストラトキャスターなどで使用されるハット型のノブは、引き上げるのには適しません。プッシュプッシュ式はハット型ノブと相性が良いほか、押すだけなので一瞬の操作で起動できるのがメリットです。

スペシャルモードの内容は、モデルによってさまざまです。

  • ストラトキャスター:フロントピックアップON。「リア+フロント」と「シングルコイル全部」の音が得られる。
  • ストラトキャスターHSS:リアのハムバッカーをコイルタップする。タップ時にも音量バランスは均一に保たれる。
  • テレキャスター:ミックスポジションを直列つなぎに切り替え、ファットなトーンを得る。
  • テレキャスター・デラックス:両ハムバッカーをコイルタップする。タップ時にも音量バランスは維持される。
  • ジャズマスター:リアピックアップのサウンドを、ヴィンテージ系の鋭い音に切り替える。

さらに弾きやすいネック

スーパーナチュラル・サテン仕上げネック

ネックまわりの演奏性が一歩前進しました。ディープCネックプロファイルは前モデルから継承しつつ、ネック裏には「スーパーナチュラル」サテン仕上げが採用されました。モダン志向のギターに求められる、引っ掛かりのないサラッサラの触り心地が得られます。このほか指板エッジ部が丸く整えられ、良好な握り心地が得られます。

ハイポジションには「スカルプテッド・ネックヒール」が採用され、ヒール部のカドが丸く整えられました。これによりハイポジションの演奏性が飛躍的に向上しています。

進化した「V-Mod II」ピックアップ

二つの磁石を組み合わせることで各弦に適切なサウンドが得られる「V-Mod」ピックアップは、磁石の選択とコイルの巻き加減に関する研究を推し進め、「ベルのような輝きとウォームさ」を両立する「V-Mod II」ピックアップとして新たに完成しました。フェンダーのシングルコイルはポールピースの高さが固定されており、弦ごとの音量調整はできません。しかし、V-Mod IIでは各弦の音量バランスが十分に考慮されており、ここに悩まされることから解放されました。

ハムバッカー搭載機に採用される「ダブルタップ・ハムバッカー」は、パンチの効いた現代的なトーンを持っています。特殊な設計によって、本来なら音量が半減するコイルタップ時にも出力が変わらない、ここに悩まされずにサウンドバリエーションを楽しむことができるようになっています。

各モデルに新しいブリッジ仕様を採用

ブリッジまわりの仕様に手が加えられ、サウンドや使い勝手が向上しています。

Cold-Rolled Steel Block(Stratocaster)

ストラトキャスターのシンクロナイズド・トレモロユニットに採用されている「コールドロールド・スチールブロック」は、再結晶温度以下の低温で処理された冷間圧延鋼を使用しています。通常の鉄製ブロックよりも、音の伸びと透明度、高音域の響きが向上しています。

また「ポップイン・アーム」が採用され、クルクル回さなくても押し込んでカチっと言わせれば取り付け完了できます。ユニット自体は動きの良い「2点支持」タイプのブリッジベースに、伝統的な「ベントサドル」という新旧の仕様をミックスした設計で、基本構造としては先代の仕様を継承しています。

Top-Load / String-Through “Bullet” Saddle Tele Bridge(Telecaster)

バレット型3連ブラスサドル

テレキャスターのブリッジは伝統的なスタイルを継承しつつ、両サイドの「壁」を低く落として現代的な演奏性を確保しています。弦の張り方を選ぶことができ、通常のボディ裏通しとブリッジ側で固定する「トップロード」の選択で、弦ごとに張り加減を操作できます。

バレット型の3連ブラスサドルは、弦を受け止める頂点の位置が調節されているので、テレキャスター好きのギタリストに好まれる伝統的なスタイルを維持しながらも、泣き所であったオクターブピッチの正確さを、大幅に改善しています。

Panorama Tremolo System(Jazzmaster)

パノラマ・トレモロシステム

ジャズマスターに採用された「パノラマ・トレモロシステム」は、「遂にフェンダーがココに手を入れた」と評される、抜本的な改修が施されたフローティング・トレモロシステムです。

分かりやすいところでは、サドル手前に3つ並んでいるネジの位置が変更されました。コレは内部の支点を固定するためのネジですが、ブリッジ位置が低いとネジの頭が1弦や6弦に干渉することがありました。「パノラマ~」ではこれを回避すべく、ネジの位置を5~6弦および1~2弦のちょうど中央に位置するよう変更しています。

内部機構は大きく変更され、トレモロを動かす支点の位置が変わり、音高の可変域が大幅に向上しました。従来のフローティング・トレモロではテールピース付近にあった支点が、「パノラマ~」では先述の3連ネジ直下に移動されたわけです。ピッチの可変域はおよそ倍ほどにまで拡充されましたが、パーツの精度も向上しているので、チューニングの安定度も高く確保されています。

またストラトキャスターと同様、ポップイン・アームが採用されています。カチっというまで押し込んだら、抜けてしまうことはありません。

クールな新色と、新しいボディ材

マイアミブルー、ダークナイト、マーキュリー、ミスティック・サーフグリーンの4色が新たに導入されました。また、本モデルではアッシュ材のかわりとして、これまではカスタムショップや限定モデルでのみ使用されていた「ローステッド・パイン」が採用されました。バタースコッチブロンド、シエナサンバースト、ローステッド・パイン(ナチュラル)カラーではこの木材がボディ材に使用されます。

Professional II Stratocaster Roasted Pine Professional II Stratocaster Roasted Pine

ローステッド・パインには独特の音の暖かさがあり、甘く伸びやかなサウンドキャラクターを持っています。クッキリと浮き出る木目の美しさもポイントです。

左利きにもうれしい

Professional II Stratocaster Lefty

ストラトキャスター、テレキャスター、ジャズマスターともに、シングルコイル機のみでカラーリングも限定されますが、お値段そのままで左用モデルもリリースされています。フェンダーはかねてより左利きのギタリストにも手厚いラインナップを敷いてきましたが、モデルチェンジしてもこの方針は変わらず維持されています。人口の10%ほどという左利きのみなさんも、我慢して右用のギターを使わなくて済むのです。

「アメリカン・プロフェッショナル II」シリーズのラインナップ

では、アメリカン・プロフェッショナルIIシリーズのラインナップを見ていきましょう。全機種で「トレブル・ブリード」回路が採用されているのは前モデル同様です。音色を維持したまま、音量の操作が可能です。カラーリングの選択肢が多く準備され、各色にに準じたピックガードがあしらわれます。指板は同じくボディカラーに準じ、メイプルとローズウッドの2タイプが選べます。

American Professional II Stratocaster / Stratocaster HSS

American Professional II Stratocaster

American Professional II Stratocaster American Professional II Stratocaster

ストラトキャスターは基本的に60年代式の本体をベースに、伝統的な姿をしっかり残しています。SSS機には9色、HSS機にはブラックを除いた8色、左用SSS機には4つの新色に3カラーサンバーストとホワイトを加えた6色があります。

刷新されたV-Mod IIピックアップとプッシュプッシュ・トーンノブのスペシャルモードの組み合わせで、幅の広いサウンドメイキングができます。


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American Professional II Telecaster / Telecaster Deluxe

American Professional II Telecaster

American Professional II Telecaster Deluxe

テレキャスターは、バインディングのないボディとブラス製サドルという50年代式の設計に、8点留めピックガードという60年代式の設計を合わせたスタイルにまとまっています。ジャキジャキしたテレキャスターらしいサウンドに加え、両シングルコイルを直列につないだファっトなサウンドが得られます。カラーリングは定番のバタースコッチブロンドを含む10色ありますが、左用は新色のみの4色です。

テレキャスター・デラックスは、ラージヘッドを継承した70年代式のスタイルです。2基のダブルタップ・ハムバッカーピックアップは音の太さに加えて高音域の存在感がたっぷりあり、往年のワイドレンジ・ハムバッカーの雰囲気も味わうことができます。カラーリングは、4つの新色に3カラーサンバーストとホワイトを加えた6色です。


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American Professional II Jazzmaster

American Professional II Jazzmaster

今回のモデルチェンジで、最も大きな変身を遂げたのがジャズマスターです。トレモロシステムや電気系を簡略化せず、伝統的なルックスをかたくなに守り通しながら、さまざまなポイントが改善されています。「II」の共通仕様にのっとった改修が施されたのはもちろんですが、それに加えてサドルがブラス製のムスタング・タイプに変更されています。これはジャズマスターやジャガーの泣き所であった「弦落ち」の対策としてポピュラーな改造法で、フェンダー自身もアーティストモデルなどで初めからムスタングのサドルを備えたジャズマスターをリリースしています。

また、低音弦側に配置される「リズム・サーキット」は、「シリーズモード・リズム・サーキット」へと変更されています。スライドスイッチで起動させると両ピックアップを直列に接続した「シリーズ(直列)モード」に入り、通常よりでかいサイズのシングルコイル2つを使った疑似ハムバッカーの、ぶっといサウンドが得られます。シリーズモードには通常時と独立したトーン回路とボリューム回路が備わっており、アイディア次第で大幅なサウンド切り替えが可能です。

カラーリングは右用左用共に、定番の3カラーサンバーストに新色を加えた5色です。


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