メキシコ製フェンダー・テレキャスター徹底分析!

[記事公開日]2019/11/18 [最終更新日]2020/2/28
[ライター]小林健悟 [編集者]神崎聡

生産完了モデル

Standard シリーズ

Standard Telecaster
Special Edition White Opal Telecaster
Standard Telecaster HH

Fender Standard Telecaster Standard Telecasterの5つのカラーラインナップ

スタンダード・テレキャスター」は、前述したように現代という時代に合わせた、まさに標準的な仕様のテレキャスターになっています。

スタンダード・テレキャスターHH」は、ハイゲイン志向のハムバッカーを2基搭載した、ヘヴィ仕様のテレキャスターです。ギター本体の仕様はスタンダード・テレキャスターと共通ですが、ブリッジはヴィンテージ・スタイルのものが採用されており、6連サドルは鉄板を曲げた「ベントサドル」となっています。ヘヴィ志向のギターではありますが、コイルタップが付いているのでシングルコイル特有の細く鋭いサウンドも出すことができます。それでいてスタンダード・テレキャスターと同じ価格設定なのがうれしいところです。

「スペシャル・エディション」として、ホワイトパールカラー、マッチングヘッド仕様が限定生産されました。

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Fender Standard Telecaster HH Demo | Fender
太いサウンドから繊細なサウンドまで、懐の深いギターですね。

Classic シリーズ

Classic Series ’50s Telecaster Lacquer

Classic Series 50s Telecaster Lacquer

2018年7月に登場した、CLASSICシリーズの中でも高品位なモデル。アッシュボディ/ヴィンテージスタイルの21フレット/Cシェイプ・メイプルネック/7.25Rメイプル指板/3サドルブリッジという1950年代のテレキャスターが持つヴィンテージスタイルの仕様に、年月の経過とともに独特な風合いが増す「ニトロセルロースラッカー」仕上げを採用。伝統的なモデルを探している人にとって魅力的なモデルとなっています。

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Classic Player Baja Telecaster
Classic Player Baja ’60s Telecaster

Classic Player Baja Telecaster 左3本:Classic Player Baja Telecaster、右3本:Classic Player Baja ’60s Telecaster

エンセナダ工場のあるバハ・カリフォルニア州に由来する「Baja(バハ)」テレキャスターは、フェンダー・カカスタムショップ所属のマスタービルダー、クリス・フレミング氏により設計されたスペシャルなテレキャスターです。レトロなルックスと感触を持つ普通のテレキャスターのように見えながら、特殊配線によってサウンドバリエーションが増強されています。また基本理念はそのままに、1960年代風のスタイルを持つ「バハ ’60S テレキャスター」もリリースされています。

モデル名 Baja Telecaster Baja ’60s Telecaster
ボディ材 アッシュ アルダー
ネック/指板 メイプル1P
ソフトVシェイプ
指板R9.5″(241mm)
フレット数21
ナット幅1.625″(41.3mm)
ローズ指板
’60s”C”シェイプ
指板R9.5″(241mm)
フレット数21
ナット幅1.65″(42mm)
フロントピックアップ フェンダー・カスタムショップ”Twisted” American Vintage ’52
リアピックアップ フェンダー・カスタムショップVintage-Style Tele American Vintage ’58
ブリッジ American Vintage ブラス製3連サドル American Vintage 3連クロームバレルサドル

表:「Baja」テレキャスター2機種の比較

さすがにカスタムショップの設計だけあり、ピックアップとブリッジにはグレードの高いものが採用されているのが分かります。

バハ・テレキャスター最大の特徴である「特殊配線」ですが、両機とも共通して

  • フロント+リア直列の疑似ハムバッカーが得られる4Wayセレクタスイッチ
  • ミックス時に「フェイズアウト」させるS-1スイッチ

を備えています。「フェイズアウト」は片方のピックアップの電極を逆転させたときのサウンドで、クセのある細いキャラクターを持っています。

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Classic Series ’72 Telecaster Custom
Classic Series ’72 Telecaster Deluxe
Classic Series ’72 Telecaster Thinline

Classic Series 72 Telecaster

70年代を象徴するテレキャスターが、3機種リリースされています。

  • カスタム:ソリッドボディ、フロントハム
  • デラックス:ソリッドボディ、2ハム
  • シンライン:セミホロウボディ、2ハム

というざっくりとした違いがありますが、細部にも違いが反映されています。この3機種の共通点と相違点をチェックしてみましょう。

共通点としては、

  • 3点留めネックジョイント、マイクロティルト装備
  • フェンダーの「F」が刻まれたヴィンテージ・スタイルのペグ
  • 「バレル(弾丸)」タイプのトラスロッドナット

が挙げられ、この時代の雰囲気をしっかりと演出しています。「マイクロティルト」は、ネックを外すことなくネックの仕込み角を調節する機能です。

モデル名 Custom Deluxe Thinline
ボディ材/構造 アルダー/ソリッド アルダー/ソリッド アッシュ/セミホロウ
ネック仕様 メイプルネック、ローズ指板、Cシェイプグリップ メイプル1Pネック、ラージヘッド、Cシェイプグリップ メイプル1Pネック、Uシェイプグリップ
指板仕様 7.25インチ指板R、ナット幅42mm、ヴィンテージ・スタイル21フレット 12インチ指板R、ナット幅42mm、ミディアムジャンボ21フレット 7.25インチ指板R、ナット幅42mm、ヴィンテージ・スタイル21フレット
フロントピックアップ ワイドレンジ・ハムバッカー ワイドレンジ・ハムバッカー ワイドレンジ・ハムバッカー
リアピックアップ Standard Single-coil Tele ワイドレンジ・ハムバッカー ワイドレンジ・ハムバッカー
操作系 2V2T、トグルスイッチ 2V2T、トグルスイッチ 1V1T、レバースイッチ
ブリッジ アメリカン・ヴィンテージ3連サドル ヴィンテージ・スタイルのハードテイル ヴィンテージ・スタイルのハードテイル

表:’72テレキャスター3機種の比較

ネックの仕様が3モデルとも異なっているのがポイントとなるでしょう。総じてヴィンテージ・スタイルの仕様を採用しながら、「デラックス」のネックは現代音楽での仕様を想定してか、バリバリの現代仕様となっています。

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Classic Series ‘60s Telecaster with Bigsby生産完了

Classic Series ‘60s Telecaster with Bigsby

60年代のスタイルでまとめたテレキャスターに、ビグスビーを取り付けたモデルです。ビグスビーによってアーミングが可能となるほか、サスティンが延長されるなどサウンドにも変化が現れます。バインディングを施したアルダーボディ、4点留めメイプルネックに7.25Rローズ指板、ヴィンテージ・スタイルピックアップといった仕様で、雰囲気充分のテレキャスターになっています。

Modern Playerシリーズ

「モダン・プレイヤー」は、これまでさまざまな設計のギターを世に送り出すことで新たな可能性を模索していった「フェンダーの歴史」を継承したうえで、従来のスタイルにこだわらない新しさを盛り込んでいるシリーズです。これまでなかなか無かった仕様が採用されていて、とても面白いラインナップとなっています。それでいて「新しい仕様を世に問う」というコンセプトから、スタンダード・シリーズよりも価格を下げ、手に入れやすくしています。

このシリーズに共通する仕様を見てみましょう。モダン・プレイヤーの特徴だけでなく、どのポイントでコストダウンされているのかが見えてきます。

仕様 モダン・プレイヤーの共通仕様 スタンダードとの違い
ネック仕様 メイプル1Pネック
指板R9.5インチ(241mm)
“C”シェイプネックグリップ
ナット幅42mm
フレット数22
ポリエステル塗装
「スタンダード」にはローズ指板も有り。指板R、ネックグリップ、ナット幅は共通だが、こちらは21フレット、ウレタン塗装。
ピックアップ モダン・プレイヤー専用 Standard Single-Coil
ペグ ヴィンテージ・スタイル(クルーソンタイプ) ロトマチック・タイプ(Cast/Sealed)
ブリッジ ストラトタイプのハードテイル・ブリッジ(ベントサドル) 6連ブロックサドル

表:モダン・プレイヤーの共通仕様及びスタンダード・テレキャスターとの違い

ネック塗装がポリエステルとなっているのが、低価格化に寄与しています。しかしさすがにフェンダーだけあって、ピックアップはこのシリーズのために設計しており、このシリーズに対するフェンダーの本気度を感じることができます。

「モダン」という名が付きながらもペグとブリッジには軽量なヴィンテージ・スタイルが採用されているのが、モダンなのかトラッドなのか区別に困るところではあります。

Modern Player Telecaster Plus

Modern Player Telecaster Plus

「テレキャスター・プラス」は、ピックアップにSSH配列を採用した新しいスタイルのテレキャスターで、5Wayセレクタ―スイッチによってストラトキャスター同様に5種類のサウンドを出すことができます。さらにミニスイッチの操作でリアのハムバッカーをコイルタップすることができ、さらにサウンドバリエーションが拡げられています。

ボディ材に「パイン」が使われているのも、ちょっとしたポイントです。パイン材は北アメリカ産のマツ科針葉樹から作った木材で、建材に多く使用されるものです(決してパイナップルの木ではありません)。エレキギターの材料としては珍しさがありますが、木目が均一で美しく、高音から低音まで幅広く鳴る音響特性があり、何よりテレキャスター設計のヒントになったラップスチールのボディ材として使用されてきた、由緒正しい木材です。

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Modern Player Telecaster Thinline Deluxe

Modern Player Telecaster Thinline Deluxe

Modern Playerシリーズのテレキャスター・シンラインについてはこちらのページから↓
Modern Player Telecaster Thinline Deluxe

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