エレキギターの総合情報サイト
ギタリストの魔法の箱とも形容されるエフェクター。エレキギターで様々な音色を出すために不可欠なものですが、数が増えるにしたがって、一つずつ並べるのが手間になってきます。そんなときにおすすめなのがエフェクターボードです。この記事ではエフェクターボードを作ったことがない初心者向けに、エフェクターボードの基本的な組み方から、おすすめのエフェクターボード、配線テクニックまで、わかりやすく解説していきます。
新大阪に教室を設立し10年弱、小学生から70代まで、音楽経験皆無の初心者から歴20年のベテランまで、幅広い層に教える。2015年 著書「ロック・フュージョン アドリブ指南書: マイナー7th上で多彩なフレーズを生み出す方法」、2016年 著書「六弦理論塾〜ギタリストのためのよく分かる音楽理論」上梓。
webサイト「エレキギター博士」を2006年より運営。現役のミュージシャンやバンドマンを中心に、自社検証と専門家の声を取り入れながら、プレイヤーのための情報提供を念頭に日々コンテンツを制作中。
エフェクターボードはエフェクターを複数個並べて設置したボードのことです。大型のものになると、エフェクターのみならずジャンクションボックス、スイッチングシステムなどをまとめて組み込んであるものも存在します。ギタリストのロマンとも言われ、ほとんどのプレイヤーは眺めるだけでも楽しいと感じるでしょう。
例えばコンパクトエフェクターが2~3個までであれば、そのまま一つずつ直に置いて設置というのも可能かもしれません。
しかし、4つ以上ともなると、一つ一つ配線して配置する作業そのものがかなり煩わしくなってきます。
同じエフェクター群をボードにまとめた例。見た目にも美しく、かたまりで持ち運んで設置できるので、とても楽です。
エフェクターボードはすでに各エフェクターごとの接続が完了している状態でそのまま置けるため、設置の簡略化につながります。
特にギタリストはエフェクターの数が多くなりがちなため、ベーシストが一瞬でセッティングを終えて指を慣らしているのを横目に見つつ、自分は必死でセッティングを…というケースも珍しくなく、結局貴重なリハーサルの演奏時間を圧迫してしまうこともあります。設置に伴う手間は少ないに越したことはありません。
ひとつずつを必死で並べて、いざ演奏すると音が出ない、といったような恐怖のトラブルに見舞われるプレイヤーは少なくありません。複数のエフェクターを毎回接続から行うことで、トラブルに見舞われる危険性は当然上がります。ケーブルを引き回しての断線や接触不良はその最たるもので、セッティング時のみならず、ばらばらにカバンに入れて持ち運ぶこと自体がケーブルの不良を誘発することもあります。ボードを用意することで、これが完全に避けられるというわけでもありませんが、その危険性は下げることができます。
ボードを前にどのエフェクターを設置するか考えている時間はプレイヤーにとって大変楽しいもの。電源やケーブル、踏みやすさなど、様々なことで頭を悩ませるのものまた乙なものです。ボードをシミュレートするアプリ「Pedalboard Planner」などを使い、実際に作るわけでもない架空のボードを組み上げる、というマニアックな楽しみ方をするプレイヤーが世界中に存在していることからも、ボード制作という作業に潜む底知れない魅力を感じられます。
Pedalboard Planner – https://pedalboardplanner.com/
エフェクターボードを選ぶ際には、自分のプレイスタイルや使用するエフェクターの種類に応じて、最適なサイズと形状を選ぶことが重要です。
エフェクターボードの選び方では、使用するペダルの数が大きなポイントになります。一般的に、ペダル数が増えるほど、ボードの広さも大きくなる必要があります。例えば、3〜4個のペダルを使用する場合は小型のボードで十分ですが、6個以上のペダルを使う場合は、中型〜大型のボードが必要になるでしょう。
さらに、ペダルの種類やサイズも考慮する必要があります。ワウ・ペダルやボリューム・ペダルのように大きなペダルを使う場合はそれに応じたスペースが必要です。また、エクスプレッション・ペダルやルーパーなどの追加デバイスを使用する場合は、余裕のある広さのボードを選ぶことが望ましいです。
ボードのサイズ | メリット | デメリット |
---|---|---|
小型ボード | 携帯性:小型ボードは軽量で持ち運びが容易。移動の多いミュージシャンや、自宅での練習用としても適している。 設置スペースの節約:ステージやリハーサルスタジオでの設置スペースを取らない。 シンプルなセットアップ:必要最小限のエフェクターのみを使用することで、セットアップが簡単でトラブルも少なくなる。 |
ペダルの数が制限される:使用できるエフェクターの数が限られるため、多くのエフェクトを駆使するスタイルには向いていない。 柔軟性の欠如:必要なペダルをすべて搭載することが難しく、音作りの選択肢が狭まる可能性がある。 |
大型ボード | ペダルの数に余裕がある:多数のエフェクターを搭載できるため、複雑なエフェクトチェーンや多彩な音作りが可能。 柔軟な配置が可能:広いスペースがあるためペダルの配置に余裕があり、レイアウトしやすい。 |
携帯性が低い:重く移動が大変。公共交通機関を利用する場合や、長距離移動には不便。 設置スペースが必要:広いスペースを取るため、ステージやスタジオの狭いエリアでの使用が難しい場合がある。 セットアップが複雑:エフェクターが増える分、セットアップやトラブルシューティングも複雑になる。 |
小型ボード vs 大型ボード:メリットとデメリット
配線がすっきり見せられるすのこタイプ、昔からあるハードケースタイプ、ボード用の薄い板にソフトケースが付属したタイプなど、ある程度の種類があります。
先ほどの5つのエフェクターボード、パワーサプライをボード内部に設置した様子。見た目にもかなりすっきりとした印象
Pedaltrainが初めてこのタイプを送り出して以来、非常に人気で、現在の主流を担っていると言って過言ではありません。真ん中を通る溝にケーブルを落とし込むことで見た目もすっきりできる上、DCケーブルは他のエフェクターを避ける必要がなくなり、配線そのものも非常にスムーズに行えます。ボード自体が地面より少し浮かせてある構造のため、全体に傾斜を付けることで踏みやすくしたものもあり、裏側の余った空間にはパワーサプライを設置できることもあります。パワーサプライは小さめのものでもエフェクター1個弱ぐらいの大きさを専有するので、省スペースを考えるときにかなり大きな要素になるでしょう。
パワーサプライをボード裏側に設置した様子
KC EC-80/BK
浅底の台座に蓋が付いて薄いケースの体を成しているもの。昔から存在する、いわば正統派といってよい存在です。ギターボーカル向けのコンパクトなシステムから、たくさんのペダルを使ったリードギター向けの大型システムまで、選択肢が多く存在します。重量は重いものの、値段が比較的安いものが多く、強度が高いことから、幅広い層に根強い人気を誇ります。
ボード用の板とソフトケースの組み合わせでワンセットとなっているものです。重量を軽くできるのが最大のメリットで、製品によってはショルダーバッグ感覚で持ち運びできるため、ハードケースに比べて運搬の負担も軽いでしょう。また表面に収納ポケットが付いており、ライブやリハーサルなどに必要な機材を全て収納しておけるのも安心です。できるだけ機材を軽くしたい方や、運搬の負担を減らしたい人にもオススメです。
ソフトケースの多くがナイロン製ですが、中には保護用のスポンジが備えられており、外部の衝撃から大切なペダルを守ります。見た目以上に耐久性はあるものの、やはりハードケースには及びません。また、選べるサイズの幅も狭いので、大きめのシステムを組むには向いていません。
ボードの種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
すのこタイプ | 見た目がすっきりできる 配線がスムーズにできる 裏側の余った空間にパワーサプライを設置できる |
中心に空間があり、エフェクター本体を置くための面積は少ない |
ハードケース | 本格的なシステムを構築できる 頑丈な作りになっている製品が多い 選べるサイズが広い |
物によっては運搬が困難なほどに重い 一見頑丈そうに見えてそうでもない製品がある |
ボード&ソフトケース | 軽量なので持ち運びが楽 収納ポケットにケーブルや小物などのアクセサリをまとめて入れておける |
ハードケースに比べて耐久性が低い 大きめのシステムを組むには向いていない |
すのこタイプ vs ハードケース vs ソフトケース:メリットとデメリット
すのこタイプをはじめに世に送り出したPedaltrainの代表的製品。3段レールの中型サイズで、BOSSコンパクトエフェクターのサイズで4~5個程まで置けるため、大多数のギタリストにとって必要十分なサイズとなっています。多数見られるすのこタイプのボードでも、やはり本家のPedaltrain製品は格別の信頼性があり、長く使えること間違いありません。本体と収納用ソフトケースがセットとなり、ハードタイプに比べて重量も抑えられています。
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プリアンプなどを開発するPalmerによるエフェクターボード。このPedalbay 50Sは二段レールの小型すのこタイプで、コンパクトエフェクター4、5台程度が設置できます。本体前面に装着されたゴム足は高さを調整でき、背面には薄型のパワーサプライも設置可能。Pedalbayシリーズは他に4段レールの40、5段レールで大型の60、60Lがラインナップされており、いずれも高い評価を得ています。
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エフェクターを固定するための独自の機構を備えたボード。基本的には通常のすのこタイプでありながら、板の部分に溝が走っており、そこに付属の金具を締め込んでエフェクターを挟むことで固定します。マジックテープに頼ることなく固定できることで、エフェクター本体に手をいれる必要がなく、レイアウトも自由自在。3種類のサイズが展開されています。
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様々な楽器のケースを多数送り出す老舗キョーリツが展開する、エフェクター用ハードケースのシリーズ。幅40cmのものから100cmを越えるものまで、サイズ別に10種類以上、さらに色違いも5色と、十二分とも言えるバリエーションが魅力。耐久性はハードケースの中では中程度ですが、値段も手頃で、定番ハードケースとして導入しやすい製品です。
KC ECシリーズ – Supernice!エフェクター
ギターハンガーなどを送り出すキクタニのエフェクターケース。サイズ展開も幅45cmから90cmまで多数あり、ボードの隅のストラップピンのおかげで、ソフトケースのように肩に掛けられるのも魅力。上記のキョーリツのものに次いで値段が安価で導入しやすく、サイズ展開も多めなので、定番として導入しやすいのも同じ。価格帯が似通っているため、予算が限られているならばこのどちらかになるでしょう。
CNB PDCシリーズ – Supernice!エフェクター
楽器店サウンドハウスのプライベートブランドであるClassic Proからリリースされているエフェクターボード。昔ながらのハードケース製品で、ハードの強みである頑丈さはそのままに、軽量かつ安価であり、すぐに試せる手軽さがあります。600LITEは内寸およそ53cm x 32cmの中型製品で、コンパクトであれば5~6個を収めることができ、パワーサプライを混在させても十分な大きさです。
CLASSIC PRO CPEC400LITE / 600LITEを…
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ボード用の板と持ち運び用バッグがセットになった、MUSICWORKS社のロングセラー製品。軽量かつ十分な強度を実現した収納用バッグと薄型のボードとの組み合わせで構成され、数あるエフェクターボードの中でも最も軽い製品の一つです。バッグの方は軽量であるばかりでなく、手提げ、肩掛け、リュックの3way設計と持ち運びに適するように考えられています。ボード部分は金属板をベースにマジックテープが張り付く布製素材で包まれており、そのままでもエフェクターを接着できる設計。ベースとなる板は非常に薄いものの、強度の高い金属でできており、多数のエフェクターを乗せても全く動じません。
MUSIC WORKS EBBシリーズ – Supernice!エフェクター
ボードの構成にはメインとなるエフェクター、そしてボードの他に、いくつかの必需品が存在します。ひとつずつチェックしていきましょう。
電源は目立たないながらも最も重要な要素。ここは少々お金を掛けてもパワーサプライを使うことを考えましょう。パワーサプライは交流から直流への変換を可能な限りノイズが出ないように行い、複数に分岐させて出力するもので、エフェクター用としてはかなりの数が市場に出回っています。
電池は本番で切れて音が出なくなるリスクが高く、消耗を抑えるためにいつもシールドを抜いておかねばならないという余計な手間が発生します。アダプターを複数個分岐する方法は、電源からノイズを拾ってしまうことがある他、グランドループを形成してしまい、こちらもノイズ源となります(後述)。
アイソレートはisolated(孤立した)という意味で、各出力がそれぞれ独立しているという意味を持ちます。この点がノイズ対策の重要項目と言ってよく、グランドループの回避のために重要なほか、デジタル、アナログエフェクターを混在させることで発生するノイズも防ぐことができます。この辺りのノイズ対策についての細かな話は後の「注意点」の項にまとめています。
パワーサプライの出力とエフェクターの入力とをつなぐDCケーブル。大抵はパワーサプライに付属しますが、シールドと同じく、好きな長さに切ってワンタッチで作れるソルダーレス製品も出回っています。
エフェクターの固定には様々な手法が生み出されていますが、依然として主流なのはマジックテープを使った方法。エフェクターの底面にマジックテープのオスを貼り、ボードのほうにメスを貼ることで、接着して固定します。配置換えが容易、一度固定すると頑丈で、利便性が高いのが特徴です。
デメリットはエフェクター本体に貼り付ける必要があること。マジックテープ自体はボードに付属することが多く、特に新たに購入する必要はない場合がほとんどですが、もし足りなくなった場合はエフェクター専用品を購入しましょう。また、ボード付属のものが粗悪で、糊ごとテープが剥がれる、といったケースなどもあり、このような場合も改めてしっかりした製品を買い求めましょう。
マジックテープを…
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エフェクターにマジックテープを貼るのに抵抗のある人は少なくなく、他の固定法もさまざまに生み出されています。
まずはウレタンフォーム。ウレタンをブロック状に切って、エフェクターの置いていない空間に敷き詰めることで移動を制限する方法で、箱型のハードケースのみで利用可能です。フタ側にも一面貼り付けて、閉めたときに押さえつけられるようにすることで、移動中の固定力もより高められます。マジックテープの次ぐらいに有名な方法で、ウレタンの下にケーブルを隠して、すっきりとした見た目にすることも可能です。エフェクターはボードに張り付いているわけではないため、もし逆さにすると全て落ちてしまいます。
つぎにネジ止め。エフェクター本体底面にあるネジを外して、それをボード裏側から直接固定する方法と、四隅のネジを小型のカラビナのような部品とつなぎ、ボードと接続する方法があります。エフェクター本体にあまり手を加える必要がなく、固定力も抜群ですが、入れ替えが面倒なのと、木製のボードでないとできない方法です。
また、前述のGuittoのボードのように、ボードそのものがエフェクター固定用に特殊な構造になっているものもあり、このようなボードをはじめから選ぶのも良い選択です。この分野は様々な方法が試され続けており、今後も色々と編み出されていきそうです。
エフェクターを並べる際に最も頭を悩ませる必要が出てくるのがこのパッチケーブル。ボードの中でケーブルの占める割合はかなりのもので、初心者はここを計算せずに失敗しがちです。ケーブルとプラグが垂直になるL字と、まっすぐのストレートがありますが、エフェクター関連ではL字が必要となるケースがほとんどです。
パッチケーブルには、現在ははんだ付けせずにワンタッチで完成するソルダーレスケーブルが主流です。ソルダーレスケーブルは強度が弱いため、ちょっとしたことで接触不良に陥ったりすることもあります。作った後に少し引っ張って確認してみたり、設置した後もエフェクター本体をしっかり固定したうえ、無理な引き回しをしないように丁寧に扱いましょう。エフェクター同士をギリギリの長さでぴんと張った状態でつなぐのはNG。ボード底面を這わせられるぐらいの余裕が欲しいものです。
パッチケーブルについて
好きな長さのケーブルを作れる「ソルダーレスケーブル」とは?
ここでは実際に、すのこタイプのペダルボード「Palmer Pedalbay 50S」をピックアップし、自分のボードを作る手順を紹介します。手順通りに機材を接続し、自分だけのオリジナルボードを作ってみましょう。
「Pedalbay 50S」では、本体裏面にパワーサプライを格納するスペースが設けられていますが、高さは限られているためコンパクト・サイズのパワーサプライが必要となります。筐体の高さは 35mm(H)、今回用意したパワーサプライ「VITAL AUDIO POWER CARRIER VA-05 ADJ」は 21.3mm(H) とコンポパクトで、Pedalbay 50S におさまります。すのこタイプでボードを組みたい人は、パワーサプライのサイズにも注意しましょう。
コスパ最強のアイソレート型パワーサプライ Vital Audio POWER CARRIER VA-05 MkII レビュー
まずはエフェクターの配置場所を決めていきます。ケーブル類は接続せず、エフェクター本体とパワーサプライを並べ、配置を確認します。特に電源を供給するパワーサプライの位置は重要なので、配置場所はよく考えましょう。
「Pedalbay 50S」ではまずパワーサプライを設置。筐体を裏返すとパワーサプライを収納するスペースが設けられているのがわかる。
配線作業を済ませたら付属のゴム紐を筐体突起部分に襷掛けして固定。
ボードにエフェクターを固定していきます。固定するとケース内でペダルが動くのを防ぐことができ、運搬時の破損対策になります。ここでhマジックテープを使用して固定していきます。
「Pedalbay 50S」には予めウレタンマット仕様で、マジックテープも付属する。ハサミでカットしてペダル底面に貼り付けていこう。
ウレタンマットにマジックテープが食いつき固定される。
続いて各ケーブルをエフェクターおよびパワーサプライに接続し、「ケーブルの長さが足りているか」どうかを確認しましょう。万が一、ケーブルの長さが足りない場合はエフェクターの位置をずらすか、別のケーブルを用意してください。長さがギリギリの状態だとキレイな配線にはならず、場合によっては断線する恐れもあるので注意しましょう。
また、「ケーブルのプラグ(端子)」は最適なものを選びましょう。プラグは「ストレート」あるいは「L字」どちらかを選ぶことになり、上手く使い分けることでボード内のスペースを有効活用し、なおかつキレイな配線に仕上げることができます。
あとは同じ手順で。完成!
以上、「Pedalbay 50S」でのペダルボード組み立て作業でした。本製品には専用ソフトケースも付属します。上の完成写真ではケーブル類の配置が甘い様子ですが、スッキリと見せることも可能です。気になった人は是非チェックしてみてください。
ベース/ボーカル用途のボード
写真では配線されていませんが、通常エフェクターとして使用することのないミキサーやスプリッターをボード上に配置することで、ライブにおいては自分のボーカルのモニターを自ら調整できるようになり、配信などにも効果を発揮する組み合わせです。ベースにもSansampを導入し、これ一台でライブ可能な総合システムとして機能します。ボードにはMusicworksのEBBシリーズを使用。
マルチエフェクター&MIDIコントローラー
小型のマルチエフェクターであればMIDIコントローラーを含めても問題なくボード上に収めることができ、すぐに使い勝手の良いボードが完成します。マルチエフェクターは消費電力が大きいため、普通のパワーサプライでは対応が難しい場合が多く、このケースでも音楽機材用のパワーディストリビューターを電源タップとして配置しています。
エフェクターボードを組むアマチュアギタリストにとって、大きさと重さはなかなか無視できないポイント。大きいエフェクターボードにはロマンがありますが、大きすぎて持って行くのが億劫になっては本末転倒です。ボードそのものの重量を抑えたり、設置するエフェクターの数を絞ったり、はじめに組み上げる段階で重量をシミュレートしておくことで、ある程度コントロールできます。
エフェクターの固定が甘いことで移動中にケース内で動いたりすると、パッチケーブルの端子部分に負担がかかり断線が起きることがあります。前述の通りソルダーレス製品は特に接続部が繊細で、注意深い運用が必要。エフェクターの固定をしっかりとするほか、ケーブルも束ねてケースに固定するとより安全です。
DCケーブルを含めて、ケーブル同士で輪になるようなセッティングにすると、そこからノイズが生まれます。これをグランドループと言い、ボード作成時には気をつけたい要素の一つです。アダプターからの分岐配線、アイソレートされていないパワーサプライで複数のエフェクターに供給すると確実に起きてしまいます。
アイソレートされたパワーサプライでは各出力が独立するため、ループになることは避けられます。

気をつけているつもりでも、パッチケーブルのプラグが隣のエフェクターや別のプラグに接触していたりすると意図せず起きることもあります。もし組んだあとでノイズが気になるようであれば、このあたりもチェックしてみましょう。
また、アナログとデジタルのエフェクターを一つの電源から分岐して供給するとノイズが発生します。これはデジタルとアナログそれぞれの必要電力の差に由来するノイズで、昨今では空間系を筆頭にデジタルエフェクターが多いため、こちらも気をつけるべき点です。グランドループと同じく、アイソレートされたパワーサプライで回避できます。
エフェクターボードを組む際に色々と気にすべき点はありますが、あまりいろいろ気にしすぎても作ることが楽しくなくなってしまいます。今から組み上げようという初心者プレイヤーについては、まず手持ちのものをずらっと並べてみてください。気になる点はのちのちに修正していけば良く、まずはじめは作る楽しさを感じながら組んでいくことが何より大切です。
エフェクターボードの売れ筋を…
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