《総集編》2021年に登場した注目のギター系機材

[記事公開日]2021/12/20 [最終更新日]2021/12/21
[編集者]神崎聡

2021年ギター

東京オリンピックに沸いた2021年、今年の漢字はメダルや給付金にちなんで「金」となりました。今年はどんな年でしたか?今年もさまざまな製品がリリースされました。そこで今回は2021年の総集編として、話題となった今年の新製品をざっと見していきましょう。

エレキギター部門

トラッドなものから全く新しいもの、ハイテクな機能を備えたものなどさまざまなエレキギターが発表されました。2021年は特に、ローステッドメイプル製ネックが一般化した様相です。また、カラーバリエーションに「青系」が目立ちました。

Ibanezヘッドレスギター「Q Series」

Ibanez Qシリーズ

ストランドバーグの登場によって火が付いたヘッドレス市場に、アイバニーズが遂に参入しました。発表された「Qシリーズ」は、ピックアップやブリッジなど重要な部品はすべてオリジナルで新規に開発し、ヒット作「AZ」シリーズで新たに開発された特殊配線「ダイナミックス(dyna-MIX)」スイッチングシステムによる幅広いサウンドメイキングが可能です。

「QX」機には全く新しい「スラントフレット」が採用され、高い位置で構える演奏スタイルに特に有利です。


新しいギターを手に入れてテンション上がってるハカセの映像がコチラ《開封の儀》

《遂に登場!》Ibanezヘッドレスギター「Q Series」

Jackson日本製高級ライン「MJ Series」

Jackson MJシリーズ

アメリカのブランドでありながら、ジャクソンは長らく日本と深いかかわりを持ってきました。高級ラインとして発表された「MJ」シリーズは、コンコルド・ヘッド、シャークフィン・インレイ、エボニー製コニカル・フィンガーボード、グラファイト強化ネックなど、ジャクソンの特徴的な仕様をそのまま継承し、王道のピックアップと世界的に信頼されるGOTOH製ペグ/ブリッジを備えています。さらに「日本製」であることが、これらのスペック勝る信頼となっています。

《スペック以上の信頼性》Jackson MJ Series 日本の工場で作られるギター

EDWARDS「E-THROBBER」

EDWARDS E-THROBBER

エドワーズ「E-THROBBER」は、基本性能にこだわって構造と操作性をシンプルにまとめた、現代のスタンダードたりえるギターです。オーソドックスな木材構成とシンプルな設計は、「タイトかつストレートなサウンドを出すギター」の伝統的なスタイルを踏襲しています。ここに抱えやすいボディ形状、性能に優れる金属部品、ハイポジションの演奏性に優れるジョイント形状といった現代的なテイストが盛り込まれています。

《シンプルにまとまった、現代のスタンダードモデル》EDWARDS「E-THROBBER」

EDWARDS「E-VIPER-1H」

EDWARDS E-VIPER-1H

エドワーズ「E-VIPER-1H」は、ヘヴィ/ラウド志向でありながら、より幅広いジャンルで使用できるアレンジが施されたモデルです。特にジョイント部の剛性が特徴的で、アッシュボディも手伝い、力強く張りのある明瞭なサウンドが得られます。ヘヴィミュージックに特化したギターではありますが、弦長は標準的なミディアムスケール(628mm)を採用しており、さまざまなシーンで柔軟に使用できる可能性を持っています。

《力強く、ストレート》EDWARDS「E-VIPER-1H」

YAMAHA「PACIFICA 600」シリーズ新色

YAMAHA PACIFICA 600シリーズ

YAMAHAのパシフィカは、トラッドな設計を踏まえながらも個性的なルックスと高い機能性と演奏性、そして魅力的なコストパフォーマンスを兼ね備えたヒット作です。新たに発表された「VII X」シリーズは、ステージや動画撮影に映える美観を目指したドレスアップモデルです。ボディカラーとピックガードをマッチングさせるだけでなく、ツヤの出し方、光の反射の仕方をカラーリングそれぞれ個別に設定するこだわりぶりに、YAMAHAの本気度が伺えます。


エレキギターの一つの完成形、YAMAHA PACIFICA 600シリーズ7機種を弾いてみた!

YAMAHAパシフィカのフラッグシップ「PACIFICA600」シリーズ特集

Ibanez「AZES」シリーズ

Ibanez AZESシリーズ

アイバニーズ「AZES」は、好評を博している同社の「AZ」シリーズを、これからギターを始める人への愛情で煮込んだ感じに料理したギターです。弾いているうちに肩が凝ったり脇腹が痛くなったりしにくいボディ形状、特定のジャンルや演奏スタイルに特化せず偏りのないネック仕様、ハイポジションの奥深くにまで指が届く演奏性といった弾きやすさを第一に、配線のマジックによってシングルコイルのサウンドもハムバッカーのサウンドも手に入ります。

《ギタリストへの扉が開く》Ibanez「AZES」シリーズ

Squier「Paranormal Toronado」

Squier Paranormal Toronado

フェンダー「トルネード」は、左右非対称のボディに2基のハムバッカー・ピックアップを備え、かつボリュームとトーンをピックアップごとに備える、フェンダーの中では異色のギターです。ジョン・フルシアンテ氏(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ所属)がMVで使用したこともあって再販を求める声の多かったモデルですが、Squireのパラノーマル・シリーズとして登場しました。カラーリングはトラッドな3TSとミスティック・シーフォームの2タイプです。

Fender Tornado:ハムバッカーを搭載したフェンダー・ギター

GTRS「S800」「S801」

MOOER GTRS

エフェクター大手「MOORE」プロデュースの「GTRS」は、普通のエレキギターとしてだけでなく、「ギターシミュレーション」でいろいろなギターの音が出せる驚異的なギターです。このほかスマホアプリでの音作りができ、エフェクター、ルーパー、アンプシミュレーション、ドラムグルーヴ、メトロノームまでがギター単体で使用できます。専用Bluetoothフットスイッチ(別売)を使えば、足元の操作でサウンドの切り替えが可能です。

《驚愕のインテリジェントギターが登場》GTRS S800 / S801

エフェクター部門

エフェクターの分野では多機能&高品質なデジタル機器が目立ちましたが、まだまだアナログにも可能性が残っているということも示されました。

Line 6「POD Go Wireless」

POD Go Wireless

Line 6「POD GO Wireless」は、柔軟な機能性と使い勝手の良さ、そして最高レベルの音質がワイヤレスで使えるアンプ/エフェクト・プロセッサーです。スマホの画面並みに大きなフルカラー液晶ディスプレイや発光するフットスイッチなど、直感的に操作できる気軽さが大きな魅力です。「4ケーブル・メソッド」や「リアンプ」もでき、ライブでのしっかりとした音作りやこだわりのレコーディングもこなすことができます。


ワイヤレスの解放感を、最高レベルのサウンドで。Line 6 POD Go Wireless アンプ/エフェクト・プロセッサーはDTMもいける!プリセットだけで1曲作ってみた!!

《ワイヤレスの解放感を、最高レベルのサウンドで》Line 6 「POD Go Wireless」アンプ/エフェクト・プロセッサー

Line 6「HX Stomp XL」

HX Stomp XL

Line 6「HX Stomp XL」は、同社のフラッグシップ「Helix」のサウンドをそのままに、驚異的な小型化を実現したアンプ/エフェクト・プロセッサーです。フットスイッチが充分にあるので高い操作性が確保されています。

エフェクターボードへも容易に組み込めるため、コンパクト派の人もHelixのサウンドと便利な機能を使うことができます。


Line 6 HX Stomp XL これ1台でサウンドメイクは完成!ゼロから音作りし、DAWレコーディング&パフォーマンス。新たな芸術表現に挑戦?!

《小さくて便利、そして最高の音質》Line 6「HX Stomp XL」

Universal Audio「UAFX」シリーズ

UAFX

ユニヴァーサル・オーディオ「UAFX」シリーズは、世界レコーディング史において重要な意味を持つ同社が初めてリリースする、ギター向けのコンパクトエフェクターです。ディレイ/エコー、リヴァーブ、コーラス/フランジャーの3機はそれぞれ3タイプのサウンドが用意され、6つのノブと3つのミニスイッチで操作します。1台で、あらかじめ設定した「プリセットモード」と、ツマミの状態が反映される「ライブモード」の2音色が使えます。


Universal Audio UAFX Pedal Series:スタジオ品質、濃密で心に響く重厚なサウンドの、リバーブ/ディレイ/モジュレーション3機種!

《スタジオ品質、濃密で重厚なサウンド》Universal Audio UAFX Pedalシリーズ

BOSS「IR-200」AMP&CABINET PROCESSOR

コンパクトエフェクターサイズの「アンプ&キャビネットシミュレーター」は、動画配信、ライブや録音などいろいろな場面で頼れる性能が注目を集めています。その中でBOSS「IR-200」は、現代の標準的なスペックを遥かに凌ぐ圧倒的なマシンパワーによる高い処理能力と使い勝手の良い各種の接続端子、そして幅広いサウンドバリエーションが強みです。

BOSS IR-200 – Supernice!エフェクター

Electro Harmonix「Nano Deluxe Memory Man」

Nano Deluxe Memory Man

エレクトロ・ハーモニクス「Nano Deluxe Memory Man」は、歴史的名機「DELUXE MEMORY MAN」の豊かなディレイとモジュレーションはそのままに、大幅なダウンサイジングを達成したアナログ・ディレイ&モジュレーション・ペダルです。モジュレーションのコントロールをより良いものにするため「RATE」ノブと「DEPTH」ノブが装備されているほか、トレイル・オン/オフを切り替えるDIPスイッチも搭載され、小型化と共に機能性も高められています。

Electro Harmonix Nano Deluxe Memory Man – Supernice!エフェクター

Red House「TS-808 MOD ichiro SPL」

TS-808 MOD ichiro SPL

レッドハウス「TS-808 MOD ichiro SPL」は、デビュー30周年を迎えたブルースギタリストichiro氏にパーソナライズした、特別なチューブスクリーマー(TS)です。

TS開発者、田村進氏が自らモディファイを担当、16台のサンプルの中から4台を選ぶところから始まって、7台の試作を経て完成に至っています。内部の電子部品は大幅に変更され、ギタリストの愛するTSトーンはそのままに明瞭度/分離感/音抜け感が増強され、絶妙な光量に調整されたピンクのLEDで大人の色気が演出されています。ブルージーで喰い付く様な「テキサス・トーン」はピッキングや音量調節への反応が良く、低域の出し方を調節することでハイポジションで太い音が出せます。ただし、既存のTS よりもレンジが広く表現の幅も広いぶん、弾きこなすにはそれなりの気合いが必要です。


Red House Guitars  TS-808 MOD ichiro SPL Green Deep swamp

「音を狙って作る」Red House訪問インタビュー

アンプ部門

アンプでは、練習や録音で活躍する小型モデルが注目されました。憧れの高級ブランド品も、小型モデルならまだ手に入れやすく、そしてまさに本物のサウンドを使うことができます。

Fender「Mustang Micro」

Fender Mustang Micro

フェンダー「Mustang Micro」は、場所を取らずに「Mustang」アンプシリーズの高品位なサウンドが使える、超小型のヘッドホンアンプです。ヘッドホンを使うので、音の問題を気にすることもありません。極限まで追い込んだシンプルかつかんたんな操作でいろいろなサウンドが使えるほか、PCとの連携でレコーディングや配信まで視野に入れられます。


Fender Mustang Micro 超小型で便利なヘッドホンアンプ!サウンドチェック、パソコンに繋いで録音、オーディオインターフェイスとしても使ってみた!

《超小型で便利なヘッドホンアンプ》Fender「Mustang Micro」

Bogner「Ecstasy Mini」

Ecstasy Mini

Bogner「Ecstasy Mini」は、同社が90年代初頭にリリースした多機能アンプ「Ecstasy Head」を、片手で持ち運べる大きさと重量に落とし込んだソリッド・ステートのミニ・アンプヘッドです。小型化に伴って機能は絞り込まれていますが、その中で搭載されている「VARIAC」スイッチは、全体的な音圧の調整をすることで、チューブアンプのようなサステインとコンプレッション感が得られます。また「MID FREQ」「GAIN」両スイッチは、それぞれ中域の周波数と大まかなゲイン量を選択でき、小さいながらも多彩なサウンド・メイクを行うことができます。

Bogner Ecstasy Mini – Supernice!ギターアンプ

Diezel「VH micro」

VH micro

Diezel「VH micro」は、「小型・軽量で運搬しやすく、かつDiezelらしい音色はそのままに」というコンセプトのもと、同社の定番ハイゲイン・アンプ「VH4」のチャンネル3「メガ・ディストーション・サウンド」を再現した小型ソリッドステート・アンプヘッドです。操作系はVH4をほぼ踏襲し、エフェクトループも装備、真空管のコンディションを気にせず自宅でギャンギャン鳴らすことができます。

Diezel VH micro – Supernice!ギターアンプ

Friedman「BE-MINI」

BE-MINI

Friedman「BE-MINI」は、サイズに見合わない迫力満点のジューシーなドライブ・サウンドを楽しむことがでる、Friedman社史上最小サイズのアンプ・ヘッドです。チャンネルは1つながら「GAIN」と「VOL」の2ボリュームに4バンドEQ、低域の量を調節する「TIGHT」スイッチ、高域の量を調節する「CUT」スイッチもあり、しっかりとサウンドを作り込むことができます。

Friedman BE-MINI – Supernice!ギターアンプ

その他の部門

ZOOMマルチトラックレコーダー「R20」

ZOOM R20

ZOOM「R20」は、直感的なタッチ操作のインターフェースにより、かつてないほどシンプルな操作でレコーディング、エディット、ミックスができるMTRです。リズムマシンも装備しており、内蔵した150種類のリズムループをドラッグ&ドロップしていくだけで、リズムトラックを構築できます。8トラック同時に録音できるため、バンドの1発録りだってできちゃいます。

ZOOM R20 – Supernice!DTM機材

FENDER「PROFESSIONAL PEDAL BOARD」

PROFESSIONAL PEDAL BOARD

フェンダー「プロフェッショナル・ペダルボード」は、精密に加工されたアルマイト製のシンプルかつ軽量、そしてタフなエフェクターボードです。パワーサプライやケーブル類を裏側に回すことができるので、エフェクターをたくさん乗っけてもすっきりと整理された状態を保つことができます。サイズは大中小の3タイプあり、専用ソフトケースとペダルマウント用テープ、ケーブルタイが付属します。

Fender Professional Pedal Board– Supernice!ギターアンプ


以上、2021年に発表された注目の新製品を見ていきました。あなたは何が気になりましたか?エレキギターという分野は、音楽シーンやミュージシャンの活動の仕方が時代とともに変遷していくのに合わせたり合わせなかったりして、古き良きものの価値を高く評価しながらもどんどん新しいテクノロジーや新しいアイディアが反映されて、成長しています。2022年はどんな新しいものが生み出されるのか、楽しみにしていきましょう。

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