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strymonのエフェクターって?特徴やおすすめモデル紹介

strymonのエフェクター

strymon(ストライモン)は真空管搭載のエフェクターを製作して話題となったDamage Controlが2009年に新たにスタートさせたブランド。非常に高い品質の空間系エフェクターを多数リリースしており、トッププロを筆頭にあらゆるギタリストから信頼を得ている気鋭のブランドです。

strymonの歴史

strymonの前身となるDamage Controlは、2004年エンジニアのGregg Stock氏とデザイナーのLucian Tu氏によって設立されました。Gregg氏はまず真空管とEQを内蔵したディストーションの基板を製作、そしてそれが出来上がると、アレシスやLine 6で働いていたDSPの専門家であるPete Celi氏が合流します。その後、組み込みの担当であるDave Fruehling氏が参加することで、Damage Control初期の体制が固まりました。

4人はDamage Controlブランドを冠したディストーションを、立て続けに4台製作します。これらは日本でも「気鋭ブランドの真空管入りドライブペダル」として紹介されました。しかし、売り上げはあまり振るわず、その一方でチームはデジタル処理の世界を掘り下げていきます。これが現在のstrymonにおける下地となっていると言って良いでしょう。

2009年、チームはDamage Controlから新たな名義を使うことを決定します。strymonの名称で商標を登録し、第1号機となるblueSkyを開発しリリース。これが成功を収め、この後のstrymonブランドの快進撃が始まります。


Strymon blueSky Reverberator – Plate Shimmer Demo

2020年現在の従業員は30人ほどとなり、創業以来一貫してカリフォルニアの地に拠点を置いています。社のウェブサイトには新しいものを求めて開発することの喜びと、権威を求めないことが記されています。ストイックなまでのそのスタンスがゆえに、数多くのギタリストに愛されるブランドになっているのでしょう。

strymonのエフェクターの特徴

Damage Control社の設立が2004年、そしてstrymonのスタートが2009年と、歴史が浅いブランドながら、その新しい発想によって作られたエフェクターは、圧倒的高品質にして高い汎用性を誇ります。音に対して技術の限界に挑むというその言葉の通り、最先端を行くデジタル技術を惜しみなく投入した製品作りが特徴で、通常の空間系エフェクターとは比べものにならないセッティングの幅広さ、柔軟さは、現代の高速DSPの恩恵と言って間違いありません。

スマートな外観からも想像できるとおり、濁りの無いクリアな音色を得意としており、アナログのモデリングも、細部にわたり緻密に計算された上でのもので、ある意味でアナログ的ではない期待値どおりのサウンドを出してくれます。その信頼性は数あるエフェクターブランドの中でも屈指といえます。


Strymon BigSky Reverb – Peter Dyer – synth demo

ラック型に準ずるクオリティを標榜するだけに、ギターのみならず様々な用途での使用に耐えることができます。全モデルにステレオアウトを装備し、ライン入力に対応した入力端子を持つものでは、キーボードやレコーディングなどでの使用も可能。ほぼ全てのモデルにおいて、エクスプレッションペダルを繋いでパラメータのリアルタイムコントロールに対応。デュアルスイッチを配した中型のモデルが主要ラインナップを占め、セッティングを一つ保存して呼び出せる機能が備わっているものもあります。

アナログ・ドライ・ミックス

ディレイやコーラスに代表される空間系エフェクトにおいて、入力されたギターの信号はAD/DA回路を通らず、デジタル化されません。DSPにより作り出されたウェット音(エフェクトの音)とアナログのまま保たれたギターの信号が内部でミックスされることで、原音を損なわず、またアナログの温かさを保った状態で出力されます。strymonエフェクターの大きな特徴の一つです。

統一された外観

strymonエフェクターはTimeLineやMOBIUS、VOLANTEなどの大型を除いて、全て同じ外観で統一されています。コントロール周りもほとんどのモデルで似通っており、大きなノブでのコントロールが5つか6つ、そしてミニスイッチが2つという仕様です。大抵の場合ミニスイッチでは3種類のサウンドモデルを選ぶことができ、どこに合わせても驚異的なクオリティを持っています。このミニスイッチこそがstrymonらしさを際立たせる大きな要素となっています。

strymonのオススメペダル

blueSky Reverberator

Strymon blueSky

strymonブランドの1号機にして現在まで売れ続けるロングセラーモデル。plate、room、springの三種のアルゴリズムを搭載し、それぞれにnormal、モジュレーションが効いたmod、そして原音のオクターブ上の高域分だけが混ざるshimmerの3種類の響きを選び分けることができます。低域と高域の減衰具合を決めるLOW DAMP、HIGH DAMP、残響が始まるまでのPRE-DELAYなど、通常のリバーブではなかなか設定できない細やかな部分までつまみでのコントロールを可能にしており、その柔軟さはトップクラス。shimmerモードでの幻想的な響きはこのモデル最大の特徴であり、strymonペダルの驚異的な表現力を示すものです。

Strymon blueSky – Supernice!エフェクター

El Capistan

strymon El Capistan

数多いディレイのペダルの中でも、テープエコーのサウンドに特化したペダル。テープエコーの再生に使うヘッド位置までもシミュレートしており、尋常ではないこだわりをもって作られているモデルです。再生ヘッドは全部で横に3種類並んでおり、そのうちの一つ、あるいは二つを選び使う、さらに録音ヘッドからの距離を自分で決めて使うなど、これらがミニスイッチとTIMEコントロールでセッティングできます。音質におけるテープの劣化具合は非常に真に迫っており、それもつまみで微調整可能。別売りフットスイッチを使うことで一つメモリー可能。ルーパー機能が付属しています。

strymon El Capistan – Supernice!エフェクター

FLINT

strymon FLINT

リバーブとトレモロを同時に搭載したエフェクター。この二種を合わせているところからも、ヴィンテージアンプに付属したエフェクト部分を意識していることは明らかで、トレモロについては、60年代初頭のチューブアンプに搭載された’61 harm、’63 tube、そして60年代中期のアメリカ製アンプをモチーフとした’65 photoの3種をそれぞれ搭載。リバーブについても年代で表記されており、60年代スプリングリバーブを意識した’60s、プレートリバーブの’70s、80年代ラックマシンにおけるホールリバーブの’80sの3種が選択可能。いずれも非常に深みのある自然なサウンドに仕上がっており、嫌味のないリバーブ、トレモロを探しているのであれば一考の価値があるでしょう。

strymon FLINT – Supernice!エフェクター

Ola Chorus

strymon Ola Chorus

エフェクトに使われる、BBD回路のディレイ音の音質劣化を再現した、ハイクオリティなコーラス。昔ながらの広がりある1層のchorus、3層にわたって複雑に揺れるmulti、そしてvibratoの3種を選択可能。ピッキングの強弱によってエフェクト音量が変化するenvというモードを搭載しており、その使用感は独特にして、非常に使い心地の良いものです。フットスイッチを踏んでいる間のみエフェクトをかけるrampモードも搭載しています。

strymon Ola Chorus – Supernice!エフェクター

SUNSET

Strymon Sunset

strymonとしては二台目となる歪みエフェクター。クラシックなオーバードライブエフェクターをベースにしていながら、AとBの2系統の回路を直列に繋げることによって、無数のバリエーションを獲得しています。チャンネルA、Bごとにそれぞれ3種類の歪みを選ぶことができ、Aがゲルマニウム、テキサス、ブースト、そしてBが2ステージ、ハード、ブーストとなっています。Aはブルースなどに向いた軽めのドライブ、Bの方はより重厚に歪み、それらを単体で使うことも、直列で順番を変えながらつなぎ合わせることもできます。ブライトスイッチ、ノイズゲートも装備しており、その音色作りの幅広さはトップクラス。エクスプレッションペダルの接続によって、パラメータをリアルタイムコントロールでき、ボリュームペダルとして機能させることも可能です。

Strymon Sunset – Supernice!エフェクター

IRIDIUM

Strymon Iridium

昨今、増えてきつつあるコンパクトサイズのアンプシミュレーター。このIRIDIUMはstrymonの送り出すアンプシミュレーターにして、解像度の高いIR(インパルス・レスポンス)を基にしたハイクオリティなキャビネットシミュレーターをも内蔵しています。アンプはフェンダーのDeluxe Reverb、VOX AC30、マーシャルのプレキシをモチーフとした3種が搭載され、キャビネットはリアリティ溢れる9種が標準搭載。アンプモデルを敢えて3種に抑えたことからか、各アンプの挙動は再現し尽くされており、類を見ないほど高いクオリティを誇ります。多すぎないつまみとスイッチであらゆる音が得られる、アナログ的な操作性の高さもさることながら、ステレオアウト、MIDI、フットペダルによる拡張性も幅広く、多岐に渡る用途に活躍できることは間違いないでしょう。

Strymon Iridium – Supernice!エフェクター

TimeLine

strymon TIMELINE

12種類のディレイマシンを内蔵した、strymonが誇る多機能ディレイの決定版。ハイパワーのDSPを内蔵し、それを全てサウンドの演算に使うことで、極めて高音質なディレイを実現しています。通常のアナログ、デジタルディレイ、テープエコーのシミュレートに加え、複雑なパターンを作れるパターンディレイ、フィルターディレイ、リバースディレイなど、多彩なディレイを一台に詰め込んでいます。200のプリセットを記録し、足下で随時読み込みながら使うことができ、MIDIやエクスプレッションペダルによるパラメータのリアルタイムコントロールも可能。高品位なルーパー機能も持ち合わせ、死角のない製品となっています。この類の大型ディレイの中では比較的小型に収まっているのも、うれしいポイントと言えるでしょう。

strymon TIMELINE – Supernice!エフェクター

MOBIUS

strymon MOBIUS

TimeLineと同じインターフェースを使用した、兄弟機とも言うべきモジュレーション専用マシン。12種のモジュレーションを内蔵し、コーラスやフェイザー、フランジャー、ロータリー、トレモロなどの一般的なものに加え、自動でボリューム奏法を行うオートスウェルやビット数を下げるデストロイヤー、人の声に似せるフォルマントなど、変わり種も含んでいます。200のプリセット、MIDI、エクスプレッションペダルでの拡張などはTimeLineと同じ仕様で、さらに歪みエフェクターの前段、後段いずれに設置するかをスイッチで切り替えられるPre/Postモードを搭載。あらかじめ配線さえしておけば、使うエフェクト、セッティングに応じて、前段にするか後段にするかをワンタッチで設定できます。

strymon MOBIUS – Supernice!エフェクター


空間系を探し求めた末に、最後に行き着くブランドとして語られることもあるほどの存在。数あるエフェクターの中でもかなり高価な部類に入るstrymonですが、長きに渡って使い続けていけるクオリティを確実に備えています。