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Gibson Les Paul Traditional 2012
ギブソン・レスポールは、ジャズギタリストのレス・ポールさんのために開発された、世界で最も有名なシグネイチャーモデルです。1952年のデビュー以来、不遇の時代もありましたがいろいろなプレイヤーに愛用され、現在ではフェンダー・ストラトキャスター、フェンダー・テレキャスターに並ぶエレキギターの定番機になっています。ここでは本家ギブソンのレスポールはもちろん、他社製のレスポールタイプ、また派生モデルも含めたギターにもスポットを当て、その特徴や魅力に迫っていきましょう。
備考:「レスポール」という名称はギブソンの登録商標であり、ギブソンもしくはエピフォンの製品でなければ使用できません。他のものは全て「レスポールタイプのギター」や「レスポールのコピーモデル」などと言わなければなりませんが、それでは余りにも不便ですから、本家もコピーモデルもひっくるめて便宜上「レスポール」と呼びます。
Gibson Custom Shop 1959 Les Paul Standard Reissue
レスポールには様々なさまざまな特徴がありますが、はじめに以下の4つから、レスポールとはだいたいどういうものなのかをチェックしていきましょう。
レスポールの弦長(スケールとも。ナットからブリッジまで)は24.75インチが基本で、ミディアムスケールまたはギブソンスケールと呼ばれます。これはフェンダーの25.5インチ(フェンダースケール、又はロングスケール)より約2センチ短く、演奏面ではコードの押弦などで指が届きやすく、また弦張力が抑えられて押弦しやすく、また音響面では太く甘みのある弦振動が得られます。
「43ミリ」という標準的なナット幅は一般的なアコギとだいたい同じで、標準的なストラトキャスターよりやや幅広です。ネックグリップは丸みを残しながらもスリムで握り込みやすいあたりが標準的ですが、1950年代を意識したモデルでは肉厚なグリップが採用されます。
ネック材はマホガニーが基本です。充分に硬い木材ではありますがメイプルには及ばず、倒したり落としたりすると折れてしまうので、大切に扱いましょう。ネックをボディに接着する「セットネック」工法は、アコギやバイオリンなどにも採用される、伝統的な接続法です。
レスポールのボディはアコギの形をコンパクトに引き締めたシルエットを持ち、丸くてかわいらしいとも、堂々としていてかっこいいとも見えます。指が届くように高音弦側をカットしたシングルカッタウェイも、ルックス上の大きなポイントです。
ボディ本体は、メイプルトップ&マホガニーバックの2層構造が基本です。二つの木材の音響特性をブレンドすることで、明瞭かつ力強い弦振動が得られます。
レスポールでは、出力が大きくて太い音が出せる「ハムバッカーピックアップ」が2基搭載されているのが基本です。またジュニア/スペシャルなどでは、「P-90」と呼ばれるラージサイズのシングルコイルが搭載されます。こちらもシングルコイルながら、存在感のある太いサウンドが得られます。
操作系はピックアップそれぞれにボリュームとトーンを持つ「2V2T」構成が基本で、各ピックアップの音量と音色を設定しておき、セレクタースイッチで切り替えます。両ピックアップのミックスでは、音量のブレンドで無段階にさまざまな音色が得られます。
レスポール特有のTOM(チューン・O・マチック)ブリッジは、シンプルな構造でしっかりと安定しており、信頼のおけるパーツです。弦ごとの高さ調節こそできませんが、ブリッジ本体の高さや傾きの調節と、弦ごとのオクターブ調整が可能です。
ある程度の高さがあること、またサドル部で弦が緩やかな山形に折れることから、ブリッジミュートがやりやすいと感じるギタリストが多くいます。
ギブソンのレスポールをギター博士が弾いてみた!!
太く明瞭な弦振動の得られる本体とハムバッカーの出力にものを言わせた、力強いオーバードライブ・サウンドはレスポールの得意分野だと言って良いでしょう。トーンノブやトレブルの調整しだいで、叫ぶような鋭い音色にも愛をささやくような甘い音色にもなります。クリーンは甘く艶やかで暖かく、大人の色気を感じさせます。
フェンダーストラトキャスターとギブソンレスポールを比べてみた!
ライバルのストラトキャスターと比較すると、レスポールのサウンドをより深く理解することができます。ストラトの音色は軽やかで涼しさを感じさせ、「鈴の音のようだ」と表現されることもあります。これに対してレスポールの音色は肉厚で、春の日差しを浴びているかのような暖かさがあります。
ラインナップを見ていく前に、本家ギブソンの主だったレスポールの特徴をざっと見していきましょう。どれも等しくレスポールですが、それぞれに違いがあり、使われる場面や選ぶプレイヤーに一定の傾向が見られます。
レスポール・スタンダードは木目の見えるサンバーストカラーが定番で、3フレットからの皿型の指板インレイが特徴。全てのレスポールの原点であり、ロックを中心にポップスやジャズ、フュージョンなどあらゆるジャンルで活躍します。
レスポール・カスタムはブラックとホワイトが定番色で、ゴールドパーツと1フレットからのブロックインレイが目印。レスポールの高級機という立ち位置で、ロケンローからメタルまで、特にロック系に愛用者が集中します。
レスポール・ジュニアは、フラットなボディ、リアに1基のドッグイヤー型P-90、ドットインレイが特徴。コードの響きが良く、サイドギターでの使用例が目立ちます。ストレートなサウンドのバンドで、ボーカリストがストラップを長くして構えるのが様式美です。ピックアップ本体の高さ調節はできませんが、ポールピースの高さ調節で弦ごとの出力を微調整できます。
レスポール・スペシャルは、フラットなボディ、2基のソープバー型P-90、ドットインレイが目印。やはりロックバンドのボーカリストが持つイメージが濃厚です。そこを逆手に取り、あえてジャズやソウルで使用するプレイヤーも散見します。ソープバーはドッグイヤーと異なり、ピックアップ本体の高さ調節が可能です。
レスポール・デラックスは2基のミニハムバッカーが特徴で、レスポール・スタンダードより引き締まった音色が持ち味です。多くのギタリストが一時的に一軍起用したものの、このギターをトレードマークにする名手の出現は未来に託されています。レスポール・デラックスならこの人。それは、未来のあなたかもしれない!
レスポールに迷ったら、レスポール・スタンダードもしくはそれに限りなく近いモデルから検討しましょう。どんなジャンルにも通用する、定番機の称号は伊達ではありません。それでも価格やルックスなど気になるポイントは多くありますが、ここでは機能面に注目して、レスポールのチェックポイントを二つ見ていきましょう。
ハムバッカー(左)とP-90(右)
レスポールのピックアップはPAF型ハムバッカーとP-90が基本ですが、これ以外にもメーカーや開発コンセプトによってさまざまなピックアップが採用されます。現代仕様のレスポールではコイルタップを代表とする特殊配線が仕込まれることもあり、従来のレスポールが苦手としてきた細く鋭い音を放つことができます。
ギブソン・レスポール・カスタムの背面(上)と、バックコンター&ヒールカットを持つAria Pro II PE-AE200。
レスポールのネックは50年代式が丸く肉厚で、60年代以降では比較的スリムになります。ネックプロフィールに「Round(丸い)」などと表記されているものは、50年代を意識した太めのネックです。
また従来のレスポールは、バックコンターもヒールカットも非採用です。レスポールとは元来そういうものであり、だからこそのしっかりとした弦振動だという考えが一般的です。とはいえ現代仕様のレスポールでは、ヒールカットを採用して異次元のハイポジション演奏性を達成させたり、バックコンターを施して抱え心地を向上させたりしています。
ではここから、初心者さんをはじめとするいろいろな人におすすめのレスポールをチェックしていきましょう。これからギターを始める人におすすめの手に入れやすい価格帯のモデル、2本目以降におすすめの本格的なモデル、泣く子も黙る強力なモデル、品質と性能に優れる日本製ハイエンドモデルの順に見ていきます。
これからギターを始める人の最初の一本は、手に入れやすい価格帯からルックスで決めてしまって大丈夫です。まずはギタリストとしてのキャリアをスタートさせることが、何よりも重要なのです。さすがに有名プロミュージシャンがこのクラスの楽器を使用することはありませんが、「これから始める人が選ぶ最初の一本目」としては充分です。ここで紹介するモデルは、有名ブランドが多くの人のためにリリースしています。弾き心地やサウンドなどへの特定のこだわりや偏りを抑えた設計になっているため、ルックスや価格で選んでネットショッピングで買っても大丈夫です。必要なものが全て揃えられた「セット」で販売されることも多く、ギタリストとしてのスタートを切るための強い味方になっています。
「ブリッツ(BLITZ by ARIA)」はアリアプロIIで知られる荒井貿易株式会の、ギブソン型の入門機を専門としたブランドです。同社は高品質なギターを低価格で展開する実績を積み上げており、「同価格帯なら最強」と言われています。
レスポール・スタンダードを模した「BLP-450」は、音響特性がマホガニーに近いナトーをボディ&ネックに使用、ボディトップにフレイムメイプルを配したセットネック仕様という本格的なギターです。本体の寸法や電気系も本家の仕様にかなり忠実で、ギターを始める人が最初に手にするレスポールとして大変に良好です。また左用もラインナップされており、左利きの人も安心です。
弦長、ナット幅 | 628mm(ミディアムスケール) |
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ボディ材 | Flamed Maple Lamination Nato |
ネック材&接続法 | Nato、Set-Neck |
指板&フレット数 | ローズウッド、22F |
ピックアップ | MH-1C Humbucking x 2 |
コントロール | 2 Volume, 2 Tone, 3-Way PU Selector SW |
ハードウェア | GBD Bridge, GTP Tailpiece(Chrome) |
「バーニー(Burny)」は、特にギブソン系のコピーモデルを得意とするブランドです。手に入れやすい価格を維持しながら作りの良さと忠実度の高さとを両立させる姿勢が、長らく支持を受けています。
レスポール・スタンダードを再現した「RLG-80 ’24」はマホガニーセットネック、ボディはメイプルトップ/マホガニーバックの本格的なモデルで、ヘッド角は1968年にギブソン社が採用した14度、ボディ材の厚みは本家と同一の「メイプル0.5インチ+マホガニー1.75インチ」に合わせる、というこだわりぶりを見せてくれます。最初から良いギターを持ちたい初心者さんだけでなく、経験を積んだプレイヤーにもおすすめです。
弦長、ナット幅 | 628mm(ミディアムスケール)、43mm |
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ボディ材 | (TOP) Maple 15mm、(BACK) Mahogany 45mm |
ネック材&接続法 | マホガニー(ヘッド角14°)、セットネック |
指板&フレット数 | ローレル400R、22F |
ピックアップ | Original Pickup |
コントロール | 2Volume, 2Tone, Toggle-SW. |
ハードウェア | FERNANDES Original Type |
バッカス(Bacchus)のBLP-FMH/Rはボディトップのフレイムメイプルが、BLP-BP/Rはバールポプラが目を楽しませてくれるギターです。マホガニーボディ&ネック、セットネック仕様という本格的な設計で、品質と価格にこだわりぬくバッカスの矜持も伺えます。
両機とも、ハムバッカー・ピックアップがカバーのないオープンタイプになっているところがポイントです。オープンタイプのハムバッカーはピッキングへの食いつきとサウンドのブライトさが増すので、特にロックに良好な音色が得られます。
弦長、ナット幅 | 628mm(ミディアムスケール)、43.0mm |
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ボディ材 | マホガニー(Top:Flame Mahogany/Burl Poplar) |
ネック材&接続法 | マホガニー、セットネック |
指板&フレット数 | ローズウッド400R、22F |
ピックアップ | Original Open Zebra HB |
コントロール | 2Vol, 2Tone, Toggle SW |
ハードウェア | Rotomatic Type Machineheads、T.O.M-Type Bridge |
アリアの「PE」シリーズは1976年のデビュー以来、多くのプレイヤーに愛用された同社のアイデンティティとも言うべき名機です。レスポールをヒントにしながらもハイポジションの演奏性を飛躍的に向上した「ヒールレス・カッタウェイ」、抱え心地の良いバックコンター、演奏の邪魔になりにくい操作系、弦交換を大幅に時短できるテールピースといった数々のアイディアで、オリジナリティのあるギターに仕上がっています。
PE-AE200はヘッドとボディトップにフレイムメイプルを配する、美しい外観をまとった入門機です。入門機ながらマホガニーボディ&ネック、セットネック、ローズウッド指板という本格的な本体に上位モデル同様の演奏性もあり、上達してからでも長く付き合うことができます。ボディカラーに合わせた色調のギグバッグが付属するのもポイントです。
弦長、ナット幅 | 628 mm(ミディアムスケール) |
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ボディ材 | Flamed Maple Lamination Mahogany, Carved Top(w/ バックコンター) |
ネック材&接続法 | Mahogany、Set-Neck、Heel-less Cutaway |
指板&フレット数 | ローズウッド、22F |
ピックアップ | AMH-1C x 2 |
コントロール | 2 Volume, 2 Tone, 3-way PU selector SW |
ハードウェア | Rotomatic Type Peg、SPT Bridge & QH Tailpiece |
こちらは1段階グレードを上げたラインナップです。品質もサウンドも良好で、初心者を脱して上達してからも長期的に使用できます。特定のジャンルやプレイスタイルに特化したモデルもあり、なりたいギタリストに一歩でも二歩でも近づく可能性を秘めています。
「エピフォン(Epiphone)」はギブソン傘下にあり、コピーモデルではなく正真正銘のレスポールを手に入れやすい価格でリリースしています。Les Paul Standard 50sとLes Paul Standard 60sの両機は、レスポール・スタンダードそれぞれの年式を再現したモデルです。大きな違いはネックグリップとピックアップの出力にあり、50sは肉付きの良いネックに比較的抑えた出力、60sはスリムなネックに比較的高い出力のProBuckerピックアップが搭載されます。エピフォンProBuckerはハムバッカーの名機「P.A.F.」を精巧に再現したピックアップで、「最高の状態のヴィンテージ“P.A.F”に日頃触れているルシアーでさえも、正確に聞き分けることが出来ないほどの完成度」と言われます。
本家ギブソンより手に入れやすいギターではありますが、弦交換時に抜けることのないLockToneブリッジが採用されるほか、60sにはギア比18:1の高精度チューナーが採用されます。
Epiphone Les Paul Standard 60s VS Standard 50s Review (No Talking)
弦長、ナット幅 | 628.65mm / 24.75″”(ミディアムスケール)、43.0 mm / 1.692 in |
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ボディ材 | マホガニー(50S:Carved Hard Maple Cap、60S:AA Flame Maple Top) |
ネック材&接続法 | マホガニー(50s Rounded Medium C/SlimTaper 60s C)、セットネック |
指板&フレット数 | ローレル12”R、Medium Jumbo 22F |
ピックアップ | ProBucker |
コントロール | 2 Volume, 2 Tone, CTS potentiometers |
ハードウェア | 50S:Epiphone Vintage Deluxe Peg、Epiphone LockTone TOM Bridge & Epiphone LockTone Stop Bar 60S:Grover Rotomatic 18:1、LockTone TOM Bridge & Stopbar |
エピフォン「レスポール・カスタム」は、本家ギブソンではカスタムショップでしか製造しない最高級のレスポールを比較的手に入れやすい価格に収めたモデルです。ボディトップにメイプルを使用しないボディは1950年代発表の設計そのままで、格式の高い正統派のレスポール・カスタムを求めるプレイヤーに特におすすめです。
60年代仕様のネックプロフィールはスリムで握りやすく、専門家でも音での判別が困難だという再現度を誇るProBuckerピックアップを備えます。またギア比18:1という高精度のグローヴァー社製ペグ、弦交換時に抜けることのないLockToneブリッジ/テールピースが備えられ、現代の楽器として高い性能を持っています。
Epiphone Les Paul Custom Demo – All Playing, No Talking
弦長、ナット幅 | 628.65mm / 24.75″”(ミディアムスケール)、43.0 mm / 1.692 in |
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ボディ材 | マホガニー |
ネック材&接続法 | マホガニー(60s SlimTaper)、セットネック |
指板&フレット数 | エボニー12″”R、ミディアムジャンボ22F |
ピックアップ | ProBucker |
コントロール | 2 Volume, 2 Tone, CTS potentiometers |
ハードウェア | Grover Rotomatic 18:1、Epiphone LockTone TOM & Epiphone LockTone Stop Bar |
バッカス「DUKE-STD」は、日本製上位モデル「DUKE-Standard」を手に入れやすい価格に収めたモデルです。馴染みやすいシックな色調、グラマラスなボディトップの曲面、演奏性を重視したネックシェイプや仕込み角、フロントピックアップの真下に達するディープジョイント、抱えやすさと重量バランスを考慮したボディ厚など、上位機種の特徴をそのまま継承しています。
レスポール・カスタムを意識したDUKE-CTMもリリースされています。こちらはトップにメイプルを貼らないボディ設計で、DUKE-STDと異なるニュアンスを演出しています。日本国内でセットアップされてから出荷されるので、買ってそのままの状態で良好に調整されています。
DUKE-STD【有賀教平】
弦長、ナット幅 | 628mm(ミディアムスケール)、43mm |
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ボディ材 | ナトー(メイプルトップ) |
ネック材&接続法 | ナトー、セットネック |
指板&フレット数 | ローズウッド305R、Nickel Silver 22F |
ピックアップ | Original H-H set |
コントロール | 2 Vol, 2 Tone, 3 way PU selector |
ハードウェア | Rotomatic Type Machineheads、T.O.M type Bridge |
ゼマイティス(Zemaitis)は創設者トニー・ゼマイティスさんの偉業や遺志を現代に伝えつつ、これからの時代を見据えた新たなモデル開発にも積極的です。求めやすい価格に抑えられた「SEW24」は、比較的スリムな抱えやすいボディと24フレットの音域を特徴としたモデルです。装飾を抑えてシックにまとめられていますが、金属部品やバックプレートの彫金がエレガントな雰囲気を演出しています。
音響特性にはアルミニウム削り出しのブリッジとテールピースが大きく寄与し、引き締まったタイトな鳴りと豊かなサスティンが得られます。またロック式ペグが備わっているので、チューニングがしっかり安定します。
バリエーションとして22フレット仕様のSEW22、フレイムメイプルトップ仕様のSFW22、SEW24があります。
弦長、ナット幅 | 25″”(ロングスケールとミディアムスケールの中間)、43mm |
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ボディ材 | アルダー |
ネック材&接続法 | メイプル、セットネック |
指板&フレット数 | Bound Pau Ferro 12″”R、Medium Jumbo 24F |
ピックアップ | Custom Virtuoso Humbucker |
コントロール | 2 volume, 2 tone, 3-way toggle |
ハードウェア | Locking Tuners、Zemaitis Alminium Bridge & tail piece |
グレッチ(Gretsch)は1883年創業の老舗ブランドで、カントリー、ロカビリー、ロックンロールといった古き良きアメリカンなジャンルが得意分野です。ホロウボディに並々ならぬこだわりを持っており、レスポール的なソリッドボディを求める声に対してボディ材をくり抜いたチェンバード・ボディのJETを発表、Fホールを開けずに「これはソリッドボディだ」と言い張る、という荒業を見せました。
G5230T ELECTROMATIC JET FT SINGLE-CUT WITH BIGSBYはその故事にならった、チェンバードボディのJETです。軽量で心地よい鳴りの得られるな本体に、個性的な操作系とビグスビー・トレモロを備えます。
2基マウントされたブラックトップ・フィルタートロンはグレッチの新たなテイバンピックアップ「Broad’Tron」のエレクトロマチック版で、ドライブサウンドに対応できる十分な出力を持っています。輝きがありながら耳に痛くない透き通った高音域が持ち味で、特にクリーン/クランチをメインに使用するプレイヤーにおすすめです。なお、グレッチとギブソンはライバル関係だったので、JETがレスポールの仲間だと言われるのは不本意かもしれません。しかし、レスポールが無かったらこのJETがうまれなかったであろうという考え方にも説得力があります。
Gretsch G5230T VS G5655TG Review (No Talking)
弦長、ナット幅 | 24.6″” (625 mm):ミディアムスケールよりわずかに短い、1.6875″” (42.86 mm) |
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ボディ材 | メイプルトップのチェンバード・マホガニーボディ |
ネック材&接続法 | マホガニー(Thin “”U””)、セットネック |
指板&フレット数 | ローレル12″”R、Medium Jumbo22F |
ピックアップ | Black Top Filter’Tron |
コントロール | Volume 1. (Neck Pickup), Volume 2. (Bridge Pickup), Master Volume, Master Tone、3-Position Toggle |
ハードウェア | Die-Cast TUNING MACHINES、Anchored Adjusto-Matic & Bigsby B50 |
レスポールの王道は、やはりギブソンで間違いありません。ギブソンを前にしては、他社のレスポールはレスポール・タイプに過ぎません。とはいえギブソンは歴史と実績がありすぎて、これまでのスタイルを逸脱しにくいのも事実ではあります。そんなわけで、本家だけでなく本家に比肩するレスポール・タイプも合わせて見ていきましょう。
レスポール・スペシャルは、レスポール・スタンダードとレスポール・ジュニアの間を埋める、言わば中価格帯モデルとして開発されました。しかし現代では、一枚板のマホガニー製ボディとP-90という組み合わせによるサウンドは美しく、上位機種に引けを取らないと認められています。また装飾を抑えた外観は素朴であり、また武骨でもあり、ストレートなロックのイメージによく馴染みます。
ボディは薄型で、空洞を開けなくても軽量です。クリーン~クランチ、程よいオーバードライブまでをメインに使用する、シンプルなギターを求める人におすすめです。
Gibson Les Paul Special – All Playing, No Talking
弦長、ナット幅 | 24.75″”(ミディアムスケール)、1.695″” / 43.05mm |
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ボディ材 | マホガニー |
ネック材&接続法 | マホガニー(Vintage 50s)、セットネック |
指板&フレット数 | ローズウッド12″”、22F |
ピックアップ | P-90 |
コントロール | 2 Volumes, 2 Tones & Toggle Switch (Hand-wired with Orange Drop Capacitors) |
ハードウェア | Vintage Deluxe w/ White Buttons、Wraparound Bridge |
本家ギブソンのレスポール・スタンダードは、ヴィンテージ・フィール溢れる「50s」と、今なお現役というより現代標準と表現して良い「60s」の2タイプが基本です。
50sは丸みのある肉厚なネック、アルニコ2磁石を使用した比較的低出力のハムバッカー、軽量なクルーソン型ペグという組み合わせです。対する60sはスリムなネック、アルニコ5磁石を使用した比較的高出力のハムバッカー、堅牢なロトマチック型ペグという組み合わせです。そっくりな両機ですが見分け方はカンタンで、コントロールノブの上面に金属板が埋め込まれているのが60sです。
両機ともボディ材に孔を開けない昔ながらの設計で、4.5キロを越える重量級の個体も散見されます。だがそれが良い。重量調整もバックコンターもいらない。コイルタップなどなおさらいらない。そんな、凛としたレスポールを望むギタリストにお勧めです。
Gibson 2019 Les Paul Standard `50s vs `60s Review (No Talking)
弦長、ナット幅 | 24.75″”(ミディアムスケール)、43.05 mm(1.694″”) |
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ボディ材 | メイプルトップ&マホガニーバック |
ネック材&接続法 | マホガニー(50s Vintage / SlimTaper)、セットネック |
指板&フレット数 | ローズウッド12″”R、ミディアムジャンボ22F |
ピックアップ | Burstbusker |
コントロール | 2 Volumes, 2 Tones & Toggle Switch (Hand-wired with Orange Drop Capacitors) |
ハードウェア | 50S:ヴィンテージチューナー、ABR-1 Tune-O-Matic ’60S:Grover Rotomatics、ABR-1 Tune-O-Matic |
ポール・リード・スミス(PRS) 「S2 MCCARTY 594 SINGLECUT」は、ヴィンテージ・レスポールの持つ温かなサウンドを(PRSとしては)リーズナブルな価格で手に入れられるギターです。直線的にカットするボディトップやヘッドのスカーフ・ジョイント、デカール化したヘッドロゴなどで価格を抑えてはいますが、上位機種と同じくPRSのUSA工場で製造、ネックグリップやモデル名にもなっている24.594インチの弦長、10インチの指板Rなど各種の寸法に加え、1958年製PAFを2015年に再現した「58/15 LT」ピックアップ、音響性能を高めたヴィンテージ・チューナーと2ピース・ブリッジといった主要部品は上位機種と同じです。
ヴィンテージのフィーリングを非常に重視したギターですが現代の楽器としての演奏性も重視しており、滑らかに整えられたヒールカットによってハイポジションは弾きやすく、バックコンターにより抱え心地は良好です。またトーンノブに仕込まれたスイッチにより、各個にコイルタップ可能です。
なお、モデル名になっているテッド・マッカーティさんはポール・リード・スミスさんの師匠で、現役時代にはギブソンの社長として同社の黄金時代を築きました。
The S2 McCarty 594 Singlecut | PRS Guitars
弦長、ナット幅 | 24.594”(ミディアムスケールよりわずかに短い)、1 11/16″” |
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ボディ材 | メイプルトップ&マホガニーバック(w/ バックコンター) |
ネック材&接続法 | マホガニー(Pattern Vintage )、セットネック(W/ヒールカット) |
指板&フレット数 | ローズウッド10″”R、22F |
ピックアップ | 58/15 LT |
コントロール | Two Volume and Two Push/Pull Tone Controls with 3-Way Toggle Pickup Switch on Upper Bout |
ハードウェア | Vintage-Style Non-Locking Tuner with “Wing” Buttons、PRS Two-Piece Bridge |
海外からの支持も厚い日本製のギターは、厳しい厳しい出荷基準をクリアした確かな品質が最大の強みです。また独自の柔軟な設計が積極的に採用されたモデルが多く、ルックス、プレイアビリティ、サウンドともにアイデンティティを感じさせます。
「PE-R80」は、アリアプロIIの代表機種「PE」シリーズの歴史の中で一つの完成に至ったと評される名機です。曲面を描くメイプル製のトップとバックがマホガニー材を挟むという独特なボディ設計、ハイポジションの演奏性が極めて高いヒールレスカッタウェイデザイン、埋め込むように設置された操作系といったPE伝統の設計を受け継ぎつつ、弦長や操作系の配置などを原点回帰させています。上面の溝から弦交換できるテールピースはこのモデルで初めて採用された、弦交換を時短できるイノベーションです。
2基搭載されている「Classic Power Humbucker」ピックアップは非常に強力な出力を持っていますが、各個に操作できる「シリーズ(直列)/パラレル(並列)」切替スイッチを駆使することで、官能的なクリーントーンを放つことも可能です。
弦長、ナット幅 | 628mm(ミディアムスケール) |
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ボディ材 | Maple Carved Top & Back, Mahogany Center(w/ バックコンター) |
ネック材&接続法 | メイプル、セットネック(ヒールレス・カッタウェイ) |
指板&フレット数 | Striped Ebony(縞黒檀)、22F |
ピックアップ | Classic Power Humbucker x 2 |
コントロール | 2 Volume, 2 Tone, 2 ,Dual Sound SW, 3-way PU selector SW |
ハードウェア | Gotoh SG301、SPT Bridge & QH Tailpiece |
フジゲン(FGN)の「EFL-FM」は、スーパーストラトEOS2と双璧を成す、同社のフラッグシップモデルです。グラマラスな曲線美が楽しめるボディは抱えやすく、シンプルな操作系は落としこみで配置されており演奏の邪魔になりにくくなっています。
フレットのエッジとジョイント部は丸く整えられ、ネック裏はサテン仕上げが採用されており、極めて高い演奏性を達成しいています。しかしヒール部の厚みが十分に残されているので、しっかりとした弦振動も確保しています。お家芸のサークル・フレッティング・システムも手伝い、明瞭で立ち上がりの速い、サスティーン豊かなサウンドが得られます。
独自設計のテールピースにより、弦の張り方をトップロードと裏通しの2種類から、弦ごとに選べるのも面白いポイントです。
Anything Goes – Kelly SIMONZ with FGN GUITARS / EFL-FM (PROTOTYPE)
弦長、ナット幅 | 24.75″”(ミディアムスケール) |
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ボディ材 | Flamed Maple Top / Mahogany Back(w/ バックコンター) |
ネック材&接続法 | Mahogany U-Shape、セットネック |
指板&フレット数 | ローズウッド、22F Jumbo C.F.S. |
ピックアップ | FGN FL-1 |
コントロール | 1Volume, 1Tone, 3Way Toggle SW |
ハードウェア | GOTOH SG301-20、GOTOH GE104B |
E-II「EC BB」はレスポール・カスタムを出発点にしつつ、モダン/ヘヴィ方向に思い切り振りきったモデルです。大きな特徴である「セット・スルー(Set-thru)」ネックジョイントは、ブリッジまで達する長い長いネックポケットにネックを収める接続法で、価格を抑えながらスルーネックに比肩する音響性能を達成しています。その恩恵で大胆なヒールカットを施すこともでき、ずば抜けたハイポジション演奏性が得られます。
EMG60/EMG81両ピックアップは基本的にジャンルを選ばない大変優秀なモデルで、特にヘヴィ系の分野で厚く支持されています。
New Song No.2 (ESP E-II Eclipse BB 2019 EMG 81/60 & Nux Cerberus)
弦長、ナット幅 | 628mm(ミディアムスケール)、42mm |
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ボディ材 | メイプルトップ&マホガニーバック(w/ バックコンター) |
ネック材&接続法 | マホガニー(Thin U)、Set-thru(W/ヒールカット) |
指板&フレット数 | エボニー305R、XJ, 22F |
ピックアップ | (Neck) EMG 60, (Bridge) EMG 81 |
コントロール | Bridge Volume, Neck Volume, Master Tone, Toggle PU Selector |
ハードウェア | GOTOH SG301-04 MG-T、GOTOH GE103B-T & GE101Z |
ゼマイティス(Zemaitis)の日本製上位モデル「MFG-AC-22」は、アフリカンマホガニー製ボディ&ネック、エボニー指板という贅沢な木材を使用した本体と、「A.C.ZEMAITIS SINCE 1955」の文字が刻まれたジュラルミン製プレートが特徴です。彫金はこのほか至るところに施され、貫禄と威厳を感じさせます。
ジュラルミン製プレートは、個性的なトップ材として機能します。メイプルをはるかにしのぐ硬さによりサウンドの輪郭が強調され、豊かなサスティンが得られるほか、金属の音響特性でサウンドのエッジが立ち、クランチやオーバードライブで特に良好です。基本性能が高く、ルックスでもサウンドでもキャラクターが立っている、そんなギターを求めるプレイヤーにお勧めです。
Zemaitis MFG-AC-22 Review (No Talking)
弦長、ナット幅 | 25″”(ロングスケールとミディアムスケールの中間)、43mm |
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ボディ材 | Duralumin TOP & Select African Mahogany BACK |
ネック材&接続法 | Select African Mahogany、セットネック |
指板&フレット数 | エボニー12″”R、ミディアム22F |
ピックアップ | Dragon Classic |
コントロール | 2 volume, 2 tone, 3-way toggle |
ハードウェア | Gotoh SG301-01-Chrome、Zemaitis Alminium Bridge & tail piece |
以上、レスポールに注目して、特徴や選び方、おすすめモデルをチェックしていきました。モデルによってはレスポールを大きく逸脱したものもありますが、ギブソン・レスポールがなかったら誕生しえなかったギターであることに間違いはありません。ぜひお気に入りの1台を探し当ててください。
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