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ルー・リード(Lou Reed)

ルー・リード

ルー・リードは後のパンクやオルタナに大きな影響を与えた The Velvet Underground のギター/ボーカルであり、多くの曲を作詞・作曲しました。また、同バンドが解散した後もソロとして活動し、多くの名曲を作り出しました。ソロとしてのキャリアは豊富でデビット・ボウイなどたくさんの大物アーティストと共作をしています。

その繊細で陰鬱ながらポップな曲調とダークで芸術的な詩、そして挑戦的な姿勢はアート・文学的なものとしてのロックの価値を高め、後世に多大な影響を与えました。

詩的でダークな音楽的才能は性格にも表れおり、彼はかなり神経質かつ不安定で偏屈だったようで、多くのインタビュアーや共同制作者を困らせていたようです。そのためトラブルを起こすことも多く、デヴィッド・ボウイやスラッシュなどの共同制作者はルー・リードと喧嘩をしたと語っています。とくに彼の盟友でもあるデヴィッドは、殴り合いまでしたといいます。ヘロインなども常習していたと本人が語っており、インテリっぽい彼のイメージとは裏腹に、不安定で攻撃的な人物だったようです。

Biography

1942年3月2日 生まれ、アメリカニューヨーク州ブルックリン出身。
大学在学中に詩作を学び、中退後レコード会社に入社し、雇われソングライターとしての仕事を始めます。このころから自分のレコードを出したいと思っていたようで、1965年にThe Velvet Undergroundを結成。バンドはヒットに恵まれず1970年に脱退しますが、ルー・リード在籍時のThe Velvet Undergroundはバンドの解散後にパンクやオルタナの始祖となるバンドの一つとして大きく評価をされました。

その後は1972年にアルバム「Lou Reed」を発表しソロとしての活動をスタートさせます。同年に発表されたアルバム「Transformer」でヒット。このアルバムはデヴィッド・ボウイも参加しており、収録曲「Walk on the Wild Side」は彼の代表曲として知られています。その後も多くのアーティストと共演しながら、当時の音楽に合わせて様々な挑戦をしてきました。
2013年になると体調が思わしくないことが報道され、10月27日に肝臓疾患のために71歳で亡くなりました。彼の死に関してはファンだけでなく、多くのアーティストが追悼の言葉を述べ、その影響力が現代でもなお強いものだと再認識させました。

ギタープレイの特徴

彼の作る曲は全体的に陰鬱な曲・詩が多いですが、ポップさを失うことはありません。アルバムごとに様々なアプローチをし、その度に挑戦的だが聞きやすい曲を作り上げることのできるアーティストです。しかし、そのアプローチが強烈過ぎて、一時間以上ギターノイズのみが収録されたアルバムを発表するなど、時にファンを混乱させるような問題作を作ることもありました。
また、とにかく多くのアーティストと共作をしており、盟友であるデヴィッド・ボウイはもちろん、ミック・ロンソン、メタリカ、U2、R.E.M.、エルビス・コステロ、スマッシング・パンプキンズなどの大物アーティストだけでなく、マリリンマンソンやラムシュタイン、メタリカ、などのジャンルを超えたアーティストとも楽曲を制作しています。これは自分の知らないジャンルを自分の世界に取り入れることによって、新しいものを作っていこうという彼の挑戦的な姿勢の表れでしょう。どんなに多くのアーティストと共演しても自分らしさを失わないことが彼の大きな魅力の一つといえるでしょう。

彼は特に詩作に拘っており、また世間での評価もギタリストというより作曲者としての彼を評価する傾向にあります。しかし、彼のギタープレイもまた特徴的で、あまり複雑な技術は使わずとも多くの世界観を作り出すことができ、また時に悲しく時に甘い、そして過激な時はとことん過激といった風に多彩な表情を持ったサウンドを生み出すことができたギタリストでもありました。

使用機材

ギター

Epiphone Riviera Riviera Custom P-93

Epiphone Riviera

初期の楽曲から頻繁に使用しているギターです。Transformer のジャケットで持っているギターでもあり、彼の中ではお気に入りの機材のようです。セミアコ・ハムバッカーの特徴を生かし、時にはクリーントーンで、また別の時はFuzzで激しくひずませるなどして様々な音色を奏でました。よく使用した奏法もフィードバックとカッティングとシンプルなものでしたが、曲によっては10分以上カッティングを続けるなど、新しい技術の使い方を模索していたのが伺えます。
こうした姿勢から複雑な技術は用いることより音作りや曲構成、コード進行などギターの基本的な部分を最大限に生かすことで、数々の名曲生み出したギタリストということができるでしょう。

メインのギターは Epiphone Riviera ですが、他にも GIBSON ES-335フェンダー・テレキャスター、シンセサイザーメーカーである moog が発売したギターなど、多くのギターを所有し使い分けているようです。彼は機材のブランドよりも音や使いやすさに拘ったようで、ライブでフェルナンデスの安価なギターを使用したこともありました。ブランドに流されない、音楽に対するストイックな姿勢は本物です。
エピフォン

アンプ

1484-silvertone-ampSilvertone 1484 Amp

Silvertone 1484 Amp

The Velvet Underground 時代から所有しているアンプで、多くのライブ・レコーディングで使用しています。

他にも Fender Deluxe Amp や Vox AC100 The Super Beatle Amp などアンプも多数所持し、使い分けをしているようです。

エフェクター

vox-toneblender-fuzzVox Tone Bender Fuzz

Vox Tone Bender Fuzz

The Velvet Underground 時代に多く用いたファズです。ソロ時代にも実験的な曲を作る際には使用したようです。カントリーなどを源流にもつ彼ですが、ファズのような激しいエフェクターを用いることで新たな音楽を生み出そうとしたのでしょう。

音に拘る彼だからこそ、メインの機材以外にもたくさんの機材を所有していたようです。また、珍しい機材を購入するのも好きだったようで、ライブなどで使用したかは分かりませんが日本の Guyatone(グヤトーン)製ギターも持っていました。
また、彼の死後、多くの機材はオークションに出されましたが、ギターなどの重要な機材はアーカイヴとして Sister Ray Enterprises が保管し、将来展示する予定があるようです。機材のコレクションが趣味ということもあって、その機材の数は膨大であり、公の場では使われなかったものも多数あるようです。
ファズ

Disco

The Velvet Underground and Nico

1967年に発表された The Velvet Underground のデビューアルバム。インパクトのあるジャケットからバナナ・アルバムの別称で呼ばれています。本作はプロデューサーの要望で一部の楽曲をニコが歌っていますが、これはルー・リードの評価がプロデューサーの中で低かったためです。後にルー・リードが評価されたことでプロデューサーは恥をかいたことでしょう。
同バンドの中でも人気が高く、後世に強い影響を与えたことから名盤とされています。ルー・リードに興味がなくてもロックに興味があるなら聴くべきアルバムと言っていいほど、ロック史にとっては欠かせないアルバムとしての地位を確立しています。是非手に取って聞いてみてください。

Transformer

1972年に発表されたソロとしての2枚目のアルバムです。名曲「Walk on the Wild Side」が収録されているのも本作になります。彼の初ヒットとなったアルバムでもあり、その後のキャリアを決定づけた一枚といってもいいでしょう。今までまとまりのなかったソロでの活動をようやく形にできた作品とも評価されており、決して外すことのできないアルバムといえるでしょう。The Velvet Underground よりも聞きやすい曲が多いですが、彼の音楽性は変わることなく表現されている名盤です。