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メキシコ製フェンダー・テレキャスター徹底分析!

メキシコ製フェンダー・テレキャスター

フェンダー社は、

アメリカのコロナ工場(カリフォルニア州コロナ)
メキシコのエンセナダ工場(ババ・カリフォルニア州エンセナダ)
二つの直営工場を持っています。

エンセナダ工場の生産体制は「コロナ工場以上」とも言われ、

  • 昔ながらのスタイルを継承した「クラシック・シリーズ」
  • 現代的なテイストを盛り込んだ「デラックス・シリーズ」
  • アーティストモデル

などのシリーズで、クオリティの高い製品を生産しています。

今回は、このエンセナダ工場で生産されるいわゆる「フェンダー・メキシコ(MEX)」のテレキャスターに注目してみましょう。

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1: よくあるご質問「メキシコ製って、どうなの?」 1.1: メキシコとUSAを比べてみよう 1.2: ボディ/ネックの比較 1.3: 電気系の比較 1.4: 金属パーツ 1.5: 付属品 2: メキシコ製テレキャスターのラインナップ 2.1: モダン(現代的)なスタイルのテレキャスター 2.1.1: スタンダード・シリーズ 2.1.2: デラックス・シリーズ 2.1.3: モダン・プレイヤー・シリーズ 2.2: トラッド(伝統的)なスタイルのテレキャスター 2.2.1: クラシック・シリーズ 2.3: アーティストモデル 2.3.1: Taxman Telecaster 2.3.2: Chris Shiflett Telecaster Deluxe 2.3.3: Jim Root Telecaster 2.3.4: J5 Triple Tele Deluxe 2.4: インドネシア製のテレキャスター 2.4.1: Special Edition Custom Telecaster FMT HH 2.4.2: JIM ADKINS JA-90 TELECASTER THINLINE

よくあるご質問「メキシコ製って、どうなの?」

これについては、メキシコ製ストラトキャスターのページで解説しています。エンセナダ工場について、生産体制について、製品の品質についてなどのテーマに触れています。興味がある人は、ぜひ読んでみてください。
メキシコで作られるフェンダー・ストラトキャスター徹底分析!

コロナ工場もエンセナダ工場も、同じ木材を使用して同じ生産体制を敷いています。メキシコ製のギターは求めやすい価格帯のギターを作っているのであって、品が悪いから安いというわけではありません。両工場とも、カスタムショップに所属するマスタービルダーの技術指導のもとで製造技術の維持と向上に努めており、製品の品質に差があるわけでないのです。

メキシコとUSAを比べてみよう

メキシコとUSAでは、加工技術や仕上がりの美しさに差が出るわけではありません。とはいえ価格の差はかなり歴然としていますね。その違いはどこにあるんでしょうか。人件費の話はさておき、ギター本体の仕様を比較検証してみましょう。

メキシコとUSAテレキャスター比較 上:メキシコ代表:Standard Telecaster(\83,000)
下:USA代表:American Professional Telecaster(\200,000)
倍以上の価格差が付いていますね。この価格差はどこに由来するんでしょうか。

「スタンダード・テレキャスター」は、その名が示す通り標準的な仕様で仕上げられたテレキャスターです。対する「アメリカン・プロフェッショナル」は、USA製の標準機「アメリカン・スタンダード(アメスタ)」に代わってリリースされたシリーズです。時代を見据えつつ、さらに一歩先を行く高機能な現代版に仕上がっていますが、「標準(=スタンダード)」の名をMEXに譲ったことで、アメリカン・プロフェッショナルは「1ランク上位のモデル」であるという扱いになったようです。とはいえ本体価格はアメスタより抑えられているので、昔のフェンダーを知っている人からすると「まだ手に入れやすい価格の標準機」だと言えるでしょう。では、この二本を比較してみましょう。

ボディ/ネックの比較

モデル名 Standard Telecaster (MEX) American Professional Telecaster (USA)
ボディ材/塗装 アルダー/ポリエステル アルダー/ポリウレタン(グロス仕上げ)
カラーバリエーション 5色 9色
ネック材/塗装 メイプル/ネック裏はウレタンのサテン仕上げ
ヘッド表は同グロス仕上げ
同左
指板まわりの仕様 弦長25.5インチ
9.5インチ指板R
人工骨製ナット
ナット幅42mm(標準的)
ミディアムジャンボ21フレット
弦長25.5インチ
9.5インチ指板R
天然骨製ナット
ナット幅42.8mm(やや広め)
ナロートール22フレット
ネックグリップ モダン”C” 新開発”ディープC”
トラスロッド ヘッド側から調節。
順ぞりに効く。
エンド側から調節。
両効き(Bi-Flex)

表:ボディ/ネックの比較

ボディ材とネック材そのものには、違いは見受けられません。MEXもUSAも同じ木材を使用しているようですが、ボディの塗装にはポリエステルとポリウレタンという違いが出ています。MEXのボディ塗装は、一部のモデルを除いてポリエステル塗装が基本となっており、USAはウレタンが基本となっています。現代のポリウレタン塗装は塗膜をかなりのところまで薄く仕上げることができるため、木材の振動を活かしやすいという大きなメリットがありますが、そのぶん仕上げをシビアに行う必要があるため本体価格が上がっていきます。反対に、ネック塗装については同仕様となっています。トラスロッドの違いこそあれ木材と塗装が同じことから、MEXとUSAでネックの音響性能についてそれほど差はない、と見ることができるでしょう。

細部にはいくつかの違いが見受けられます。MEXは現代の標準的な仕様でまとめる半面、フレット数は伝統的な「21」となっています。USAのネックはやや幅が広くなり、新開発のフレット、新開発のグリップを採用するなど、フェンダーが提唱する新しい価値観が反映されています。トラスロッドの性能にも差が設けられているのがわかりますね。MEXのトラスロッドは順ぞりしたネックを修正する方向にしか効きませんが、通常の使用で問題になることはほぼありません。

電気系の比較

モデル名 Standard Telecaster (MEX) American Professional Telecaster (USA)
ピックアップ名 Standard Single-Coil Tele 新開発V-Mod Single-Coil Telecaster
フロントピックアップのマウント法 ピックガードにネジ留め 同左
操作系 1V1T、3wayセレクタ 1V(新開発トレブルブリード・トーンサーキット付)1T、3wayセレクタ

表:電機系の比較

電気回路にこだわるフェンダーらしく、こちらではピックアップにも回路にもグレード差がつけられています。フロントピックアップの設置法については、両方ともピックガードマウントになっていますね。伝統的なスタイルのテレキャスターの場合「ボディに直接マウント」が基本ですが、この場合ピックガードを外さないとピックアップの高さ調節ができません。フロントピックアップ周辺がつるんとしていてかわいい、というのがテレキャスターのチャームポイントの一つだったのですが、それを捨ててまでピックガードマウントに変更することで、プレイヤーの求めるセッティングに合わせやすくなっているわけです。

金属パーツ

モデル名 Standard Telecaster (MEX) American Professional Telecaster (USA)
ブリッジ 6連ブロックサドル 新開発調整済3連ブラスサドル
ペグ ロトマチック(Cast/Sealed) スタガード・ロトマチック(Cast/Sealed)

表:金属パーツの比較

金属部品についても違いが見られますね。MEXは、まさに「現代標準」という仕様となっています。伝統的な3連サドルには根強い人気がありますが、6連サドルはオクターブ調節がキッチリと合わせられる、現代版では必須ともいえる仕様です。堅牢なロトマチックペグは、伝統的なクルーソンタイプに比べてサスティンが確保できるアドバンテージがあります。MEXでは標準的なロトマチックペグが、USAではストリングポストの高さに変化を付けたロトマチックペグが採用されています。

付属品

モデル名 Standard Telecaster (MEX) American Professional Telecaster (USA)
ケース ソフトケースもしくはギグバッグ Eliteハードケース
その他 “Ashtray”ブリッジカバー

表:付属品の比較

付属品は「おまけ」ではなく、付属品の価格も本体価格に含まれます。それゆえケース単体の価格差も本体価格の差に反映されます。USAに付属するアッシュトレイ・ブリッジカバーは、サドルのみを覆うようにできているもので、装着した状態でも問題なくブリッジミュートができます。

以上、いろいろな項目についてMEXとUSAを比較しました。グレード的な違いや価格の差について、まあまあ納得できるのではないでしょうか。「現代の標準」を追求してシンプルにまとめているスタンダード・テレキャスター(MEX)に対し、最新の理念を積極的に採用するアメリカン・プロフェッショナル(USA)、という「コンセプトの違い」がグレードの差となって表れているのが分かりますね。

メキシコ製テレキャスターのラインナップ

ではここから、エンセナダ工場で作られるテレキャスターのラインナップをチェックしていきましょう。テレキャスターのラインナップは、

  • モダン(現代的)なスタイル → スタンダード、デラックス、モダン・プレイヤーなど
  • トラッド(伝統的)なスタイル → クラシック・シリーズ、クラシック・プレイヤーなど
  • アーティストモデル

という3タイプに大別できます。このうち「モダン・プレイヤー」と「クラシック・プレイヤー」は名前の通りにカテゴライズしていますが、トラッドな外観に新しいアイディアを吹き込んだものも多く、モダン/トラッドと簡単に分けにくくなっています。