《楽器ごとに紹介!》ギターの弦を交換する方法

[記事公開日]2023/12/25 [最終更新日]2023/12/26
[ライター]小林健悟 [編集者]神崎聡

「弦が切れた!」「弦が錆びた!」こんな時には、新しい弦に張り替える必要があります。その都度ショップに弦交換を依頼しても良いんですが、自分でできるようになっておいた方が安心ですね。そんなわけで今回のテーマは、エレキギターの弦交換です。エレキギターはペグの仕様とブリッジの仕様によって弦交換の手順が異なりますから、いろいろなタイプごとにチェックしていきます。ギター博士と一緒に弦の張替えにチャレンジしてみましょう!

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1: ギター弦の交換に必要なもの 2: ストラトキャスターの弦交換 3: ロック式ペグの弦交換 4: レスポールの弦交換 5: フロイドローズ・タイプの弦交換 6: ビグスビーの弦交換 7: 弦交換のトピック(弦の寿命、交換の目安など)

ギター弦の交換に必要なもの

ニッパーとストリングスワインダー ニッパーとストリングスワインダー

弦交換には弦を切る「ニッパー」が第一で、フロイドローズ搭載機にはこれに加えて「6角レンチ」が必要です。このほかペグやブリッジの仕様ごとに、持っていた方がよい道具がいろいろあります。また、ペグを高速で回す「ストリング・ワインダー」があると便利です。

「ニッパー」は何でもいいの?

ニッパー PICKBOY「SC-150 ストリングカッター スチール弦用」
おそらく日本中どこの楽器店でも売っている、弦専用ニッパーのガチガチの定番。情け容赦ない切れ味で、ベースの太い弦もバチバチ切断でき、刃こぼれもしない。

弦を切るためには、弦専用のニッパーが最適です。エレキギターの弦は、一般的なエナメル線や銅線、針金などよりも遥かに硬い金属でできています。プラモデル用や電工用のニッパーは比較的やわらかいものを切断するために作られており、それ以上の性能は基本的には期待できません。1回や2回は切れるかもしれませんが、刃が弦に負けてしまい、鈍くなったり欠けたりする場合があります。

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フロイドローズ用の「6角レンチ」は何でもいいの?

6角レンチ SCUD「WRE-HS」
FRTユーザー必携の、レンチ&ホルダーのセット。レンチの寸法は、1.5/2/2.5/3mm。ホルダーをヘッドの裏などに取り付け、レンチは挿しこんでおく。

ギターを新品で買ったら、ほとんどの場合に適合する6角レンチが付属します。もし無ければ、適合するレンチを用意しておきましょう。フロイドローズの弦交換なら「3mm」の6角レンチが1本あればOKで、オクターブ調整のために2.5mmも持っておけば完璧です。

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ストリング・ワインダーは何でもいいの?

ストリング・ワインダー Aria「AW-1」
日本のメーカーが「アルトベンリ」という商品名で販売したことから、ストリング・ワインダーは平成末期まで「アルトベンリ」と呼ばれていた。

「ストリング・ワインダー」は、シンプル構造でお安いものから、頑丈なハンドルやスムーズに回転するベアリングなどを備えたハイグレードなものまで、さまざまなものがリリースされています。特に「ベース用」として設計された大型ペグ専用のワインダーでなければ、どんなものでも大丈夫です。
弦交換に必須というほどではないので最初から買わなくても良いですが、ひとまずワインダーなしでの弦交換を経験してからコレを試すと、「文明の利器」の素晴らしさが痛感できることでしょう。

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弦交換のついでに、お手入れもしておこう

指板やフレット、ブリッジ周りなど、弦をすべて外した状態だからこそできるお手入れを、ついでにやってしまいましょう。ギターがピカピカだと、とても気持ちよく練習できます。
《弦交換のついでにできる》ギターのお手入れ5つを紹介!
「フレット磨き」やったことある?プロの磨きを体験してみた!

ストラトキャスターの弦交換(すり割り式ペグ&シンクロナイズド・トレモロユニット)

ここではストラトキャスターの弦交換を見ていきますが、手順紹介の第一弾として他のギターにも通じる総合的な内容にも触れています。ストラトを持っていなくても、参考までにチェックしてみてください。
ここで紹介するストラトキャスターは、ストリングポストに縦の切れ目が入っている「すり割り式」ペグと、シンクロナイズド・トレモロユニットという組み合わせです。

ストラトキャスター:巻き付け完成図巻き付け完成図
弦を外す前のこの状態が、弦を張るお手本になる。心配なら写真を撮っておこう。この向きを間違えると、チューニングが不安定になったり弦の感触が変わってしまったりする(なお、リバースヘッドではこの方向が逆転する)。

これは、生涯初の弦交換では絶対的に必要な手順です。弦がストリングポストにどういう方向で巻き付けられているかを確認しましょう。この方向で巻かれた状態が、ストラトキャスターの本来の姿です。

①全ての弦を外す

全ての弦を外す弦を緩めて外していく

では、ペグを回して1〜6弦までの全ての弦を外します。すり割り式ペグは、緩めるだけで簡単に弦を外すことができます。

②クロスでギターを拭いておこう

クロスでギターを拭いておこうついでにキレイに拭いておこう

いつもは弦が張ってあるヘッド・ネック・ボディ部分、この時についでに拭いて、隅々までキレイにしておきましょう!

③新しい弦を用意

新しい弦

新しいギター弦の登場です。これから弦を貼っていくよ♪
人生初の弦交換では練習のつもりで、失敗することも想定して安い弦を使うのがお勧めです。

④ブリッジ裏から表へ弦を通す

ブリッジ裏から表へ弦を通す

ひっくり返したことで、弦の並び順を間違えないように気を付けよう。
ボディ裏から弦を通していきますが、油断するとボールエンドが穴の入り口に引っかかることがあります。弦の末端が確実に穴の底に達していることを確認しつつ、そのままヘッドまで弦をのばしていきましょう。

⑤ペグの間隔2.5個分くらいで弦を切る

弦を切る

すり割り式ペグでは、適正な長さに弦を切ってから巻き付けます。少し余裕をもって巻き付けるために、巻き付けたいペグから数えて2.5個めあたりの位置で切断してください。プレーン弦(1/2/3弦)は滑りやすいので、摩擦を稼ぐため少し長めに切るのがお勧めです。

⑥ペグ穴に弦の先端を刺し、90度に折り曲げる

ペグ穴に弦の先端を刺し、90度に折り曲げます

ペグ穴に弦の先端を挿し、90度に折り曲げます。折り曲げた弦の先端はそのままペグ穴に収めておきます。

⑤→⑥の手順は、逆でも良い

ギター博士は「切ってから曲げる派」です。ペグ穴を利用して曲げるので工具に頼らなくてもよく、穴の深さを気にしなくてよいので素早く作業できます。
その一方で、「曲げてから切る派」の人も多くいます。ペンチを使えば狙った位置で直角に曲げられます。しかし、ペグ穴に挿す部分の長さがペグ穴の深さを越えないようにする必要があります。なお、挿す部分の長さが不十分だと、巻き付け作業の途中で抜けてしまうことがあります。

⑦弦が外れないように指で押さえながら回していく

弦が外れないように指で押さえながら巻き付けていきますペグ穴から弦が外れないように巻きつける

「手順⓪」で最初に確認した方向になるよう、ペグを回していきます。巻き始めのうちは指で押さえていないと弦が外れてしまいます。巻き付ける弦の根元部分を指でしっかり押さえながら回していきましょう。2周3周と巻いていく時、最初に巻き付けた部分よりも下へ下へ巻き付けていくとキレイに巻き付けることができます♪

⑧他の弦も巻き付けていこう

ギター博士が巻いた6弦

今回ギター博士が巻いた6弦。そんなにキレイに巻けてはいないかもしれないけど大丈夫!ちゃんと音は出ますし、チューニングも安定します。
同じ手順で他の弦も全部巻き付けて、1弦と2弦をストリングガイドに引っかけたら、巻き付け作業は完了です。大ざっぱにチューニングしたら、いよいよ仕上げです。

⑨チューニングしやすいように弦を伸ばす

弦を伸ばしておく引っ張って伸ばしておく

巻いたばかりの弦は、ストリングポストの巻き付けやサドルの折れ曲がり部分に「遊び」が残っています。このままではチューニングが安定しないため、それぞれの弦を引っ張って遊びをなくしていきます。なお、ギター博士はいつも12フレットあたりをつまんで引っ張ります。
チューニングして、引っ張って、またチューニングして、という作業を繰り返します。引っ張る代わりにチョーキングしたり、シャカシャカ弾いたりしても良いです。全部の弦の遊びがなくなってチューニングが安定したら、弦交換の完了です。

ロック式ペグの弦交換

ロック式ペグには

  • ①「マグナムロック」タイプ:ペグのツマミを回して弦をロックする
  • ②「バックロック」タイプ:裏側のホイールを回して弦をロックする

の2種類があります。いずれもペグが持つロック機能によって弦を固定しますからぐるぐる巻きつける必要がなく、交換作業の時間を短縮できます。

弦交換が楽でチューニングの安定にも効果がある:ロック式ペグ

①「マグナムロック」タイプ:ペグのツマミを回して弦をロックする

ペグの溝をピックなどで45〜90度まわす

①「マグナムロック」タイプでは、弦を緩めたあと、ストリングポストの頭の溝にピックやコインを当てて45〜90度ほど回すと弦のロックが解除されます。新しい弦を通してペグのツマミを回していくとやがて弦がロックされて、そのままチューニングができる状態となります。

②「バックロック」タイプ:ペグ裏のホイールを回して弦をロックする

ペグ裏のホイールをまわすだけで、弦がロックされる

②「バックロック」タイプでは、新しい弦を穴に通してペグ裏のホイールを回して弦をロックします。

チューニングが完了した状態 チューニングが完了した状態。余分な弦は切っておきましょう。

レスポールの弦交換

次は、レスポールの弦交換を行います。レスポールは基本的に、横穴式ペグとTOM(正しくは、「ストップ・テールピース&チューン・オー・マチック」)ブリッジの組み合わせです。

レスポール:巻き付け完成図 巻き付け完成図
弦を外す前に、弦の巻かれる方向を確認しておきましょう。レスポールなどで見られる片側3連のヘッドの場合、ヘッドの中心線から外側に向かって巻き付けるのが基本です。

①古い弦を外したら、テールピースに新しい弦を通す

「テールピース」と「ブリッジベース」「テールピース」と「ブリッジベース」

TOMブリッジは本来、全ての弦を外すと「テールピース」と「ブリッジベース」が簡単に外れるようになっています(動画のギターには、簡単に外れない機構が備わっています)。この仕様はギブソンがバイオリンを作っていた時代からの伝統で、弦の張力でブリッジを固定するようにしているのです。
しかしブリッジが外れたままだとこれらを留めるネジ(スタッド)が回ってしまいやすく、弦高など調整を崩しかねません。TOMブリッジの弦交換は1本ずつか、あるいは2~5弦を先に交換してから残りを交換するなど、ブリッジとテールピースを外してしまわない工夫をするといいでしょう。

新しい弦をテールピースから通すサドルの溝にはまっているのを確認しながら

テールピースの穴に、ボディエンド側から弦を通します。そのままヘッドまで引っ張っていきましょう。

②ペグ穴に弦を通し、少し戻し、根元側から逆方向に巻き付けて仮留めする

ペグ穴に弦を通す

横穴式ペグの弦交換はこの部分の作業が決め手です。ペグ穴に通した弦を少し緩ませて巻き付ける長さを確保し、根元側から逆方向に巻きつけます。これにより弦がストリングポストに仮留めされ、ペグを回す作業が進めやすくなります。
この部分の作業には色々な手法があり、他の仮留め法を使う人も、仮留めせずに巻き付ける人もいます。「巻き付け方によって音が変わる」という考え方まである、ギタリストがこだわるポイントです。

③弦が外れないよう、指で押さえながら回していく

指で押さえながらペグを回す

弦が仮留めできてからの要領は、ストラトキャスターの時と同じです。弦が外れないように指軽く引っぱりながら、グルグル回していきます。巻き付けの開始地点から下へ下へ、隙間なくキッチリとした巻き付けを目指しましょう。また、サドルの溝に弦が収まっているかどうかも確認しましょう。

④余分な弦をカットして、チューニングしたら作業完了

あまった弦はニッパーでカット

はみだした弦をそのままにしておくプレイヤーもいますが、危険だしケースへの収納が面倒になるので根元部分からカットしてしまいましょう。仕上げに弦を伸ばして遊びを抜いて、チューニングを安定させます。

フロイドローズ・タイプの弦交換

フロイドローズ(ダブルロッキング・トレモロ)は、ナット側とブリッジ側の両側をネジで固定することで極めて高いチューニング安定度が得られます。その引き換えに、弦交換では3mmの6角レンチが必須な上、手順がやや多くなります。

フロイドローズ搭載のエレキギターについて

⓪ファインチューナーをニュートラル位置にセットする

弦を外す前に、ファインチューナーがどちらにも充分に動けるよう、ニュートラルな位置にセットします。これは後からでもできるかもしれない作業ですが、弦を外してからだと回しにくいし、新しい弦を張ってからでもある程度チューニングが整わないと回しにくいので、最初にやっておくのがお勧めです。では、いよいよ作業開始です。

①ギタークロスをブリッジの下に潜り込ませる

ブリッジをちょっとだけ浮かせるのがコツブリッジがちょっとだけ浮くくらいがちょうど良い。

これは、アームアップのためボディに深いザグりがあったりブリッジがボディから浮いていたりする「フローティング設定」のギターで、指板やフレットのお手入れを想定して全ての弦を外す時に必要な作業です。フローティング設定でも1本ずつ交換する時や、ブリッジがボディ面に接しているギターでは不要です。画像のように、ギタークロスをブリッジの下に潜り込ませます。弦の張力を失ったブリッジが傾くのをある程度防ぐことで、弦を外したりチューニングしたりといった作業がしやすくなります。

②ロックナットを取り外す(六角レンチ使用)

ロックナットを取り外す

ロックナットを外す前に、どんな向きで固定されているかチェックしておきましょう。

③ヘッド側から弦を外す

ペグを回して全ての弦を緩め、外していきます。

「テンションバー」はどう扱う?

ナットのすぐ隣で弦を上から押さえつけているのが「テンションバー」。

フロイドローズ仕様の多くのギターで、ナットを通った弦は「テンションバー」の下をくぐります。古い弦を外したり新しい弦を張ったりする作業に少々手間取るほか、テンションバーの下に弦をくぐらせるときに塗装面にダメージを与えてしまうことがあるので注意が必要です。
そのため、「弦を緩めたらテンションバーを外し、弦の着脱作業を効率化させる」という人も多くいます。ただしそのためには、1)ネジ穴を痛めずに、2)元の位置にセットする、という心がけが必要です。
なお、ギター博士は「テンションバーは外さすに弦交換する派」です。

④ブリッジ側を外す(六角レンチ使用)

全ての弦を外すこれで全ての弦が外れた

ブリッジ側は、サドルのお尻に備えられたネジ(ストリングロック・スクリュー)がサドル内のブロック(ストリングロック・インサートブロック)に圧力をかけることで、弦を固定しています。このネジを緩めることで、弦は簡単に外れます。これでギターから弦が完全に外れました。

⑤弦のボールエンドをカットする

新しい弦の準備新しく入れる弦の準備

ブリッジのサドル穴に入れられるよう、新しく用意した弦のボールエンド部分をカットします。

⑥ブリッジ側に弦を固定する(六角レンチ使用)

サドル穴に弦を入れて固定するサドル穴に弦を入れて固定する

カットした弦の先端をブリッジ部分サドル穴(ロックインサート)に入れ、ネジを締め込んで固定します。
六角レンチを使用して調節します。

⑦ペグに弦を通し、チューニングする

ペグに弦を通して、しっかりとチューニングします。弦を何度か引っ張って、ペグの巻き付け部分とサドル側の折り曲げ部分の遊びを抜いておきましょう。

⑧ロックナットをとりつける

ロックナットを六角レンチで締めて、元通りに取り付けます。これでヘッド側の要因でチューニングが狂うことがなくなりましたが、その代わりペグでチューニングできなくなりました。

⑨ファインチューナーでチューニング完了!

先ほどチューニングをパキっと合わせたばかりですが、ロックナットの締め付けや弦自体の伸び縮みにより、チューニングがちょっと崩れるのが普通です。ロックナットを装着してからのチューニングは、ブリッジ側にあるファインチューナー(ファインチューニング・スクリュー)で行います。

これにて作業完了!!

ビグスビーの弦交換

ビグスビーは基本コンセプトが各モデルで共通しており、弦交換の方法は、

  • テンションバーを持たないもの
  • テンションバーを持たないもの

この二パターンあります。「ビグスビーは弦交換が面倒」と言われますが、実際のところはどうなんでしょうか。

テンションバーを持たないビグスビーの弦交換


ビグスビー搭載ギターの弦交換【ギター博士】

ビグスビーの弦交換は少し大変と思うかもしれませんが、ポイントを押さえていれば比較的スムーズにできます。ポイントは2つあって、一つ目は新しい弦のボールエンド側の処理です。ボールエンド側をラジオペンチで下の画像のように「ボールエンドの穴の向きと同じ方向に」少しだけ曲げておくと、ビグスビーの回転式シャフトのピンにボールエンドが通しやすくなります。

ビグスビーの弦交換:ポイント1

もう一つのポイントは、ピンにボールエンドを引っ掛ける時にあります。ビグスビーはピンにボールエンドを引っ掛けているだけの構造なので、弦を張っていない状態だと簡単に外れてしまいます。ビグスビーとボディの間にギタークロスなど厚手の布をキツめに敷くことによって、ボールエンドが軽く固定され、弦が外れるのを防ぐことができます。

ビグスビーの弦交換:ポイント2

テンションバーのあるビグスビーの弦交換


How to Install The Bigsby Vibramate V7 335 for Archtop Guitars

こちらは、ギターを加工せずにビグスビーを取り付けられるパーツ、「Vibramate(ビブラメイト(後述)」を介したビグスビー取り付けの作業を紹介する動画です。弦を張る作業は2分あたりから観られます。テンションバーを備えるビグスビーの場合、一旦テンションバーの下に弦を通します。カポタストを利用すると、作業中に弦が外れてしまうのを防ぐことができます。

「弦交換」のトピック

弦はどういう状態だったら要交換?

ギターの弦は手汗や手垢、また空気中の水分によって酸化し、黒ずんだり赤く錆びたりします。酸化が進行すると手触りやピックの当て心地が悪くなるほか、音が曇ったり伸びが悪くなったりします。特にオクターブチューニングにも影響を及ぼしますから、このままではギターが音痴になってしまいます。いつも良好なコンディションでギターを弾くためには、弦の感触やサウンドが劣化したり、ピッチが悪くなったりする前に弦交換してしまうのがお勧めです。

弦の寿命はどのくらい?

普段の練習量や手汗のかき方などプレイヤーの要因、温度や湿度など環境要因、この二つによって弦の寿命は上下します。また材料や製法の工夫で寿命を延ばした弦がある一方で、音のために延命措置を施さない弦もあります。特に長寿命をうたっていない普通の弦を使用する場合、短くて1週間~10日、長くて1か月程度でサウンドや触り心地の劣化が目立ってきます。弦交換の練習として安い弦を毎週交換しても、もったいなくはないのです。
だからといって、なるべく弦は長持ちさせたいですよね。練習が終わったあとに弦を柔らかい布で一本一本ていねいに拭く習慣を持つと、それだけで劣化の進行を大幅に遅らせることができます。また「フィンガーイーズ」などの潤滑剤を使用すると、弦が溶剤の膜で覆われるので感触の良さを維持でき、弦の寿命を延ばすことができます。

「エリクサー(Elixir)」などコーティング弦は、サビに強く、数か月程度の使用に耐えられるほど長持ちです。

Elixir(エリクサー)のギター弦について

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ギターの弦って何ゴミ??

交換した後のギターの弦、捨てるにはいったい何のゴミとして分別するべきでしょうか。これは住んでいる地域によってバラバラですが、クラシックギター弦で使われるナイロン製の弦は燃えるゴミ、アコースティックギターやエレキギターなどの金属弦は一般的には燃えないゴミ/不燃ゴミとして処分するケースが多いようですね。

「全弦交換」が基本!

ギターの弦は見た感じで錆びていなくても時間と共に劣化し、音が曇ってきたりチューニングの安定度が落ちたりしますし、柔軟性が低下するため演奏中に切れてしまう可能性が高くなります。よって切れたり錆びたりした弦だけ交換していると、新しい弦と劣化した弦とが混在する状態になり、弦ごとにタッチやサウンドがバラバラなギターになってしまいます。切れていなくても錆びていなくても、弦交換では全ての弦を新品に交換しましょう。


以上、いろいろなタイプの弦交換をチェックしていきました。ぜひ自分のギターの弦交換にチャレンジしてみてください。人生初の弦交換はすなかなかスムーズにはいかず、時間も相当かかるものです。しかし弦が消耗品であって、いつ切れてしまうかわからないものである以上、自分で交換できるに越したことはありません。
もちろん早ければ良いというわけでもありませんが、古い弦が張ってある状態から新しい弦のチューニング完了まで、お手入れや調整の時間を除いて30分以内でできれば「弦交換のスキルを習得した」と思って大丈夫です。クオリティを下げずに15分を切れたら、「弦交換マスター」の仲間入りができます。頑張ってくださいね!

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